Eternal together 中編

Eternal together 中編

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :2
総セリフ数 159
製作日 2012/7/25〜2012/7/25
概要説明  夏の暑さに人目を忍んでプールで水浴びをする二人。
夕暮れ時の涼しくなり、しきりとヒグラシが鳴き続ける中、二人の平穏な関係は崩壊する…
利用にあたって 利用規約
目安時間 12分程度   【〜20分】
登場キャラ セリフ数 性別 備考
館林実花
(たてばやしみか)
81 こゆりの幼馴染。真面目で曲がったことが嫌いで、コツコツと努力をしていく方。朝の占いランキングを見るのが日課
官条こゆり
(かんじょうこゆり)
80 お気楽で元気な実花の幼馴染。小さい時から実花を庇ったり、ナイト的な存在の一面も。結構いい加減な性格も






【放課後プール】(グランドで部活をする生徒たち・プールに二人全裸で泳いでる)

001 こゆり 「ぷはぁっ!」
002 実花 「冷たくて気持ちいい…」
003 こゆり 「もう、最っ高っ!」
004 実花 「でも大丈夫なのかな、プール勝手に使って」
005 こゆり 「平気平気。溺れたり、問題起こしさえしなければ全然平気」
006 実花 「しかも、水着つけてないし…」
007 こゆり 「プールというより水風呂。いや、乙女たちの入浴って感じかな」
008 実花 「こんな姿誰かに見られたら…」
009 こゆり 「興奮しちゃう…?かー、露出狂だねぇ、実花は♪」
010 実花 「違うっ!もぅ…」(こゆりの頭叩く)
011 こゆり 「プールサイドの中心で『私を見てッ!』と愛を叫べば、部活中の青春真っ只中の野球少年たちがフェンス越しに張りつくだろうさ」
012 実花 「嫌だよ!それ」
013 こゆり 「アイドルになった気分になれるよ、きっと」
014 実花 「露出狂アイドルなんて嫌だよ。こゆりがやりなよ」
015 こゆり 「私はアイドル興味ないし?やるとしても清純派アイドルかなー」
016 実花 「何が清純派なのやら…」
017 こゆり 「うるさい沈めるぞー」(笑いながら実花の頭を押さえつけて沈める)
018 実花 「ぷはっやめてよー」
019 こゆり 「舟幽霊ごっこー」
020 実花 「ほんっと溺れるってばー」
021 こゆり 「溺れたら人工呼吸してあげるから」
022 実花 「心肺蘇生法できるの?」
023 こゆり 「おっぱいモミモミすれば大丈夫ッ!」(親指立ててウインク)
024 実花 「ダメだこりゃ…殺される。というか、仮に知ってても肋骨や剣骨折られそう」
025 こゆり 「ハッハッハー」
026 実花 一日一日がほんとかけがえのない時間で、大切にしていきたい…
027 こゆり 上げる水しぶきはキラキラと光り、輝いては宙へと消えていく。それは一瞬で…まるで私たちの時間のようだった
028 実花 こんな穏やかな日が――
029 こゆり こんな幸せな時間が―――
030 実花 いつまでも続いて欲しかった……



【夕方】(ヒグラシが鳴き続ける帰り道)

031 こゆり 「はぁーさっぱりした!やっぱ夏はこうじゃなくっちゃ」
032 実花 「もぅ、着替えてる最中に先生が見回りに来るんだもの…」
033 こゆり 「ドキドキしたっしょ?このドキドキは…うーんそうだな、夜の学校とか!宿直の先生の見回りを回避しての肝試しは最高ッのドキドキワクワクだよ、きっと」
034 実花 「こゆりは刺激を求めるタイプでしょ…」
035 こゆり 「人生刺激がないとね。マンネリ化は飽きやすいのさ」
036 実花 「すぐ浮気しそう」
037 こゆり 「こう見えても、純粋で一途な乙女なのよ」(瞳を潤ませ艶っぽく)
038 実花 「…バカ」(ドキッとし、目を逸らす)
039 こゆり 「まぁ、過激なのを求める日もあるよ。穏やかで平穏な毎日を享受するばかりじゃ面白みがないからね」
040 実花 「なんかエロい…」
041 こゆり 「エロいのはそういったことにすぐ結び付けようとするピンク脳の実花の頭の方ですけどね」
042 実花 「ふんっ」
043 こゆり 「あ、発情しちゃった?ねぇ、発情しちゃったの?」
044 実花 「してないっ」
045 こゆり 「夏は発情の季節だからねーサカってもいいのよ?」
046 実花 「犬みたいなこと言わないでよっ、別にサカってない」
047 こゆり 「そんな発情した実花に、棒アイスを奢ってあげよう」
048 実花 「だから発情してないってば!棒アイスなんて買ってどうせ、いやらしいことさせる気なんでしょっ」
049 こゆり 「いやらしいことって何かなー?お姉さん知識ないからわかんないー」
050 実花 「もぅっ!…というか、やっぱり買い食いするんじゃない」
051 こゆり 「こんなに暑いとアイス食べないとやってられないじゃん。練乳ミルクアイスキャンディー買いに行こう、コンビニに」
052 実花 「お財布状況ヤバいんじゃなかったの?」
053 こゆり 「126円くらいで悲鳴を上げる私じゃないね」
054 実花 「塵も積もれば山となるだよ」
055 こゆり 「まぁまぁ、実花も練乳ミルクキャンディーね」
056 実花 「何で味指定なの」
057 こゆり 「溶けて服にこぼれたり、顔に塗ったくられても『いいえ、練乳です』って言えるから」
058 実花 「何で顔に塗ったくられるの!?」
059 こゆり 「そんじゃ、買ってきまーす」
060 実花 「はぁ…、まぁいいかっ」
061 こゆり コンビニの前に繋がれ置いて行かれた犬のように少し寂しそうな顔をし、たたずむ彼女。どこか遠くに感じられた
062 実花 勢いよくコンビニに駆け込んで去っていく彼女の背中がどこか遠く、ふと心のどこかに寂しい気持ちが湧き上がった
063 こゆり 冗談言いながら冷たいアイスキャンディーを頬張って…
064 実花 いつまでも笑っていたい。そう願ってはいけませんか―――
065 実花 「大学…こゆりはどうするんだろう」
066 こゆり 「実ー花っ」(ニヤニヤしながら呼ぶ)
067 実花 「んぷっ!?」(口にアイスキャンディー押し込まれる)
068 こゆり 「何黄昏てるの、薄幸の美少女?」
069 実花 「げほっ、ごほっ!…かはっかはっ…もういきなり口に入れないでよ…」
070 こゆり 「一度はぶっ差したくなるでしょ」
071 実花 「真顔で変なこと言わないで」
072 こゆり 「別に変なこと言ってないけど。さ、河川敷で食おう、草っぱらで」
073 実花 「はぁ…」



【河川敷】(河川敷の土手に寝転がりながらアイスを食べる二人)

074 こゆり 「ぷはぁっうめぇー。やっぱ、暑い時はアイスだよなー」
075 実花 「うん」
076 こゆり 「熱い時はアイスだよな…」(艶っぽく)
077 実花 「もう新手のCMに出たらいいと思う。アイスのCM」
078 こゆり 「ちょっと演技派過ぎるから、私なんか出たらアイス欠品出まくっちゃって、メーカーさん泣くから遠慮しとく」
079 実花 「ずっと言ってろ」
080 こゆり 「やっぱ、スカーッとしたい時はソーダアイスだよなー。そーだ、アイスにしよう!なんちゃって」
081 実花 「あーっ!なんでソーダアイスなの!?練乳ミルクじゃない」
082 こゆり 「だって練乳ミルク濃厚過ぎてさー、濃いんだもん」
083 実花 「ズルい!」
084 こゆり 「何?散々舐め回した私のアイスといやらしくしゃぶりつくされた君のミルク棒を交換しろと。…君はそう言うのかね?」
085 実花 「何で卑猥っぽい言い方するの」
086 こゆり 「いいねぇ、そのしゃぶり方いいねぇ!あ、歯はあんまり立てないでね、痛いから」
087 実花 「普通に食べてるだけじゃない!もう!恥ずかしくなってくる…」(顔真っ赤にする)
088 こゆり 「もうエロイ。顔を赤くして美味しそうにしゃぶるその顔!これはもう写メるしかないね」(携帯を取り出し連写)
089 実花 「ちょっとやめてよっ!何撮ってるの!」
090 こゆり 「実花の可愛い顔ですよー…わっ」
091 実花 「あっ…」(練乳バーこゆりの胸元に落とす)
092 こゆり 「ぶっかけられたよ…実花に」
093 実花 「変な言い方しないでって!」(顔耳まで真っ赤)
094 こゆり 「いいえ、練乳です」(キリッ
095 実花 「もう知らないっ!」
096 こゆり 「胸にアイス挟むのも冷たくて気持ちいいよ?」
097 実花 「しませんっ!…暑さで脳みそ沸騰してない?大丈夫?」
098 こゆり 「沸騰はしていない。大丈夫だ、問題ない」
099 実花 「はぁ…」
100 こゆり 「で、実花はなんで、そんな悩ましげな乙女のため息をついているの?」
101 実花 「別に」
102 こゆり 「さては、男か!男ができたのか?これか?これなのか?」
103 実花 「別にできてません!」
104 こゆり 「高校最後の夏だし?夏休みはお決まりのプールとか、いいねぇ青春だねぇ!」
105 実花 「違うよっ!進路のこと!」
106 こゆり 「…しん…ろ。あぁ!お嫁さんになるか?子供何人欲しいとか…」
107 実花 「こゆりは、進学するんだよね?一緒の大学、行けるんでしょ?」
108 こゆり 「…進学、ね…はははっ」(苦笑する)
109 実花 「私たち、ずっと一緒だよね?幼稚園も小学校も中学校も高校も。高校なんかも頑張って入ったじゃない」
110 こゆり 「一緒の大学…かぁ」(俯きつぶやくように)
111 実花 「どこの大学行くの?まだ聞いてなくて。福祉大?春北大とか?一緒のためなら同じ大学に合わせるからさ」
112 こゆり 「…ん」
113 実花 「まだ考えてなかった?一応、彩峰大学の教養学部も面白うそうかなって思ってて…」
114 こゆり 「……ん」
115 実花 「どうしたの…?一緒の大学に行けるんだよね?大学…」
116 こゆり 「あのさ…」
117 実花 「何?」
118 こゆり 「……ごめん」
119 実花 「何が?」
120 こゆり 「……ごめん」
121 実花 「…何で謝るの?」
122 こゆり 「……」
123 実花 「アイス…垂れちゃってるよ?服汚れちゃ…」
124 実花 こんな空気にするつもりじゃなかった。冗談を飛ばして明るく笑い飛ばしてくれると思っていた
125 こゆり 喉まで出かかった言葉が出てこなかった。そんなの茶化して、笑い飛ばせばいいやって、いつかそう訊かれたら笑って答えてやるんだってそう思ってた。
126 実花 「…どうしたの?こゆり」
127 こゆり 「…ごめん」
128 実花 「ごめんじゃ分からないよ。何がゴメンなの?」
129 こゆり 「一緒の大学…行けないんだわ……」(顔を上げて泣きそうな笑い顏)
130 実花 「一緒…じゃないの?」
131 こゆり 「私さ、頭悪いじゃん?いっつも、実花に勉強教えてもらってさ…テストだってほら…いっつも赤点だし」
132 実花 「この前、90点取ってたじゃない?」
133 こゆり 「実花の教え方が上手かったから…」
134 実花 嘘だった、こゆりの口から流れ出るのは嘘だった。80点、90点取っていた科目は私が苦手で教えてなかった科目…
135 こゆり 「大学行ってもついていけないと思うんだ。実花にも迷惑かけるし…ほら、浪人とか留年とかカッコ悪いじゃん?」
136 実花 「カッコ悪くない…入りたい大学入るために頑張る姿なんてカッコ悪くないよ!」
137 こゆり 違う…お金がないからなんて言いたくなかった。だってカッコ悪いじゃん…一緒にいられないのはお金がないからだなんて…。友情はお金なんかじゃないから…
138 実花 「一緒に勉強して、大学に行こ?なんだったらもう少しボーダーが低い大学でも…」
139 こゆり 「やめてよっ…一緒にいるためにだなんて…」
140 実花 「だって…」
141 こゆり 「一緒にいるために大学合わせる?あのさ、実花、それ…どういう意味か分かってる!?」
142 実花 「え…ぁ…ごめ…言い方悪かったよね」
143 こゆり 「違うっ。幼稚園、小学校、中学校、高校、大学!そして会社?墓の穴まで一緒でいたい?」
144 実花 「こゆり…?」
145 こゆり 「ずっとにいたいか、いたくないかって話じゃない。私といることで程度を合わせて自分の可能性を潰して。私がそれじゃ足枷みたいじゃない…惨めだよ…」
146 実花 「ごめん、そんなつもりで言ったんじゃない…」
147 こゆり 「彩峰大の教養学部でしたいことあるんでしょ?他の大学にする必要はあるの?ううん、私は大学に行くことにしても絶対に実花に言わない。実花がちゃんと大学入学するまで」
148 実花 「こゆり…」
149 こゆり 「人生を共にして、自分を犠牲にしてまで付き合う程の人間かどうか。もう一度考えた方がいいと思う…。少なくとも私は実花の人生を奪う程の見合う人間じゃないと思う」
150 実花 「こゆり、ごめん…。そんなつもりで言ったんじゃない…こんなこと言わせるために言ったんじゃなかったの…ごめんね」
151 こゆり 平穏な日常、仲のいい幸せな関係は音を立てて崩壊した。そして崩壊させたのは私の爆発だった…
152 こゆり 「…少しさ、少しだけでいい。距離を置いて頭冷やした方がいいかもしれないよ」
153 実花 続けばいいと思っていた時間を崩壊に導いたのは私だった。自身が望んで壊してしまった…あんなことを口走らなければ…
154 こゆり 「今は周りが見えなくなってるだけかもしれないから…」
155 実花 立ち去る彼女に『また明日学校で』なんて言葉をかけることができず、それどころか明日が来るのかすら不安を感じた
156 こゆり その場に腰が抜けたように呆然と座り尽くす彼女に『また明日』など言えなくて…明日の到来への不信感が湧き上がった
157 実花 去ってくその姿はどこか遠くへ行ってしまうよな…そう、遠くへ
158 こゆり 離れていくその姿は遠くへ置き去りにしてしまうような…そう、遠くへ
159 実花
こゆり
もう会えないのではないか…と。






作者のツブヤキ
 妙な心理描写・語りを入れたせいでよくないですかね。
大学に進学する者としない者、キャンパスライフに胸を膨らませる者とそうはなれない者。
私の身の周りにも高校卒業後、気付けば就職していた女子は結構いました。
いち早く社会人ですからね。吃驚しましたわ。やっぱり大学生と働いている人を見ると同じ年齢なのに精神年齢違うんですよね。
社会に出ているだけあって、大人です。
学生というのがいかにアマちゃんなのか思い知らされたというか、情けないと感じたものです。

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