死神生命保険3

死神生命保険3

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :1:2不問:1
総セリフ数 108
製作日 2012/10/29〜2012/10/29
概要説明  死者として生き返り、帰宅した広茂。自身が死んだという事実を受け入れられずにいた。
しかし、朝起きても目の前に死神キルはいなくなりはしなかった。それどころか、学校にまでついてきて…
約束をすっぽかしてしまった秋菜に理由を誤魔化し、関係は崩れていく…
利用にあたって 利用規約
目安時間
登場キャラ セリフ数 性別 備考
菊池 広茂
(きくち ひろしげ)
52 妹想いの高校二年生。彼女ができて浮かれているが、良きお兄ちゃんとして友華も可愛がっている
菊池 友華
(きくち ともか)
8 広茂の妹の中学三年生。両親を突然失い、まだ心の整理はできていないが、兄を支えないとと強く気丈に振る舞っている
立花 秋菜
(たちばな あきな)
24 広茂の彼女の高校二年生。初めて成功した告白で、広茂と付き合っていることを誇りに思っている。
死神キル 23 死神界よりやってきた死神。広茂の母より生命保険の行使をしに現れる。人の形をしているが、人間のような顔を持っているかは不明






【菊池宅】(朝食の用意をし、ぼんやりとした顔で起きてきた兄に声を掛ける友華)

001 友華 「おはよ、お兄ちゃん」
002 広茂 「あぁ、おはよう」
003 友華 「なに目の下クマ作って。朝帰りなんかするから」
004 広茂 「あぁ…」
005 友華 「彼女さんとニャンニャン熱い夜を過ごしてきたんでしょ、楽しんできたんならもっと…プハァッっと爽やかな笑顔くらいしてよ」
006 広茂 「あぁ…」
007 友華 「昨日テンパった彼女さんから何回も電話あったんだからね、まったく」
008 広茂 「あぁ…」
009 友華 「あーヤダヤダがめつい女はビッチだと思われるじゃん」
010 広茂 「あぁ…」
011 友華 「ちょっと聞いてるの?バカお兄ちゃん」
012 広茂 「あぁ…」
013 友華 「もう知らないっ」(怒って去る)
014 広茂 「…あのさ、何でいるんだ?」
015 キル 「我のことか?」
016 広茂 「他に誰がいるんだっ」
017 キル 「今の者」
018 広茂 「あれは俺の妹だ」
019 キル 「そうか」
020 広茂 「そうか…じゃなくて。何でいるんだよ、朝っぱらから起きたら死神いるって目覚めどんだけ悪いと思ってるんだ」
021 キル 「我はお前の担当だと言っただろ」
022 広茂 「死につきまとわられてるみたいでやなんだよ、死神がマークしてるって」
023 キル 「死を司る者だからな」
024 広茂 「狩りの獲物みたいじゃないか、まるで」
025 キル 「間違ってはいない。魂は狩り取るものだからな」
026 広茂 「前漫画で見たことがあるぞ、死神界があまりにも暇だから死神達がゲームがてらに人間を狩るって」
027 キル 「低俗な発想だな」
028 広茂 「でも実際そんな感じじゃないのか?ノルマあって…僕と契約して冥界にいってよみたいな」
029 キル 「人には死期が決まっていて、それを目処に我々は人間界へ行く」
030 広茂 「じゃあ、俺は死ぬ運命だったのか?」
031 キル 「たまに狂うこともある。お前の場合はたまたま契約行使の件で探していたからな。運が良かった」
032 広茂 「昨日も契約行使…って言ってたよな。何なんだ?それに母さんがどうのとかも」
033 キル 「死神生命保険。人間達はこう呼ぶ。対象である人間の死までの期間を可能な限り延ばす。その代償は自身の命」
034 広茂 「…イマイチわからない」
035 キル 「小学生でも理解できたぞ」
036 広茂 「その例、俺傷つくから言わないでくれない…?」
037 キル 「お前の母親が死ぬ直前に最期の命をお前に託し、お前が死んだ際、生き返れるようにした…でわかったか?」
038 広茂 「母さんが?」
039 キル 「そうだ」
040 広茂 「死神生命保険は誰でもできるのか?」
041 キル 「完全に魂が肉体から離れる前であればな」
042 友華 「…お兄ちゃんも早く出ないと遅刻するんじゃないの?行ってきまーす」(玄関の方から)
043 広茂 「…そっか。俺も朝食食って学校行かなきゃな」
044 キル 「人間とは難儀な生き物だ」



【学校】(休み時間中、キルがついて回る。秋菜がやってくる)

045 広茂 「なんか朝全然食えなかった…調子悪いのかな」
046 キル 「内蔵器官がほぼ停止しているのだ。当たり前だろう」
047 広茂 「胃とか腸が動いてないってこと?働けよ…仕事しろ」
048 キル 「言わば仮死状態のようなもの。頭と体はかろうじて動かせるレベル程度の力だ」
049 広茂 「今後は食事しなくてもいいってことか?」
050 キル 「まぁ、食べれなくなってくるだろう」
051 広茂 「…何か楽しみ奪われた感じだな」
052 キル 「お前が死んだのが悪い」
053 広茂 「それ言われると身も蓋もない」
054 秋菜 「…ヒロ」(背後からゆっくりと近付く)
055 広茂 「ぁ…」
056 秋菜 「あーのーさー、ヒロ君」
057 広茂 「秋菜…」
058 秋菜 「昨日どこにいたのかなぁ?」
059 広茂 「あ、その、ちょっと…」
060 秋菜 「ずっとずっとずぅっ〜〜と、待ってたんだけどなぁ」
061 広茂 「ごめん、ほんと」
062 秋菜 「メールも電話も出ないし」
063 広茂 「携帯壊れてさ…」
064 秋菜 「すごい古臭い言い訳」
065 広茂 「いや、ほんとに。逆パカされてさ」
066 秋菜 「誰に?」
067 広茂 「…あ、えと、通りがかりの人に」
068 秋菜 「へぇ?ヒロ君の携帯を通行人が突然逆パカした?」
069 広茂 「そうなんだよ。不意をつかれてさ」
070 秋菜 「ヒロ君さ、言い訳するにもそんなにバレバレの嘘ついて騙せると思ってるんだ?」
071 広茂 「いや、ホントのことでさ…」
072 秋菜 「ふざけるのもちょっといい加減にして欲しいかな…」
073 広茂 「いや、嘘みたいなホントの話」
074 秋菜 「もうちょっとマシな嘘ついた方がいいよ。ちょっと通り魔に刺されて冥界行ってましたとかくらいはさ」
075 広茂 「いやいや、そっちの方が超うさん臭いだろ」
076 キル 「まぁ核心はついているな」
077 秋菜 「なんだかすごく裏切られた気分」
078 広茂 「本当に昨日はごめんっ」
079 秋菜 「理由話してくれないし。あたしに何か隠し事してるし」
080 広茂 「昨日は寝てて起きれなかったんだよ。起きたら夜中でさ」
081 秋菜 「ヒロ君、何で嘘つくの?」
082 広茂 「いや、嘘じゃなくてさ…」
083 秋菜 「ますますヒロ君のこと信じられなくなっていくじゃん…」
084 広茂 「秋菜、嘘じゃなくてさ…」
085 秋菜 「昨日さ、電話したんだ」
086 広茂 「携帯の電源切れてたから…」
087 秋菜 「携帯じゃなく、自宅!」
088 広茂 「あ、おぅ…」
089 秋菜 「したら妹さんが出てさ、ヒロ君は外出中だって。家にいなかったじゃん。なんでさ、何で嘘つくかな…」
090 広茂 「家じゃなくて外で寝ちゃって…公園で、あの坂に公園あるじゃん?あそこで…」
091 秋菜 「ベンチもないのに?」
092 広茂 「え…」
093 キル 「茂みに突っ伏して寝ていたがな」
094 秋菜 「あのさ、あたしに気まずいことがあるから嘘に嘘塗り固めていくんでしょ。もう信用できないよ、そんなに嘘つかれると」
095 広茂 「いや…」
096 秋菜 「なんかがっかりだな。あたしに隠し事して嘘までつくヒロ君に。ツラいよ」
097 広茂 「ごめん…」
098 秋菜 「あのさ、少し距離置こう?今回の件はちょっと怒り治まらなさそうだからさ」
099 広茂 「いや、そんなこと言わずに…」
100 秋菜 「あたしだけじゃなく、ヒロ君も少し頭冷やした方がいいよ。反省という意味でね」
101 広茂 「…ごめん」
102 秋菜 「次、移動の授業だから。じゃ」
103 キル 「…人間は難しいな」
104 広茂 「全部昨日のせいだ…」
105 キル 「怒る相手は自分と通り魔だ。我がお前を殺したわけではない。」
106 広茂 「と言っても納得できねぇよ」
107 キル 「勝手にしろ」
108 広茂 「…くそっふざけんなよ…」(机を拳で叩く)






作者のツブヤキ
 まぁ約束をすっぽかしてその言い訳が、携帯が壊れていたとか。公園で寝ていたと言ってもそれ凄く言い訳がましいですよね。
まぁ…通り魔に刺されて実は俺は死んでるんだぜ?の方がもっと嘘っぽくて言ったら即関係終わってしまうような感じがしますからね。
こういったことが起こる自体がまずないと思われますが、どういった斬り返しがベストなんでしょうかね…謝る必要があるのは間違いないでしょうけど。
でも、突然生を奪われる理不尽さには納得できないわな。

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