幸せの4

幸せの4

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :2:1不問:1
総セリフ数 73
製作日 2011/11/10〜2011/11/10
概要説明  クジで出てきた44の数字。数字に込められた意味。
あまりよくないと敬遠される『4』だけど、解釈だってさまざま。不幸や悪く捉えず、良く考えてみませんか?
4は『幸せ』の4なんです。
利用にあたって 利用規約
目安時間
登場キャラ セリフ数 性別 備考
照晃
(てるあき)
31 クラスで大人しめで真面目で、からかわれたりすることに慣れていない
市野
(いちの)
25 昔は名前から市野ではなく、『死の』から、ゾンビとか死神とのネタにされてからかわれていた。明るい
佐藤
(さとう)
10 掃除が大っ嫌いでサボることばかり考えている。
中沢 6 クジで照晃と同じ班になったが、掃除当番をやりたくなく、なんだかんだで照晃に押し付ける。






【放課後】(クジで掃除当番・掃除担当場所等を決める。照晃は44のカードを引く)

001 照晃 「えと、番号が44…」
002 中沢 「あー照晃君44番だ〜」
003 佐藤 「4が二つ並んで死ね死ねだー」
004 照晃 「そんなことないよっ」
005 佐藤 「やーい、しねしねー」(囃し立てる)
006 照晃 「4は別に不吉なんかじゃ…」
007 中沢 「お母さん言ってたよ、ホテルとか旅館とかで脱衣所とかでも4とか9とか縁起悪いからないって」
008 佐藤 「あ、知ってる4階とかないもんなー」
009 中沢 「死ぬとか苦しむとかって意味らしいよ」
010 佐藤 「49番なんて最低じゃんか、死んで苦しめって」
011 中沢 「苦しんで死ねかもよ」
012 佐藤 「うわ、94番やべぇっ」
013 中沢 「大丈夫、ウチのクラス49も94ないから」
014 佐藤 「44の照晃やべー」
015 照晃 「別に縁起悪くないもん」
016 佐藤 「縁起悪ー、不幸移るから近寄んなー」
017 照晃 「ちょっと待ってよ、たかだかクジくらいで!4番はどうなるのさ」
018 佐藤 「4番はまだ一つだから。二つ揃った時の破壊力はちげーんだよ」
019 照晃 「なんだよ、そんなの屁理屈じゃんかよ…」
020 佐藤 「不幸が移るとヤダから一人で掃除してろよ」(おもむろに避ける)
021 中沢 「ウチ用事だから帰るねー」
022 照晃 「ちょっと、おかしいよ!みんなちゃんと掃除くらいっ」
023 佐藤 「死ね死ね〜、あはははは…」(笑いながら走り去る)
024 照晃 「なんだよ…44番って…」(カード見つめ、不満そうに)
025 市野 「良かったね、照晃くん」(ニコニコしながら立っている)
026 照晃 「何が良かったのさ…市野さん?」
027 市野 「44番」(カード指差しながら)
028 照晃 「死が二つも並んで縁起が悪いだけさ、不幸移るーって皆帰っちゃったし」
029 市野 「そっか…、でもね照晃くん。44番って幸せが二つもあるんだよ」
030 照晃 「え…幸せ?」
031 市野 「4って死ぬとか言うけど『幸せ』って読めるじゃない?」
032 照晃 「あ、ほんとだ」
033 市野 「ね?」
034 照晃 「すごいや、市野さん」
035 市野 「私なんかもよく名前から『死の由衣』ってからかわれていたから」
036 照晃 「死の…?」
037 市野 「市野って市役所の市じゃない?だから『しの』」
038 照晃 「あ、ほんとだ」
039 市野 「ね?」
040 照晃 「でも名前でからかうのはヒドいよな。変えられないんだから」
041 市野 「でもね、最近『しの』ってのもいいなーって」
042 照晃 「『死』だなんて縁起悪いじゃんか」
043 市野 「ゾンビとか死神とかって言われてたけど『しのちゃん』って可愛くないかな?」(首を傾げ、微笑む)
044 照晃 「あ…なんか親しみやすい!」
045 市野 「でしょ?気に入ってるんだー」
046 照晃 「なんか、市野さんってポジティブだね」
047 市野 「ポジティブキングだから…あ、クイーンか」(胸張りながら)
048 照晃 「すごいや…」
049 市野 「だって…不幸だって嘆いたって幸せになれないでしょ?それに誰も不幸の自慢話されたって嬉しくないしね」
050 照晃 「そっか」
051 市野 「それとよく世界で一番不幸だって言うのは何か?幸せの形は人それぞれで幸せは誰だって一番になれる。不幸はどこまでも不幸があるから不幸に一番なんかないんだから」
052 照晃 「不幸で一番…」
053 市野 「手の届かない一番より手の届く一番じゃない?」
054 照晃 「考え方、大人…」(感嘆)
055 市野 「…らしくなかったかな?掃除手伝うよ」(ロッカーから箒を取り出しながら)
056 照晃 「悪いよ、市野さん」
057 市野 「自分の所は終わったし、同じ4繋がりってことで…ね?」(4と書かれたカードを見せながらウインク)
058 照晃 「あ…4番」
059 市野 「4番打者はすごいんだぞー」
060 照晃 「そうだね、ホームランキングだ」
061 市野 「こうして合わせると4が三つでいっぱい。幸せがいっぱいだね」(44と4のカードを合わせ)
062 照晃 「そうだね」
063 市野 「ね?4は幸せの4なんだよ」
064 照晃 「市野さんありがとう」
065 市野 「しのちゃんって呼んで、照晃くん」
066 照晃 「しの…ちゃん」(照れながら)
067 市野 「二人だけの呼び名だよ」
068 照晃 「う、うん」
069 市野 「今度一緒に四つ葉のクローバー探しに行こう」
070 照晃 「で、デート…?」
071 市野 「さぁねー」(ペロッと舌を出し掃除を始める)
072 照晃 「しのちゃんー」
073 市野 「ラッキナンバーは4…だったね」(そっと4のカードに口づけしながらそっと呟き笑う)






作者のツブヤキ
 ようやく作品化にできた思い出の作品ですぇ。当時は小説をよく書いていたので物語にしようかとも思っていたのですが、
最近では台本で物語を書くという、媒体が台本になってきたので手軽に書けるこっちで作品化にしました。
中学校の時、古典教師が授業の途中にふと昔話をして、女の子にこう言われたとの思い出話をしてくれました。とても印象的な話だったのでこうして作品にさせていただきました。
あの先生がこうしてこれを見ることはないだろうけど…私にとてもいいネタを…とてもいいお話をありがとうございました。この場を借りてお礼を申し上げます。
みんなが『死』だ、『死ね』の4だという中、『幸せ』の4だよって言った女の子…もう30〜40年以上前のお話でしょうが、いい話ですよね。
そうなんです、みんなが敬遠する『4』は『幸せ』の4なんですよ。少し心温まりませんか?

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