四季宿亭、彩るあきに

四季宿亭、彩るあきに

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :4
総セリフ数 100
製作日 2011/7/1〜2011/7/1
概要説明  この世かあの世かその世かどこの世かにある、宿屋、四季宿亭。
これはまだ、いつものお決まりの面子が揃っていなかった頃のお話。
四季宿亭の要の仲居、あきが四季宿亭へやってきた…そんなお話。
利用にあたって 利用規約
目安時間 6分半
登場キャラ セリフ数 性別 備考
四季 10 四季宿亭の仲居達を束ねる女将。裏の世界でも顔が利き、広い人脈を持っている。午前はよくどこかへ出かけている
はる 53 小稲荷神社の土地神。結構しっかり者で、なつと慣れ親しんだせいか、なつを叱ることも多々…
なつ 45 サボり癖が激しくしょっちゅう四季に怒られる獣人。力を抜くことが多く飄々と生きている。
あき 42 夢想流山という師の下で修業をつみ、修行に行けと命令が下り、四季宿亭を訪れる。






【四季宿亭玄関前】(階段をのぼりきり、見上げるあき。一方、温泉で寛ぐなつとはる)

001 あき 「ここが四季宿亭…」(秋風に吹かれ紅葉が舞い上がる)
002 なつ 「秋は芋煮だろ?月見だろ?紅葉狩りだろ?きのこ狩り?イベント盛り沢山さ」(風呂場の岩に座りながら指折り数える)
003 はる 「お風呂の落葉もきれいですけど、お掃除が大変ですよね」(苦笑する)
004 なつ 「だなー、それはめんどい…」
005 あき 「師匠のおっしゃった通り、景色が本当に素晴らしいところだ。このような場で修行に励めるのは、幸せだ」(舞っている紅葉の葉を手に取り、眺めて頬を緩める)
006 はる 「秋の季節が過ごしやすくて好きです」
007 なつ 「食いもんも美味いしな。それに尽きる!」
008 はる 「彩り鮮やかな料理が、お膳に並びますものね」
009 あき 「さて、挨拶に参るとするか。…御免!夢想流山(むそうるざん)師匠の元から参った!…誰か、誰かいないのかっ」(四季宿亭の玄関に入り、声を張り上げる)
010 はる 「あれ?ふゆちゃんは、いないんですか?」(ふと周りを見回して)
011 なつ 「あぁ、何か忘れてると思ったら、ふゆか」(ポンと手を叩く)
012 はる 「忘れていたんですか?」
013 なつ 「はるが来たあの時も、ふゆに声かけようと思って忘れてた」(ペロッと舌出す)
014 はる 「ヒドいですよ」
015 なつ 「いやぁ、はると違って獣人にゃ、常時見えるもんじゃなくてね」
016 はる 「そうなんですか?」(小首傾げる)
017 なつ 「ふゆのこと見えんのは、死者とか神々に仕える者とか現世の以外の者。逆に言うと、現世に近い者にはなかなか認識できないってこと」
018 はる 「じゃあ私は現世にいたから…」(少し考え込む)
019 なつ 「はるは土地神だろ」
020 はる 「は、そうでした」(ハッとする)
021 あき 「たのもー、たのもー!…誰もいないのか?不用心な…スン…スンスン。この香りは湯の匂いか…スンスン…少し汗臭いかな。一風呂浴びさせて頂くとするか…」(草履を脱ぎ、上がるとキョロキョロし、漂う温泉の匂いに肩の匂いを嗅ぐ)
022 なつ 「ふゆは本が好きだからな。幽霊だから食事も取らなくていいから呼ばないと書斎から出て来ないぞ?」
023 はる 「そうなんですか?」
024 なつ 「たまに散歩してるみたいだけど」
025 はる 「ふゆちゃんとまだあんまりお話したことないです」
026 なつ 「あんまり喋んないからなぁ」
027 あき 「ふぅ…修行の一環とは言え長旅は疲れるな…いや、これしき大したことはないっ大したことないぞっ!あぁ!」(脱衣所にて脱ぎながらため息をつき、慌てて首を振り、気合を入れ直す)
028 はる 「今日のお客様は…」(思い出すように)
029 なつ 「夕刻に団体さんのご到着さぁ。ハードだぞ?あのラッシュは」
030 はる 「そんなに大変なんですか?」
031 なつ 「猫の手を借りたくなる」
032 はる 「ひぇー大変ですね…」
033 なつ 「頑張れよ、はる」
034 はる 「なっちゃんもです!」
035 なつ 「えー?」(面倒そうに)
036 はる 「もぉ…」
037 あき 「失礼する。ほぉ…これは見事な浴場だ」(ガラッと浴場の戸を開け、見渡し感嘆の声をあげる)
038 はる 「あれ?誰か入って来たみたいですよ?」
039 なつ 「はる2号じゃないか?」(はるを小突く)
040 はる 「またまたぁ…でも、お客様じゃないですよね」
041 なつ 「誰もいないと、なんで風呂に来るんだ?裸で」
042 はる 「お風呂に入りたくなるんですよ」
043 あき 「湯に紅葉を浮かべるのもまた趣があるな…」(温泉に浮く紅葉を掬い上げ、ほっと息をつく)
044 なつ 「…なぁ、はる」
045 はる 「なんですか?」
046 なつ 「辻斬りか何かの類いか?風呂場に刀を持ち込んでるぞ」(あきの右手に握られた鞘を指差す)
047 はる 「え…護身用じゃないんですか?」
048 なつ 「護身用って…普通じゃないだろ?初めて見たぞ」
049 はる 「刀錆びないんですかね」(小首傾げる)
050 なつ 「声掛けにくいぞ…ウチ、まだ尻尾をアクセサリーにされたくないし」(尻尾隠しながら)
051 あき 「湯加減は…うむ丁度いいな。それでは失礼して…」(足に軽くかけ、確認するとそろそろと湯に浸かろうとする)
052 なつ 「はる、行け」(はるを小突く)
053 はる 「なっちゃんこそ…」(なつを小突く)
054 なつ 「じゃ、一緒に一緒に…」
055 あき 「はぁぁぁ…骨の髄まで染み渡るようだ…」(口から魂を出すかのように…手ぬぐいを頭に乗せる)
056 なつ 「行くぞ?3、2、1…で」(指でカウント合図する)
057 はる 「はい。3…2…1…」(頷き、小声で)
058 なつ 「わっ!」(あきの前に飛び出し、両手を広げて襲い掛かる威嚇ポーズ)
059 はる 「あのっ!」(精一杯勇気を出して)
060 あき 「わわわわわわっ、あだっ!うーーん…」(びっくりして転び、後頭部を床にぶつける)
061 はる 「何で、『わっ』なんですか、なっちゃん」
062 なつ 「いや、だって…ねぇ?」(目パチクリさせながら)
063 あき 「うーん…」(気絶しながら呻く)
064 はる 「何が『ねぇ?』なんですか…あぁっ大丈夫ですか?」(あきに駆け寄り揺さぶる)
065 なつ 「お?頭ぶつけて気絶したの?意外と間抜けだな」(あきを見下ろす)
066 はる 「なっちゃんのせいですよ!えと、とにかくお部屋に運びましょう」
067 なつ 「うぇーめんどい…このまま放置じゃダメ?」(頭で腕組みながら)
068 はる 「ダメです。」(キッパリ)
069 なつ 「何なんだよー、勝手に来て勝手に気絶して…だらしないったらありゃしない」(口尖らせながら担ぐ)
070 はる 「なっちゃんが悪いんですから文句言わない!」
071 なつ 「あいあい…」



【客室の一室】(あきを布団に寝かせ、看病するはるとその脇でキセルふかす四季)

072 あき 「う…某は…」(目をうっすらと開け、呟く)
073 はる 「あ、気が付きました?」
074 あき 「ハッ…曲者めっ!!」(脇に置いてあった刀を掴み、鞘から抜く)
075 四季 「おぅおぅ看病してもらった恩人さんに刀向けるのは武士道に反するんじゃないかい?」(ぷはぁっと煙吐きながら)
076 あき 「むっ」(四季を見る)
077 四季 「それに挨拶もまだときた」(顎で合図する)
078 あき 「ハッ…しまった、某としたことが…」(ハッとして頭を抱える)
079 四季 「話は聞いているが、なんだい夢想流山の弟子とか?」(目を細めながら)
080 あき 「申し遅れました、某…夢支那秋歩(ゆめしな あきほ)と申します。夢想流山師匠の下で鍛えられ、此の度、四季宿亭で修行してくるよう…」(正座し直し、背筋を伸ばす)
081 四季 「なるほどねぇ…あの流山が弟子をね」(懐かしそうに笑う)
082 はる 「四季さん、お知り合いなんですか?」
083 四季 「古くからの友人でね、まぁ関わりあいは深いわな」
084 あき 「師匠からよろしくお伝え下さいとのご伝言を承っております」(一礼する)
085 四季 「いや、よろしくじゃなく、泊まりに来いよ。一日くらい」
086 あき 「はぁ…」(某に言われても困る…的なニュアンスで)
087 四季 「んで、弟子のあんたを預かってくれってか。風呂場でのびてたあんたを」
088 あき 「お恥ずかしいばかりで…」(俯き、頬を染める)
089 四季 「あーなんか、手紙きてたな。忙しくて開けてなかったが。ふーんなるほど。了解、あとはなつやはる、面倒見てやってくれ」(煙管をふかしながら)
090 はる 「はいっ」
091 あき 「よろしくお願い致します」(深々と頭下げる)
092 四季 「あーちなみにあんたの名前は今から『あき』だから。『夢支那秋歩』はいなくなったからよろしく」(立ち上がりながら)
093 あき 「ハッ…有難く頂戴致します」(頭下げる)
094 はる 「私は『はる』。よろしくね、あきちゃん」
095 あき 「よろしくお願い致します」
096 なつ 「お、目覚めたのか。ウチは『なつ』や。よろしくー」(顔を覗かせる)
097 あき 「う、うむ…」
098 なつ 「さ、覚えることはてんこ盛りだからな」
099 あき 「それぐらいこなしてみせる」
100 はる 「一緒に頑張りましょうねっ」(両手でガッツポーズをする)






作者のツブヤキ
 四季宿亭ラジオの三回目で放送されたラジオドラマになります。

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