| シナリオ詳細 | |
| 掲載元 | 声物語劇団 公式サイト 声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場 |
| 作者 | 月宮東雲 |
| 登場キャラ数 | ♂:1♀:1不問:1 |
| 総セリフ数 | 98 |
| 製作日 | 2012/5/31〜2012/5/31 |
| 概要説明 | 魔王を討伐しに旅をしてきた勇者と賢者のペア。 旅のはじめは回復魔法すら唱えることのできなかった賢者が修行の成果もあり、無事賢者として活躍できるようになったはずだった。 だが、まだ魔王と対峙するには時期尚早だった。魔王の一撃を喰らい、気を失った賢者を庇い勇者は…――― |
| 利用にあたって | 利用規約 |
| 登場キャラ | セリフ数 | 性別 | 備考 |
| 勇者 | 35 | ♂ | 魔王を討伐するために旅立つ。賢者を気遣い、修行にも付き合う心優しき者 |
| 賢者 | 49 | ♀ | 実力もなく、居場所を求め彷徨っていた僧侶。修行の甲斐もあり、名ばかりの賢者になったが実力はない。 |
| 魔王 | 14 | ? | 世界を滅ぼそうと企てる悪の根源。人間を弄ぶ趣味を持っている。 |
| 001 | 魔王 | 「お目覚めかね、愚かな人間よ」 |
| 002 | 賢者 | 「ここ…は」(ぼやける視界、痛む全身に顔をしかめる) |
| 003 | 魔王 | 「天界のゆりかごではなくて残念だったな、人間よ」 |
| 004 | 賢者 | 「勇者…様?」(上半身を起こし、周囲を見回しながらゆっくり勇者の姿を探す) |
| 005 | 魔王 | 「とくと見るが良い、貴様を命がけで守ろうとした哀れな人間を」(ニィッと笑う) |
| 006 | 賢者 | 「どこ…勇者様」(不安げに目で探す) |
| 007 | 魔王 | 「愚かな人間よ、お捜しの人間はこやつのことか?」(人型のした黒焦げの頭を掴んで目の前にぶら下げて見せる) |
| 008 | 賢者 | 「う…そ…」(目を見開く) |
| 009 | 魔王 | 「黒焦げで姿も分からぬか?」 |
| 010 | 賢者 | 「あの腕輪…あのアクセサリーは…あ…ぁ…」 |
| 011 | 勇者 | 「…僕に?」 |
| 012 | 賢者 | 「いつもお世話になっているので」 |
| 013 | 勇者 | 「お世話になってってそんなに僕は何もしていないと思うけどなぁ」 |
| 014 | 賢者 | 「いえいえ、私がここまでなれたのも勇者様のお蔭ですもの」 |
| 015 | 勇者 | 「そんなこと言ったら、ここまでついてきてくれた君にもお礼をしないと」 |
| 016 | 賢者 | 「私、勇者様に出会ってなければ…あの町でずっと何もできずにあそこで終わっていました」 |
| 017 | 勇者 | 「僕だって、君と出逢ったお蔭で旅を楽しく過ごして来れたんだ。ありがとう」 |
| 018 | 賢者 | 「そんな…私は…私は足引っ張っているだけですよ」 |
| 019 | 勇者 | 「そんなことないよ。袖を引っ張られることはあるけど…たまには袖を引っ張って欲しいなと思う時もあるしね」 |
| 020 | 賢者 | 「袖…ですか?」 |
| 021 | 勇者 | 「君って結構暗い所が苦手でしょ?」 |
| 022 | 賢者 | 「は、はいっ」 |
| 023 | 勇者 | 「洞窟とか暗い所に行くといつも僕の袖をギュって握って離さないでしょ?」 |
| 024 | 賢者 | 「えっ!?私そんなことしてましたッ!?」 |
| 025 | 勇者 | 「無意識だったかぁ、なんか女の子らしいって言うかな。ほんと魔王を倒すために旅にしてるってのを忘れちゃう程でさ」 |
| 026 | 賢者 | 「そんな…私が女の子らしいって…そんなそんな…」 |
| 027 | 勇者 | 「うん、ありがとう。嬉しいや。君からプレゼントが貰えたことがとっても嬉しいよ」 |
| 028 | 賢者 | 「勇者様…」 |
| 029 | 勇者 | 「とってもいいデザインだね。気に入ったよ」 |
| 030 | 賢者 | 「ほんとですか!よかった…」 |
| 031 | 勇者 | 「君のことだからかなり悩んだでしょ?」 |
| 032 | 賢者 | 「はいっ!昨日一日お店の前をウロウロ…あ、いや!迷ってません!迷ってませんよ?」 |
| 033 | 勇者 | 「君は嘘が下手だなぁ」(くすくす笑いながら) |
| 034 | 賢者 | 「別に嘘ついたわけじゃ…」 |
| 035 | 勇者 | 「折角だから君の欲しいものを買ってあげるよ」 |
| 036 | 賢者 | 「へ?」 |
| 037 | 勇者 | 「この腕輪のお礼。僕ばっかり貰ってちゃ不平等だから」 |
| 038 | 賢者 | 「い、いいですよ!別にお礼が欲しくてあげたわけじゃないですからっ」 |
| 039 | 勇者 | 「感謝の気持ちでしょ。僕も感謝の気持ちとして。欲しいモノ言ってよ?」 |
| 040 | 賢者 | 「へ、平気ですよ!気持ちだけでっ!」 |
| 041 | 勇者 | 「…んー、イヤリングなんてどうかなッ。ほら、あの水色の天然石がついたやつ」 |
| 042 | 賢者 | 「…あ、可愛い。って、高いですよ勇者様っ。私が買ったのと比べて数倍しますよっ」 |
| 043 | 勇者 | 「はいはい、値段のことは気にしない気にしない。口にしたらダメ!ねっ?」 |
| 044 | 賢者 | 「でも…勇者様…」 |
| 045 | 勇者 | 「おじさん、これ一つ下さい」 |
| 046 | 賢者 | 「勇者様…」 |
| 047 | 勇者 | 「この小箱じゃ、ちょっと飾り気がなかったかな。ごめんね。…はい、いつも傍にいてくれてありがとう」 |
| 048 | 賢者 | 「勇者様…そんな…いいんですか?もらっても…」 |
| 049 | 勇者 | 「感謝の印。僕がこの腕輪をつけて、君がイヤリングをつける。これで魔王も楽勝に倒せるよ」 |
| 050 | 賢者 | 「…あの、イヤリングってどうつけるんでしょうか…。私、その、あの…つけたことがなくて」 |
| 051 | 勇者 | 「僕も母さんがつけているのを見たくらいだからなぁ。動かないでね…」 |
| 052 | 賢者 | 「は、はい」 |
| 053 | 勇者 | 「今日が二人の旅の感謝記念日。だね。よし、こんな感じかな」 |
| 054 | 賢者 | 「ありがとうございます!…嬉しいです勇者様!」 |
| 055 | 魔王 | 「実に滑稽だった、面白いくらいにな。我を倒しに来たはずなのに、倒されるためにただただ立ち尽くす様は可笑しくてたまらんかったわ」 |
| 056 | 賢者 | 「勇者様…そんな…勇者様が…」 |
| 057 | 魔王 | 「貴様の命が助かるならば、この身投げ出す覚悟があるとひたすら貴様を庇い続けた結果このザマよ。何しに来たのだ?死にに来たのか?愚かな人間共よ。心中の場を求めていたのか?」 |
| 058 | 賢者 | 「なんで…勇者様……なんで私なんか…」 |
| 059 | 魔王 | 「よほど守りたかったのだろうな。貴様が足を引っ張らなければ奴は死ぬこともなかっただろうだがな。貴様が自分の実力を見誤ったせいでこやつは死んだ」 |
| 060 | 賢者 | 「私の…せい…?」 |
| 061 | 魔王 | 「その姿、賢者とは名ばかりの愚かな愚かな愚者であろう。実力も分からず勝ち目もない戦いに挑む者は賢いとは言えぬからなぁ。片腹痛いっくくっ」 |
| 062 | 賢者 | 「…勇者様」 |
| 063 | 勇者 | 「あの…君が旅の仲間を探している子…?」 |
| 064 | 賢者 | 「…あ、はいっ」 |
| 065 | 勇者 | 「良かったら、僕と一緒に魔王を倒しに行かないかな」 |
| 066 | 賢者 | 「…魔王を!?」 |
| 067 | 勇者 | 「あ、旅の目的が違ったのなら途中まででいいというかさ。旅に仲間がいた方が心強くてさ」 |
| 068 | 賢者 | 「私なんかでよければ…」 |
| 069 | 勇者 | 「ほんと!?ありがとう。これからよろしくね」 |
| 070 | 賢者 | 「あの…その私、回復ができなくて…」 |
| 071 | 勇者 | 「焦らないで。ゆっくり覚えていこう?それまで薬草でなんとかできるから」 |
| 072 | 賢者 | 「それじゃ、ご迷惑じゃ…?」 |
| 073 | 勇者 | 「修行して少しずつ強くなっていこう?一緒に成長していこうよ」 |
| 074 | 賢者 | 「はいっ!」 |
| 075 | 勇者 | 「じゃ、行こうかッ」 |
| 076 | 賢者 | ―――私が強くならなかった。勇者様に甘えていたから…いつも助けてくれると思ってしまっていたから…だから勇者様は――― |
| 077 | 勇者 | 「ようやくここまで来たね」 |
| 078 | 賢者 | 「あの…勇者様…」 |
| 079 | 勇者 | 「怖い?大丈夫僕がついているから」 |
| 080 | 賢者 | 「あの奥に町を一つ二つかるく潰して、多くの人々の命を奪った魔王がいるんですよね」 |
| 081 | 勇者 | 「そう。僕たちはその魔王を葬り去るためにここまで旅をしてきた」 |
| 082 | 賢者 | 「でも、私なんかでそんな魔王を…」 |
| 083 | 勇者 | 「もっと自信を持って!ここまで君はずっと修行して頑張ってきたんだ。君は賢者になれたんだよ?自信持って」 |
| 084 | 賢者 | 「…はい」 |
| 085 | 勇者 | 「もし、本当に身の危険を感じたら逃げよう。死んだら何も残らない。死んだら旅が終わっちゃうから」 |
| 086 | 賢者 | 「わかりました。…では行きましょうか、勇者様っ」 |
| 087 | 勇者 | 「うんっ」 |
| 088 | 賢者 | ―――本当は怖かったんだ。私なんかよりずっとずっと怖かったはず。世界の期待を背負って押し潰されそうになっていたのに。勇者様の手は血が滲むほど握りしめられ、小刻みに震えていた。 |
| 089 | 魔王 | 「良いことを教えてやろう、愚かな人間よ」 |
| 090 | 賢者 | ―――旅の終わりが怖かった。魔王を倒してしまったら私たちが一緒にいる理由はなくなってしまうから…このまま続けば旅が終わらなければいいと願ってしまった。私は願ってしまった。 |
| 091 | 魔王 | 「臆病になった者が喰われる。先に臆した者が負けるのだ」 |
| 092 | 賢者 | ―――魔王なんか倒せなければ勇者様と旅を続けられるって…。そう思ったから勇者様は… |
| 093 | 魔王 | 「八つ裂きにして欲しいか?それともこやつと同じように黒焦げか…」 |
| 094 | 賢者 | ―――嗚呼、勇者様。あなたは私を庇う時どのような想いでいたのですか。恐怖で震えたのですか?それとも最後まで挫けなかったのですか |
| 095 | 魔王 | 「…ゆっくりいたぶって転がしてやる」 |
| 096 | 賢者 | 「い…ゃ……いやぁああああああああああああああッ」(泣き叫び何度も転びながら逃走) |
| 097 | 魔王 | 「無様に逃げ回れ、愚かな人間よ。逃げられるものなら逃げてみよ。我を楽しませよ、フフフ」 |
| 098 | 賢者 | ―――勇者様…仇は必ず…必ず…、だから待っていてください。私は必ず…必ず…必ず戻ってきますから…二度と過ちを繰り返さないように…キミノタメニ… |
| 作者のツブヤキ |
| 魔王と勇者の冒険ネタは書いても書いてもネタが尽きない感じですね! 久しぶりに考え付いたのが、勇者が命懸けで真っ先に魔王にやられた仲間を守り続けて代わりに死んでしまう物語でした。 時期尚早で、レベルが足りないと逃げることも勝つこともできず、ただ敗北というに文字しかない。 仲間は勇者との数々の思い出を回想して思いだし、辛い思いをするという…。 賢者は戦闘から離脱しようとしましたが、果たしてできたのだろうか…。 それは誰にも分からない…魔王と賢者のみが知ることではなかろうか――― |
(※どの作品からのコメントなのか、URLのfree/○○○.htmlの『数字3桁のみ』の後、続けてコメントを記載して頂けると助かります) |