四季宿亭、はるの訪れ

四季宿亭、はるの訪れ

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :5
総セリフ数 85
製作日 2011/6/24〜2011/6/24
概要説明  四季宿亭に桜が咲き乱れ、はるが訪れた。
現世では小稲荷神社の土地神が小火で社を失い、途方に暮れていた。
四季宿亭は誰でも歓迎、働きにおいで、泊りにおいで。いつでも歓迎だよ…四季宿亭にはるがやってきた。
利用にあたって 利用規約
登場キャラ セリフ数 性別 備考
四季 16 四季宿亭の仲居達を束ねる女将。裏の世界でも顔が利き、広い人脈を持っている。四季さんを敵に回すと怖い…。
はる 34 小稲荷神社で土地神をしていたが、小火で焼失し、神社新設するため出稼ぎに四季宿亭へ
なつ 24 面白いことを求めて仲居になった獣人。サボり癖が激しくしょっちゅう四季に怒られる。
おばさん 6 うわさ好きの近所のおばさん。近所のおばさまたちとよく喋る。そして盛り上がる。
オバサマ 5 あることないこと噂に変えてしまうおばさま。たまに事実が紛れ込んでるという…これも噂。



【現世・小稲荷神社の公園】(消防車のサイレンと燃え上がる社に照らされ真っ赤に染まりながら呆然と立つはる)

001 おばさん 「やーねー不審火かしら」
002 オバサマ 「花見客の煙草の不始末らしいわよ」
003 おばさん 「あらまぁ怖いわねぇ」
004 オバサマ 「煙草のポイ捨て多かったからねぇ」
005 おばさん 「被害が古ぼけた社だけでよかったわ」
006 オバサマ 「こんなところに社なんてあったのねぇ」
007 おばさん 「火葬っていうか、ただ壊すと罰が当たりそうだけど天災なら奉られた神様も諦めつくでしょ」
008 オバサマ 「あらぁそうねぇ、でもポイ捨てで出火なんて気をつけないと奥さん。旦那さん、吸うんでしょ?」
009 おばさん 「そうなのよぉ、何回言っても禁煙しなくて」
010 オバサマ 「ウチもなのよぉ…やんなっちゃうわよね」
011 おばさん 「ほんとほんと。しかもお酒もガブガブ飲んで!」
012 はる 「お母さん、元気です…。ただ、お家が焼けてしまい焼き出されてしまいました…どうすればいいでしょうか」
013 四季 『四季宿亭…黄泉と現世の狭間にある四季を宿すお宿。お客様はほんと様々。困ったことがあればこの四季に頼りな』
014 はる 「四季宿亭…」
015 四季 『ここで働けば小遣い稼ぎくらいにはなるかもね』(はるの幼少時の記憶)
016 はる 「小遣い稼ぎ…」
017 四季 『まぁ今の時代、土地神様も信仰心とか大変だろうからねぇ。これから社持つんだろ?』
018 はる 「新しく社建てるのにお金が…必要」(煙をあげる社を見つめる)
019 四季 『修繕費や改築費をバイトで稼ぐのもいいかもよ?いつでも大歓迎。お客様としてでも待ってるよ』(キセルをふかしながらウインク)
020 はる 「…四季宿亭に行ってみようかな」(歩き出す)



【四季宿亭】(やわらかい春の風と共に桜の花びらが吹き上がる)

021 四季 「あの世に行く方、この世に黄泉還る方…ゆっくりと温泉に浸かられては?」
022 なつ 「ここはあの世でもこの世でもない四季宿亭」
023 はる 「…わぁ綺麗な桜並木…」(桜並木に感動のため息)
024 四季 「四季を宿し、人々に様々な顔を見せ、楽しませる」
025 はる 「あの…ごめんください…」(階段を登りきり、四季宿亭の扉をカラカラと開ける)
026 なつ 「神様、人間、妖怪、生ける者、死してなお彷徨う者、どなた様でも大歓迎。」
027 はる 「誰もいないんですか…?」(玄関に入り、キョロキョロ見回す)
028 なつ 「精一杯のおもてなしをさせて戴きます」
029 はる 「あの……クンクン。私焦げ臭いかな?」(目をぱちくりさせ、着物のにおいを嗅ぐ)
030 四季 「色鮮やかな四季と自慢の温泉をごゆるりとお寛ぎ下さい」
031 はる 「確か温泉あったような…お借りしてこよう…かな」
032 なつ 「…くぁーっ仕事終わりの風呂での酒は最高だなぁっ!予約客もまだまだ来ないし。のんびり羽伸ばすかーってウチ羽ないんだった。尻尾あるけど」(露天風呂で徳利持ちながら)
033 はる 「温泉…お風呂…久しぶりです」(脱衣所でウキウキしながら着物脱ぐ)
034 なつ 「んーっ、四季ちゃんはお出かけしてるし!自由だぁーっ…なんか忘れてる気がするけど」
035 はる 「…失礼しまーす…」(カラカラと温泉の戸を開ける)
036 なつ 「おぁっ!?誰だぁっ?お客にはまだ早いし、四季ちゃんなわけないし…」(伸ばしてた足を慌てて沈める)
037 はる 「わわ…桜の花びらでいっぱいのお風呂…」(感動)
038 なつ 「…どうみても客っぽいよな」
039 はる 「すぅーっ…んーっ桜の香りが!」(匂いを嗅いで笑顔)
040 なつ 「さーて、どうしたもんか」(腕組み、考え込む)
041 はる 「失礼しま…す」(そろっと足から湯につかる)
042 なつ 「やっ!」(手を挙げ、声かける)
043 はる 「ひゃあっ!?」(目を見開いて驚く)
044 なつ 「お?」
045 はる 「あわわわっ…」(バランス崩して倒れて沈む)
046 なつ 「お、悪い悪い驚かした?」(はるを引っ張り上げ、覗き込む)
047 はる 「は、はい…スミマセン」
048 なつ 「いやいや、あんたお客さん?」
049 はる 「あ、いえ…その…お客じゃないんですけど…」
050 なつ 「おっと、あぶないあぶない。お客じゃなくて良かった口調口調。…で、客じゃなかったら何でここにいるんだ?」
051 はる 「あの…ここで働かせてもらおうかと」
052 なつ 「ほぅ!?ここで?…まぁ環境は最高だけどねっ、ちょっとこっちに来てみ」(くいっと手を引く)
053 はる 「ぇ?」
054 なつ 「ほら、いいから」
055 はる 「あ、はい」
056 なつ 「この露天風呂からの一望は絶景なんだぞ」(四季宿亭周辺部が見下ろせる)
057 はる 「わぁ…」
058 なつ 「すごいだろ?」(自慢げに)
059 四季 「なつー、まーたサボってるんじゃないだろうなぁ」(遠くから)
060 なつ 「やべっ!四季ちゃん帰ってきた!帰ってきたぞ」(はるの手を引き、脱衣所へ走る)
061 はる 「へ?ぇ?」(目丸くする)
062 なつ 「またどやされちまうや」(慌てて着物着て帯締める)
063 はる 「へ?あの…ふぇ〜…」(体も洗わず出てきたのでショック)



【四季の部屋】(キセルをふかしながら座ってるところになつたち登場)

064 なつ 「お帰りなさい、四季ちゃん」
065 四季 「はいはい。…何だ、迷子でも拾ったか?」(はるに気付き、訊く)
066 なつ 「ほら、自己紹介」(はるの尻を軽くたたく)
067 はる 「へ?は?あの小稲荷神社で土地神をしていまして…この度焼き出されまして…」(わたわた)
068 四季 「小稲荷神社…ってあの分社か。焼き出された?放火か何か?」
069 はる 「いえ、煙草のポイ捨てによる不審火というか…」
070 四季 「道理でゴミの燃やした臭いなわけだ」(目細める)
071 はる 「へ?あ…やっぱり焦げ臭いですか?…ゴミ?」
072 四季 「そうだね、まじはその鼻についたすすを落とそうか」(はるの鼻を指差した後、自分の鼻をかるくこする)
073 はる 「あ、はい」
074 四季 「で、新しい社を再建するためにお金が入り用ってわけだね」
075 はる 「はい!」(力強く頷く)
076 四季 「困ってる者を見捨てる気は無いよ。なつ、この子の面倒を頼んだよ」
077 なつ 「ほいよ」
078 はる 「よろしくお願いします」
079 四季 「お前の名前は『はる』だ。四季宿亭にもようやく春がきたみたいだしね」
080 はる 「はる…」
081 なつ 「ウチはなつ。よろしくな、はる」(手差し出す)
082 はる 「はい!よろしくお願いします」(両手で握りしめる)
083 四季 「さぁて、お客様をお迎えする準備をしないとね。なつ、休んでる暇はないよ」(立ち上がる)
084 なつ 「はいはい…よっしゃ、んじゃ行くぞ、はるっ」
085 はる 「はいっ!」






作者のツブヤキ
 インターネットラジオ「四季宿亭ラジオ」第一回の放送で公開された作品です。
はるが四季宿亭に訪れたエピソードの作品になります。(時系列的に、『歓迎、四季宿亭』の少し前の作品)
社が焼けて追い出された土地神はこうして仲居として、四季宿亭へと現われたのでした。

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