君への贈り物

君への贈り物

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :2:2
総セリフ数 168
製作日 2009/10/21〜2009/10/24
概要説明  持病の心臓病で入院した須藤。
入院生活は退屈で、見舞いに来る友達の阿部と担当ナースの斉藤さんいじり。
ある時、隣で入院している利奈と話す機会があって…
利用にあたって 利用規約
目安時間 8分半程度   【〜10分】
登場キャラ セリフ数 性別 備考
須藤 貴文
(すどう たかふみ)
74 心臓病のため、入退院を繰り返している。
高橋 利奈
(たかはし りな)
40 幼いころから入院していて持病の発作の持ち主。原因不明のため治る見込みはほとんどない。
斉藤
(さいとう)
29 看護婦の斉藤さん。貴文と利奈の担当をしている。
阿部 拓哉
(あべ たくや)
25 須藤の友達。よく須藤の見舞いに来るが、98%は斉藤さん目当て。






【病室】(シーツを直している斉藤さんを見ながら阿部と須藤)

001 阿部 「おい…絶対白だって」
002 須藤 「黒だ」
003 阿部 「バカか?おめーは。黒だったら透けるだろ」
004 須藤 「白だから透けないわけじゃないし、黒が透けるとは限らない」
005 阿部 「んなわけねーだろ。色つきは透けるに決まってんだよ」
006 須藤 「まぁ覗いて見ろって」
007 阿部 「よし、屈め屈め…」
008 須藤 「ラインくっきり見えるな」
009 阿部 「ほら、透けないでラインくっきりってことは白しかねぇ!」
010 須藤 「いんや、黒だ」
011 阿部 「サッカー部お得意の技見せてやんよ」
012 須藤 「おぅおぅ、やれやれ」
013 阿部 「股抜きスライディーングッ!」(ナースの足の間をくぐる)
014 斉藤 「きゃっ」
015 阿部 「マジかッ白じゃねぇ」
016 須藤 「なっ、言っただろ?」
017 斉藤 「こんのマセガキッ」
018 阿部 「黒のガーターだっ」
019 須藤 「大丈夫だ、あべたくはどストライクだ」
020 斉藤 「病院でふざけるのは危ないでしょーがっ!!」(阿部の頭にゲンコツ落下)
021 阿部 「いだぁぁぁぁっ」(頭押さえながら座り込む)
022 須藤 「ざまぁっ」
023 斉藤 「あんたも共犯でしょうがっ」(チョップ)
024 須藤 「いてっ」
025 阿部 「サッカー部で頭鍛えてるから平気だぜ」
026 斉藤 「じゃ、懲りるまで何度でもゲンコツします」
027 須藤 「入院してると暇でさ」
028 斉藤 「読書するとか別のことしなさい」
029 阿部 「看護婦さん、こいつ色当てうまいんすよ」
030 斉藤 「だからって片棒担ぐな」
031 須藤 「計画犯と実行犯」
032 斉藤 「どちらも悪いわーっ」



【病室】(阿部帰宅後、検診の時間)

033 斉藤 「病院内でスライディングなんて危ないったらありゃしないわ」
034 須藤 「あべたく上手いんで大丈夫です」
035 斉藤 「全然上手くないわよ。もし注射器とかもっていたら危なかったでしょ」
036 須藤 「あべたくのケツにぶっさせばいいです」
037 斉藤 「真面目な話をしてるの」
038 須藤 「斉藤さんって大人っぽい下着なんですね」
039 斉藤 「注射するわよ」
040 須藤 「冗談だって。…事実だけど」
041 斉藤 「他にも患者さんいるんだから少し静かにしないと」
042 須藤 「だったら、暇つぶしさせてくださいよ」
043 斉藤 「利奈ちゃん、体温計るよー」
044 須藤 「無視かよっ」
045 斉藤 「…暇だ暇だと騒ぐのは大いに結構。けど、ずっと病院から出られない子もいることを考えなさい」
046 利奈 「平熱だったよ」
047 斉藤 「はいはい。利奈ちゃんよかったらこの子黙らせといてね。また明日ね、おやすみー」
048 須藤 「黙らせるって…」
049 利奈 「…いつもお友達と騒いでる人?」
050 須藤 「騒いでるってほどじゃないけどな」
051 利奈 「いくつ?」
052 須藤 「は?」
053 利奈 「歳」
054 須藤 「15」
055 利奈 「じゃ、一緒だ。もうすぐ15」
056 須藤 「一緒じゃねーよ。年下じゃん」
057 利奈 「もうすぐ15だもん」
058 須藤 「もうすぐでも、間もなくでも1日でも違えば年下なんだ」
059 利奈 「うん…、君、利奈より色々知ってるもんね」
060 須藤 「まぁな」
061 利奈 「この病院からあんまり外に出たことがなくて…」
062 須藤 「斉藤さんがさっき言ってた?病院からずっと出れない子って…」
063 利奈 「慣れたよ。病院がお家みたいだから。ぼーっとするだけなんかもいいし」
064 須藤 「俺は暇で暇で仕方ねーけど」
065 利奈 「慣れればいいもんだよー」
066 須藤 「ひゃー、慣れたくないね。腑抜けになっちまう」
067 利奈 「利奈は腑抜けじゃないもん」
068 須藤 「じゃ、間抜け」
069 利奈 「間抜けじゃないもん」
070 須藤 「阿呆」
071 利奈 「馬鹿じゃないもん」
072 須藤 「いや、まだ言ってないし…」
073 利奈 「先読みしてみた」
074 須藤 「それって認めたってことじゃん」
075 利奈 「馬鹿じゃないけど阿呆だよ」
076 須藤 「阿呆」
077 利奈 「なんか言われるとムカつくー」
078 須藤 「図星だ図星」
079 利奈 「違うもん……やっと話し相手ができたね」
080 須藤 「それ俺に言ったの?」
081 利奈 「さぁね」
082 須藤 「まるで友達いないみたいな言い草だな。立派に変な友達持ってるぞ」
083 利奈 「知ってる。阿部のたくあんでしょ」
084 須藤 「ちょっと違うけどそんな感じ」
085 利奈 「今度紹介してね」
086 須藤 「ろくな人間じゃないぞ」
087 利奈 「貴文くんの知り合いだもの。知ってる」
088 須藤 「おい、どーゆー意味だ……あれ?名前…」
089 利奈 「高橋 利奈。斉藤さんに名前教えてもらったんだ」
090 須藤 「よろしくな、利奈」
091 利奈 「あ、呼び捨てだー」
092 須藤 「ったりめーだ。さん付けするだけ勿体ない」
093 利奈 「何が?」
094 須藤 「体力」
095 利奈 「そんなに?」
096 須藤 「んなわけねーだろ」
097 利奈 「だよねー」
098 須藤 「ところでさ、利奈って誕生日いつ?」
099 利奈 「今月末」
100 須藤 「もうすぐじゃんか」
101 利奈 「貴文くんは?」
102 須藤 「ついこの前」
103 利奈 「終わっちゃったんだ…。じゃ、また来年だね」
104 須藤 「ったりめーだ。来年以外に何回も誕生日きてられっか」
105 利奈 「来年、お祝いしてあげるよ」
106 須藤 「来年までいろって言うのかよ」
107 利奈 「いなかったら利奈んとこまでおいで」
108 須藤 「じゃ、誕生日プレゼント期待してる」
109 利奈 「うん。はりきっちゃおう」
110 須藤 「利奈の誕生日祝ってやるからいつなのか教えろよ?」
111 利奈 「ん、31日だよ」
112 須藤 「よし、なにすっかな」
113 利奈 「クマのぬいぐるみはいらないからね?沢山あるもん」
114 須藤 「お、おう、そうか」
115 利奈 「そーゆーのにしようとしてたでしょ?」
116 須藤 「な、何で?」
117 利奈 「女の子はクマのぬいぐるみで十分だって考えそう」
118 須藤 「な、馬鹿にすんなよなっ」
119 利奈 「じゃあ、何するの?」
120 須藤 「それ言ったら面白くないだろ。秘密だ秘密」
121 利奈 「ちぇっ…。楽しみにしてるから」



【病院内】(須藤退院し、利奈誕生日前日。阿部と利奈見舞いに向かう)

122 阿部 「ったく、女の子の誕生日プレゼントも買えないのか貴文は」
123 須藤 「うっせ。何買っていいか悩むんだよ」
124 阿部 「あえてエロ本買ってこうぜ、エロ本。入院生活続けばたまってんだろ」
125 須藤 「何がたまってんだよ。たまんのはてめーへの殺意だろ」
126 阿部 「スケベDVDでOK」
127 須藤 「スケベなのはてめーの頭だ」
128 阿部 「誕生日何もらう?注文して利奈ちゃんチョイスのビデオでも…」
129 須藤 「お、斉藤さん。こんにちわ」
130 斉藤 「あぁ、貴文君…久しぶり」
131 阿部 「今日こそ白だ。レースの。ナースは純白じゃないとなぁー」(覗こうとしゃがむ)
132 須藤 「あれ?ここ503号室って俺のいたところですよね?」
133 斉藤 「あぁ、そうだよ」
134 須藤 「利奈、場所移ったんですか?」
135 阿部 「あぁ…今日は淡い水色かー…まぁそれもありだな」
136 須藤 「斉藤さん?…覗かれてますよ、あべたくに」
137 斉藤 「このっ」(踏みつける)
138 阿部 「ぎゃぁっ」
139 須藤 「利奈は何号室ですか?」
140 阿部 「その握ってる名前プレートをどこへ持ってくのかなぁ?」
141 須藤 「斉藤さん?」
142 斉藤 「ナースセンターだよ…」
143 須藤 「利奈、明日誕生日で何用意するか話したいんですよ」
144 斉藤 「利奈ちゃんはもういないんだよ…」
145 須藤 「退院したんですか?そりゃよかっ…」
146 斉藤 「急な発作でね…。さっき緊急手術をしたの」
147 須藤 「…で」
148 斉藤 「さっき…ついさっき息を引き取ったの」
149 阿部 「おいおい、ウソだろ…」
150 須藤 「斉藤さん…冗談はいいですよ?」(顔引きつらせる)
151 斉藤 「これ…預かったの」
152 須藤 「…貴文くんへ。16歳のお誕生日おめでとう。誕生日プレゼント何にするか、うーんと悩んだんだけど…」
153 利奈 「得意なお手紙に書くことにしたよ。多分貴文くんは退院して学校生活とか楽しんでるよね。うーんとうーんと楽しんでね」
154 須藤 「私からの誕生日プレゼントは…」
155 利奈 「私の心。……なーんてねっ。いらないよね。貴文くんの言うこと1つだけ何でも聞くってことでどうかな?精一杯の誕生日プレゼントだよ。ハッピーバースデー貴文くん。心を込めて…利奈」
156 須藤 「…得意と言いながら字間違いだらけじゃんかよ」
157 斉藤 「利奈ちゃんは学校に行けなかったから…」
158 須藤 「知ってますよ。これだけ書けたのもすごいくらい…」
159 斉藤 「利奈ちゃんからのプレゼント。確かに渡したわ」
160 須藤 「どうもでした」
161 斉藤 「いつまでもフラフラしてないで真っすぐ歩くのよ」
162 阿部 「俺はへろへろしようかな」
163 斉藤 「あなたはヘラヘラでしょ」
164 須藤 「よし、あべたく誕生日プレゼント買いに行くぞ」
165 阿部 「あー、斉藤ナースの下着拝んでから…」
166 斉藤 「させるかっ」(踵で踏む)
167 阿部 「ぎゃぁっ」
168 須藤 15になることができなかったけど、精一杯生きた少女の物語…






作者のツブヤキ
 長いお話ですね。今回描きたかったのは病院内で女の子と知り合う。
といったワンシーンのみです。なので、彼が利奈と知り合った時点で書くことは終わってます(笑)
利奈の発作は後付け感がでまくりなわけですね。
何かを感じて頂けると嬉しいです。

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