笑顔の勇者様

笑顔の勇者様

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :1不問:1
総セリフ数 68
製作日 2011/6/25〜2011/6/25
概要説明  王様に魔王討伐を命じられた勇者。魔王城へようやくたどり着くと、そこに座っていたのは大好きな父親だった…
激しい葛藤の中、魔王と戦うことを決意した勇者は魔王と決戦へ…
利用にあたって 利用規約
目安時間 7分程度   【〜10分】
登場キャラ セリフ数 性別 備考
勇者 34 実は魔王の子供。王様から頼まれ、父を探すついでに魔王討伐の旅に出る。
魔王 34 勇者の父親。妻へのプロポーズの際、「君のためなら世界だって手に入れてみせる」といった言葉を忠実に実行中。いい父親だった






【魔王の城・魔王の間にて】(魔王と対峙する勇者)

001 魔王 『父さんはすごいんだぞ』
002 勇者 知らなかった…
003 魔王 『ははは、そうかそうか。お前も俺みたいになりたいか』
004 勇者 ずっと父さんは憧れの的で尊敬していた
005 魔王 『だったら強くならないとな』
006 勇者 父さんはすごい人だなんて思っていた
007 魔王 「どうだ、かかってこい」(くいっと人差し指で合図)
008 勇者 僕の父さんが魔王だっただなんて!
009 魔王 「強くなったな、見違えた」
010 勇者 「ずっと母さんから父さんとは離婚したんだって聞いていた」(俯きながら)
011 魔王 「思えば十年も経つのか。早いものだな」
012 勇者 「父…さん…」
013 魔王 「久々の再会と言うやつだな」(ふっと笑顔になる)
014 勇者 「父さん…」
015 魔王 「久しぶりにキャッチボールでもするか?」
016 勇者 「く…」(拳握りしめる)
017 魔王 「…そうだな。そんなことをしている場合ではないか」(寂しそうに笑いながら)
018 勇者 「父さんは何で魔王をしているの?」
019 魔王 「そうだな、子供とこんな話をすることもなかったな。父さんも世界を手中に収めたかった」
020 勇者 「世界を手中に?」
021 魔王 「おまえも知っての通り、国王は世襲制。王族に生まれなければ叶わぬ夢でしかない」
022 勇者 「それはそうかもしれないけど…」
023 魔王 「母さんの夢でもあったしな」
024 勇者 「母さんの夢?」
025 魔王 「世界を治めるぐらい立派な男になってよってな」
026 勇者 「それで結婚したの?」
027 魔王 「ははは、母さんは支配完了したんだが、物足りなくなったと言うか、第二段階に行こうとな」
028 勇者 「…馬鹿だよ」(俯きながら呟く)
029 魔王 「嫁の夢を叶えようとな。む…止め、夢、嫁!早口言葉にいいぞ?ふはは」
030 勇者 「面白くないよっ!なんだよ…そんなために…そんなために僕たちを捨てたのかよっ」
031 魔王 「捨てたつもりはないが…」
032 勇者 「十年もほっぽって…随分勝手なことを!」
033 魔王 「お前に寂しい想いをさせてしまったのはすまないと思っている。悪かった…」
034 勇者 「僕がここに来た理由は分かるよね」
035 魔王 「フフフ、我が侵略にも小癪にも耐えおった祖国の差し金であろう」
036 勇者 「…そうだよ。僕が勇者だ!」(剣を抜く)
037 魔王 「父さんは嬉しいぞ。そんなに立派に育ってな」
038 勇者 「魔王…」
039 魔王 「さぁ、来い。勇者よ…全力でなぁっ!!」(マントを広げて立ち上がる)
040 勇者 「ハアァァァッ!!」(剣を構えて突進する)



【魔王の間】(激しい戦闘のち、勇者が大の字に倒れ、魔王は膝をついて座り込む)

041 魔王 「くくく…強くなったな…」
042 勇者 「かは…ごほっ…ゴホッ…」
043 魔王 「こうして争ったのはあのプリン以来か」
044 勇者 「父さんが僕のおやつを勝手に食べた…」(ぷいっと横を向く)
045 魔王 「帰って来た途端、突然殴られてな」
046 勇者 「父さんが悪いんだ…」
047 魔王 「あの時思ったな。あぁ、いつか俺はこの子に倒される日が来るんだと…」
048 勇者 「ボコボコにしたくせに…」
049 魔王 「父さんだってプリンが大好きだからな。やはり、血は争えぬと言うことか…」
050 勇者 「たかがプリンで…」
051 魔王 「あの日以来、お前は口を利いてくれなくなった…初めての親子喧嘩だ、仕方ないがな。父さん寂しかったぞ」
052 勇者 「…あの、父さん。あの時はごめん…なさい。プリンなんかで殴って…」
053 魔王 「もう良い…、今日のおやつで食べようと思っていたプリンが冷やしてある。後で持って行け」(ゴロンと倒れる)
054 勇者 「…父さん?」
055 魔王 「何だか眠くなってきたな…」(ゆっくりと瞬きしながら)
056 勇者 「まさか、さっきの傷が!」
057 魔王 「…ハハハ、気にするな。親子と言えども魔王と勇者。白と黒は決して混じることはない」
058 勇者 「嫌だよ…」(起き上がり、魔王に近づく)
059 魔王 「どちらかしか存在できん。二つが存在できる時間とはなんと短いことか…」
060 勇者 「嘘でしょ、父さん…嘘だよね?」(這って魔王のところへ)
061 魔王 「母さんによろしく…伝えてくれ…」
062 勇者 「イヤだよ…死んじゃやだよっ!父さん!」(泣きながら魔王の肩を揺する)
063 魔王 「魔王がいなくなるんだ…もっと喜べ…」(ふっと笑いながら)
064 勇者 「喜べるわけないっ!父さん!」
065 魔王 「おまえの笑顔でもっと人々を救え…そして父さんにも見せてくれ…最後の笑顔を」(勇者の頬を撫でる)
066 勇者 「嫌だ…嫌だよ…」(ボロボロ泣く)
067 魔王 「立派になったと思えばまだ、泣き虫か?…ほら、笑え。笑顔の勇者よ…」(勇者の頭を軽く撫でるとそのまま脱力…)
068 勇者 「父さん…父さんッ!父さァァァん…」






作者のツブヤキ
 知人の掛け合いで勇者と魔王シリーズの一つを聴き、ピピーンと来た作品です。
インスピがパナい!どうしたネタの泉!湧き出ております。
もうだだ漏れってレベルだね。こんなに毎日欠かさず更新できるなんて。
魔王強化期間が終了したはずなのにまた魔王と勇者ものを書いている…。ま、いっか!

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