湯けむり温泉旅路-大正浪漫の宿-

湯けむり温泉旅路-大正浪漫の宿-

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :2
総セリフ数 154
製作日 2014/11/25〜2014/11/30
概要説明  温泉好きの仲良し先輩後輩三人組の峯岸がどうしても都合がつかず来れなかった。
今回は千と萌の二人で映画の舞台モデルとなった温泉地を訪れる。例年では既に雪が積もっている時期だったが、今回は奇跡的に降っていなかった。
二人が送る温泉レポート
利用にあたって 利用規約
目安時間
登場キャラ セリフ数 性別 備考
桑原 萌
(くわはら もえ)
76 クワトロさん。二人の後輩、先輩たちのこだわりに憧れて自分も探そうと躍起になっている。まだ就活中…
友越 千
(ともこし せん)
78 体力系。旅館を選ぶときは料理を重視する。ザっぱな性格で細かいことは気にしないが、飯にはこだわる。宅配業に就職した模様






【温泉街】(車を従業員に預け、温泉街を歩く二人)

001 「もう…先輩が突っ込むって言った時にはヒヤッとしたんですからね」
002 「アッハッハッ。ナビでは目的地あっちって書いたったからなー」
003 「『許可者以外通行を禁止する』って書いてあったじゃないですか」
004 「宿泊者は許可された選ばれた者なんよ。それが偉い人には分からんのや」
005 「分からんのは先輩の頭の中だけです」
006 「何はともあれ着いたんだからそうプリプリ怒らんのや」
007 「もぅ…先輩には峯岸先輩がいないと暴走しそうで困ります」
008 「せやなー。圭がこれへんかったのは残念やったけどなー」
009 「…行きたい行きたい言ってようやく予定があったのが私たちだけでしたからねー」
010 「まぁそういう日もあるって。圭にはたーっぷり土産話聞かせたればええって」
011 「先輩いつか温泉で沈められますよ」
012 「にしても、温泉街ってのは細い道でクネクネした坂道ってのは分かるんやけど、通行禁止は初めてやなー」
013 「出発前に宿の電話番号調べてメモしてきて正解でしたね」
014 「でかした桑っち」
015 「…先輩、この町造り凄いですね。私感動しちゃいました」
016 「せやなぁ…。あの国民的大作温泉アニメの舞台のモデルの一つにもなったとこらしいしな」
017 「高校の時から一度行ってみたいと思っていたんですよね。ようやく念願が叶いました」
018 「やっぱ行くならパッと名の通ったところは経験してみたいからなー」
019 「でも、例年だったらもう雪が降っているのに今年は降っていないって女中さん言ってましたね」
020 「2m50cmとか降ったことあるってどないしてんやかな。ウチは腰までで音上げたんに」
021 「ここの人たちは降るのが当たり前みたいで雪が降らないのを逆に寂しがってましたね」
022 「雪国人はちゃうなー」
023 「いや、場所によるとは思いますけどね…。橋もいっぱい架かっていて建物も大正時代をイメージした造りってこれやっぱり凄いですよ。街並みは草津に負けません」
024 「なかなか張り合いたくても張り合えんもんやからなー。結構他の旅館なんて鉄筋ムキムキのコンクリ建物とかも多いからなー」
025 「あ、宿泊客の来ている県の名前も書かれていますよ」
026 「歓迎○○様ってのは見かけるけど、来ている県書かれるのも珍しいわな。個人情報云々って気にせんかったらどこどこから来てるんだーって分かっておもろいもんな」
027 「あそこのカレーパン屋さんなんかやっぱり一風変わった建物ですよねピンク塗りだし」
028 「ほんとカタカナでロマンって書くより浪漫って感じで書くのが似合うような造りやなー」
029 「お土産屋さんの他にも蕎麦屋さんや、喫茶店もあってなんだか町自体も飽きない温泉地って初めてです」
030 「そこら辺は夢の国と同じような感じなのかもしれへんな。テーマに統一されて世界を造られていると感動するみたいな」
031 「そう!それですっ。これは旅行に来た外国人さんに是非是非お勧めしたい場所です」
032 「来るのには結構しんどい場所でもあるけどな」
033 「県境ギリギリですものね」
034 「まぁ山という山ではないけどもうちっとアクセスいいといいんやけどな」
035 「草津だって贅沢は言えませんからね。部屋でゆっくりしますか?」
036 「せやな。戻ろうか」



【部屋】(荷物を置いて部屋を眺める)

037 「ほへー、さっすが12畳…。広いなぁ」
038 「実家のリビング並みですね…」
039 「別に6畳でも良かったけど」
040 「広い方が輪―ってなるかなって思ったんですけどね」
041 「いや、わーって何?」
042 「とりあえず一服入れますか」
043 「そうそ。ウチらの定番やもんな。分かってるやん」
044 「もう。何回一緒に旅行に行ったと思ってるんですか。これがないと始まらないじゃないですか」
045 「茶を飲みながら食べる饅頭が温泉旅行のこれまた醍醐味やけんな」
046 「なんかババくさいけどね」
047 「ババアは圭だけで十分やで」
048 「ほんとその内露天風呂から突き落とされますよ、先輩」
049 「圭には内緒やで」
050 「…内緒ごとはうっかりでも喋らないに限りますよ」
051 「まぁ口は災いのなんとかって言うしな」
052 「災いの素です。先輩ことわざよく使いたがりますけど、肝心な所言えないですよね」
053 「わざとやわざと。噂をすればなんとやら〜みたいに略すやん」
054 「本当に知っているか怪しいんですけど…。」
055 「お、おっしゃ。18時の食事の前に入ってきぃへんか。天空露天風呂は女性陣21時までらしいし」
056 「そうですね。夜中に入りに行きたいのに21時から翌日まで全部男性の時間って差別ですよね」
057 「入りたかったら入ってもええんやで…?」
058 「えくないです!男の人入ってきたらどうするんです」
059 「御一緒する」
060 「しませんっ。それ逆やられたら警察沙汰ですよ」
061 「痴女?」
062 「痴女は先輩だけで十分です」
063 「ウチ捕まったら帰れへんで?」
064 「捕まるようなことしないで下さい」
065 「はっはっはー。まぁまぁ、そない感じで行こうか」
066 「じゃあ、着替えていきますか。あ、先輩この浴衣ポンポコですよ」
067 「ポンポコ…お、なんやこの狸の浴衣かわええな」
068 「入口にもでっかい狸の置物ありましたから何か狸にゆかりのある所なのかもしれないですね」
069 「経営者が狸ジジイか」
070 「いや、それはないと思うけど…」
071 「っしゃ、ほな行こうか」
072 「早ッ!先輩着替えるの早ッ!待って下さいよー」



【2階入浴場】(脱衣し、浴槽へ)

073 「さてと…浴槽が案外小さかったことに肩透かし喰ろうたけど」
074 「襖二枚分くらいのサイズですかね。でも今まで私たちが行ったところの中では大きい方ですけどね」
075 「身体と足さえ伸ばせれば文句はないねんな」
076 「部屋も何となく天井の木の色が明るめで感動しました」
077 「せやなーあとは料理さえよけれ…熱ッ!ちょ、待って」
078 「どうしたんですか?先輩」
079 「いや、風呂がアホみたいに熱いねん」
080 「源泉は61.6℃らしいですからね」
081 「だが、ここで入らへんかったら女の名が廃るッ」
082 「いや、別に廃れはしないと思いますし。女というより男のイメージが…」
083 「あっつ!アッツ!痒ッかゆっ!熱さで痒みが出てきた!ひぃーー」
084 「先輩、やせ我慢は体に悪いですよ、そこから水足せますし」
085 「何やこれ。チャキチャキの江戸っ子も大号泣レベルやで」
086 「先輩はチャキチャキの江戸っ子の何を知っているんですか」
087 「桑っちも入ってみぃ。ほれ、ほれっ」
088 「ちょっと、先輩押さないで下さいよ?絶対に押さないで下さいね…」
089 「それフラグやで」(萌の背中押す)
090 「ちょっ…やめ…っ。熱ッアツゥ!」
091 「やろ?おー体全身がヒリヒリや」
092 「水足しましょうよ、これ足さないとダメ」
093 「こない熱いのも初めてや」
094 「これは強烈ですね…」
095 「こりゃ長湯できへんわ。ちゃっちゃか露天行こう」
096 「それもそうですね。女性は食事前に入らないと余裕無くなりそうですもんね」
097 「いざ露天風呂にレッツゴーや」



【6F天空露天風呂】(エレベーターを降り、天空露天風呂へ向かう)

098 「お、エレベーター降りたらすぐ入口になんやな」
099 「外から見ても5階6階は増設されたような新しい造りでしたもんね」
100 「ここのドアを開けた通路を通ると脱衣所なんね。脱衣所までのこの通路が何なんかようけ分からんが、趣あるなー」
101 「なんだか貸切風呂みたいな感じですよねー。今までの宿でこんな感じの貸切風呂みたいのあったじゃないですか」
102 「せやな。さぁて…待望の露天風呂は……」
103 「…天空露天風呂?」
104 「…桑っち。露天風呂の定義って何や?」
105 「えーと…野外や屋外に設置された風呂のことだったかと」
106 「このガラスで囲まれて、どう見ても室内にあるこの風呂は?」
107 「定義的には半露天風呂とかになるんですかね…?ガラス張りのせいか下のよりは室温が低いですけどね」
108 「…ウチはな、露天風呂ありって書いてあった宿が二つしかなかったからここにしたんやで」
109 「先輩露天風呂好きですもんね」
110 「こんなん露天風呂とは認めへんっ!…入るけど」
111 「以前のお酒の宿の露天風呂もこんな感じの樽桶風呂でしたよね」
112 「そう言われてみればそうかもしれへん。でもあっちの方が浅かった気がするな」
113 「二人で入っても広々ですね」
114 「こういう風呂にカップルで入ってイチャつくんやろ?試しにもみくちゃになってみいひんか?」
115 「もう、先輩そういうのはシラフで言わないで下さいっ」
116 「シラフやなかったら言ってええんかい」
117 「時と場合に寄りけりです」
118 「桑っちがそっちのケがあったのは意外やった…」
119 「ありませんっ!ありませんよッ!もう、そろそろご飯に行きますよッ!私先に上がってますからね!」
120 「…ウチ、貞操の危機やったん?」



【個室】(一階の食事会場へ)

121 「いよいよ、先輩の最後の審判ですね」
122 「我が腹を満足させられるかや」
123 「…若女将さん、赤ちゃんおぶりながら仕事されてましたよ」
124 「まぁここら辺幼稚園とか託児所とかなさそうやもんな」
125 「温泉宿で育つってそれはそれで大変そうなんですね」
126 「育つ環境によって人生って全然違うなぁって思うけどな。ウチはそこそこな都会しか知らへんから山間部で暮らす人ってどんなんやろって思ってまうし」
127 「確かに。ただでさえ地方都市でも上京したら田舎者丸出しのキョドってしまいますもん」
128 「やーい、田舎もん」
129 「上京してきた人みんな敵に回しますよ、先輩」
130 「さーて、お食事お食事ー♪」
131 「ヤマメの刺身に鮎の焼魚…ローストビーフに生春巻きって。しかもこのとろみのある餡かけもの中華っぽい」
132 「和洋折衷って感じやな。刺身、天ぷら、茶碗蒸しといった王道もんやないのも評価評価やな。ただ、何が何かのお品書きは欲しかったわなー」
133 「そうですね。お品書きないの珍しいですね…。何なのかって分かりながら食べるとまた違いますしね」
134 「ちょ…女子旅にしたけどこのデザート盛凄すぎやない?」
135 「確かに…」
136 「これはめっさ満足やわ。二重丸。料理はガッツリこの最後のデザートに全部持ってかれたねん」
137 「インパクトが強いですもの」
138 「外の風景、町並みも最高、料理も最高、部屋もお洒落。今回はめっさいい旅やった」
139 「峯岸先輩が来れなかったのが本当に残念ですね」
140 「ええってええって。伝えるだけ伝えて彼氏と来てもらえばええ」
141 「峯岸先輩彼氏いるんですか!?」
142 「出来たらの話や、できたらな」
143 「もう、そんなこと言って…。他人のこと言っている場合ですか。そろそろ自分も考えた方がいいんじゃないですか」
144 「せやなー。温泉好きな人でも探し始めようかや」
145 「温泉デートっていいですね」
146 「体も心もぽっかぽかや。ま、しばらくは桑っちとぽかぽかやな」
147 「…部屋に戻ったら布団離しますからね」
148 「なんでやっ」
149 「貞操の危機です」
150 「別に寝込み襲わへんよ」
151 「寝込みじゃなくても襲われそうです。今度は峯岸先輩がいないと私行きませんからね」
152 「人を危ない人みたいに言わんといてや」
153 「いいえ、危ない人です。はい、御馳走様でした。先に部屋に戻ってますね」
154 「おぅ…なんだかツンデレ嫁さん見てるようや…。温泉入ってこよ」






作者のツブヤキ
 はい、久しぶりの温泉旅行。ついに銀山温泉に行って参りました。
ジブリ映画の有名作『千と千尋の神隠し』のモデルの一つと言われた宿街らしいですね。詳しいソースは調べていないんですけど…。
大学の温泉サークルで前年行きましたって話でイイナーイイナーってずっと行きたかった温泉地だったわけなんですが。
ほんと建物の造りが見ていて飽きないというか、夢の国のような世界観を持った造りになっているので感動します。
豆腐屋や喫茶店、蕎麦屋などがあり、流れる川に無数の橋がかけてあって他の温泉街では見かけない構成なんですよね。
お湯自体は源泉かけ流しなんですが、そんなに温泉温泉していないというか…。
もうちょっとトロトロとか硫黄の臭いがあるとか、白濁だとか、もうちょっと特徴欲しいかなって思いましたが…。
あ、熱かったのはとても印象に残りました。通常で測定すると60.6℃で水足さないと入れないみたいな。
17時頃入った時は地獄見ました。自分江戸っ子じゃないなって思いました。
いや、江戸っ子でも下町っ子でもなんでもない子ですけどね。えぇ。
だが、久しぶりにホント当たりの温泉宿でした。
皆さんもぜひ一度行ってみることをお勧めします。雪があまり降らないちょっと降った今くらいがベストかもしれません。
例年だとアホみたいに積もってるそうなので。

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