死神生命保険1

死神生命保険1

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :1:1不問:1
総セリフ数 84
製作日 2012/10/21〜2012/10/21
概要説明  妹と遊園地に遊びに行った帰り、彼女との約束で家に向かっている途中…
突然の通り魔に刺され、死んでしまったという広茂。
彼のもとに自称「死神」というものが現れ…契約を行使すると告げた。その契約内容は「死神生命保険」
利用にあたって 利用規約
目安時間
登場キャラ セリフ数 性別 備考
菊池 広茂
(きくち ひろしげ)
43 妹想いの高校二年生。彼女ができて浮かれているが、良きお兄ちゃんとして友華も可愛がっている
菊池 友華
(きくち ともか)
10 広茂の妹の中学三年生。両親を突然失い、まだ心の整理はできていないが、兄を支えないとと強く気丈に振る舞っている
死神キル 31 死神界よりやってきた死神。広茂の母より生命保険の行使をしに現れる。人の形をしているが、人間のような顔を持っているかは不明






【黄昏時、高台の公園】(町を見下ろし、佇む広茂とキル)

001 広茂 「ここから見える宵闇の境界がまたこの上ないほど美しいと思うんだ」
002 キル 「…人間達の美的感覚は個体差があり、一概には言えないが、同意する」
003 広茂 「だろっ?」
004 キル 「……」
005 広茂 「本当にもう何も感じられなくなっちゃうのかよ…なぁ」(俯き、拳を握りしめる)
006 キル 「…約束の時間だ。身体が保たん」(肩に手を乗せる)
007 広茂 「嫌だ…まだ死にたくない…」(手を払いのけ、キルに掴みかかる)
008 キル 「…人間達は死を恐れ、忌避し、逃避を企てる」
009 広茂 「まだしたいこと沢山残ってるんだ…友華の面倒だって誰が見るんだ?」
010 キル 「…だが、死からは逃れられない。誰にでも訪れ朽ちて逝く」
011 広茂 「なぁキル…教えてくれ。何で俺が死ななくちゃいけなかった。何で俺でなくちゃいけなかった」
012 キル 「…菊池広茂。お前は不運だった。別にお前でなくても良かった」
013 広茂 「誰でも良かったってか…」(地面へ視線を落とす)
014 キル 「そうだ」
015 広茂 「何であの時間あそこを通っちまったんだ」
016 キル 「…時間は戻らぬ」
017 広茂 「分ってる。分ってるよ!けど…けどな…」(必死に訴えようとし、諦めうなだれる)
018 キル 「…さて、我も仕事を始めようか」
019 広茂 「…あぁ」



【夕暮れ】(遊園地からの帰宅途中の兄妹)

020 友華 「お兄ちゃん、今日は楽しかったね」
021 広茂 「そうだな。また行こうな」
022 友華 「うんっ」
023 広茂 「俺の本当のお楽しみはこれからだけどな…」(にやにやしながら呟く
024 友華 「ん…?」
025 広茂 「何でもない。お兄ちゃん、ちょっと夜遅くなるから先帰ってて」
026 友華 「遅くなるの?」
027 広茂 「ちょっと友達の家に用があってさ」
028 友華 「あー、彼女だなぁー」
029 広茂 「否定はしない」
030 友華 「もぉ…イチャついてないで早く帰ってきてよ」
031 広茂 「友華にも彼氏できたら分かるぞーきっと」
032 友華 「彼氏できたらお兄ちゃん家に入れないんだから」
033 広茂 「なんだそれ…」
034 友華 「早く帰ってこないと晩飯抜きなんだからね」
035 広茂 「あぁ俺は食べてくるから、友華は冷蔵庫にあるやつチンして食べてろよ?」
036 友華 「…もぅ知らないッ。お兄ちゃんなんか、彼女さんとニャンニャかニャンニャンしてればいいんだもんっ ヴェ〜」(あっかんべー)
037 広茂 「コラ、友華。公共の場でそんな恥ずかしい言葉を大声で言うな」
038 友華 「死んじゃえ、ばーかっ」(口をイーッとしつつ、駆け去る
039 広茂 「ったく…まだまだ子供だな友華は」
040 キル 「…菊池…」(どこからともなく微かに聞こえる声)
041 広茂 「折角、両親が出かけていて二人で一緒にゆっくりできるって秋菜に誘われたんだから断れないっしょ…なぁ?」
042 キル 「…菊池…広茂」
043 広茂 「いや、楽しみだなっ。ホント楽しみだ。いかんいかん、友華にこんな顔見られたら、はたかれるよ…な?」(にやけているところ男に刃物で心臓を刺される)
044 キル 「契約の行使か…」
045 広茂 「え?…ぉぃおまっ…」(抜き取られた刃物と立ち去る男を呆然と見ながら)
046 広茂 『声が出ねぇ…なんか痛ぇぞ…なんだよ…これ』(倒れ、暗転)
047 広茂 「ま…て……ょ…」
048 キル 『菊池広茂…だな』(頭に声が響く)
049 広茂 『…なんだ?誰だよ…』
050 キル 『お前が菊池広茂だな』
051 広茂 『そうだ。お前なんだよ?』
052 キル 『不様だな』
053 広茂 『何ぃ?』
054 キル 『迎えにきた』
055 広茂 『おいおい…お迎えって何だ?黒塗りベンツでもきたか』
056 キル 『…残念だが、白い車ではない。徒歩でご足労願おうか』
057 広茂 『俺…喋れているのか?何か変な感じなんだけど』
058 キル 『無論、喋っていない』
059 広茂 『なのに通じてるのか?意味が…というか何が起きたんだ?』
060 キル 『お前は死んだ』
061 広茂 『は?』
062 キル 『刺されて死んだ』
063 広茂 『いや、意味が分からん』
064 キル 『ざまぁっ』
065 広茂 『は?』
066 キル 『本来は冥界に連れて行くはずだが…』
067 広茂 『おいおい、中二病はよしてくれよ』
068 キル 『……』
069 広茂 『大体誰なんだお前』
070 キル 『…人間達からは死神と呼ばれている。あえて名付けるならば、キル』
071 広茂 『死…神…?ますます中二病っぽく…』
072 キル 『最初に問おう。現世にとどまるか、冥界に行くか』
073 広茂 『ハハッ…馬鹿言うなよ…死んだら無になるってばあちゃん言ってたんだぞ?冥界なんてあるわけ…』
074 キル 『確かに最終的には無に辿り着く。ただ経過があるだけだ』
075 広茂 『経過だって?最後の審判とか閻魔大王って奴か?』
076 キル 『…もう一度問う。現世か冥界か』
077 広茂 『今ここにいるのが現世だろ。ここ以外どこにも行く気がない』
078 キル 『現世に残ると言ったな。本当にいいのだな?』
079 広茂 『何が悲しくて死者の世界に行かなきゃ行けないんだよ。観光でも悪趣味過ぎるわ』
080 キル 『…ならば生き返らせるか』
081 広茂 『生き返らせるってなぁ…そろそろ黄色い救急車呼んでやろうか?な?』
082 キル 『…菊池広茂、母親との契約しかと行使した』
083 広茂 『母さん…?』
084 キル 『残された時間を大切に使え』






作者のツブヤキ
 ある意味呪われた作品です。いや、冒頭から何言ってるんだって話ですけど。
元々はこの作品は4人の配役でとのリクエストで創った作品だったのですが、音信不通で連絡取れなくなったのでフリー公開にしました。
外出時などは携帯のメール機能で書いていたりするのですが、この作品を書き終え保存した後、急にフリーズを始め
再起動をかける、携帯の画面自体が紫がかり…ちょっとしたホラーチックになって従来黒くなる部分も毒ったようにフリーズ。
何度も再起動掛けていると、砂時計のままフリーズしたり、白色のチェックとなったり…以降は画面が映らず、真っ黒な状態で使用不可になりました。
以来から携帯で作成できなくなってしまったのです。
寿命だとは周囲からは言われるんですが、予兆もなく突然&タイミングが良すぎますわ!
以前も、死神を題材にした作品をPCで書いていたら突然電源が強制的に落ちてPC内の履歴とかその他のデータまで飛ばされたことも。触れてはいけない内容なのかしら…

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