死神生命保険4

死神生命保険4

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :1:2不問:1
総セリフ数 95
製作日 2012/10/29〜2012/10/29
概要説明  突然の死が受け入れられず、友華に当たり散らしてしまう。
秋菜に昨日の起きた出来事をありのまま伝えようと頑張るのだが…
利用にあたって 利用規約
目安時間
登場キャラ セリフ数 性別 備考
菊池 広茂
(きくち ひろしげ)
47 妹想いの高校二年生。彼女ができて浮かれているが、良きお兄ちゃんとして友華も可愛がっている
菊池 友華
(きくち ともか)
19 広茂の妹の中学三年生。両親を突然失い、まだ心の整理はできていないが、兄を支えないとと強く気丈に振る舞っている
立花 秋菜
(たちばな あきな)
15 広茂の彼女の高校二年生。初めて成功した告白で、広茂と付き合っていることを誇りに思っている。
死神キル 14 死神界よりやってきた死神。広茂の母より生命保険の行使をしに現れる。人の形をしているが、人間のような顔を持っているかは不明






【夕方・菊池宅】(秋菜とケンカした後、帰宅)

001 友華 「おかえり、お兄ちゃん」
002 広茂 「おぅ…」
003 友華 「どしたの?」
004 広茂 「何が?」
005 友華 「何か元気ないよ。朝から様子変だし」
006 広茂 「何でもない」
007 友華 「あ、彼女さんと喧嘩したの?昨日の夜のこととか」
008 広茂 「お前には関係ないだろ」
009 友華 「…何で怒ってるの?」
010 広茂 「怒ってねぇよ」
011 友華 「怒ってる」
012 広茂 「怒ってねぇって」
013 友華 「怒ってる!」
014 広茂 「怒って…」
015 友華 「八つ当たりとかやめてよ、カッコわるい」
016 広茂 「勝手につっかかってきただけだろ」
017 友華 「そっちが冷たい態度先に取ったからでしょ!もういいよ!お兄ちゃんなんて知らない」
018 広茂 …どこからだろうか。ネジがどこかで狂い始め、着実に俺の周りを破壊し始めていた
019 広茂 「なんだよっ!なんだってんだよ!」
020 キル 「死にたければいつでも殺してやるぞ」
021 広茂 「ふざけんな、何でこの程度で死ななければいけないんだよ」
022 キル 「自棄になり周囲を巻き込んで心中する輩、狂気的に殺戮をはじめる輩、死を懇願する輩…様々な輩がいるからな」
023 広茂 「…そうだよな、周りが変わっていないのに自分だけが変わっているからそう思うんだろうな…何にも変わっていないのに」
024 キル 「人間達は死という概念を受け入れられないからこそ逃避を企て、現実から目を逸らす」
025 広茂 「だからこそ、限られた命を大切に生きるべきだよな…」
026 キル 「どう生きるかどう過ごすかはお前自身が決めることだ」
027 広茂 「…わかんねぇよ。突然お前はもう死んでるとか、もうすぐ死ぬって言われても実感湧かないよ…」
028 キル 「我は見守るのみだ。己で考えろ…」



【朝・リビング】(制服に着替えて現れる)

029 広茂 「友華、あのさ…」
030 友華 「おはよー」
031 広茂 「あ、おはよう…あの」
032 友華 「そろそろ学校行くから」
033 広茂 「あの、ごめんっ!友華」
034 友華 「え?」
035 広茂 「昨日はホント悪かったっ」
036 友華 「べ、別に…」
037 広茂 「ちょっと虫の居所が悪かったみたいで」
038 友華 「別に気にしてないから」
039 広茂 「許してくれるか?」
040 友華 「気にしてないって言ってるじゃん。私もカッとなっちゃったっていうかさ…ほら、お兄ちゃんも早く食べないと遅刻するよ」
041 広茂 「あぁ…ちょっと食欲なくてね」
042 友華 「そう?珍しいね」
043 広茂 「ちょっと体調悪くてな」
044 友華 「ちゃんと食べないと大きくなんないぞ」
045 広茂 「それは友華にそっくりそのまま返す」
046 友華 「私はちゃんと食べてるもんっ」
047 広茂 「はいはい、兄ちゃんの心配してないで自分の成長頑張りなさい」
048 友華 「はぁーい」
049 広茂 「…大きくなんないぞ…か」
050 キル 「学校とやらに行かないのか?」
051 広茂 「はいはい、死神にまで学校の心配してもらえるのね」
052 キル 「…残り少ない余生を謳歌しなければ冥界に連れて行く最中に怨みつらみ言われてもかなわんからな」
053 広茂 「…残り少ない余生か。どう生きっかな」
054 キル 「悩め、若人よ」
055 広茂 「…何かいいこと言ったと思っただろ」
056 キル 「…別に。…むぅ、決まったかと思ったがな」



【学校】(休み時間中に秋菜の教室へ)

057 広茂 「あ、秋菜。お、おはよう」
058 秋菜 「ヒ…菊地君何?」
059 広茂 「は?き、菊地君?」
060 秋菜 「よ、用がないなら授業始まるから行くんだけど」
061 広茂 「あ…ぇ…」
062 秋菜 「じゃっ」
063 広茂 「あの、昨日はごめん」
064 秋菜 「…何が?」
065 広茂 「その…約束すっぽかしちゃって…」
066 秋菜 「別に悪いなんて思ってないっしょ」
067 広茂 「いや悪いと思ってる」
068 秋菜 「だって…その日一日いなかったじゃん。本当は私の家以外のところにいたんでしょ」
069 広茂 「いや…」
070 秋菜 「そうやって本当のこと言ってくれないんだ…」
071 広茂 「いや、ほんとに。ほんとのことなんだって」
072 秋菜 「菊地君さ、同じこと何度も言うとそれだけ信用が下がるってどうしてわからないかな」
073 広茂 「え…」
074 秋菜 「公園の茂みでお昼寝なんて考えられない。原っぱならまだしも、公園の茂みだよ?言ってておかしいと思わない?」
075 広茂 「まぁ…その…」
076 キル 「事実だがな。」
077 秋菜 「なんかさ、騙せると思われるとさ、悲しくなるんだよね。あ、馬鹿にされてるんだって」
078 広茂 「秋菜…」
079 秋菜 「菊地君、本当のこと話してくれないんだもの」
080 広茂 「秋菜、本当は…本当は俺!」
081 秋菜 「な、何!?」
082 広茂 「通り魔に刺されて死んでいるんだ。…だけど、死神キルに生返らせられ…」
【パンッ(広茂の頬を叩く)】
083 秋菜 「っ信じられない」
084 広茂 「…あの秋…」
085 秋菜 「ここまでコケにするって…ふざけるのもさ。も、もうやめようよ?昨日あたしが言った設定じゃん?それ」
086 広茂 「いや、秋…」
087 秋菜 「もうさ、菊地君さ。真面目に答えてくれないなら…本気で…本気で目の前からいなくなって。顔…見せないでよ……ね?」
088 キル 「泣かせたな、菊地広茂。」
089 広茂 「おいおい…そりゃない…だろ」
090 キル 「どうした」
091 広茂 「痛いだろ…。痛い。ビンタも食らってさ。…本当のことを話しても信じてもらえない」
092 キル 「そういうものだ」
093 広茂 「なんだよ…信じてもらえないから嘘吐いたのにさ…本当のこと言ったら今度は嘘に嘘塗り固めただけか」
094 キル 「…面倒なものだな」
095 広茂 「あぁ面倒だ…ほんと死ぬって面倒なことだな」






作者のツブヤキ
 死にたくて死ぬ者と、死にたくなくて死ぬ者。私はよく死にたくなくて死ぬ者を描くことが多いですね。
確かに世の中は、そんなに単純じゃないし、優しくもない。みんながみんな死にたくないわけでもないでもなくて…
そんな美談とか、ドラマ的のような王道の演出みたいな物ばかり書くのもどうだかってのもあるんですけどね。
こういった創り話から少しでも思うことがあってくれればいいなと思うばかりです。

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