四季宿亭、夢旅人

四季宿亭、夢旅人

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :1:3
総セリフ数 88
製作日 2011/12/4〜2011/12/4
概要説明  四季宿亭は今日も通常営業。夢の世界からやってきた夢を追いかけ追い続けている旅人が来客。
実体を持たず夢という思念にて構成された体であろうとお客様であることには変わりなし。もてなさせて頂きます。
利用にあたって 利用規約
目安時間
登場キャラ セリフ数 性別 備考
旅人 29 夢の世界から紛れ込み、彷徨い続ける旅人。自分が夢の中の存在だという自覚がない
四季 12 四季宿亭の仲居達を束ねる女将。裏の世界でも顔が利き、広い人脈を持っている。
なつ 28 サボり癖が激しくしょっちゅう四季に怒られる獣人。あきをからかっては楽しんでいる。
あき 16 真面目で単純なため、からかわれやすく、刀をよく振り回す人間侍娘。仕事は至って真面目






【四季宿亭】(旅人が来客)

001 四季 「ようこそお越し下さいました」
002 旅人 「四季…宿亭…?」
003 四季 「左様でございます。ご予約のお客様でしょうか」
004 旅人 「いや、フラッと寄って見ただけでね…空いていたりするかい?」
005 四季 「本日は空室がございます」
006 旅人 「じゃあ、一名一部屋お願いします」
007 四季 「こちらの用紙に住所、名前、お電話番号をお願いします」
008 あき 「こんの…なつぅーっ」(ビタビタな雑巾をかぶり、顔を真っ赤にしながらなつを追いかける)
009 なつ 「へへっ、古典的な罠に引っ掛かったな」
010 あき 「待てぇ!なつ!」
011 なつ 「ハハッ待つわけないだろー」
012 四季 「コラッお客様がいらっしゃってるんだよ」
013 なつ 「ヤベッ四季ちゃんだ」
014 あき 「わわっ、申し訳ありませんっ」
015 旅人 「元気な方達ですね」
016 四季 「大変申し訳ありません、よく言い聞かせておきます」
017 旅人 「いいと思いますよ、なかなか個性的で」
018 四季 「あき、お客様を月の間に御案内しな」
019 あき 「ハッ、仲居のあきと申しまする。先程はお見苦しいところを…」
020 旅人 「いやいや仲のいいことはイイコトじゃないですか」
021 あき 「はぁ…」
022 旅人 「いつもあんな感じなんですか?」
023 あき 「はぁ…なつはどうにもイタズラが過ぎまして」
024 旅人 「なんだか元気そうだったもんねぇ」
025 あき 「一番仲居歴が長いのだからもっと自覚持って頂きたいのだが…」
026 旅人 「そうなんだ」
027 あき 「はっ…お客様にこのように愚痴ってしまって…」
028 旅人 「構わない構わない。僕は旅が好きでね、あちこちの旅館を回っているんだ」
029 あき 「はぁぁぁ、それではかなりの数を回られたのですか?」
030 旅人 「いやいや、大したことないよ。少ない方さ、だけど仲居さんたちでここまで印象的な所は初めてだよ」
031 あき 「他にはどの地を…あ、こちらの部屋になります」
032 旅人 「主に温泉地だね、温泉が好きでね。三大温泉は一応全部回ったかな」
033 あき 「ほぉ…温泉でしたら我が四季宿亭は最高である自信がありますっ」
034 旅人 「ほぉ…どんなのか楽しみだ」
035 あき 「四季とりどりに魅せる四季の顔を眺めることのできる最高の湯で…」
036 旅人 「あとは、入る時の楽しみにさせてもらうよ」
037 あき 「はっ、申し訳ございませぬっお客様の楽しみを奪うような真似を…」
038 旅人 「いいものを最高な形で楽しんでもらいたい。素敵な感情だと思いますよ」
039 あき 「それではごゆっくりお寛ぎ下さい、失礼致します」



【旅人の泊まる部屋】(夕食を運んでくるなつ)

040 なつ 「食事を持ってきましたー」
041 旅人 「あ、どうぞ」
042 なつ 「当宿自慢の食事になります」
043 旅人 「ほぉ…刺身盛も小鉢もキレイだね」
044 なつ 「やっぱ宿は料理がよくなきゃね」
045 旅人 「…仲居さん、その耳と尻尾」
046 なつ 「あ、気になる?よくできてるでしょう、お客さん」
047 旅人 「よくできてる…」
048 なつ 「本物だからねぇ、あははは」
049 旅人 「本物!?」
050 なつ 「獣人って獣と人間のハーフみたいなもんだけど」
051 旅人 「はぁぁ…そんな小説や漫画の世界みたいな人がいるのか…」
052 なつ 「働いてる奴等なんかもっとすごいぞ。河童とか鬼とか」
053 旅人 「…へぇ」
054 なつ 「ここに来るお客さんだって神様だったり妖怪だったり、人間だったり多種多様でさ」
055 旅人 「変わってるんだね…」
056 なつ 「まぁねー、お?日記?」
057 旅人 「電子媒体が増えて来た中、ノートで書くなんて珍しいでしょ」
058 なつ 「確かに珍しいかもなー、パソコンや携帯でカタカタやってるお客さんはたまにいるけど」
059 旅人 「一日一日が大切な日々でね、読み返すとその日が鮮明に思い出せるんだ」
060 なつ 「うへぇ、そういった細かい作業は苦手だ。続かない」
061 旅人 「やってみたら案外簡単なんだけどね…今、昔日記に書いた夢をできるところからしているんだ」
062 なつ 「はぁ…やるねぇお客さん」
063 旅人 「素敵な宿に出逢う。美味しい料理を食べる。些細なことでもいい、夢を持てなかった昔を懐かしく思うよ」
064 なつ 「随分夢がありそうだなー」
065 旅人 「はは、人々に影響を与えるほど有名になりたいって叶わなそうな夢もありますけどね」
066 なつ 「なーに、夢はでっかく。持っちゃいけない夢なんてありゃしないさ、夢でお腹は満たされないからさ」
067 旅人 「そうだね、冷める前に戴きますよ」
068 なつ 「胸は膨らむだろうけど。ウチは応援してるよ、お客さんの夢。…それと旅もね」
069 旅人 「ありがとうございます」
070 なつ 「んじゃ、失礼するよ。邪魔したね」
071 あき 「何回言っても治らないな口調」
072 なつ 「うわっ、あきいたのかよ」
073 あき 「粗相やつまみ食いをせんか監視にな」
074 なつ 「人をなんだと思ってんだか。あれがウチなりの接客さ、ケチつけんなよな」
075 あき 「…あちこち回ってる旅人のようだな」
076 なつ 「あの世とこの世に旅行か、シャレてるねー」
077 あき 「…さて、某は浴場の清掃に行って参る」
078 なつ 「あいあいお疲れさん」
079 四季 「ちゃんと働いているか?」
080 なつ 「四季ちゃん、人をサボタージュみたいに言わんでよ」
081 四季 「しょっちゅう怠けてるの見るからな」
082 なつ 「まったく…四季ちゃん、あのお客さん」
083 四季 「夢旅人さ、よくあることさ。忘れかけていた夢を思い出してはこうして追いかける」
084 なつ 「夢の中を夢中に旅を続ける夢旅人…ねぇ」
085 四季 「良いことじゃないか、夢があるってのは。なつも夢を忘れんじゃないよ」
086 なつ 「夢ねぇ…ま、毎日退屈なしに生きられることか」
087 四季 「夢を叶えるのも四季宿亭のお仕事の一つさ」
088 なつ 「どなたもお越し下さいってこった」






作者のツブヤキ
 久しぶりの四季宿亭作品です。あなたは夢を見ていますか?
日々見る夢と将来や叶えたい希望として持つ夢…どちらもぼんやりとした微睡の中。
黄泉と現世の狭間にあるといわれる四季宿亭の波長と夢の世界リンクするものがあるようです。
疲れた時、夢を見失ってしまったとき、そんなときは一息ついて休んでみたいものです。

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