編集者の企画案

編集者の企画案

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :2:1
総セリフ数 102
製作日 2015/7/9〜2015/7/9
概要説明  新しい企画を考えてこい。
くだらない企画を考えて持ってくるなよ。ちゃんとまともなものを持ってこい。
来週中までなって言ったよな、明日まで持ってこい。お土産もって持ってこーい。それパワハラです
利用にあたって 利用規約
目安時間
登場キャラ セリフ数 性別 備考
編集長 40 某出版社編集部の編集長。
菊川
(きくかわ)
42 王道を踏み固めたい平成生まれの現代っ子。
斉藤
(さいとう)
20 実は結構腐ってる。事務と編集のサポートを万能にこなす。






【編集部】(菊川を呼ぶ編集長)

001 編集長 「おい、菊川。菊川、ちょっと来い」
002 菊川 「はいはい、編集長なんですか」
003 編集長 「お前、先週言ってた企画どうなってる?」
004 菊川 「先週言ってた企画…」
005 編集長 「あ?」
006 斉藤 「花村さん、今度お昼一緒にどう?近くにパスタ屋さんができたんだけど」
007 編集長 「菊川、来週まで何か企画一本考えてこい」
008 菊川 「僕ですか?」
009 斉藤 「そういえばさぁ…」
010 編集長 「明日中に何か考えておけよ」
011 菊川 「期間縮んでますよ!?縮むのは体で中身は大人ですよ」
012 編集長 「バーローはいいから。訴えられるぞ、学校の出版社に」
013 斉藤 「中澤258なんだけど…」
014 菊川 「中澤258!」(タイトルに反応)
015 編集長 「あ?」
016 菊川 「あ、いえ。こっちの話です」
017 編集長 「で、まだとか言わないよな?」
018 菊川 「えぇ、そりゃもぉ…バッチリですよ。お目めもパッチリな程…」
019 編集長 「ほぅ。自信あるんだな?」
020 菊川 「はい、もぅ。そりゃもう、はい。バッチグーのバッチグーグーって感じですよ、えぇ」
021 編集長 「企画書見せてみろ」
022 菊川 「えーと…」
023 斉藤 「花村さん、印刷お願いできますかー」
024 編集長 「どれ、これか?」
025 菊川 「はい。もうこれ最高傑作ですよ」
026 編集長 「『ドキッ☆女だらけの勇者様』?」
027 斉藤 「あ、お茶よろしければどうぞ」
028 編集長 「おぉ」
029 菊川 「あ。ありがとうございます」
030 斉藤 「失礼します」
031 編集長 「…菊川」
032 菊川 「はい?」
033 編集長 「昭和かっ」(頭はたく)
034 菊川 「イタッ!へ!?」
035 編集長 「タイトルからして昭和かっ!何が、ドキッだ」
036 菊川 「女だらけのハーレムは今流行ってるんですよ。女子寮に住み込みになったり、女学校に転入することになったり…」
037 編集長 「平成かっ」(頭はたく)
038 菊川 「イタッ」
039 編集長 「平成かっ」(頭はたく)
040 菊川 「何で二回叩いたんですか!」
041 編集長 「今は平成だな、うん。」
042 菊川 「王道にポロリもありますよ」
043 編集長 「ポロリ?」
044 菊川 「猪連れた狐の怪盗とか」
045 編集長 「訴えられるからな?木の出版社に」
046 菊川 「ほら、原案も持ってきてるんですよ。チラリ」
047 編集長 「どれ…どんなストーリーなんだ?」
048 菊川 「魔王が現れて、それを倒すために勇者は仲間を連れて…」
049 編集長 「どう見ても覗きにだよな?これどう見ても民家覗いてるよな」
050 菊川 「勇者が盗撮、覗きする物語です」
051 編集長 「何で!?何でそんな話なの!?」
052 菊川 「勇者がズカズカ民家に入り込んでタンスを物色したり、風呂場を覗いたり、冷蔵庫のものを食い荒らすのは王道ですよ」
053 編集長 「そんな王道いらないだろ」
054 菊川 「王の通る道と書いて王道ですよ」
055 斉藤 「菊川さん、通るという漢字は入らないですよ」
056 菊川 「シッ、斉藤さん。シッ」
057 編集長 「で?王が通る道だから何?」
058 菊川 「庶民とは違うんですよ。もうね、素晴らしい道を通ったということで、評価されること間違いないです」
059 編集長 「内容どう見てもエロ漫画だよな」
060 斉藤 「結構ディープですね」
061 菊川 「ハードではないです」
062 編集長 「お前の性癖はどうでもいい」
063 菊川 「ハードはちょっと…」
064 斉藤 「誰も性癖の話はしてませんが…」
065 編集長 「掲載する雑誌を間違えてないか」
066 菊川 「見てくださいよ、最近の少女漫画!」
067 斉藤 「あ、これ私昔読んでた」
068 編集長 「目を通したことはあるな」
069 菊川 「絶対これ入ってますよ」(描写指差して)
070 斉藤 「まぁ、入ってるかもね」
071 編集長 「入ってる入ってないはどうでもいい」
072 菊川 「デスヨネー」
073 編集長 「いくらモテないからってお前の理想を作者に押し付けちゃいかんだろ」
074 菊川 「いや、押し付けてないですよ」
075 編集長 「誰がエロ漫画家取ってこい言った」
076 菊川 「少年漫画で大人気の先生も今じゃギリギリのエロ漫画描いて人気とってるんで大丈夫っす」
077 編集長 「人の通った道が必ずしも成功するとは限らんぞ」
078 菊川 「いや、これは売れますよ」
079 斉藤 「菊川さん随分自信満々ですね」
080 編集長 「根拠はなんだ」
081 菊川 「勘です。これは僕の長年の編集の勘です」
082 編集長 「じゃあこけるな。長澤、こいつの代わりに漫画家見つけておいてくれ」(机の向こうに声掛ける)
083 菊川 「え、ちょっと編集長!」
084 斉藤 「菊川さん、女の勘は使っていいけど、男で使うとそれ程、胡散臭い話はないのよ」
085 菊川 「そうですか?」
086 斉藤 「チョッと、おニイさん。三千円ポッキリね」
087 菊川 「うわ、胡散臭ッ。一万は軽く獲られそうだ」
088 斉藤 「みたいな感じなのよ」
089 菊川 「斉藤さんは三千円ポッキリなんですか?」
090 斉藤 「あら、同じ空気吸ってる段階で三千円じゃ足りないわよ」
091 菊川 「えげつな…」
092 斉藤 「私と遊びたかったら担当五人増やしてから誘ってね」
093 菊川 「休みなくなるっ!?」
094 斉藤 「ということで新企画、頑張ってねー」
095 菊川 「マジかぁ…絶対いけると思ったんだけどな。『ドキッ☆女だらけの勇者さま』。あ、『ウホッ男だらけの勇者さま』がいいか」
096 編集長 「斉藤。菊川の頭腐ってるぞ」
097 斉藤 「えぇもうバッチリに」
098 編集長 「同志を増やすな、同志を」
099 斉藤 「やだ、編集長。私は『フヒッ…楽園の勇者様』ってタイトルにする方ですよ」
100 編集長 「発刊できるか!」
101 菊川 「編集長、さっきの案考え直しましたよー」
102 編集長 「お前ら帰れっ」






作者のツブヤキ
 これ書いたの2年前だったようです。メールに残っていたのが2年前ってのに驚きでした。
2年も眠っていたのか。
そのまま眠らせていても良かったんじゃないか。
少し前に言われていた『現代っ子』と、私たちから見た『現代っ子』も相当ジェネレーションギャップがありますよ。
一つ下や中高生なんて生活レベルというか、スマホ握って生まれてくるみたいな世界考えられなかったですもの。
携帯電話なんて高校になったらようやく所持できるみたいな世界だったので。
そう考えると次から次へと新しい若者が入ってくる会社やトレンドを追いかけている所は凄いなって。
歳を取っても若者に会話を合わせられるようになりたいですね、えぇ

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