宴は永遠に

宴は永遠に

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :2:2
総セリフ数 116
製作日 2011/5/9〜2011/5/9
概要説明  山柱神社の境内には桜の花が咲き乱れていた。
花見をしながら宴をすべく鬼の娘の鏡月は神社の境内に現れた。
神社の境内にいた子供に虐められたりしたが、気にせず宴は始まりを告げる!
利用にあたって 利用規約
目安時間
登場キャラ セリフ数 性別 備考
壬剣
(みつるぎ)
31 山柱神社の神官。鏡月を拾い、成長を見守ってきた。面倒見のいいことで村人たちからも評判もいい

(まつ)
23 神社によく遊びに来る村の子供。意外と肝が据わっていて勇気がある。恐怖とかより好奇心が勝つようだ。
鏡月
(きょうげつ)
50 小さな村に捨てられた鬼の娘。唯一若くして銀髪なため薄気味がられ周囲から避けられている。空元気が多い
陣兵衛
(じんべえ)
11 神社の境内で遊ぶ村の子供の一人。鏡月を鬼の娘として怖がりいじめる。






【神社の境内】(階段を大股でのぼってくる鏡月)

001 鏡月 「酒だー歌えや、踊れや、騒げや、宴の始まりだー」
002 壬剣 「…真昼間からなんですか、鏡月」
003 鏡月 「神社の桜がちょうどいい具合に咲いているから宴のし時だと思ってね」
004 壬剣 「確かに境内の桜は満開ですが、見て分かりませんか?掃除をしているんですよ」
005 鏡月 「壬剣は掃除してなよ、ウチは酒飲んでるから」
006 壬剣 「殴りますよ…?どうせあなたが宴なんかしたらたちまち境内を汚すでしょう」
007 鏡月 「んじゃぁ、壬剣も飲んで共犯だな」
008 壬剣 「共犯主犯んがどうのという問題じゃありません」
009 鏡月 「わーったわーった、一緒に片づけよう。それでいい?それでいいか?」
010 壬剣 「許可は下ろしがたいですが…」
011 鏡月 「いいんだな?ひゃっほーぃ宴だ宴。飲めや、歌えや、踊れや、騒げ!」
012 陣兵衛 「あ、鬼だ!鬼がきたぞ!」
013 鏡月 「そうだ。鬼だ鬼だぞ、ガオー!逃げないと食っちまうぞ」
014 陣兵衛 「鬼ババァに食われるー、逃げろ―ッ!」(諸手を挙げて逃走)
015 鏡月 「くくくっ…鬼ババァ…か」(逃げる姿を見て笑うが寂しそうにため息をつく)
016 壬剣 「また子供にいじめられてたんですか?」
017 鏡月 「別にウチが虐められるわけないだろ?馬鹿にするなよな」
018 壬剣 「では虐めてたんですか?」
019 鏡月 「壬剣は極端だな。別に何でもねーよ」
020 陣兵衛 「きょーげつは人間じゃねぇ。化け物だ!近付いたら皆食われちまうだー!!」(階段の方から)
021 鏡月 「うるせー、食っちまうぞ」
022 壬剣 「まったく、あなたという人は」
023 鏡月 「人じゃなくて鬼だけどな?」(おどけてニカッと笑う)
024 壬剣 「…やれやれ、付き合いましょう。花見に」(軽くため息をつく)
025 鏡月 「壬剣は酒持ってくればいいんさよ。ほいほい、はよ持ってきーな」
026 壬剣 「あなたは何様ですか…まったく。それが場所と酒を借りるものの態度ですか?」
027 鏡月 「場所は借りるが、酒は借りねーよ。貰うんだからな」
028 壬剣 「出世払いでいいですよ」(箒を手に社へ消える)
029 「じー…」
030 鏡月 「なーにが、出世だよ。どーやって出世…ってか、何の出世だ……あん?なんだよ」(視線に気付く)
031 「おねーさん鬼なの?」
032 鏡月 「んにゃ、見ての通りさ。こんわぁい鬼だそうさ」(顔を近付けてニヤリと笑う)
033 「まつの知ってる怖い鬼さんじゃないや」
034 鏡月 「おろ?」(虚をつかれる)
035 「まつの知ってる鬼さんは顔が真っ赤かで、頭にお角が二本生えているんだもん」
036 鏡月 「む…なら、これならどーだっ」(両人差し指で角をつくる)
037 「おねーさん顔白いもん」
038 鏡月 「むっ…これならどーだっ!むぐっ」(頬を膨らませて息を止める)
039 「大体何でおねーさんは鬼さんなの?人間に化けれるの?」
040 陣兵衛 「松!離れろ!そいつは鬼なんだ!化け物なんだ!」
041 鏡月 「んむむむ…んぐぐぐっ…」(息詰まって苦しがる)
042 「だって、このおねーさん怖くないもん」
043 陣兵衛 「ばーかっ、騙されてんだよっ!」
044 「ばかって言った方がばかなんだよーだっ。いーっ」
045 陣兵衛 「なんだよっ、そいつに食われてもしらね―からなっ!」
046 「余計なお世話ですよー、べーーっだ」(あっかんべーする)
047 鏡月 「んぐぐ…ぶはぁぁああっ!はぁはぁはぁはぁ…」(堪えられず肩で息する)
048 「あ、おねーさん顔真っ赤かだ」
049 鏡月 「ぜはー…ぜはー…これで…どーだ…はぁはぁ」
050 「全然似てないや」
051 壬剣 「おや、阿呆面下げて何しているんですか?鏡月」
052 鏡月 「うるせーっ」
053 「おねーさんは鬼さんなんかじゃないもん。鬼さんはね、人をさらったり悪いことするんだもん」
054 鏡月 「…ふふ、ならさらって食っちまおうか」
055 壬剣 「おやおや、鏡月を怖がらない子供も珍しいですね」
056 鏡月 「そんの据わった度肝を捻り潰してくれるわぁっ!」
057 「ハラワターハラワター」
058 壬剣 「子供をいじめるのも程々にしてあなたはお酒を相手にしてたらどうですか」
059 鏡月 「うるせー、ロリコン神官が。この子と遊びたくて邪険にすんじゃねー…」
060 壬剣 「あれぇ?おかしいですねぇ、お酒が入る前から酔ってますか?鏡月」
061 鏡月 「ウチを黙らせたいなら酒をたらふく用意すんだな」
062 壬剣 「ドギツイ鬼殺しとか持ってきましたよ」
063 鏡月 「ケッ、皮肉ってんのかよ…ま、いいや」
064 壬剣 「お嬢さんも花見しながらお団子など食べて行きますか?」
065 「うん…する」
066 鏡月 「壬剣、酌を…盃取れ」
067 壬剣 「まったく…真昼間から神職者を捕まえて酒を注ぐとは…」
068 鏡月 「満更でもねーくせによー言うよ。ほい、美しく咲き誇る桜に乾杯だ」
069 壬剣 「乾杯」
070 「…乾杯」
071 鏡月 「おちょこなんか、ちっちゃくて飲んでらんない!なんだこいつは雫でも舐めろってのか?」
072 壬剣 「ならば、とっくりから飲めば良いでしょう」
073 鏡月 「へっ、めんどくせー。一升瓶ごと飲んでやるさ。んくんく…」(一升瓶をラッパ飲み)
074 壬剣 「…一升瓶をそのまま一気に飲むのは人間離れしてます」
075 鏡月 「ぷはーーーっ、あーあたしゃ鬼さ、人間なんかじゃない。人間を取って食う悪ーい鬼さ?…ひっく」(ドンと一升瓶を置き、乱暴に言う)
076 「なんで、おねーさんは鬼さん鬼さん言うの?」
077 鏡月 「さっきからバケモンバケモン言ってる、あのガキが鬼鬼言うわけさ」(ニヤリと自嘲気味に笑う)
078 陣兵衛 「だって…かあちゃんが言ってたんだもん…あの娘はバケモンだって、鬼の子だって」
079 鏡月 「お前の母ちゃんでーべそっ!!」
080 「何で鬼さんって言われてるの?」
081 陣兵衛 「その女は銀髪だもん、みんな黒髪なのに一人だけ銀髪なんだもん、それって鬼の証だって」
082 鏡月 「女じゃなくておねーさん。取って食うぞガキ」
083 「おじいちゃんだっておばあちゃんだって銀髪だよ」
084 陣兵衛 「だって、ばあちゃんとかは年くってるけど、その女は若いだろ?それともババアなのか?」
085 鏡月 「お姉さんだって言ってるだろうが!ガキィッ!腕もいで食うぞコラ?ババアでもないっ」
086 「若くても白くなるっているもんきっと。別に変じゃないよ」
087 壬剣 「そうですね。苦労が絶えなくても、恐怖に遭っても白くなるとは言いますよ」
088 陣兵衛 「なら、その尖がった歯はなんだよ?俺たちと違うもん」
089 壬剣 「まぁ、言われてみたら鋭いかもしれませんねぇ」
090 鏡月 「お前ら人間をかっさらって肉を引きちぎるためさ」
091 陣兵衛 「ひぃいぃいいっ」(尻餅ついて失禁する)
092 鏡月 「お…、漏らした」
093 壬剣 「神聖なる境内を汚されましたね…あとで花見の後片付けと一緒に掃除してもらいましょうか」
094 「おねーさんはおねーさんで鬼さんなんかじゃないもん」
095 鏡月 「ま、実際人間じゃなくて鬼の娘なんだとさ」
096 壬剣 「酒の強さも異常ですしね、怪力が半端ないんですよ」
097 鏡月 「ぶっ飛ばしたろか、壬剣」
098 壬剣 「おや、吹っ飛ばすのは穢れと厄災にしてくださいね」
099 鏡月 「生憎取り扱いは生身の人間だけなんでね」
100 壬剣 「んじゃ、勘弁です。幸まで吹っ飛ばされたら笑えませんので」
101 「おねーさんは悪い鬼さんなの?」
102 鏡月 「花見を楽しみ、酒の席に子供を連れ込む悪ーい鬼さ」
103 壬剣 「酒と宴と子供が大好きな厄介な鬼ですよ」
104 鏡月 「酒だ、酒を持ってこい!」
105 壬剣 「はいはい…」
106 鏡月 「あたしが鬼でも何でも宴をするなら舞えや踊れや歌えや騒げ!酒を取りて酌み交わしゃ、楽しい宴の始まりさ」
107 「まつはお酒飲めないけどね」
108 鏡月 「宴は永遠に…花と共に。舞えや踊れ、境内はここに。桜はここに。桜の下に集いし時には宴を開こうぞ」
109 壬剣 「この厄介な飲んだくれが永遠にいて毎日宴会やるなら身がもちませんけどね」
110 鏡月 「桜が咲けば花見、雨が降れば露見、月が美しければ月見、雪が降れば雪見。酒を持ちて宴を開けばいい」
111 「そしたら一年中宴だらけになっちゃう」
112 鏡月 「そうさ、境内がここにある限り宴は繰り返され永遠に続けて行く。そう、永遠にね」
113 「まつが歳とっても?」
114 鏡月 「鬼は人間より寿命が長いから。いつでも付き合うさ。ま、桜が綺麗な時の花見酒で酒を酌み交わそうじゃないか。鬼と人間の交わりっていう」
115 壬剣 「そうやって積み重ねられる歳月を経て、永遠に…」
116 鏡月 「境内も桜もそこにあり続ける限りはね、宴は永遠に…」






作者のツブヤキ
 もう桜も散っちまったぜバーローorz
4月過ぎたのに今更4月の作品を書いてるというね。4月と言ったら宴やw
今年は震災や自粛の動きでか、花見規模も小さく、花見客もあまりおらず、咲き誇った桜もどこか悲しげでした。
早く酔いしれる歌い、踊り、いい意味で騒ぐ人々で満たされることを祈るばかりです。
今年初の大仕事、町づくり協議会のさくらまつりの企画を震災で中止となり残念だったですわ!
是非、復興の要としてまた企画したいです。夏祭りでも企画しようかしら

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