001 |
ティアランス |
「何だ、お前たちは」(睨みつける) |
002 |
男A |
「身なりいいな」 |
003 |
男B |
「君、金目のものくれよ」(ティアランスの肩掴む) |
004 |
ティアランス |
「寄るな馬鹿者」(汚らわしい物を見るような眼) |
005 |
男A |
「どっかのいいお坊ちゃんか?」 |
006 |
男B |
「なぁ、痛い目見たくないだろ?」(顔近付けてニヤニヤ) |
007 |
ティアランス |
「貴様らのような下衆にやるものなど持ち合わせているかっ」 |
008 |
男A |
「何だと?」 |
009 |
男B |
「痛い目見ないと分からないようだな」(ティアランスの髪掴む) |
010 |
ティアランス |
「痛っ…」 |
011 |
男B |
「コイツ、このまま売っちまうか」 |
012 |
男A |
「バーカ、男のガキなんて売れるかよ」 |
013 |
ティアランス |
「なっ」(頬を赤く染めて睨みつける) |
014 |
男A |
「声かける相手間違ったんじゃないか?」 |
015 |
男B |
「服でもひん剥いて売ればいいだろ?」 |
016 |
男A |
「それもそうだな、小銭にはなるか」 |
017 |
ティアランス |
「離せっ、下衆めっ」 |
018 |
男A |
「あぁ?お前、状況わかってるのか?」 |
019 |
男B |
「おらっ」(ティアランスの腹部に蹴りいれる) |
020 |
ティアランス |
「がふっ…かはっ…」(みぞおちに入り、空気吐き出す) |
021 |
男A |
「おぃおぃ、服が汚れちまう」 |
022 |
男B |
「悪い悪い、んじゃ顔にしておくか」(髪引っ張り、顔上げさせる) |
023 |
ティアランス |
「愚図が…」 |
024 |
男A |
「口悪いねー」 |
025 |
男B |
「おしおきが必要でしょ」 |
026 |
エーベル |
「お前たち…」(男たちの背後から声掛ける) |
027 |
男A |
「はいはい、あとでね。今忙しいから」(あしらうようにヒラヒラ手を振る) |
028 |
エーベル |
「何をしている」 |
029 |
男B |
「おしおきだ、おしおき。黙ってろ」 |
030 |
エーベル |
「悪いが、弱い者いじめは黙っていられないな」(男たちの肩に手を乗せる) |
031 |
男B |
「は?」(振り向き、エーベル見る) |
032 |
男A |
「あぶっ」(顔面にパンチが決まる) |
033 |
男B |
「おべっ」(顔面にパンチが決まる) |
034 |
エーベル |
「二度とこのような真似をするな」 |
035 |
男A |
「覚えてろっ、畜生ッ」(顔を押さえながら逃げ去る) |
036 |
エーベル |
「私の方が覚えていると厄介だぞ?」(逃げ去る姿を笑いながら見送る) |
037 |
ティアランス |
「く…」(崩れ倒れる) |
038 |
エーベル |
「大丈夫か?」(ティアランスを抱え起こす) |
039 |
ティアランス |
「あ…あぁ…」(起き上がろうとしてふらつく) |
040 |
エーベル |
「おっと…少し休むか」 |
041 |
ティアランス |
「いや、平気……うぁっ」(エーベルに抱えられ驚きの声をあげる) |
042 |
エーベル |
「よっと、木陰で横になった方がいい」 |
043 |
ティアランス |
「わ…下ろせ、離せ、触れるな」(顔真っ赤にして暴れる) |
044 |
エーベル |
「私の腕の中で暴れるな、落ちるぞ」 |
045 |
ティアランス |
「う…」 |
075 |
ティアランス |
「そちとこうして話すのも何度目になるかの」(楽しげに) |
076 |
エーベル |
「ティアランスも暇だな、私と話したいとは」(ため息交じりに現れる) |
077 |
ティアランス |
「そちと話しているとほっとする」 |
078 |
エーベル |
「そうか」 |
079 |
ティアランス |
「そろそろ余の正体を明かそう」 |
080 |
エーベル |
「正体?」 |
081 |
ティアランス |
「余はシュナ国の次期王と言われておる」 |
082 |
エーベル |
「シュナ国の王候補だと」 |
083 |
ティアランス |
「どうだ、驚いたか?」(満足そうなに笑いながら) |
084 |
エーベル |
「あ…あぁ」(目をしばしばさせる) |
085 |
ティアランス |
「だが、余は王などなりとうない」 |
086 |
エーベル |
「何故だ?」 |
087 |
ティアランス |
「他にも候補者がおるしそれを奪ってまでなるほどのものでもない。それに余は女であるから…」 |
088 |
エーベル |
「女だと!?」(大声あげてティアランス見る) |
089 |
ティアランス |
「なっ、驚くところが違うぞっ。もしかしてそちは余が男だと思っておったのか?」(頬を染め、怒る) |
090 |
エーベル |
「あ、あぁ…」 |
091 |
ティアランス |
「無礼であるぞ」 |
092 |
エーベル |
「すまない」 |
093 |
ティアランス |
「まぁ、色気がないのは認める…」 |
094 |
エーベル |
「まぁ、そのなんだ、自分の生きたいように生きるのが最善だと思うぞ」 |
095 |
ティアランス |
「エーベル…」 |
096 |
兵士 |
「王、そろそろお時間です」(草かげから現れる) |
097 |
エーベル |
「もうそんな時間か…」 |
098 |
ティアランス |
「エーベル、また次も来てくれるか?」(期待する眼差し) |
099 |
エーベル |
「あぁ、…少し仕事を片付けてからな」 |
100 |
兵士 |
「では王、こちらへ」(馬の方へ誘導) |
101 |
エーベル |
「うむ」 |
102 |
兵士 |
「…恐れながらティアランス殿」(駆け寄って小声で話す) |
103 |
ティアランス |
「なんだ」 |
104 |
兵士 |
「エーベル王は一国の王。あなたと付き合うのは不釣り合いかと…」 |
105 |
ティアランス |
「なんだと?」(顔色変える) |
106 |
兵士 |
「王と一般の者には明らかな差が…」 |
107 |
ティアランス |
「余は王族ぞ」 |
108 |
兵士 |
「それは王になってから申されよ」(鋭く言い放つ) |
109 |
ティアランス |
「く…」(兵士睨みつける) |
110 |
兵士 |
「我が王はご多忙の身、そなたのような者に時間を費やしているのが勿体ない」 |
111 |
ティアランス |
「余の楽しみを奪おうと言うのかっ」 |
112 |
兵士 |
「身分をわきまえろっ」(一喝) |
113 |
ティアランス |
「なっ…」(驚く) |
114 |
兵士 |
「我が王、我が国のため……失礼っ」(一礼して立ち去る) |
115 |
ティアランス |
「く…ふざけるなっ」(地面を思いっきり拳ぶつける) |
116 |
エーベル |
「ではまた会おう、ティアランス」(優雅に手を振って走り去る) |
117 |
ティアランス |
「…余が王になれば、エーベルと対等に…。余が王に…」(自己暗示として呟く) |
118 |
エーベル |
「ティアランス」 |
119 |
ティアランス |
「来たか、エーベル。待ちくたびれたぞ」 |
120 |
エーベル |
「色々とあってな…」 |
121 |
ティアランス |
「驚け、エーベル。余はシュナ国の王になったぞ」(自慢するように胸張る) |
122 |
エーベル |
「…あぁ」 |
123 |
ティアランス |
「どうした?もっと驚け。余はそなたと一緒になったのだぞ」(驚かないことに驚く) |
124 |
エーベル |
「ティアランス…先代王や兄弟をお前が殺したのか?」 |
125 |
ティアランス |
「…ん」(口をつぐむ) |
126 |
エーベル |
「王たちを殺して王になったのかと訊いているのだ」(怒りを隠しながら冷静を装う) |
127 |
ティアランス |
「そうだ」 |
128 |
エーベル |
「何故だ」 |
129 |
ティアランス |
「余は王ぞ。そちと同じになったのだぞ」 |
130 |
エーベル |
「そのために血の繋がりを絶つのか」 |
131 |
ティアランス |
「喜べ、余が王ぞ」 |
132 |
エーベル |
「あれほど嫌がっていたのに…」 |
133 |
ティアランス |
「そちのために王となったのだ」 |
134 |
エーベル |
「…変わったな」 |
135 |
ティアランス |
「そちに合わせるために余は変わった」 |
136 |
エーベル |
「どうして王などに生まれたか…」(額に手を当てる) |
137 |
ティアランス |
「…エーベル」 |
138 |
エーベル |
「すまない、ティアランス。王になったのであれば、私は今後お前とこうして会うことはできない」 |
139 |
ティアランス |
「何故だっ」(怒鳴りつける) |
140 |
エーベル |
「一国の王同士、こうして話し合っていれば他国に妙な噂が立つ」 |
141 |
ティアランス |
「余の国とそちの国で同盟を組めば…」 |
142 |
エーベル |
「今はそれができないのだ」 |
143 |
ティアランス |
「何故」 |
144 |
エーベル |
「今同盟を組めば、お前の国が危険にさらされる」 |
145 |
ティアランス |
「それでも…」 |
146 |
エーベル |
「私にこれ以上幻滅させないでくれ…」(頭抱え立ち上がる) |
147 |
ティアランス |
「エーベルッ」 |
148 |
エーベル |
「身分も関係ない身に生まれたかったな…お互いにな」(立ちどまり、呟き、立ち去る) |
149 |
ティアランス |
「…どうして、どうして余の心をわかってくれないのだ」(涙が溢れ、悔しそうに泣く) |