祭の在り方

祭の在り方

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :2:1
総セリフ数 69
製作日 2011/10/1〜2011/10/1
概要説明  旅の途中でたまたま立ち寄った村で大きな祭りが開かれていた。
祭り騒ぎに参加したロッツたちだったが…人々の喧騒を見てロッツはふと考え込む。
お祭りとはなんであったであろうか…
利用にあたって 利用規約
目安時間 4分半程度   【〜5分】
登場キャラ セリフ数 性別 備考
ロッツ 21 パーティのリーダーの好青年。時々頼りなく、物思いに耽ることが度々ある。パーティの中では一番年下
オグゼル 23 パーティの最年長者。物知りで一番頼りになる。ちょっとがっちりした体格も頼もしい
セルフィ 25 パーティの華。ロッツより年上のため、姉御風を吹かせている。ただ、ロッツより頭の出来が劣っている…ややってレベルではないかもしれない






【村祭の夜】(旅の途中で寄った村で大きな祭りが開催され、大きな焚火の前で踊る人々。村のはずれで考え込んでいるロッツ)

001 セルフィ 「おっと…何してんだ?こんなとこで。祭り始まってんぞ」(骨付き肉をむしゃぶりつきながら)
002 ロッツ 「セル姉…」
003 セルフィ 「なーんて顔してんだ、ロッツ」(ロッツの頭をゴンと叩く)
004 ロッツ 「って…」
005 セルフィ 「祭りなんだから、んな辛気臭い顔してたら村人からボコられるぞ?」
006 ロッツ 「ん…」
007 セルフィ 「なーんだ?悩みごとか?姉さん聞くぞ?」(屈んで覗き込む)
008 ロッツ 「…いや、この村の祭りって有名なんだよね」
009 セルフィ 「有名有名。超→有名。姉さん知らなかったけど」(胸張る)
010 オグゼル 「それがこの村の観光資源だからな」(酒をグイッと飲みながら現れる)
011 ロッツ 「オグゼルさん」
012 オグゼル 「なんだ、お前たちが来ないからずっと待っていたんだぞ」
013 セルフィ 「酒飲んで?ちょっとあたしの酒は?」
014 オグゼル 「セルフィはセルフ(ィ)だ」
015 セルフィ 「意味わかんない」(オグゼルの頭はたく)
016 オグゼル 「あだっ…すぐ暴力はよくないぞ…」
017 ロッツ 「なんか人ばっかり集まってお祭り本来の根本を忘れられてる気がするんだ」
018 オグゼル 「精霊様のご心配かい?」
019 セルフィ 「どうした、らしくない」
020 ロッツ 「僕がそんなこと考えてるのは変?」
021 セルフィ 「超ー、変。姉さんが勉強してる並に変」
022 ロッツ 「それは言い過ぎだよ…」
023 セルフィ 「あ?」
024 オグゼル 「ロッツ、気持ちは分からなくない」
025 ロッツ 「オグゼルさん…」
026 オグゼル 「祭りは伝統、伝承を伝える一種の手段だ。語り部が血反吐吐くまで喋らなくとも受け継がれていく」
027 ロッツ 「語り部血反吐吐くのっ?」
028 オグゼル 「暗記するまでが厳しいらしいな」
029 セルフィ 「良かった、あたし語り部の家系じゃなくて」
030 ロッツ 「語り部に辛い思いをさせないために祭りってあるの?」
031 オグゼル 「いや、語り部の仕事が無くなるわけではないからな。ただ、語り部のように一部しか参加しなかったのが、民衆…村全体が参加するようになったのが祭りだ」
032 セルフィ 「酒飲んで、ワーワー騒いで盛り上がれば、OKじゃない?」
033 オグゼル 「本来、祭りには儀式的なものがあり、簡略化されたのが今の形態なわけだ」
034 ロッツ 「時代と共に変化していったんだね」
035 オグゼル 「そうだ。人々に受け入れられるように。セルフィのような者もいるからな」
036 ロッツ 「飲んだり食ったりできるお祭り騒ぎに参加できればいいや的な?」
037 セルフィ 「ちょっと、姉さんを悪い例みたいに言わんでもらえる?」
038 オグゼル 「まぁ、あれだ。こうして村あげてのお祭り騒ぎをしているのだから乗じて楽しめ、ロッツ」
039 ロッツ 「うーん…」
040 セルフィ 「ったく!シケた面してんじゃねぇっての!」(背中バシンと叩く)
041 ロッツ 「イタッ」
042 オグゼル 「あのな、ロッツ。一つ言っておく。何でも大きくなれば統制ってもんが取れなくなる」
043 セルフィ 「そだぞ。今はロッツ合わせて三人のパーティーだけどもしこれが騎士団とか旅団くらいの人数集まったら自由なことできなくなるだろ」
044 オグゼル 「セルフィが沢山集まったらと考えると分かりやすいだろ、なぁ?」
045 ロッツ 「わ、それは面倒だし大変だ…」
046 セルフィ 「だから、あたしで喩えんなっ」
047 オグゼル 「祭りもそういうものだ。人気になればなるだけ、本来の目的を離れたパフォーマンスになりやすい。だからこそ従来の伝統を守り抜く者も重宝される」
048 セルフィ 「伝統伝統って堅っ苦しくてやってらんないわよ」
049 オグゼル 「まぁ、セルフィのような奴が多いから祭りも変わらず得なかったのだろうな」
050 セルフィ 「だーかーらー」
051 オグゼル 「酒でも飲んで静かにしていろ。ギャースカ騒ぐのが祭りではないぞ」
052 ロッツ 「…やっぱり納得できないや」
053 オグゼル 「そこまで言うなら祭りの運営しているところに行ってみるがいい。考えるより単純なことではないからな。こうした祭は」
054 ロッツ 「うん…」
055 セルフィ 「お祭ははしゃげれば何でもいいと思うけどねー」
056 オグゼル 「祭の在り方…な。はしゃげる時にはしゃぐのが人間というもんだ。な、ロッツ」
057 セルフィ 「ほーら、ボケッとしてないであの火の中に飛び込んで来なさいよ」
058 ロッツ 「なんでさっ」
059 セルフィ 「シケた奴は乾かせば熱く燃え上がるもんよ」
060 ロッツ 「それ、『しけった』。セル姉、オグゼルさんみたいだよ…」
061 セルフィ 「な…ちょっ!あたしをおっさんと一緒にしないでよね!」
062 オグゼル 「うぉ…なんか傷つくな…」
063 セルフィ 「おっさんはおっさんでしょ。そんくらい自覚してるでしょ」
064 オグゼル 「おっさんおっさん連呼するな。老ける」
065 セルフィ 「散々人をダシに使った罰よ」
066 オグゼル 「いいダシが効いていたぞ。ロッツがうまかったと。分かりやすかっただろう?」
067 ロッツ 「まぁ…」
068 セルフィ 「だからふざけるなって言ってるでしょー」
069 オグゼル 「祭だ祭。若もんは疲れ果てるまで踊ってこいっ」






作者のツブヤキ
 仙台七夕について研究発表があり、それを聞いた時に思い付いた作品です。
仙台七夕もすっかり大きなイベントとなり、何十万人と人が来る大イベントとなっていますが、内容はどうでしょうか。
昔ながらの手作りといったものは消え、多くは業者に依頼して作る七夕飾り、また商店街の衰退による薬局等のチェーン店参入による代わり映えの無い広告飾り。
昔は駅前のアーケードだけではなく、各商店街もやっていたものの、人が来ないのでやめてしまったというところも数多くあるそう。
ただ、お祭りとか、こういった行事は人が来る来ないじゃなく本来の由来を考えれば、きっとやるべきものなんでしょうね。
いつしか人々は由来を忘れ、込められた願いも忘れ、イベントとして開催していく…どこか寂しいものがあるものです。

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