シナリオ詳細 | |
掲載元 | 声物語劇団 公式サイト 声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場 |
作者 | 月宮東雲 |
登場キャラ数 | ♂:1不問:1 |
総セリフ数 | 129 |
製作日 | 2016/11/9〜2016/11/29 |
概要説明 | 全て夢なら良かったのに。 夢は見ている時が楽しく、終わった時…目が覚めた時が虚しく辛い。 夢見たまま帰ってこない『先生』を起こすべく、『光』は声をかける。 |
利用にあたって | 利用規約 |
目安時間 |
登場キャラ | セリフ数 | 性別 | 備考 |
先生 | 65 | ♂ | 心が折れ、立ち上がることも起きることもできなくなった『先生』と呼ばれる者。 |
光 | 64 | ? | 『先生』と共にいる存在。希望の光なのか、光なのか、人なのかそうでないのか。眠り続ける『先生』に声をかけ続ける。 |
001 | 光 | 「――生…、先生!起きて下さい、先生」 |
002 | 先生 | 「……っ」 |
003 | 光 | 「先生、いつまで寝てるんですか。先生」 |
004 | 先生 | 「放っておいてくれ…」 |
005 | 光 | 「もう起きる時間ですよ」 |
006 | 先生 | 「起きたくないんだ…」 |
007 | 光 | 「起きて下さい、先生」 |
008 | 先生 | 「もう起きていたくないんだ」 |
009 | 光 | 「何言ってるんですか、起きて仕事してください」 |
010 | 先生 | 「…もうしたくないんだ。寝させてくれ」 |
011 | 光 | 「夢から目を覚ます時間ですよ、先生」 |
012 | 先生 | 「そのままずっと夢を見たいんだ…」 |
013 | 光 | 「現実がつらいから?」 |
014 | 先生 | 「……そうだ」 |
015 | 光 | 「目を背けたい現実だから?」 |
016 | 先生 | 「…見続けられるならずっと夢を見ていたい」 |
017 | 光 | 「…先生?夢は…。夢は醒めないものは、ないんですよ?いつか必ず醒めるもの」 |
018 | 先生 | 「醒めた時には何も残っていないのだよ…」 |
019 | 光 | 「大きな喪失感と、つらい現実?」 |
020 | 先生 | 「そうだ。だったらそのまま一生目を覚ましたくないじゃないか」 |
021 | 光 | 「見続けられる夢だったら…ですよね」 |
022 | 先生 | 「…悪夢でなければ。思い続ければ、寝ていれば夢はいくらでも見れる」 |
023 | 光 | 「先生の見ていた夢は悪夢ではなかったの?」 |
024 | 先生 | 「悪夢ではなかった。楽しい夢だった…」 |
025 | 光 | 「でももう、その夢の登場人物はいない」 |
026 | 先生 | 「そう、いない」 |
027 | 光 | 「じゃあ、その夢はもう終わりだよ」 |
028 | 先生 | 「…あぁ…。終わったんだろうな…」 |
029 | 光 | 「終わったんだったら、目を覚まさなきゃ」 |
030 | 先生 | 「まだ見続けられる…新しい夢を…夢の続きを」 |
031 | 光 | 「夢は夢でしかないんだよ、先生…」 |
032 | 先生 | 「夢を見たっていいじゃないか…夢を見るのは自由だろ?」 |
033 | 光 | 「夢を語るのはいい、大きな夢を描くのもいい、でもね、先生。現実から目を背ける夢は見ちゃいけないんだよ…」 |
034 | 先生 | 「…もう、夢はないんだよ。夢は終わったんだ…」 |
035 | 光 | 「先生…」 |
036 | 先生 | 「今を生きるのにいっぱいいっぱいになっていて、気が付けば体を失い…心をすり減らし…色々と麻痺していた」 |
037 | 光 | 「先生はそれでも前を向いていた」 |
038 | 先生 | 「そう、前を向いていた。気持ち悪いぐらいにな」 |
039 | 光 | 「前を向くことは大切。前を向かなきゃ歩けないから…」 |
040 | 先生 | 「後ろを振り返るほどのものなんて、そう大層なものなんか持ってなかったから。」 |
041 | 光 | 「下を向いたりすることは、たまにあっても、先生は前を向き続けた」 |
042 | 先生 | 「前を向かせてくれるものが、そこにはあった。あったんだろうな」 |
043 | 光 | 「みんなと集まる場所があって?」 |
044 | 先生 | 「一人じゃない。同じ時間、同じ空間を共有できる仲間がいて」 |
045 | 光 | 「仲間…か」 |
046 | 先生 | 「年齢も性別も考えも経験も、いろいろ違っていて。それでいても一緒にいて楽しくて…」 |
047 | 光 | 「それはほんのひと時の夢…。楽しい楽しい夢」 |
048 | 先生 | 「そう…。長くは続かない夢だった」 |
049 | 光 | 「楽しい夢こそ、儚く、短い夢だよね」 |
050 | 先生 | 「できることならずっと見ていたかった…」 |
051 | 光 | 「夢は、必ずいつか終わるもの…。同じ夢を見て、ひとり二人と目を覚ましていった…それが夢の終わり」 |
052 | 先生 | 「目を覚ましていった…そうかもしれないな」 |
053 | 光 | 「現実が忙しくなって、段々一緒に夢を見れなくなって、夢の空間は終わりを迎えて…先生は新たな夢を求めた」 |
054 | 先生 | 「そう…非常に面白い夢を見てしまったから。つい続きが気になってしまった」 |
055 | 光 | 「忠告はしたはずだよ、先生」 |
056 | 先生 | 「忠告はされた…。でもそれだけ魅力的で、夢中になる夢だったんだよ…」 |
057 | 光 | 「物語の糧になるかも…。力になるかも…。これはチャンスじゃないかって」 |
058 | 先生 | 「そう…。そうなんだ」 |
059 | 光 | 「バカだなぁ…ほんと。バカだなぁ…先生」 |
060 | 先生 | 「いつでも目を覚ますことのできる夢だと思った…。自分は大丈夫だって……」 |
061 | 光 | 「大丈夫なわけないじゃんか…先生」 |
062 | 先生 | 「楽しくて…楽しくて……楽しく…て」 |
063 | 光 | 「先生が夢に逃げたくなったのも知ってる……」 |
064 | 先生 | 「いつしか手が止まっていて、足も止まっていて、気が付いたら時間ばかりが流れていて…」 |
065 | 光 | 「そうだね…。先生はそうやって、少しずつ、一歩一歩夢の深みにはまっていった…」 |
066 | 先生 | 「いずれ醒める夢だと分かっていながらも…その歩みは止められなかった」 |
067 | 光 | 「甘く見過ぎてたんだよ、先生は」 |
068 | 先生 | 「軽いヤケドくらいだと思ってたんだよな…」 |
069 | 光 | 「小さな火が、身を焦がす炎に変わっていることにも気付かないで先生は…」 |
070 | 先生 | 「おかしいな…とか、あーこれはヤバいかもなとは思ったさ」 |
071 | 光 | 「思ったけど。気が付いた時にはもう…消せやしない大火事だったわけだよね、先生」 |
072 | 先生 | 「…そう。それで俺はもう燃え尽きたわけだ」 |
073 | 光 | 「くすぶりは?」 |
074 | 先生 | 「そりゃくすぶってるよ」 |
075 | 光 | 「そのくすぶりを他のことに利用してよ、先生」 |
076 | 先生 | 「もうそんな力は残っていないよ」 |
077 | 光 | 「いくらでも煽るから、うちわとか手とか」 |
078 | 先生 | 「煽るな…。煽ぐだろ…」 |
079 | 光 | 「なっさけねー、燃えカス、まさしくクズかよ」 |
080 | 先生 | 「マジで死ぬけど…それ」 |
081 | 光 | 「まぁ、先生は煽ってもダメなのは知ってる」 |
082 | 先生 | 「何故煽ったし…」 |
083 | 光 | 「仕事をしてよ、先生…。起きてペンを取ってよ、先生」 |
084 | 先生 | 「俺じゃなくていい…。俺がペンを取らなくたっていい…」 |
085 | 光 | 「転がったペンを先生は拾わないといけない」 |
086 | 先生 | 「そのペンは、もうゴミ箱いきだ」 |
087 | 光 | 「まだ書けるよ、先生。そのペンはまだ使えるよ」 |
088 | 先生 | 「使えない。もうカスレカスレで使い物になりやしないよ…」 |
089 | 光 | 「ボロボロかもしれない…だけどまだ」 |
090 | 先生 | 「まだ?…もうダメさ。そのまま夢を再び見るために眠りにつかせてくれ」 |
091 | 光 | 「もう十分楽しい夢は見たでしょう、先生。もう夢の時間は終わりだよ」 |
092 | 先生 | 「夢から醒めたらそこに何がある」 |
093 | 光 | 「現実」 |
094 | 先生 | 「そう、誰もいないベッドの上という現実だ」 |
095 | 光 | 「先生、孤独が怖いの?」 |
096 | 先生 | 「あぁ、孤独は怖い。一人は怖い。独りは…」 |
097 | 光 | 「孤独という魔物に心を食われちゃいました?先生」 |
098 | 先生 | 「一人、二人と自分のそばから人が消えて行って最後に何が残る」 |
099 | 光 | 「……」 |
100 | 先生 | 「気が付いてしまった…。気付いてしまった。夢中になりすぎて、足元が真っ暗なことに」 |
101 | 光 | 「夢中になって光を追いかけたから…」 |
102 | 先生 | 「もう帰る道はないし、立ち止まったら。もう俺は一歩も動けなくなる」 |
103 | 光 | 「そう、先生はもう…」 |
104 | 先生 | 「先生はもう死んだのかもしれないな」 |
105 | 光 | 「そっか…」 |
106 | 先生 | 「がっかりさせて申し訳ない」 |
107 | 光 | 「もう先生はあの頃の先生はいない」 |
108 | 先生 | 「人は変わる。変わらずにはいられない。今まで変わってきていないつもりでいたから、一番驚いているよ」 |
109 | 光 | 「大好きな先生は夢の中で死んでしまった。強い毒に侵されて…死んでしまった」 |
110 | 先生 | 「これで、もう俺が起きる理由はなくなったんだ」 |
111 | 光 | 「……もう目を覚まさないのですか」 |
112 | 先生 | 「終わらない夢をね…。全て夢だったね、と笑えるように。」 |
113 | 光 | 「先生が夢じゃなくて良かった…という現実があることを」 |
114 | 先生 | 「現実はいつでも残酷でつらいものさ」 |
115 | 光 | 「先生が目を覚ますのを待ってる」 |
116 | 先生 | 「目はな…、もう閉じるしかない。もう何も見なくていいように」 |
117 | 光 | 「目をつぶってしまうの?」 |
118 | 先生 | 「目はつむるためにある。その閉じた眼が開かれるときは…灼熱の炎に焼かれ時だろうな」 |
119 | 光 | 「その時見えるものは、なんだろうね。先生」 |
120 | 先生 | 「すすで焦げた真っ黒い天井か。炭の花か…なんだろうな」 |
121 | 光 | 「…そうなる前に再び目を開くことを祈ってるよ、先生」 |
122 | 先生 | 「……おやすみ。煩わしいこの世界に終わりを。」 |
123 | 光 | 「…今日とはお別れ。さようなら。明日を夢見て…おやすみ、先生」 |
124 | 光 | 「――生…、先生!起きて下さい、先生」 |
125 | 先生 | 「…あと何回夢を見れば、終わりが来るんだい?」 |
126 | 光 | 「冷たくなっちゃ嫌ですよ、先生…」 |
127 | 先生 | 「嗚呼、もう起きる力はなさそうだ……」 |
128 | 光 | 「先生、こんなところで寝ないでくださいよ…起きて下さい、先生!」 |
129 | 先生 | 「何回起きれば、夢になるだろうか――」 |
作者のツブヤキ |
夢がリアルすぎて、現実なのか夢なのか分からなくなる時ってありませんか? 夢の中で仕事していて、バッチリ疲れるとか。あんなにしっかり考えて作品とか書いていたのに朝起きてみると真っ白とか。 あれあの話は夢での出来事だったんだっけ?それとも現実に起きたことだったんだっけと記憶が混乱することも。 最近はあまりにも心に負荷がかかり過ぎて、強制的に現実逃避の夢認定が半端ないです。 多分色々と夢だったんだと思う。何も残ってないし。そんなものだよね |
(※どの作品からのコメントなのか、URLのfree/○○○.htmlの『数字3桁のみ』の後、続けてコメントを記載して頂けると助かります) |