四季宿亭、宵闇の爪-仲居編-

四季宿亭、宵闇の爪-仲居編-

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :1:4
総セリフ数 141
製作日 2011/7/7〜2011/7/7
概要説明  現世で大規模なテロを活動を起こし、社会問題になっているテロリスト集団が四季宿亭に…。
占領されそうな四季宿亭を守るため、奪還するために立ち上がった仲居達。
仲居たちvsテロリスト集団の戦いの幕開け――
利用にあたって 利用規約
目安時間
登場キャラ セリフ数 性別 備考
はる 40 小稲荷神社の土地神。新しく社を建て直すため出稼ぎに来ている。温和で仲居達の仲介役によくなる。
なつ 51 面白いことを求めてやってきた獣人の仲居。格闘術をやっていたらしく、腕に自信アリ。
あき 25 修行のために現世からやってきた人間の侍娘。真面目な性格のため、なつによくからかわれ弄ばれている。
小雪 20 死神界から派遣され四季宿亭で働く死神の仲居。殺し屋稼業は現在休業中。
隊長 5 現世で大規模なテロを起こす宵闇の爪のリーダー。理想の国づくり選民思想の持ち主。






【四季宿亭・談話室】(ソファーに寝っ転がりながら冥界新聞読むなつとお茶を淹れるはる)

001 なつ 「昨夜未明より現世にて『骸狩り』実行開始、死神界は冥界府審査監理局に大規模な『魂魄(こんぱく)狩り』の計画案を提出。週末には可決される見通し…っかぁー」
002 はる 「珍しいですね、なっちゃんが新聞なんて読んで」
003 なつ 「ウチだって新聞くらい読むぞ?」
004 はる 「何か面白い記事でも見つけたんですか?」
005 なつ 「死神界が『骸狩り』を始めて週末には『魂魄狩り』をやるってさ」
006 はる 「なんですか?『骸狩り』とか『魂魄狩り』って」
007 小雪 「『骸狩り』は死体の魂を狩ることです」(談話室に入ってきながら)
008 なつ 「お、小雪。おっす」
009 はる 「おはようございます、小雪ちゃん」
010 小雪 「おはようございます。はる姉様、なつ姉様」(小さく頭を下げお辞儀)
011 なつ 「そっか、小雪は死神界から来てんだもんな」
012 小雪 「はい。『魂魄狩り』は生きてる人間の魂を奪うことです。」
013 はる 「生きている人間を?」
014 小雪 「普通、死神たちは寿命の人間達の魂を冥界へ送ります」
015 なつ 「ふんふん」
016 小雪 「『魂魄狩り』はそれを無視して寿命でなくても連れ去っていいという許可が下りるものです」
017 なつ 「なんかおっかねぇな…死神が殺人鬼に変わるってことだろ?」
018 小雪 「まぁ、そうですね…」
019 はる 「先の大災害で多くの方々が冥界送りになって冥界府はパンク寸前って聞きましたけど…」
020 小雪 「そうですね…妙ですね」(こくりと頷き、考える仕草)
021 なつ 「現世にて大規模なテロ活動が活発化、軍事関与も背景にあり、地獄界は牽制を示唆しているが、天界は難色を示している。相変わらずゴタゴタだなぁ」(新聞をめくりながら記事読み上げる)
022 はる 「天界は寿命まっとうが方針ですからね」
023 小雪 「大規模なテロ…ですか」
024 なつ 「現世の一部地域では大規模な戦争がおっぱじまってるってことだ」
025 小雪 「戦争ならば多大な死者が冥界に送り込まれるので、容量オーバーしている冥界としては最小限に抑えようという意図があるかと」
026 なつ 「へぇ…なんだか物騒だな」
027 小雪 「大規模な『骸狩り』なら冥界と黄泉の門が開かれるかと」
028 なつ 「あれ?それ開くと…」(少し考え、小雪を見る)
029 はる 「冥界府は全域に現世からの訪問者に警戒するよう注意を呼び掛けているってありますよ」
030 なつ 「なるほど?団体さんがご到着する可能性ありってか?勘弁してくれ」(大きくため息をつく)
031 はる 「お布団準備しないとですね」
032 小雪 「あの、なつ姉様、はる姉様。四季姉様は?」
033 なつ 「四季ちゃんならイソイソと冥界府に行ったよ」
034 はる 「会議って言ってましたが、これのことだったんですね」
035 なつ 「どうせ、受け入れ態勢をよろしくちゃんって奴だろ?こっちの負担が増えるんだからおかず一品くらいの給仕賃金賃上げを要求するねっ」
036 小雪 「ふむ…何事もないといいんですが」
037 はる 「四季さんに用事ですか?」
038 小雪 「あ、いや。大したことじゃないので。では」(一礼して出ていく)
039 なつ 「んぁ、お疲れ〜」(ヒラヒラと手を振る)
040 はる 「世の中物騒になっているんですね…」
ドドーン(爆発音)
041 なつ 「物騒なのは現世だけじゃねぇかもよっ」(ソファーから飛び起き、ニッと笑う)
042 はる 「へ?」
043 あき 「何事だっ!」(玄関前に駆け付ける)
044 隊長 「この建物は我々、宵闇の爪が占拠した」(銃担ぎながら)
045 あき 「…は?」
046 隊長 「大人しく従えば…奴隷いや、道具として使ってやらんこともないな」(にやにやと笑う)
047 あき 「ふざけた事を…」(柄に手をかける)
048 隊長 「A班〜D班、行けっ」
049 あき 「待てっ!某が相手だ!四季宿亭に客以外が踏み入れる事まかり通らんッ」(刀を抜き、構える)
050 隊長 「ぬかせっ、お前らはこの女を相手してやれ。残りは俺と突入だ。」
051 あき 「何をごちゃごちゃと…」
052 隊長 「好きにしろ。半殺しに負けてもいい。手筈通り、中の野郎共は皆殺し。行くぞっ」(指示だし、向かう)
053 あき 「断絶剣派夢想流、夢想流山の一番弟子、あき…参るッ!」(斬りかかる)
054 なつ 「噂のテロちゃんの看板荒らしさんがやってきましたよーってやつだ」(窓から外を見ながら)
055 はる 「ど、どうしましょう。お、お、お客様を避難させなきゃ…」(わたわた歩き回る)
056 なつ 「落ち着け、はる。まだ客は来ていないだろ」
057 はる 「他の皆さんに知らせに行かないと…」(ウロウロ)
058 なつ 「もう間に合わんだろ」
059 はる 「あ、あきちゃん助けないと…」(頬を押さえながらクルクル歩き回る)
060 なつ 「あいつはまぁ…バカだがなんとかなるだろ」(頭の上で腕を組み、横目で外を見ながら)
061 あき 「くしゅん…のわぁっ!こちらが刀だと言うのに銃は卑怯だ!卑怯者めっ」(くしゃみし、銃弾かする)
062 はる 「たぶん、なっちゃんには言われたくないと思う…」
063 なつ 「ん?…よし、はる行くか」(目丸くして聞き返したのち、襖に手をかける)
064 はる 「へ?どこにですか?」
065 なつ 「四季宿亭に殴り込みに来たテロちゃんたち」
066 はる 「えぇぇぇぇえっ!?」(目丸くして驚く)
067 なつ 「最近運動不足でさー、ストレス発散も兼ねて。」(パンチで空を切りながら)
068 はる 「ちょ…なっちゃん!」
069 なつ 「なんか面白そうじゃん?」
070 はる 「面白そうって…」
071 なつ 「まぁ見とけって」(襖を開けると男たちがやってくる)
072 はる 「なっちゃん!前ッ」
073 なつ 「おらよっとぉ!客じゃなきゃ殴りたい放題だっ」(裏拳、顔面パンチ好き放題)
074 はる 「それはどうなんでしょう…」(のびている男たちを心配そうに見ながら)
075 なつ 「はっ!とっ!やっ!となっ」(パンチキック肘打ちなど)
076 はる 「スゴいです、なっちゃん」(拍手)
077 なつ 「腕っ節だけは負けないさ。はるは指示出しよろしゅう」(力こぶを見せながらガッツポーズ)
078 はる 「えぇぇぇ?できませんよっ」
079 なつ 「じゃ、闘う?」(空パンチ)
080 はる 「もっと無理です!」
081 なつ 「シッ、足音が。」(口元に人差し指当て)
082 はる 「なっちゃんの耳だと聞こえるんですね」
083 なつ 「なんか聞いた事ある音だけど。3、2、1で飛び出して蹴りあげるからカウントよろしゅう」(小声で)
084 はる 「はいっ!3…2…1…」(頷く)
085 なつ 「どぉりゃあああっ」(角から飛出し蹴り上げようとする)
086 あき 「なっ、覚悟ッ!」(驚き慌てて柄に手をかける)
087 なつ 「あきの帯ゲットォ♪」(素早くしゃがみ込み、かわして背後へ)
088 はる 「あきちゃんっ!」(角から飛び出す)
089 あき 「二人ともご無事で…なつ、貴様いま某だと分かってたのではないか?」(ホッとし、鞘に刀戻した後、振り向いてなつを睨む)
090 なつ 「まだまだだぞぉ、あき」(ニヤニヤ笑いながら)
091 はる 「あきちゃん、あきちゃん!前まえっ」(顔を赤くしながらあきを指差す)
092 あき 「は…?なっ…!お、帯は、帯はいずこに!」(自分の開いている服装見て顔を真っ赤にして慌てる)
093 なつ 「ここぉ♪」(帯を咥えながら笑う)
094 あき 「な、返せっ!」
095 なつ 「あいよ」(帯投げて渡す)
096 あき 「ひ、人の帯を盗るとはけしからんっ」(帯を拾い、怒りながら結び直す)
097 なつ 「脇が甘いぞ、あき。ウチだったら真っ二つに…」
098 あき 「貴様に刀の何が分かると言うのだ、知ったような口を…」
099 なつ 「帯を盗れたのが隙の証明じゃ、物足りないかい?」(あきの耳元で囁くように)
100 あき 「な…くっ…」(ハッとし、唇を噛みしめる)
101 なつ 「相手はプロなんだろ?プロなりの闘いしないとな…な?」(ポンと肩叩く)
102 あき 「く…」(泣きそうになる)
103 はる 「あきちゃんが無事で良かったです!」(あきに抱きつく)
104 あき 「はる殿!?」
105 はる 「もう心配で心配で…」
106 あき 「某には剣の心得があるので心配なぞ御無用で…」
107 はる 「あんなに囲まれていたので…」
108 あき 「二十人の狼藉者に囲まれても斬り捨てた事がある故、複数でも心配御無用」
109 はる 「他の皆さんが…」
110 あき 「申し訳ない侵入を許してしまったばかりに…」
111 なつ 「現世のお荷物をお相手しないといけないってわけだ」
112 あき 「奴等、宵闇の爪とやら名乗っていた」
113 なつ 「宵闇の爪ねぇ…んま、ウチらは奴等をぶっ潰せばいいんだろ」(指ならしながら)
114 あき 「待たれよ、安全なところに避難してだな…」
115 なつ 「コソコソと隠れてろってか?性に合わないねっ!ウチ、頭隠しても尻尾出るから」(尻尾を大きく振る)
116 あき 「我々が危険を冒す必要はないと言っているのだ。四季殿たちが来るまででも」
117 はる 「そうですよ、なっちゃん」
118 なつ 「夕刻には知らずにノコノコとお客様が来るかもしれないのに?」
119 あき 「それは…」(うつむく)
120 はる 「今日はご予約のお客様はいらっしゃいませんでしたから大丈夫ですよ、なっちゃん」
121 なつ 「ご新規のお客様は?」
122 はる 「それは…」(困ったように)
123 なつ 「それにまだ下の子らがどうなってるか分からないし、四季宿亭を守るのがウチの仲居である仕事だと思ってるから!」(胸叩く)
124 はる 「なっちゃん…」
125 なつ 「なつ…」
126 小雪 「あき姉様、なつ姉様、はる姉様。無事で…」
127 あき 「小雪殿」
128 小雪 「嫌な予感が当たりました」
129 なつ 「みたいだな」
130 小雪 「『魂魄狩り』の対象者が入れ違いで紛れ込んできたようです」
131 なつ 「冥界と黄泉の門に見張りつけろっての」
132 小雪 「四季姉様と死神たちの増援を呼びに水無月や小鳥たちを向かわせたので」
133 なつ 「さんきゅ、小雪」
134 小雪 「私も仕事モードに入ります」(大鎌を担ぎながら構える)
135 はる 「スゴい立派な大鎌です」
136 小雪 「本職ですから」
137 なつ 「死神職の腕前を見させてもらうか」
138 小雪 「狩ります…」
139 はる 「四季宿亭を奪還するために…」
140 あき 「下賤な輩共に渡してなるものかっ」
141 なつ 「んじゃ、四季宿亭死守のため、張り切ってレッツゴー」(拳を振り上げる)






作者のツブヤキ
 ふと閃いて書いてみたものの、四季宿亭のイメージがガラリと変わっちゃいそうで怖い。
四季宿亭は日常をのんびりまったり、たまにドタバタ過ごす、素敵なところなんですよ。
たまにいろんな事情からこうした厄介事が発生することがあるけどッ!
演じるより台詞のバランスからもどちらからというと読み物って感じがあるかもしれませんね。
三部作の前編をどうぞお楽しみください。

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