宿命られし物語

宿命られし物語

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :3:2
総セリフ数 136
製作日 2011/8/10〜2011/8/12
概要説明  帝国本土の一角で暴れ回る化け物退治に出動した帝国騎士団たち。
未来透視のできる女性騎士団長が人々の未来をあざ笑う。
しかし蓋を開けてみると笑えた状況ではなかった。
利用にあたって 利用規約
目安時間 13分程度   【〜20分】
登場キャラ セリフ数 性別 備考
ギアジェノバード 22 帝国騎士団一番隊長。真面目で全体的な騎士団の中でもリーダー格で、威厳がある。
イシュベルト 24 帝国騎士団二番隊長。かなりの努力家で日ごろの鍛錬を怠らない。
ユア 28 救護団体『白衣の翼』代表。国から支援を受けながら騎士団たちの治療にあたる。白衣の天使たちとも呼ばれる。ジュリとは実は幼馴染
ジュリディアス 51 帝国騎士団三番隊長。対象物を見ると未来を見ることができる能力を持つ。神戸よりの関西弁で喋る。
兵士 11 騎士団に所属する騎士。兵士のことを指すため、兵士と表記。






【作戦室】(隊長クラスが集まり、地図を広げながら会議中、兵士が飛び込んでくる)

001 兵士 「報告しますッ!偵察に向かった先遣隊は全滅!後方部隊も我々しか帰還できず…仲間の帰還した者たちも皆、重傷で…うぅ」(悔し涙を腕で拭う)
002 ギア 「…ご苦労。さぞ辛かっただろうな、ゆっくり休め」
003 兵士 「ハッ…ありがたきお言葉!」
004 イシュ 「く…よほど強いのだな、その化け物は」
005 ジュリ 「はー情けないわなー、なんや帝国兵揃いもそろって雑魚ばっか。情報もろくに集められんのけ?」
006 イシュ 「な…ジュリッ!そのような言い方ッ…」
007 ジュリ 「事 実 や ろ 。あんたら死ぬために生まれてきたんけ?情けなくて涙が出るわ(笑)」(おもむろに馬鹿にする)
008 兵士 「く…」
009 ギア 「ジュリディアス、彼らを愚弄するな。彼らは立派な務めを果たしてくれた」
010 ジュリ 「ウチはお世辞もおべっかも嫌いなんや。使えん奴はイラン。クズやクズ。紙屑ぽーぃっ」
011 ユア 「ジュリ」(睨み付ける)
012 ジュリ 「事実やろうが…」(顔逸らし不貞腐れながら呟く)
013 ギア 「お前たちは我が国の誇りだ。騎士団の騎士として立派にやってくれた」
014 兵士 「仲間たちもそして我も!帝国のために死ねるなら本望であります!」
015 ジュリ 「ぷっ…くくく…」(噴き、必死に笑い堪え腹抱える、)
016 イシュ 「何がおかしい!」
017 ジュリ 「いや、帝国のためにとか言ってるけど、あんた野良犬に噛まれて死ぬから帝国どうのとかアホちゃう?」(大爆笑)
018 兵士 「何…」
019 ギア 「そこらの占い師と違ってジュリディアスは相手の未来が見えるらしいからな…タチの悪い」
020 兵士 「え…」
021 ジュリ 「やから、あんたは帝国のためでもなんでもなく野良犬に噛まれて死ぬ、まさに犬死するんや」
022 兵士 「それが予言だと…」
023 ジュリ 「野良犬に噛まれて死ぬどこら辺が帝国の役に立つか教えて欲しいわー」
024 兵士 「俺が…死ぬ…?」
025 ギア 「ジュリディアス、もうやめろ」
026 ジュリ 「おもろいやん」
027 イシュ 「そんなことばっかり言っているとろくな死に方しないぞ」
028 ジュリ 「他人の不幸は蜜の味や…」(ニヤニヤ笑う)
029 ユア 「ジュリ…他人の不幸を笑うのは最低だよ…」
030 ギア 「なんであれ、先遣隊の犠牲を無駄にしないためにも我々がじきじきに行くしかないな」
031 イシュ 「騎士団としてこの事態は見過ごせないし」
032 ジュリ 「ウチが手柄とって英雄になる」
033 イシュ 「野心家だね」
034 ジュリ 「富と名声、ウチに必要なのはそれや」
035 ユア 「何でそんなの欲しがるの?」
036 ジュリ 「力や。絶対的な力。誰にも文句言われへんようなるんや」



【化け物討伐へ、向かう旅路】(騎士隊長たちが部下の騎士たちを率いて進む)

037 イシュ 「にしても人の一生が見れるってことなのか、ジュリ」
038 ジュリ 「一生ってわけでもないねん。ただ末路が見えたりさ」
039 ユア 「不思議な能力を持っているのよね…」
040 ジュリ 「自分の未来は見えないのが使えんところやけどな」
041 ユア 「何贅沢言ってんの」
042 ジュリ 「そりゃ、未来知りたいわ」
043 ギア 「自分の未来を見ることはできないのだな」
044 ジュリ 「ま、今回の化けもん倒すのはウチやし、英雄になるのもウチや主役とか主人公と思ったらアカンで、イシュ」
045 ギア 「過信と自惚れは死を招くぞ」
046 ジュリ 「調子に乗れんのもそこまでや、一番隊ってのはフラグが立っとうてな、真っ先に突っ込んで全滅するんや」
047 イシュ 「縁起でもないっ」
048 ジュリ 「その点二番隊がいいとこ取りになるけどな、主役が死なんとは限らへん。大体イシュが主役なんて認めんからなぁ」
049 ユア 「ジュリ、憎まれ口は良くないわよ」
050 ジュリ 「ま、化けもんに殺されよう未来でも見たるかや」
051 ギア 「…言わせておけ」
052 イシュ 「とんでもない奴が隊長になって…いや、騎士になっているんだな」
053 ギア 「妙な力だけじゃない、実力もあり陛下はそれを認めている」
054 イシュ 「苦労しそうだ」
055 ジュリ 「なんや…なんでや…」(目を見開き、数歩退がる)
056 ユア 「ジュリ?」
057 ジュリ 「ギアもイシュもユアも化けもん倒して笑っとうのに…」
058 イシュ 「ホントに見えるのか…?俺たちの未来のことも」
059 ジュリ 「何でウチがおらんのやッ!」(怒りで拳を足に叩きつける)
060 ギア 「自分の未来が見えないんじゃなかったのか?」
061 ジュリ 「ウチは認めんッ!認めんわッ!なんでや、なんでイシュなん?」
062 ユア 「何が見えたの?」
063 ジュリ 「ギアは満身創痍(まんしんそうい)、ボロボロやし、ユアは治療にかかりっきりで疲れきっとう。イシュがトドメさしとう!…化けもん倒して英雄になるのはウチやろッ」
064 ギア 「そこまでの実力がなかったということかもな」
065 ジュリ 「ふざけんなっ!おかしいやろっ!イシュやなくてもウチが……ッ!?」(右目を押さえ、膝をつく。脳内に映像が浮かぶ)
066 ユア 「ジュリッ!?大丈夫?」
067 ジュリ 「は…ははっ…はははっ……ウチが…殺されるん?」(力なく笑う)
068 ユア 「ジュリ?」
069 ジュリ 「それも雑魚にッ!賊ごときにッ!…なんやこれ。馬鹿にしとんけ…」
070 イシュ 「気でも触れたか?」
071 ギア 「ただでさえ、おかしなことを言う。狂言には付き合いきれん。行くぞ」
072 ジュリ 「おもろいなぁ…」
073 ユア 「…ジュリ、何が見えたの?どんな未来が見えたの?」
074 ジュリ 「ユア…笑え、ウチはなぁ…イシュをかばって山賊に殺されるんやと…ははっ、おもろいやろ!?」(引き攣った笑みを浮かべる)
075 ユア 「どういう意味…?」
076 ジュリ 「アホやろ…ここまで未来映像見せられて誰がその通り死にますかって。…馬鹿や、そんなんでウチは死なんわ…」
077 ユア 「ジュリ、しっかりして!おかしいよ?」
078 ジュリ 「…いやや、ユア…ウチな…まだ死にとうないねん……まだ死にたくない…何で死ななアカンの?」(ポロポロ泣き始める)
079 ユア 「死なない、ジュリは死なないから。何そんな馬鹿なこと信じているの?」
080 ジュリ 「ウチ、未来が…未来見えんよ?これは宿命(さだめ)られた運命を見せられてるんやで…?」
081 ユア 「ジュリ…、疲れてる。長旅で疲れたの、少し休んだ方がいい。占いだって当たったり当たらなかったりするの。あなたのしていることは占いとどう違うの?」
082 ジュリ 「占いやない…これは…」
083 兵士 「う、うわぁっ!くるなっ!くるなぁっ!」
084 ギア 「何事だッ」
085 兵士 「うわぁっ!やめろぉっ!」
086 イシュ 「野犬だッ!腹を空かせて気が立っているんだ!剣を抜けっ」
087 ギア 「早く助けてやれッ」
088 兵士 「ぎゃぁぁぁぁぁあぁあああっ」(首筋を噛まれる)
089 イシュ 「く…この野良犬めっ!」(野犬を斬り捨てる)
090 ギア 「ユア!あの兵士の治療を!」
091 ユア 「は、はいっ!」
092 イシュ 「来るなっ!…もう治療は無駄だ」
093 ジュリ 「その兵士…」
094 イシュ 「あぁ、そうだ。我々に第一報を知らせた…君が死の宣告をした兵士だよ」
095 ジュリ 「あ…ぁ…」
096 イシュ 「最初、俺は疑っていた。ジュリが予言を信じさせるために何か仕組んでるんじゃないかとね。…違った、君は正確に未来を言い当てていた」
097 ジュリ 「ウチが…ウチが殺したん…?」
098 ギア 「直接的にではなくとも間接的にそうかもしれんな…」
099 ユア 「イシュ、ギア!」(咎めるように)
100 ジュリ 「ウチが見ているのは未来で、それは変わらん…やったら…ウチは…ウチはホンマに死んでしまうん…?」
101 ユア 「大丈夫…大丈夫、ジュリ。大丈夫だから…今回は偶然…偶然なの…偶然なんだから…」
102 ジュリ 「やや…死にとうない…死にとうないねん…ッ」
103 ユア 「イシュを庇わなければ、ジュリは死なない。イシュも山賊に常に警戒していれば…」
104 イシュ 「おいおい…もし俺が判断遅れたら俺が死ぬってことか?」
105 ギア 「そういう運命だったんだろうな」
106 イシュ 「いやいや、勘弁してくれ。山賊に殺されるなんてごめんだぞ」
107 ジュリ 「イシュッ!後ろッ!!」
108 イシュ 「あ?」(振り向く)
109 ジュリ 『…イシュを助けなければ、ウチが死ぬこともない…』
110 イシュ 「なっ…」(剣を振りかざした山賊を見て目を見開く)
111 ユア 「ジュリッ!!!」
112 ジュリ 「あぐぅっ…」(胸を斬りつけられ倒れる)
113 ギア 「その賊を斬り捨てろッ!」
114 ユア 「ジュリッ!何してるのッ!!」
115 ジュリ 「あぁ…はぁ…見えちゃったんや……ウチがここで死ななかった時の未来が」
116 ユア 「何言ってるの」
117 ジュリ 「したらな…悔しいなぁ……イシュいなかったら…化けもん倒せへんって…へへっ…ウチな…兵士たちのこと馬鹿にしとった…」
118 ユア 「もう喋んなくていい…傷口拡がるから…喋らないの」
119 ジュリ 「馬鹿にしとったけど…化けもんの顔すら拝めずに死ぬウチは…そこまですらの実力がなかったんや…」
120 ユア 「喋らないでって、言ってるの…」(俯きながら)
121 イシュ 「ユア、ジュリは…!」
122 ジュリ 「馬鹿にしてた奴らよりウチは…馬鹿やったんな…」
123 ユア 「喋るなって言ってるの!聞きたくないのっ!」(怒鳴る)
124 ジュリ 「誰や…?誰なん?…ウチを殺すシナリオ書いたんは…」
125 ギア 「…ユア、ジュリディアスの治療を…」
126 ユア 「傷が深すぎるの…もう…」
127 ジュリ 「何が宿命や…未来?この物語を…ウチらを弄んだのは誰なんや?」
128 イシュ 「…ジュリ」
129 ジュリ 「ええ加減にせいや……死ぬために生まれてきとったんかや…ウチは…おもろいなぁ…あぁ、おもろい…おもろくて涙が出てくるわぁ」(涙声)
130 イシュ 「…俺を守ってくれてありがとう…」
131 ギア 「英雄だ…、ジュリディアス。きっと未来を救った…英雄だ」
132 ジュリ 「宿命られし物語に抗えん…っちゅうことか…」
133 ユア 「ジュリ…」
134 ジュリ 「…ほなな。絶対化けもん倒すんやで…?あんたら無敵の帝国騎士団やろ…な?…ウチの見た未来を変えんといてわ…やないと、ウチ…犬死やから」
135 ユア 「未来は宿命と運命から成り立っているとするなら…ジュリの見た未来は変わりはしない…。未来という宿命と運命に沿った物語」
136 ギア 「それは宿命られし物語」






作者のツブヤキ
 久しぶりに台本直接書きしたさー。ここんとこ最近ずっと携帯で創ってはメールで送信して台本形式変換のコピペ作業だったから。
神戸よりの関西弁…って、ファンタジー系にその設定はどうだろうって思ったけど、この訛り好きなんだよね。
ちょっと胡散臭い感じがあるかもしれないけどwww姫路を離れてから結構経つからなぁ…。
ちなみに酔っぱらうと結構ジュリみたいに訛ります。その言葉周囲から平気でウザいとか言われましたけどwww
酔っぱらうとそういった癖出るんですもの。ごめんなさい。
イイヨ、訛りイイヨ。真正関西弁も大好きですけどね。訛ってる子っていいと思うよ!ああ久しぶりに訛り聴きたいわ―。

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