四季宿亭、ひとなつの恋

四季宿亭、ひとなつの恋

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :1:3
総セリフ数 134
製作日 2011/7/22〜2011/7/22
概要説明  蝉の鳴き声響く、暑い夏の四季宿亭に旅人の法師がブラり。
惚れっぽい性格のなつに声をかけたイケメン法師になつは――
利用にあたって 利用規約
目安時間 8分半
登場キャラ セリフ数 性別 備考
法師 34 四十四巡礼などあちこち巡り歩く法師。ナンパ師と思われがちだが実は女性経験なし
なつ 65 面白いことを求めて四季宿亭の仲居になった獣人。
あき 11 修行で四季宿亭で仲居をすることになった人間の侍娘。
ふゆ 24 四季宿亭を彷徨っていたところ四季に拾われて仲居になった幽霊。獣人や人間には見える時と見えない時があるらしい






【四季宿亭 玄関前の階段】(日差しの暑い夏 掃き掃除の放棄を投げ出した、なつの傍にふゆが漂う)

001 なつ 「だぁーっこんな暑い邪魔っ苦しいもん脱いじゃいたいーッ!」(着物の両襟を掴み強く握りしめる)
002 ふゆ 「あぁ、あぁ、ダメだよ、なつさん」(呆れながら止めようとする)
003 なつ 「だって暑いんだもん、ここはぱぁーっと景気よくガバ〜ッとだなぁ」(肩出す)
004 ふゆ 「何でこういう時にはるさんも四季様も出かけているんだか…」
005 なつ 「あ、ふゆの体って冷たいんだったよな」
006 ふゆ 「ちょっ…やめ、手を突っ込まないで下さいよっ」(頬を赤く染めながら身を捩る)
007 なつ 「へへっ、ズボォッと。貴様の心臓は戴いた!」(ふゆの胸に手を突っ込み、ワキワキする)
008 ふゆ 「やーめーてーくださいっ」(スカスカとなつの頭叩く)
009 なつ 「すげースゲー、貫通してる貫通してる。ひんやり〜」
010 ふゆ 「もぅ、なつさんー!」(> <)
011 なつ 「幽霊だから感覚ないんだろ?」
012 ふゆ 「変な気分になるからやめてくださーいっ」(モジモジする)
013 なつ 「え〜」(口尖らせながら)
014 法師 「…ここが四季宿亭か」(階段を登りきり、笠を上げ、見上げる)
015 なつ 「ふゆの中はひんやりで気持ちイイけど融合しないとダメだわー。もう脱ぐッ」(上の着物脱ぎ捨てる)
016 ふゆ 「お客様来たらどうすんのさー」
017 なつ 「大丈夫、来ない来ないっ」
018 法師 「…あの、すみません。」(二人に歩み寄りながら)
019 なつ 「お?」(目をパチクリしながら振り向く)
020 ふゆ 「あ、はいな」
021 法師 「こちらが四季宿亭ですか?」
022 なつ 「そうだけど…?」
023 法師 「話に聞いた通りの所ですね…ようやくここまで来ることができた」(満足そうに笑みを浮かべる)
024 ふゆ 「なつさん、上、着て着て」(慌てて着物の上をなつに渡す)
025 なつ 「ん、何お客サン?んしょっ…と」(上を着ながら)
026 法師 「私は各地を巡礼で回っていて冥界に行く前に各地をお参りしておこうと思いまして。」
027 ふゆ 「巡礼修行かぁ」
028 なつ 「いわゆる観光ってやつだろ?あ、チェックインは中でな。多分あきがいるから」(玄関指差す)
029 法師 「どうもありがとう」(ニッコリ笑いながら頭下げる)
030 ふゆ 「…なつさん」(○言○)
031 なつ 「ん?」
032 ふゆ 「四季様に報告だよ」
033 なつ 「んぁ!?」
034 ふゆ 「お客様に対する口調」
035 なつ 「…ヤバッ!なぁ、ふゆー見逃してくれよー」(慌てて両手合わせ、拝む)
036 ふゆ 「仲居たちがしっかりしないと四季宿亭全体の品を落とすんだから」
037 なつ 「よぉく分かってます、…ヘレナ=テリュの踊り子1巻、2巻でどうだっ!」(うなだれた後、二本指を突きつけてニィッと笑う)
038 ふゆ 「…む、仕方ないなぁ」(眉を寄せて渋々)
039 なつ 「っしゃ!あんがとなっふゆ」(ガッツポーズ)
040 ふゆ 「さて、さっきのお客様の準備をしないと」
041 なつ 「おっ先ー!」(走って四季宿亭の中に消える)
042 ふゆ 「あ、なつさん!箒ぐらい片付けて下さいっ」



【法師の客室前】(廊下で一礼しながら客室を出ていくあき・そろりと背後に近づくなつ)

043 あき 「それではごゆるりとお寛ぎ下さい。ご用がございましたら、備え付けの電話をご利用下さいませ。それでは失礼致します」
044 なつ 「わっ」(後ろから襲い掛かるような恰好して声出す)
045 あき 「なつ、仕事をしろ。仕事」(平然と)
046 なつ 「なんだ、驚かないのか」
047 あき 「そう何度も同じ手は喰らうか。…大体お客様の前で悪ふざけも大概に…」
048 なつ 「今の客、なかなかな顔だったんじゃない?あきとかタイプそうだったから、恥かかせようかなって」
049 あき 「確かに法師様はなかなかの男前ではあったが…なつこそ好みではないのか?」
050 なつ 「あーパスパス。真面目で堅物そうな男はつまんないつまんない。」(ブンブンと手を振る)
051 あき 「…というより、客室前で話す内容ではないぞ、なつ」(客室の障子を見て呆れたように)
052 なつ 「んじゃま、場所かえてみっちり問いただしますか」
053 あき 「一人でやっていろ。某は厨房に用があるのでな」
054 なつ 「なになに?何かつまむの?付き合うぞ?」
055 あき 「馬鹿者。お客様のお食事についてだ」(厨房へ向かう)
056 なつ 「ちぇっ…つれないなー」(頭で腕組み、口尖らせる)
057 法師 「おや?玄関前でお会いした物の怪の仲居さん」(風呂セットを抱え、障子を開ける)
058 なつ 「物の怪じゃなくて獣人な。」
059 法師 「隣りにいたのは霊でしたよね」
060 なつ 「そう。幽霊。この宿はそういう所だからって…あれ?ふゆのこと見えたのか?人間だよな」(グルグルと回りながら見る)
061 法師 「一応霊視能力を持ち合わせているのでね。先ほど案内してくれたのは…」
062 なつ 「あきは人間。ホレた?あぁ見えてもかなりな天然だからからかい甲斐があるんだよねー」
063 法師 「…浴場まで案内してもらいたいのですがよろしいですか?」
064 なつ 「はいよ、こちとらそれがお仕事だからねぃ」
065 法師 「随分と立派で広い所ですから迷ってしまいそうで」
066 なつ 「ん、お客サンどんなの想像してたの?」
067 法師 「妖怪屋敷ですね。床が所々腐っていたり、蜘蛛の巣張っていたり…」
068 なつ 「それ、宿としてどうなの」
069 法師 「まぁ…想像以上だったわけです。仲居さんも素敵な方々が多い、宿はきれい、ここが極楽かと」
070 なつ 「んにゃ、まだ死ぬには早いだろうさ。のんびり冥界観光して冥土の土産を買って帰ればいいさ。いい話のネタになるぞ」
071 法師 「冥土の土産は冥土に持って行くものでは?」
072 なつ 「今は冥界から買って帰る物なんさ。時代は変わったんだわ」
073 法師 「ほぉ…ここが浴場ですか」
074 なつ 「この時間はお客サンは他にいないからのんびり入ればいいさ。んじゃ、ごゆっくり」(フリフリと尻尾と手を振って去ろうとする)
075 法師 「待って下さい」
076 なつ 「ん?」
077 法師 「背中…流してもらえたりしないですか?」
078 なつ 「…爪で背中の肉そげるかもよ?」(尖った爪を見せながら)
079 法師 「優しくお願いします」
080 なつ 「あいあい」



【浴場】(桶椅子に座る法師・後ろで背中こするなつ)

081 法師 「背中流しなんてお願いして、すみませんね」
082 なつ 「ご注文ならば、それに応えるまでさ」
083 法師 「何でも客の注文に応えるのですか?」
084 なつ 「まぁ基本方針がお客様を満足させることだし…商売だしね」
085 法師 「…なつさんでしたっけ。何故、ここで働かれているのですか?」
086 なつ 「面白いことを探して…かな。平原で寝っ転がる日常に退屈しててさ。旅してたら偶然ここ見つけて、四季ちゃんに言ったら雇ってくれてさ。四季ちゃんってのはここの女将ね。今日はお出かけしててね」
087 法師 「なつさんに担当してもらえて嬉しいですよ」
088 なつ 「またまたぁ…こんくらいで大丈夫かい?お客サン」(力加減しながら背中こする)
089 法師 「えぇ…気持ちいいです…」
090 なつ 「やっぱ男の背中って大きいなぁ…はるとかもちっと小さいもんな。やっぱり」
091 法師 「…なつさん」
092 なつ 「んぁ?痛かった?」
093 法師 「先ほど、お客の要望に何でも応えるって言ってましたよね」
094 なつ 「ん…まぁね」
095 法師 「なつさんと一夜限りの熱い夜を過ごしたいと言ったら…応えてくれますか?」(前を向いたまま)
096 なつ 「え…」(目を丸くして法師の泡だらけの背中見つめる)
097 法師 「さすがに無理ですよねー。いや、ちょっと冗談を言ってみただけなんで…」(苦笑を浮かべながら)
098 なつ 「へへ…面白いこと言うなぁ、お客サンは」(鼻についた泡をこすりながら笑う)
099 法師 「笑顔が素敵でつい…ね」
100 なつ 「面白くて退屈しない人は好きだけどな」(再び背中こすりはじめる)
101 法師 「真面目で堅物な男はお嫌いですか?」
102 なつ 「ありゃ聞こえてた?」
103 法師 「部屋の真ん前で話されていれば聞こえますよ」
104 なつ 「あちゃ…んまっそんな感じでさ、堅物は苦手でさ」
105 法師 「堅物かどうか、じっくりと確かめて頂けないですか?」
106 なつ 「エロ法師…、堅物より尻軽そうだな。色魔」
107 法師 「そう見えますか?」
108 なつ 「ナンパ師が法師の服を着て歩いてるみたいだ」
109 法師 「…これが初めてなんですけどねぇ」
110 なつ 「ほいっ、考えておくよ。さ、流したぞ。あとは自分でよろしゅう」(ザバッと流し、手拭渡す)
111 法師 「ありがとう」
112 なつ 「んじゃ」(振り向かず手を振り出ていく)



【脱衣所】(あきが通りかかり、なつを見かけ説教)

113 あき 「なつ、また入浴してたのか!お客様がいるといいうのに…」
114 なつ 「んあ?あの法師に頼まれて一緒に入ってただけだぞ?」
115 あき 「な…ななな…一緒に!?へ?え?いや…」
116 なつ 「布団の用意してくっから、あとはよろしゅう!あき」
117 あき 「な、なつはそういう関係なのか!?布団の用意…あとは全部某がって…えぇぇぇぇっ」(去っていたなつを呆然と見つめ、つぶやくと顔を真っ赤にして叫ぶ)
118 なつ 「…一夏の熱い夜ねぇ…やべ体火照ってきた。ふゆ探しに行くか」(小さくため息つき、火照った頬を押さえる)
119 あき 「失礼致しましたあぁぁぁぁっ!!!!」(脱衣所からマッハで走り去る)
120 なつ 「…あの馬鹿、あんなところにボーッと突っ立ってたら見るに決まってるのにな」
121 ふゆ 「あ、なつさん」(フヨフヨと漂いながら)
122 なつ 「ふゆー!いいとこにきた。体火照ったから冷ましてくれよ」
123 ふゆ 「自分は保冷剤じゃないんだからね」
124 なつ 「ちょっとやそっとじゃ収まんなさそうでさ」
125 ふゆ 「発情中?」
126 なつ 「ば、馬鹿っ!いいから頼むわ」(顔を真っ赤にしながら)
127 ふゆ 「はいはい…」
128 なつ 「この惚れっぽい性格なんとかしなきゃなぁ…」
129 ふゆ 「ん…?」
130 なつ 「こっちの話!はぁーヒンヤリ〜」
131 ふゆ 「ちょ…変な所に手を突っ込むな!」
132 なつ 「へへっわりぃわりぃ…夏はふゆが必須だな」
133 ふゆ 「自分は道具じゃないっ!」
134 なつ 「さ、仕事仕事!」






作者のツブヤキ
 四季宿亭ラジオの二話目で公開した作品となります。

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