四季宿亭、ふゆ来たりなば

四季宿亭、ふゆ来たりなば

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :3
総セリフ数 70
製作日 2011/9/23〜2011/9/24
概要説明
利用にあたって 利用規約
目安時間 5分半
登場キャラ セリフ数 性別 備考
はる 12 小稲荷神社の土地神。結構しっかり者で、なつと慣れ親しんだせいか、なつを叱ることも多々…
あき 32 夢想流山という師の下で修業をつみ、修行に行けと命令が下り、四季宿亭を訪れる。
ふゆ 26 四季宿亭を彷徨っていたところ四季に拾われて仲居になった幽霊。獣人や人間には見える時と見えない時があるらしい






【早朝】(冬の冷えた 四季宿亭の廊下)

001 あき 「うぅ…寒…朝から冷えるな」(体をちぢこませながら廊下を歩く)
002 はる 「おはようございます、あきちゃん」
003 あき 「これははる殿、おはようございます」
004 はる 「仲居の間の方の囲炉裏の火を起こしておきましたから、温まってくださいね」
005 あき 「かたじけない」
006 はる 「それでは私は朝食のお手伝いをしてきますね」(ペコッと頭下げて去る)
007 あき 「あ、ああ。いってらっしゃい……やはり、はる殿は気が利くなぁ」(手で裾を掴みながら振って、見送った後呟く)
008 ふゆ 「仲居の間…暖まってるのか…自分も行こうかな…」(ぽそっと呟く)
009 あき 「しかし、裸足だと足の裏が痛くなるな…いや、鍛えが足りないだけだ。あぁそうだ。…みそぎでもしないとな!…いや、ちょっとこの寒さでみそぎは…うぅむ」(考え込み始める)
010 ふゆ 「あきさん、お部屋に行かないんですか?」
011 あき 「うわっ!?ふゆ殿!いつからそこに!?」(驚き飛び退く)
012 ふゆ 「いや…自分後ろなんですけど…」
013 あき 「あや…、すまぬ…姿が見えぬ故な…」(後頭部をかきながら後ろ振り返る)
014 ふゆ 「そこにも自分いない…けど」
015 あき 「どこを向けば良いかわからぬではないかっ!…あ、いや…見えぬ某が悪いのだが…」(言った後、バツ悪そうに)
016 ふゆ 「寒くないんですか?」
017 あき 「さ、寒いと思うから寒いのであってな!…さ、寒くなんてないぞ。あぁ!師匠なんか、乾布摩擦で体を温めるのだからな!」(強がる)
018 ふゆ 「乾布摩擦?」
019 あき 「手拭で体を擦って、摩擦で発生する熱を利用するのだ。擦る動作で動いて体が温まる、実に考えられた技だ」
020 ふゆ 「見たい…」
021 あき 「む……まぁやってみようか。ここなら人が来ないだろうし。ムンッ……寒ゥッ!?」(気合入れて上半身晒姿になり、慌てて自分を抱き締める)
022 ふゆ 「そんなに寒いかな…空気は澄んでいるけど…」
023 あき 「肌が切れてしまいそうなほど寒いぞぞぞ……早くやって体を温めなければばばッ」(ガチガチ歯を鳴らしながら袴から布を取り出す)
024 ふゆ 「わくわく…」
025 あき 「はぁぁぁぁぁ…」(乾布摩擦開始)
026 はる 「あきちゃんなにされてるんですか?」(お膳を運びながら)
027 ふゆ 「乾布摩擦だって」
028 はる 「こんな寒い中、そんな恰好しちゃ風邪ひいちゃいますよ」(クスッと微笑みながら)
029 あき 「意外と効果があってだな…この寒さの中、耐えられる体になるもの…だぞ」(キリッ
030 はる 「あら……?」(あきの動かす白い布を見て小首を傾げる)
031 ふゆ 「温まってきた?」
032 あき 「あぁ、だいぶ温まってきたな。流石乾布摩擦だ」(しみじみと)
033 はる 「あの…あきちゃん?」(頬を赤くして恥ずかしそうに眼を逸らす)
034 あき 「む?どうされた、はる殿」
035 はる 「その…あの…」(モジモジしながら)
036 あき 「ポロリはしておらぬが…?」(晒を確認しながら不思議そうに)
037 はる 「その布……ふ、褌じゃないですか?」(目を強くつぶり恥ずかしそうに)
038 あき 「へ?」
039 ふゆ 「どれどれ…?」(袴をめくる)
040 あき 「わわっ!?袴が勝手にめくれて…ひぃっ!スース―する!!」
041 ふゆ 「ほぅ…これも健康法?」
042 はる 「ノーパン健康法もいいかもしれないですけど、お客様の前で見つかると大変なことになりますからね!気を付けてくださいねっ!それじゃっ…」(顔赤らめそそくさと去る)
043 あき 「違っ…はる殿!?誤解だっ!なつめッ!くそぉぉお」(はるを追おうとするが諦め、怒りで褌握りしめる)
044 ふゆ 「そういえば…昨晩なつさんがイタズラとかって寝ている時に帯と交換してたような…」
045 あき 「な…」(怒りと恥ずかしさで耳まで真っ赤になる)
046 ふゆ 「今まで気付かず褌を帯にしてたんかい……」
047 あき 「もうお嫁に行けぬっ!」(わっと床に伏せる)
048 ふゆ 「…大丈夫。そういうの趣味の人もいると思うから。あきさんが、そういうのに目覚めるのもありだし…」
049 あき 「どちらも嫌だッ」
050 ふゆ 「まぁまぁ、あれだ。袴めくる楽しみ減っちゃうしね…」
051 あき 「めくるなっ!」
052 ふゆ 「四季宿亭のポルターガイストらしいですから」(キリッ
053 あき 「厄介なのは、なつ一人で十分だ」
054 ふゆ 「最近本を飛ばすの飽きちゃって…」
055 あき 「本を飛ばす!?」
056 ふゆ 「読み終えた本はビューンヒョイって…念力ッ」
057 あき 「便利な…いや、如何わしい力だ!卑猥だ、ふゆ殿!そうやって女子(おなご)の衣服をめくったりなどとはな、例え同性でも…ならんぞ」
058 ふゆ 「ポルターガイストの特権!」
059 あき 「えぇいっ!ポルターガイストだの、霊だの、存在しないのだ!」
060 ふゆ 「じゃぁ、自分は何?」
061 あき 「……透明人間?幽霊ではない。うむ、断じてないぞ」
062 ふゆ 「斬れぬものほど、怖いものはない…」
063 あき 「そ、そう!だからこそ幽霊は…って、違っ」
064 ふゆ 「ふっふっふっ…怖いのは斬れないものだけじゃない…見えないことも。自分はあきさんの秘密をたくさーん知ってて…」
065 あき 「ちょ…待っ…人が悪いぞ!ふゆ殿」
066 ふゆ 「もう人じゃないですよ、幽霊ですよ」
067 はる 「四季宿亭の知識の宝庫という以上にデータベースだったりするんですよね…ふゆちゃんは…」(諦めたようにため息をつく)
068 ふゆ 「なつさんに、あきさんの秘密をこそっと教えてきますね〜♪」
069 あき 「ふゆ殿!待たれよっ!なつが調子に乗るであろうっ!ふゆ殿っ」(追いかける)
070 はる 「お二人さん、朝食が間もなくできますよー、食前の運動も程々にして下さいねー。…朝から元気ですねー、いいこといいこと」(るんるんしながら去る)






作者のツブヤキ
 四季宿亭ラジオ第四回で放送された作品に一部加筆されました。

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