シナリオ詳細 | |
掲載元 | 声物語劇団 公式サイト 声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場 |
作者 | 月宮東雲 |
登場キャラ数 | ♂:1♀:1不問:1 |
総セリフ数 | 117 |
製作日 | 2012/10/30〜2012/10/30 |
概要説明 | ついに身体が徐々にもたなくなり、生にこだわることを諦める広茂。 キルと死神生命保険を契約し、残りの余命を友華に託し、この世に終わりを告げる。 死神生命保険最終話。 |
利用にあたって | 利用規約 |
目安時間 |
登場キャラ | セリフ数 | 性別 | 備考 |
菊池 広茂 (きくち ひろしげ) |
50 | ♂ | 妹想いの高校二年生。彼女ができて浮かれているが、良きお兄ちゃんとして友華も可愛がっている |
立花 秋菜 (たちばな あきな) |
23 | ♀ | 広茂の彼女の高校二年生。初めて成功した告白で、広茂と付き合っていることを誇りに思っている。 |
死神キル | 44 | ? | 死神界よりやってきた死神。広茂の母より生命保険の行使をしに現れる。人の形をしているが、人間のような顔を持っているかは不明 |
001 | 秋菜 | 「くるみ、あの店行って見た?そうそう。店員の声めっちゃ高いよね?」 |
002 | 広茂 | 「…よく考えれば、これから別れて会えなくなるのに何必死に戻そうなんてしていたんだろ」 |
003 | キル | 「何だ、諦めたのか?」 |
004 | 秋菜 | 「え?ヒロ君…いや、菊地君とはまだ行ってない。まぁ雰囲気のいい店だから行きたいんだけど、今喧嘩中」 |
005 | 広茂 | 「親しい人の別れってつらいじゃんか?」 |
006 | キル | 「さぁな、人間達の感情を理解しきっているわけではない。同意はしかねる」 |
007 | 広茂 | 「隣りの婆ちゃん死んだ時はなんかツラかった。最初は全然縁なかったのに、毎日挨拶される度にいつしか遊びに行く程になっていて…」 |
008 | 秋菜 | 「…だって本当のこと言ってくれないんだものヒロ君」 |
009 | 広茂 | 「婆ちゃん亡くなってしばらくはなんかポッカリ心に穴空いた感じでさ…」 |
010 | 秋菜 | 「しまいには『俺実は死んでるんだ!』ヒドいよ…」 |
011 | 広茂 | 「あー知り合わなきゃ良かったって。直前まで仲良くしていたからこんなにツラいんだって。だったらもう遅いかもしれないけど、せめてすっぱり別れて忘れてもらった方がいいのかなって」 |
012 | 秋菜 | 「じゃあ目の前にいるヒロ君は幽霊なのって。足あったもの」 |
013 | キル | 「それが汝の選択であればとやかく言うものではないであろう。口を挟む気もないがな」 |
014 | 秋菜 | 「死んだような顔してるって死んだ目は元から…元からだったきっと」 |
015 | 広茂 | 「なぁ、キル。顔色が悪いのは分かった。けど、目も濁ってないか?」 |
016 | キル | 「お前は相談する友人もいないのか?」 |
017 | 広茂 | 「うるせー」 |
018 | キル | 「寂しい奴だ」 |
019 | 広茂 | 「せー」 |
020 | 秋菜 | 「確かにヒロ君、最近独り言多くなったけど。由香も茶化さないでよー。死人が歩くわけないじゃん」 |
021 | 広茂 | 「キル、あとどれくらい生きられるんだ?」 |
022 | キル | 「内臓器官の腐敗具合によるが一週間程はいけるか」 |
023 | 広茂 | 「内臓器官の腐敗?」 |
024 | キル | 「あんまり頑張り過ぎると蠅がたかるわ、腐乱臭をばらまくわと惨事になるがな」 |
025 | 広茂 | 「それって…」 |
026 | キル | 「腐りきって動けなくなるその時まで側にいてやる」 |
027 | 広茂 | 「嫌な最期だな」 |
028 | キル | 「多くの人間はある程度生きた後は醜態を晒さんと命を絶つがな」 |
029 | 広茂 | 「そらそうだわ。俺もその一歩手前ってか…そろそろ腹くくる時なのかもな…」 |
030 | 秋菜 | 「…だってヒロ君あんなに冗談飛ばす程、ふざけるくらい元気あったんだよ?死ぬはず…死んでるはずないよ…」 |
031 | キル | 「死を受け入れられないのは本人以上に遺される者たちかもしれぬな」 |
032 | 広茂 | 「何で人が決意しようとしてる時にそういうこと平気で言うんだ…嫌がらせか?悩み苦しむのを見て大爆笑か?悪趣味だぞ」 |
033 | キル | 「事実を述べたまでだ。本人は受け入れられずとも死は訪れ、ただ従うのみだが周りはどうだ?空白を埋めようと日常を繰り返したり、代用の穴埋めをし始める」 |
034 | 広茂 | 「で?」 |
035 | キル | 「ただそれまでの話だ」 |
036 | 広茂 | 「意味深に話すのはやめてくれよ」 |
037 | キル | 「人間達と違って特に深い意味がある話をしているわけではないのだがな」 |
038 | 広茂 | 「…俺が死んだら、友華…どうなるんだろうな」 |
039 | キル | 「……。」 |
040 | 広茂 | 「死神に頼むわって言うのも妙な話だしな」 |
041 | キル | 「迎えを担当することはできる」 |
042 | 広茂 | 「いやすぐに迎えに行かれても困る!可哀想だ」 |
043 | キル | 「時がきたら…だ、時がきたら」 |
044 | 広茂 | 「いずれな…いずれ…」 |
045 | キル | 「さて、そろそろ…」(広茂に歩み寄る) |
046 | 広茂 | 「ちょ…ちょっと待った!ちょっと待ってくれ」 |
047 | キル | 「む…」 |
048 | 広茂 | 「もう少しでここからの景色が良くなるんだ」 |
049 | キル | 「…そうか」 |
050 | 広茂 | 「最期って何したらいいのか分かんなくなるよな…突然死ぬからやりたいことしろって言われても、手つかなかったし…」 |
051 | キル | 「日頃から生き方を考えて置く必要があるということだな」 |
052 | 広茂 | 「…ここからだと遥か遠くまで見え、日の沈む境界がしっかり見えてよ…最期に相応しいよな」 |
053 | キル | 「人間達はそうした最期をよく好む」 |
054 | 広茂 | 「惨めな最期より美しいものに囲まれて最期を迎えたいんだ…そういうものだ」 |
055 | キル | 「そうか。」 |
056 | 広茂 | 「…キル、教えてくれ」 |
057 | キル | 「なんだ」 |
058 | 広茂 | 「何故、俺はあそこで死ななきゃならなかった?」(キルに掴みかかる) |
059 | キル | 「運命…とでも言って欲しいか?」 |
060 | 広茂 | 「俺はまだ死にたくない…死にたくない…んだよ…」(キルの服を掴んだまま俯く) |
061 | キル | 「身体が保たなくとも…か?」 |
062 | 広茂 | 「保つんだったら保たせたい。けどな…けどよ…友華に心配かけ続けるわけにもいかないんだよ」 |
063 | キル | 「この世から離れることを決したのはそういうことか」 |
064 | 広茂 | 「そうだ。そうだよ!…どうしようもないじゃねぇか!青ざめ土気色になっていく顔も、残し続ける食事も。生き続けるだけで罰を増やし続けないといけないだなんて…」 |
065 | キル | 「罪の意識か…。最期の審判で閻魔様も考慮してくれるだろう」 |
066 | 広茂 | 「死にたくない…死にたくないんだ…」(崩れ倒れ、膝をつく) |
067 | キル | 「お前は既に死んでいる」 |
068 | 広茂 | 「皆から忘れられるってどんな気分なんだろうな」 |
069 | キル | 「忘れられたところで世の中何も変わらない。お前の存在も何ら変わることはない」 |
070 | 広茂 | 「……」 |
071 | キル | 「さて、そろそろ約束の時間だ。我も仕事を始めようか」(死神の鎌を取り出す) |
072 | 広茂 | 「あぁ…」(ヨロヨロと立ち上がる) |
073 | キル | 「汝に行使した生き延びる期間の延長をする死神生命保険。汝の残り時間を誰かに託すことができるが。誰かに託すか?」 |
074 | 広茂 | 「俺の余命を…あげられるのか?」 |
075 | キル | 「まぁ死んでいるがな。余命であることには変わらない」 |
076 | 広茂 | 「…どれくらい保つ?」 |
077 | キル | 「腐りきることを考えると一日から二日か」 |
078 | 広茂 | 「…だったら、友華に。妹に分け与えてくれ。恨まれるかもしれないけど、それが兄の俺が残せる…繋がっていられるものだ」 |
079 | キル | 「妹の菊地友華だな」 |
080 | 広茂 | 「あぁ」 |
081 | キル | 「承知した。契約は成立した。それでは…」 |
082 | 秋菜 | 「ヒロ君?」(公園の入り口に現れる) |
083 | 広茂 | 「…秋菜?」 |
084 | 秋菜 | 「やっぱり顔色悪い…最近様子がおかしかったから気に…」 |
085 | キル | 「冥界に案内する」 |
086 | 広茂 | 「空気読めよっ!」(秋菜の前に立つキルに向かって怒鳴る) |
087 | 秋菜 | 「え…?」 |
088 | 広茂 | 「あ、いや。ちょっとタンマ…」(秋菜に慌てて弁明) |
089 | キル | 「汝らの空気を読む必要は我には必要ない」 |
090 | 広茂 | 「嫌がらせかよっ」 |
091 | 秋菜 | 「ヒロ君…?」 |
092 | キル | 「新規契約もした。古い契約は破棄した。解約したら電波は絶えるものだ」 |
093 | 広茂 | 「サービス一つもできないのか」 |
094 | キル | 「サービス…生憎サービス業ではないのでな」 |
095 | 秋菜 | 「ヒロ君、何言ってるの?」 |
096 | 広茂 | 「そんなでけぇもん持ってるのに肝っ玉は小さいんだな」(キル(秋菜の胸)を指差し) |
097 | 秋菜 | 「デカいって…ヒロ君、私のどこ見ていってるの!?」 |
098 | 広茂 | 「え?」 |
099 | 秋菜 | 「そうやって私と下心で付き合っていたんでしょ」 |
100 | 広茂 | 「あ、いや違っ」 |
101 | 秋菜 | 「だって今絶対指差した!」 |
102 | 広茂 | 「いや、そこに死神がいて…」 |
103 | 秋菜 | 「はぁ?」 |
104 | 広茂 | 「大きい鎌持ってるんだって」 |
105 | 秋菜 | 「また訳分かんないこと言って!大きい大きいって絶対私のこといやらしい目で見てたんだ」 |
106 | 広茂 | 「それ自意識過剰の被害妄想だろ!」 |
107 | 秋菜 | 「なんですってぇ?」 |
108 | キル | 「さて、時間だ」(大鎌を振り上げる) |
109 | 広茂 | 「ちょ、お前…振り上げるなっ」 |
110 | 秋菜/td> | 「ヒロ君のサイテ…」(拳を振り上げる) |
111 | キル | 「さて、冥界へ行こうか。菊地広茂よ」(秋菜の殴る直前に鎌が振り下ろされ、広茂が崩れ倒れる) |
112 | 秋菜 | 「ヒロ君?ちょっと…ビビって失神しちゃった?いきなり倒れたり何かして…ねぇ」 |
113 | キル | 「契約は契約でな。これ以上うだうだ話されては契約期間違反になりそうだからな」 |
114 | 秋菜 | 「ヒロ君?ヒロ…何でこんなに身体冷たいの…何これ、血?何?何なの…え?」(みるみる広がっていきできる血だまり) |
115 | キル | 「聞かれなかったから答えなかったが、契約が終了すれば契約前に戻る。腐敗した臓器は戻らんがな。まぁそれ程問題でもないだろうが、保険を使用した代償というものだ」 |
116 | 秋菜 | 「そんな、冗談に力入れないでよ…演技上手いね!上手いから目を開けてよ、ねぇヒロ君!」(真っ青になりながら激しく広茂を揺する) |
117 | キル | 「死神生命保険…余命の延長。汝は有意義に過ごせるであろうか。有意義に過ごすも過ごさぬも汝次第…次また会う時は契約の行使か、それとも契約の時か…それではまた…またあいまみえようぞ」(黒衣を翻し、黄昏に消える) |
作者のツブヤキ |
ついに完結です。今度はPCで編集していたらブルースクリーンで強制終了で論文のデータ諸共閲覧履歴も併せて全部消してくれました。 いや、まさに死神!なんでしょうか、死神をネタにすると見えない力が働くのでしょうか。随分とまぁスピリチュアルな…。 大切な右腕ともいえる携帯型台本作成機を失って尚も闘い続ける…。そこまでして死神をテーマにして書く必要はあるのだろうか。 犠牲を出してまで描き続ける内容でもないような気がしないでもないですけど…。 |
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