001 |
なつ |
「だぁーっこんな暑い邪魔っ苦しいもん脱いじゃいたいーッ!」(着物の両襟を掴み強く握りしめる) |
002 |
ふゆ |
「あぁ、あぁ、ダメだよ、なつさん」(呆れながら止めようとする) |
003 |
なつ |
「だって暑いんだもん、ここはぱぁーっと景気よくガバ〜ッとだなぁ」(肩出す) |
004 |
ふゆ |
「何でこういう時にはるさんも四季様も出かけているんだか…」 |
005 |
なつ |
「あ、ふゆの体って冷たいんだったよな」 |
006 |
ふゆ |
「ちょっ…やめ、手を突っ込まないで下さいよっ」(頬を赤く染めながら身を捩る) |
007 |
なつ |
「へへっ、ズボォッと。貴様の心臓は戴いた!」(ふゆの胸に手を突っ込み、ワキワキする) |
008 |
ふゆ |
「やーめーてーくださいっ」(スカスカとなつの頭叩く) |
009 |
なつ |
「すげースゲー、貫通してる貫通してる。ひんやり〜」 |
010 |
ふゆ |
「もぅ、なつさんー!」(> <) |
011 |
なつ |
「幽霊だから感覚ないんだろ?」 |
012 |
ふゆ |
「変な気分になるからやめてくださーいっ」(モジモジする) |
013 |
なつ |
「え〜」(口尖らせながら) |
014 |
法師 |
「…ここが四季宿亭か」(階段を登りきり、笠を上げ、見上げる) |
015 |
なつ |
「ふゆの中はひんやりで気持ちイイけど融合しないとダメだわー。もう脱ぐッ」(上の着物脱ぎ捨てる) |
016 |
ふゆ |
「お客様来たらどうすんのさー」 |
017 |
なつ |
「大丈夫、来ない来ないっ」 |
018 |
法師 |
「…あの、すみません。」(二人に歩み寄りながら) |
019 |
なつ |
「お?」(目をパチクリしながら振り向く) |
020 |
ふゆ |
「あ、はいな」 |
021 |
法師 |
「こちらが四季宿亭ですか?」 |
022 |
なつ |
「そうだけど…?」 |
023 |
法師 |
「話に聞いた通りの所ですね…ようやくここまで来ることができた」(満足そうに笑みを浮かべる) |
024 |
ふゆ |
「なつさん、上、着て着て」(慌てて着物の上をなつに渡す) |
025 |
なつ |
「ん、何お客サン?んしょっ…と」(上を着ながら) |
026 |
法師 |
「私は各地を巡礼で回っていて冥界に行く前に各地をお参りしておこうと思いまして。」 |
027 |
ふゆ |
「巡礼修行かぁ」 |
028 |
なつ |
「いわゆる観光ってやつだろ?あ、チェックインは中でな。多分あきがいるから」(玄関指差す) |
029 |
法師 |
「どうもありがとう」(ニッコリ笑いながら頭下げる) |
030 |
ふゆ |
「…なつさん」(○言○) |
031 |
なつ |
「ん?」 |
032 |
ふゆ |
「四季様に報告だよ」 |
033 |
なつ |
「んぁ!?」 |
034 |
ふゆ |
「お客様に対する口調」 |
035 |
なつ |
「…ヤバッ!なぁ、ふゆー見逃してくれよー」(慌てて両手合わせ、拝む) |
036 |
ふゆ |
「仲居たちがしっかりしないと四季宿亭全体の品を落とすんだから」 |
037 |
なつ |
「よぉく分かってます、…ヘレナ=テリュの踊り子1巻、2巻でどうだっ!」(うなだれた後、二本指を突きつけてニィッと笑う) |
038 |
ふゆ |
「…む、仕方ないなぁ」(眉を寄せて渋々) |
039 |
なつ |
「っしゃ!あんがとなっふゆ」(ガッツポーズ) |
040 |
ふゆ |
「さて、さっきのお客様の準備をしないと」 |
041 |
なつ |
「おっ先ー!」(走って四季宿亭の中に消える) |
042 |
ふゆ |
「あ、なつさん!箒ぐらい片付けて下さいっ」 |
043 |
あき |
「それではごゆるりとお寛ぎ下さい。ご用がございましたら、備え付けの電話をご利用下さいませ。それでは失礼致します」 |
044 |
なつ |
「わっ」(後ろから襲い掛かるような恰好して声出す) |
045 |
あき |
「なつ、仕事をしろ。仕事」(平然と) |
046 |
なつ |
「なんだ、驚かないのか」 |
047 |
あき |
「そう何度も同じ手は喰らうか。…大体お客様の前で悪ふざけも大概に…」 |
048 |
なつ |
「今の客、なかなかな顔だったんじゃない?あきとかタイプそうだったから、恥かかせようかなって」 |
049 |
あき |
「確かに法師様はなかなかの男前ではあったが…なつこそ好みではないのか?」 |
050 |
なつ |
「あーパスパス。真面目で堅物そうな男はつまんないつまんない。」(ブンブンと手を振る) |
051 |
あき |
「…というより、客室前で話す内容ではないぞ、なつ」(客室の障子を見て呆れたように) |
052 |
なつ |
「んじゃま、場所かえてみっちり問いただしますか」 |
053 |
あき |
「一人でやっていろ。某は厨房に用があるのでな」 |
054 |
なつ |
「なになに?何かつまむの?付き合うぞ?」 |
055 |
あき |
「馬鹿者。お客様のお食事についてだ」(厨房へ向かう) |
056 |
なつ |
「ちぇっ…つれないなー」(頭で腕組み、口尖らせる) |
057 |
法師 |
「おや?玄関前でお会いした物の怪の仲居さん」(風呂セットを抱え、障子を開ける) |
058 |
なつ |
「物の怪じゃなくて獣人な。」 |
059 |
法師 |
「隣りにいたのは霊でしたよね」 |
060 |
なつ |
「そう。幽霊。この宿はそういう所だからって…あれ?ふゆのこと見えたのか?人間だよな」(グルグルと回りながら見る) |
061 |
法師 |
「一応霊視能力を持ち合わせているのでね。先ほど案内してくれたのは…」 |
062 |
なつ |
「あきは人間。ホレた?あぁ見えてもかなりな天然だからからかい甲斐があるんだよねー」 |
063 |
法師 |
「…浴場まで案内してもらいたいのですがよろしいですか?」 |
064 |
なつ |
「はいよ、こちとらそれがお仕事だからねぃ」 |
065 |
法師 |
「随分と立派で広い所ですから迷ってしまいそうで」 |
066 |
なつ |
「ん、お客サンどんなの想像してたの?」 |
067 |
法師 |
「妖怪屋敷ですね。床が所々腐っていたり、蜘蛛の巣張っていたり…」 |
068 |
なつ |
「それ、宿としてどうなの」 |
069 |
法師 |
「まぁ…想像以上だったわけです。仲居さんも素敵な方々が多い、宿はきれい、ここが極楽かと」 |
070 |
なつ |
「んにゃ、まだ死ぬには早いだろうさ。のんびり冥界観光して冥土の土産を買って帰ればいいさ。いい話のネタになるぞ」 |
071 |
法師 |
「冥土の土産は冥土に持って行くものでは?」 |
072 |
なつ |
「今は冥界から買って帰る物なんさ。時代は変わったんだわ」 |
073 |
法師 |
「ほぉ…ここが浴場ですか」 |
074 |
なつ |
「この時間はお客サンは他にいないからのんびり入ればいいさ。んじゃ、ごゆっくり」(フリフリと尻尾と手を振って去ろうとする) |
075 |
法師 |
「待って下さい」 |
076 |
なつ |
「ん?」 |
077 |
法師 |
「背中…流してもらえたりしないですか?」 |
078 |
なつ |
「…爪で背中の肉そげるかもよ?」(尖った爪を見せながら) |
079 |
法師 |
「優しくお願いします」 |
080 |
なつ |
「あいあい」 |
081 |
法師 |
「背中流しなんてお願いして、すみませんね」 |
082 |
なつ |
「ご注文ならば、それに応えるまでさ」 |
083 |
法師 |
「何でも客の注文に応えるのですか?」 |
084 |
なつ |
「まぁ基本方針がお客様を満足させることだし…商売だしね」 |
085 |
法師 |
「…なつさんでしたっけ。何故、ここで働かれているのですか?」 |
086 |
なつ |
「面白いことを探して…かな。平原で寝っ転がる日常に退屈しててさ。旅してたら偶然ここ見つけて、四季ちゃんに言ったら雇ってくれてさ。四季ちゃんってのはここの女将ね。今日はお出かけしててね」 |
087 |
法師 |
「なつさんに担当してもらえて嬉しいですよ」 |
088 |
なつ |
「またまたぁ…こんくらいで大丈夫かい?お客サン」(力加減しながら背中こする) |
089 |
法師 |
「えぇ…気持ちいいです…」 |
090 |
なつ |
「やっぱ男の背中って大きいなぁ…はるとかもちっと小さいもんな。やっぱり」 |
091 |
法師 |
「…なつさん」 |
092 |
なつ |
「んぁ?痛かった?」 |
093 |
法師 |
「先ほど、お客の要望に何でも応えるって言ってましたよね」 |
094 |
なつ |
「ん…まぁね」 |
095 |
法師 |
「なつさんと一夜限りの熱い夜を過ごしたいと言ったら…応えてくれますか?」(前を向いたまま) |
096 |
なつ |
「え…」(目を丸くして法師の泡だらけの背中見つめる) |
097 |
法師 |
「さすがに無理ですよねー。いや、ちょっと冗談を言ってみただけなんで…」(苦笑を浮かべながら) |
098 |
なつ |
「へへ…面白いこと言うなぁ、お客サンは」(鼻についた泡をこすりながら笑う) |
099 |
法師 |
「笑顔が素敵でつい…ね」 |
100 |
なつ |
「面白くて退屈しない人は好きだけどな」(再び背中こすりはじめる) |
101 |
法師 |
「真面目で堅物な男はお嫌いですか?」 |
102 |
なつ |
「ありゃ聞こえてた?」 |
103 |
法師 |
「部屋の真ん前で話されていれば聞こえますよ」 |
104 |
なつ |
「あちゃ…んまっそんな感じでさ、堅物は苦手でさ」 |
105 |
法師 |
「堅物かどうか、じっくりと確かめて頂けないですか?」 |
106 |
なつ |
「エロ法師…、堅物より尻軽そうだな。色魔」 |
107 |
法師 |
「そう見えますか?」 |
108 |
なつ |
「ナンパ師が法師の服を着て歩いてるみたいだ」 |
109 |
法師 |
「…これが初めてなんですけどねぇ」 |
110 |
なつ |
「ほいっ、考えておくよ。さ、流したぞ。あとは自分でよろしゅう」(ザバッと流し、手拭渡す) |
111 |
法師 |
「ありがとう」 |
112 |
なつ |
「んじゃ」(振り向かず手を振り出ていく) |
113 |
あき |
「なつ、また入浴してたのか!お客様がいるといいうのに…」 |
114 |
なつ |
「んあ?あの法師に頼まれて一緒に入ってただけだぞ?」 |
115 |
あき |
「な…ななな…一緒に!?へ?え?いや…」 |
116 |
なつ |
「布団の用意してくっから、あとはよろしゅう!あき」 |
117 |
あき |
「な、なつはそういう関係なのか!?布団の用意…あとは全部某がって…えぇぇぇぇっ」(去っていたなつを呆然と見つめ、つぶやくと顔を真っ赤にして叫ぶ) |
118 |
なつ |
「…一夏の熱い夜ねぇ…やべ体火照ってきた。ふゆ探しに行くか」(小さくため息つき、火照った頬を押さえる) |
119 |
あき |
「失礼致しましたあぁぁぁぁっ!!!!」(脱衣所からマッハで走り去る) |
120 |
なつ |
「…あの馬鹿、あんなところにボーッと突っ立ってたら見るに決まってるのにな」 |
121 |
ふゆ |
「あ、なつさん」(フヨフヨと漂いながら) |
122 |
なつ |
「ふゆー!いいとこにきた。体火照ったから冷ましてくれよ」 |
123 |
ふゆ |
「自分は保冷剤じゃないんだからね」 |
124 |
なつ |
「ちょっとやそっとじゃ収まんなさそうでさ」 |
125 |
ふゆ |
「発情中?」 |
126 |
なつ |
「ば、馬鹿っ!いいから頼むわ」(顔を真っ赤にしながら) |
127 |
ふゆ |
「はいはい…」 |
128 |
なつ |
「この惚れっぽい性格なんとかしなきゃなぁ…」 |
129 |
ふゆ |
「ん…?」 |
130 |
なつ |
「こっちの話!はぁーヒンヤリ〜」 |
131 |
ふゆ |
「ちょ…変な所に手を突っ込むな!」 |
132 |
なつ |
「へへっわりぃわりぃ…夏はふゆが必須だな」 |
133 |
ふゆ |
「自分は道具じゃないっ!」 |
134 |
なつ |
「さ、仕事仕事!」 |