おはよう新しい世界

おはよう新しい世界

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 不問:1
総セリフ数 35
製作日 2016/12/21〜2016/12/21
概要説明  楽しく、幸せだった日々が突如終わりを告げ、絶望の淵へ。
目を背けたい現実に、おはようと呼び掛けてくる者がいた――
それは、『神』でもない、『自分自身』なんだと……――
利用にあたって 利用規約
目安時間    
登場キャラ セリフ数 性別 備考
自分に語り掛けてくる、『自分』。正体X。強い光の中、形を持たない存在。



【光の中】(暗闇の中、強い光が差し、声がする)

001 「やぁ、お目覚めかい?」
002 「…いや、『目が覚めたかい?』の方が正しいかな」
003 「どうだい、現実にかえってきた気分は。ほっとしたかい?浮足立った、地に足のつかない世界より、よっぽどリアルな世界だけど」
004 「長い長い夢だったか、それとも儚い夢だったか」
005 「まぁまぁ、楽しんでいられたんじゃないかい」
006 「浮かない顔だね?そんなにこっちの世界が気に入らないのかい?」
007 「そっか、こっちの世界が気に入っていれば、あっちの世界なんかには、魅かれないものね。なるほどなるほど」
008 「それはそれは……でもね、向こうの世界は終わりを迎えたんだよ。終わった世界」
009 「終わった世界には、いつまでもいられはしない。消滅してしまうからね」
010 「そのまま消滅してしまいたい?…そうだね、そのまま世界にいたまま消滅できたら、それは素晴らしいだろうね」
011 「その気持ちは分かるよ。幸せの最絶頂の中、死ねるのも、それはまた最高の幸せなのかもしれない」
012 「まぁ、そんな世界は、微々たる確率の世界のお話なんだけどね。現に君はもう幸せを失っているのだから」
013 「幸せというのは、幸せの最中には手放せないものだからね。よく勉強になったでしょ」
014 「一つ一つそうやって学んでいくことが大切だと思うよ」
015 「確かに世の中は知らない方が幸せなことも多くあるし、知らないべきことも沢山ある」
016 「…まぁ、君は知っちゃった。仕方がないね。しょうがない」
017 「あの世界は『知ること』自体がタブー。それを破ってしまったら、壊れてしまう世界」
018 「世界はものすごーく絶妙なバランスで、できているからね」
019 「そうだね。君の心も、すごく絶妙なバランスだと思うよ」
020 「君のような人は、この世界は生きにくいかもしれないね」
021 「だって、『何で生きているんだろう』って考えちゃうでしょ」
022 「答えはないんだもの。正解か不正解かって決める人は……まぁ、どこかにいるのかもしれないけどね」
023 「少なくとも自分自身じゃないし、ボクでもない」
024 「認める人はいないし、認めてくれる人もいないと、それはそれは不安になるだろうね」
025 「認められないと生きていちゃダメか。そんなことはないんだけどね」
026 「悩ましいね。悩ましい。この世界が生きにくーい世界だということは、ボクがよーく知ってるよ」
027 「なんていったって『君自身』なんだから」
028 「さてさて、あちらの世界は凄く楽しかった。じゃあ、違う世界もあるんじゃない?」
029 「君のような人は、この世界はすごく生きにくい。この世界を終わらせるのは…まぁ君なんだよね」
030 「……疲れたのなら、休めばいいのかもしれないね。一かゼロ。黒か白。」
031 「1.5も2も、灰色も赤も青も緑も。選択肢は二つじゃなくていいのかもしれないよ」
032 「ボクは神でもなんでもないし、優しい言葉もあまりかけてあげられない。じゃあ死んだら?って何度も言うような『君自身』だけど」
033 「君が生きているなら、ボクもまたここに生きている。性懲りもなくね」
034 「……さて、もう寝ようか。また、起きたら君には『おはよう』と言ってあげるよ」
035 「おはよう…新しい世界へ」






作者のツブヤキ
 死にたくなった君へ。
僕は語り掛ける。その声は聞こえないふりをしているけど、確かに耳に届いている。
心から苦しいって叫んでいる。でも、助けてくれる人はいない。
幸せは強い毒のようなもの。
強ければ強いだけ、失った時の反動、副作用は大きい。
また死に損ないましたか?何度でもおはようと語りかけてくるのは、もう『あの人』ではなく、形のない自分自身。

使用報告・リクエスト・感想・コメント応援・随時、受付中! ⇒   掲示板  

(※どの作品からのコメントなのか、URLのfree/○○○.htmlの『数字3桁のみ』の後、続けてコメントを記載して頂けると助かります)









台本一覧へもどる

オリジナルボイドラ劇場へもどる

声物語劇団へもどる

ブログを見る

★☆先月の台本人気ランキング☆★