ある雨の日

ある雨の日

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :1:1不問:1
総セリフ数 95
製作日 2009/4/23〜2009/4/27
概要説明  突然の土砂降りの中、雨宿りした大樹。
実はその樹にはいわれのある大樹だった。
その大樹の伝説についての物語り。
利用にあたって 利用規約
目安時間 8分半程度   【〜10分】
登場キャラ セリフ数 性別 備考
カンク 26 若き旅人、レラの兄。詮索されることを嫌う。
レラ 30 幼き旅人、カンクの妹。故郷を離れて旅をしている。好奇心旺盛
シュカ 39 ラカスカルの樹の物語を語る、旅人(演じる人によって性別を変えて)






【小高い丘】(急に土砂降りが降ってくる)

001 シュカ 「はぁー…ひどい目にあった。なんだってこんな大雨に…ん?」
002 カンク 「レラ、もうちょっと頑張るよ!」
003 レラ 「…うん」(弱々しく)
004 シュカ 「おーい、こっちだ、こっち。旅人さんたち」(大きく手を振りながら合図)
005 カンク 「はぁはぁはぁ…すみません」
006 レラ 「助かったぁ…」
007 シュカ 「難儀だったねぇ」
008 カンク 「大きな樹があって助かりました…まさか晴天で有名なラカスカルの丘で雨が降るなんて…」
009 シュカ 「丁度ラカスカルの丘も雨季に入ったからね」
010 レラ 「うき?」
011 シュカ 「雨が降り続く時期。梅雨ね」
012 カンク 「雨季なんてあるんですか?」
013 シュカ 「何も知らないんだね、旅人さんたち」
014 レラ 「旅人さんなの?」
015 シュカ 「旅人さん…。まぁ、そんなところだね」
016 カンク 「ほら、レラ。濡れたもの脱いで」
017 レラ 「うん」
018 シュカ 「お二人さんはどこへ行くんだい?」
019 カンク 「どこだろうね」
020 シュカ 「行く宛てもない放浪の旅ってわけか」
021 レラ 「カンク、荷物が…」
022 カンク 「荷物濡れた?」
023 レラ 「うん」
024 シュカ 「二人は兄弟?」
025 カンク 「旅人同士はお互いに詮索しないのが、ルールじゃない?」
026 シュカ 「ふぅ…そうだった…すまない」(ため息つく)
027 レラ 「カンク…」
028 カンク 「何?」
029 レラ 「寒い…」
030 カンク 「もっとこっちにおいで」
031 シュカ 「人里離れて久しくてね…時々、人が恋しくなるんだわ」
032 レラ 「…うん」
033 カンク 「…雨宿りができて良かったね」
034 シュカ 「ラカスカルの樹のお蔭だろうさ」
035 レラ 「ラカスカルの樹?」
036 シュカ 「今私たちが雨宿りしているこの大きな樹のことさ」
037 レラ 「何でラカスカルなの?」
038 カンク 「ラカスカルの丘の丘名からだろ」
039 シュカ 「実は逆なんだな。ラカスカルの樹があるからラカスカルの丘という名がついているのさ」
040 レラ 「へぇーそうなんだー」
041 シュカ 「私はシュカ。あなたの名前は?」
042 レラ 「レラ」
043 シュカ 「そちらは?」
044 カンク 「カンクだ」
045 シュカ 「雨が上がるまで、この知識人のお話に付き合う気はないかい」
046 レラ 「付き合う〜」
047 カンク 「好きにしてくれ…」
048 シュカ 「じゃあ、話すよ」
049 レラ 「うん!」
050 シュカ 「ラカスカルの樹というのは元々ラカスカルという人の名前からついた名称で…それにも物語があるのさ」
051 シュカ 「…むかし、ある町に人々から好かれる優しい学者がいました」
052 レラ 「学者?」
053 カンク 「勉強している研究者さ」
054 シュカ 「その学者の専門分野は星占術や天体系だったが、頼まれれば何でも調べてくれる人だった」
055 レラ 「その人がラカスカルって人だったんだ!」
056 シュカ 「そう。ラカスカルは優しい学者さん」
057 カンク 「それから?」
058 シュカ 「星の観察の依頼を受けて、星のよく見えるこの丘に足を運んだ」
059 レラ 「うんうん」
060 シュカ 「ただ時期が悪く、雨季に入ってしまったため、ここらは豪雨となった」
061 カンク 「それは大変だな…天体観測どころじゃないじゃないか」
062 シュカ 「ただこの当たりには何もなく、雨風を凌ぐことができなかった。かといって時間がかかるので一度帰宅することもできず、待つことにしたんだ」
063 レラ 「そのラカスカルさんって一人だったの?」
064 シュカ 「あぁ、雨の中たった一人。頼まれたことやり遂げるため…ずっと待っていた」
065 レラ 「なんだか可哀相…」
066 シュカ 「雨が上がると思っていたんだ…いつしか止むことを信じて…」
067 カンク 「僕たちのように大きな樹がなかったんだ…」
068 シュカ 「雨が止むより先にその人は高熱で倒れてしまった。雨を凌ぐことができていればそのようなことはなかっただろうけど」
069 レラ 「お医者さん呼ばなきゃ!」
070 シュカ 「近くの町と言ってもかなり離れていたし、既に寝込んで歩けない状態だったんだ」
071 カンク 「野営だと雨ざらしになるもんな…」
072 シュカ 「その人はすっかり弱り切って、もうすぐで旅立ってしまうと思った時願ったのは、『自分のように雨で困る人がいないように大樹が生えてくるように…』と願った」
073 レラ 「具合が悪いのに旅立てるの?」
074 カンク 「あぁ、第二の冒険さ。僕たちもいつ旅立つか分からない」
075 レラ 「もう旅しているのにさらにするの?」
076 カンク 「旅の途中ではつきものだからね」
077 シュカ 「ラカスカルの亡骸はその後通りかかった旅人に埋められた。数日後、何もなかった丘の頂上に芽が出てきた。新たな生命の誕生が確認されたわけで…」
078 レラ 「ラカスカルさんだ!」
079 シュカ 「その人は見ることができなかったが、雨があがった後にはため息が出るほどきれいな虹が出ていたそうだ」
080 レラ 「見たかっただろうね…その虹」
081 カンク 「だが、きっとこの地に眠れて幸せだろうな。騒がしくないし、こうして旅人達が訪れる」
082 シュカ 「そうだな。悪くない…な」
083 レラ 「ラカスカルさんはずっとここで旅人さんたちを見守っているんだもんね」
084 シュカ 「おっと、雨が止んだようだ」
085 レラ 「ね、ね!虹が出てるっ!」
086 カンク 「確かにきれいだな」
087 シュカ 「さ、旅立ちの時だ。ラカスカルの雨季は気分屋なんでね、また土砂降られるぞ」
088 カンク 「そっか、レラ。行こう」
089 レラ 「うん!」
090 シュカ 「じゃあ、また会えたらっ」
091 カンク 「カンクだ。また会えたその折には…」
092 シュカ 「あいよ、シュカだ」
093 レラ 「レラなのー!」
094 シュカ 「またね」
095 カンク 「さぁ、行こう」






作者のツブヤキ
 季節物の作品を書いてみました。
ファンタジーものを描きましたが、これといって感動のできるストーリーになったわけでもなくorz
季節劇団の作品選抜どうしようか…。

さて、今回シュカの正体ですが、自分でも理解しておりません。
誰でも演じられるよう、男と女、どちらの性別でもない口調にして見ました。
人によってはシュカこそがラカスカルだと言われるかもしれません。確かにそう言われればそうな気も…。
とにかく不思議な奴です…。楽しんで演じてみて下さいな

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