TAICHOU

TAICHOU

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 不問:1
総セリフ数 53
製作日 2016/7/14〜2016/7/14
概要説明  ただひたすらに隊長と呼び続ける騒がしい。隊長の隊長による隊長のための台本
利用にあたって 利用規約
目安時間    
登場キャラ セリフ数 性別 備考
兵士 53 隊長について回る熱心熱血な兵士。静かにしていられないことからいつも隊を全滅させている死神の異名を密かに持つ



【戦場】(林の中、隊長に声をかける)

001 兵士 「隊長!いよいよ、突入ですか、隊長!」
002 兵士 「ここは私が向かいます、隊長!」
003 兵士 「偵察は任せて下さい、隊長!」
004 兵士 「もう偵察兵が行かれていると。それで私に指示を!ご指示を!隊長!」
005 兵士 「あ、隊長お気を付け下さい!そちらにはぬかるみと水たまりが!滑りますので足元にご注意を、隊長!」
006 兵士 「あっアーーーーッ」
007 兵士 「大丈夫です。私は大丈夫です、隊長!すぐに、すぐに向かいます。こんなぬかるみに足を取られるなんてっ」
008 兵士 「あ、ですがあんまり先に行かれますと敵の襲撃が!どこで待ち構えられているか分かりませんからな、隊長ゥ」
009 兵士 「すぐに、今すぐに隊長のお側に参りますぞ、隊長!」
010 兵士 「隊長ォ!目の前に人影がッ!危ないです、御下がり下さい」
011 兵士 「……ハッ、なんだ。ウサギか。隊長、ウサギです。ご安心ください」
012 兵士 「なに、ウサギなんて捕まえてウサギ鍋にでも…ぬわーっ」
013 兵士 「隊長!そこ、ここにくぼみがッ!敵の罠かもしれません、隊長ォ!」
014 兵士 「く…こんなことで取り乱すとは…不覚です。隊長、さっきから黙っていますが、如何したんですか、隊長」
015 兵士 「…はっ。ここはもはや敵の本陣…。慎重に行動しないと危ないわけですね、隊長。心配には及びません、隊長。私の慎重さは隊の中で、ずば抜けて……」
016 兵士 「嫌だなぁ、疑ってるんですか隊長。石橋叩きまくって渡るタイプですよ、隊長。ハハッ」
017 兵士 「聞いてくださいよ、隊長。こう見えても私、危険な時、本能的に『あ、コレヤバいな』とか分かるんですよ、隊長」
018 兵士 「あ、嘘だと思ってるでしょ、隊長。数々の戦線を生き抜いてこれたのはこの備わった本能のお蔭だなって」
019 兵士 「嘘じゃないんですよ、これが。もうヤバいなって時はビビッてくるんですよ。何かね…あ、隊長もあります?」
020 兵士 「こいつヤベェって…こいつと一緒にいるとヤベェ早死にするなみたいな?嫌だなァ、何で私見るんですか、隊長」
021 兵士 「やめてくださいよ、隊長。冗談でも笑えない冗談じゃないですかー。あ、冗談じゃねぇやっ!って怒るところでした?隊長」
022 兵士 「ここで駆けだしたら明らかにヘッドショット喰らって、敵襲ってパターンですよ。これはビビッと直感で、きますね隊長」
023 兵士 「あ、これきますよ。敵襲。なんかビンビンですもん。本能的にヤベェって…狙われてる感じが。くるんですよ、こう!ぬぉわっ」
024 兵士 「やっぱキタァーーッ!隊長、本能的な、このヤバいって感じ。分かって頂けました?いや、ほんとに。銃弾降り注いできてるじゃないですかっ」
025 兵士 「隊長ォッ!これは撤退ですか、隊長!それとも突撃しますか、隊長!」
026 兵士 「撤退ですか?撤退ですね、隊長!隊長撤退!隊長、撤退ィィィイ!!」
027 兵士 「うッ……!…く、腕がッ。隊長、右腕を撃たれましたが大丈夫です!私まだ動けます!隊長ッ!生きて、生きて戻りましょう!隊長」
028 兵士 「…まずいっ。隊長、これは囲まれてますッ!本能的に囲まれてるなってわかります、隊長!これは降伏ですか、隊長!私は隊長にお供します!」
029 兵士 「…隊長、大丈夫ですか。隊長!どこか撃たれたんですか隊長!……血…、そんな…」
030 兵士 「隊長、しっかりして下さい、隊長!こんなところで死ぬ男じゃないでしょうが、隊長ォ!」
031 兵士 「返事して下さいよ、隊長!隊長ォォオオオオオ!」
032 兵士 「戦線から撤退だけじゃなくて、人生から撤退してどうするんですか!残された私は!隊長に置いて行かれた私は…」
033 兵士 「隊長、答えて下さいよ隊長。いつものように指示出して下さいよ。誰が指示待ち人間ですか、隊長。隊長の指示を待ってる奴がいるんですよ、ここに!隊長ォッ!」
034 兵士 「撤退するなら、最後まで撤退しきりましょうよ!何でここで動かなくなってるんですか、隊長!今じゃないですよ、隊長!撤退するタイミング、今じゃないですよ、隊長!」
035 兵士 「どうするんですか、四方から囲まれてる足音聞こえてきたじゃないですか隊長。逃げ切れると思ってるんですか、隊長!」
036 兵士 「…私一人で逃げろって言うんですか、隊長。……えぇ、えぇ隊長言いましたもんね。撤退するって。ならば全力でこの戦線撤退してみせますよ」
037 兵士 「隊長の名誉にかけて!隊長の言葉は絶対ですよ。こんなところでヤケになって銃なんてぶっぱなして犬死なんてしませんよっ、隊長」
038 兵士 「逃げて逃げて逃げて逃げまくって、生きて戻ってやりますよ隊長」
039 兵士 「見てて下さい。こんなところで一緒になんて絶対逝きませんからね、隊長!」
040 兵士 「私、隊長のことは絶対に、絶対に忘れません。最高の男だった。隊長は偵察で本陣に向かって、ヤバいと思って引き返したらヘッドショットされて亡くなったってちゃんと伝えますから隊長!」
041 兵士 「隊長…、こう見えて学校での二つ名は『弾丸』と呼ばれてたんですよ」
042 兵士 「銃弾より早く走れるってね。足には自信あるんですよ、隊長。あ、信じてないですね、隊長」
043 兵士 「見てて下さい。この絶体絶命の危機。逃げおおせてやりますよ」
044 兵士 「隊長の事、思いを馳せながら……私はこんな所で死ねない!…私は生きるッ!隊長のために!!」
045 兵士 「さらば、さらば……隊長、隊長ォオおおオオおおおおオオ!!!」
046 兵士 「あぶぅっ……へへっドロドロになったって…元々ドロドロだったけど」
047 兵士 「隊長の事をみんなに伝えるまでは、私は死ねないっ!血まみれになろうが這ってだろうが、隊長は立派な隊長であったと、そう、そう伝えるのが私の使命だ」
048 兵士 「隊長と同じ隊になれて、本当に良かった………」
049 兵士 「……隊で残ってるのって私一人ということは…。私が隊長か!」
050 兵士 「…で、今亡くなったのが前隊長で、今は私が隊長で…隊長ですか、隊長ォ!」
051 兵士 「ならば余計、死ねないッ!我が隊のために、我が隊の名誉のために…生きて帰る!必ず生きて帰るんだ」
052 兵士 「さらば前隊長、ようこそ新隊長、私!」
053 兵士 「…よし、生きて帰る」






作者のツブヤキ
 やたら騒がしい隊長にぴったりくっつく、うっとおしい部下でただ「隊長」と言わせたかっただけ。
入浴していたらワッと頭の中で、「これから突撃ですね、隊長」と始まって湯船に潜むも溺れて騒がしくする的な展開に。
そのままスタスタおいて行かれて、「隊長ォォオオオオオオ」って叫ぶところで終わるようなイメージから
シリアスなのかシリアスじゃないのか、よくわからないストーリーが始まりました。15セリフ位で片付くような感じが気が付けば、53という。
謎短編が出来上がりました。作中の学校での『弾丸』はどう考えても、「弾丸より速く走る」ではなく、弾丸のように突っ走る皮肉ですね。
だがそういう楽天家なところは多分すごく評価していいところだと思います。前向きに考えられるって素晴らしい。
隊長の名誉のためには伝え方的に生きて帰られると困ることは大体間違いない…。
隊長のお側にといっておきながらのこんなところ一緒に死ぬつもりはないという反転っぷりがまた好きなところ。
多分この兵士と一緒にいなければ隊長死ななかったんじゃないかとそう思えて仕方がない。

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