救いたい命 -救命活動-

救いたい命 -救命活動-

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :3:3不問:2
総セリフ数 197
製作日 2011/11/9〜2011/11/9
概要説明  大災害が起きた時、あなたの目の前で倒れ助けを求めている人、声なき助けを求めている人がいたら…
救急隊が到着する前までに何かできないであろうか、知っていれば助けることができるのではないだろうか。
失われかけた命を繋ぎとめることができるのではなかろうか…
知っていて損はない救急法の手順。詳細は各救急法講習の受講をおススメします。
※必ずしもこの判断が正しいと主張する台本ではありません。参考程度にご理解ください
利用にあたって 利用規約
目安時間
登場キャラ セリフ数 性別 備考
相沢
(あいざわ)
15 安全確認をせずに傷病者を救助に向かい、二次災害に巻き込まれ傷病者に
柿沼
(かきぬま)
53 救急講座を受講したことのある学校の先生
杉田
(すぎた)
40 あまりにも急な事態に気が動転していて頭が真っ白になっている
滝山
(たきやま)
12 野次馬でいたずらに騒ぎ立てる
仲井
(なかい)
15 通路にて足と鎖骨を骨折の他、低温障害を発症。
原口
(はらぐち)
17 負傷しながらも協力者を求め、やってきた
松村
(まつむら)
17 瓦礫によって右腕の骨折、額より出血、激しい痛みを訴え途中から意識不明になる。
山川
(やまかわ)
27 柿沼の友人。






【建物内にて大地震発生】(それぞれ談笑中に大きな揺れ発生)

001 杉田 「緊急地震速報…?」
002 相沢 「なんだ?地響き…」
003 柿沼 「地震!?」
004 山川 「きゃぁ…大きい!大きいぃ」
005 柿沼 「机の下に入って頭守って!」
006 杉田 「こりゃデカいぞ…」
007 相沢 「うわっうわっ!コーヒー、コーヒーこぼれた」
008 杉田 「建物ヤバいかもしれないぞ…」
009 山川 「私死んじゃうの?ここで終わりなの!?」
010 相沢 「…長い、結構長い」
011 柿沼 「おさまった…?」
012 杉田 「まだちょっと揺れてるけど…」
013 柿沼 「余震来るかもしれないからみんな気を付けた方がいいわ」
014 山川 「びっくりしたー」
015 相沢 「うわぁ、部屋滅茶苦茶だ…片付け大変そうだな」
016 杉田 「怪我しなかったですか?」
017 山川 「あ、はい。何とか大丈夫です」
018 柿沼 「机に潜っていたおかげでね。あそこにいたら蛍光灯が落ちてきていたわ」
019 杉田 「ほんとだ…地震が起きたら机の下ってのは正しいんだなぁ…」
020 柿沼 「ただ、必ずしも机の下がいいってのも限らないらしいからね。机の脚が折れて一緒に潰された例もあるらしいわ」
021 山川 「ひぇー…どうすればいいの」
022 柿沼 「頭を守ることと避難できるようにしておくこと…」
023 原口 「大変…大変ッ!みんな来て!」(ドアを開け慌てて入ってくる)
024 杉田 「ん?」
025 原口 「通路に人が!人が倒れてて…とにかく急いで!」
026 山川 「えぇ!?」
027 杉田 「よし、行きましょう」
028 柿沼 「はいっ」
029 相沢 「大丈夫ですかー?」
030 山川 「わ、私も行きます!」
031 原口 「あそこと、そっちの方に…」(通路の奥に壁に寄りかかってる人と倒れている人を指差す)
032 相沢 「わっ!血流してるっ!だ、大丈夫ですか!」(血相変えて飛び出す)
033 杉田 「馬鹿ッ!安全確認しろッ相沢ッ!」
034 柿沼 「周囲確認…崩落の危険なし…、ガス漏れ等なし。漏電なし!」
035 山川 「あの、大丈夫ですか?」(横たわってる女性に駆け寄る)
036 仲井 「痛い…痛い…痛いよ…」
037 相沢 「うわぁぁぁああああああっ」(崩落に巻き込まれる)
038 杉田 「言わんこっちゃない…傷病者を救助する際はまず安全確認して事故防止すること。それを怠ると救助者が要救助者に早変わりだ」
039 柿沼 「…あなたは彼の方お願いします、こっちの方を助けに行きます」
040 杉田 「あいよっ」
041 原口 「あ、あの手伝えることは…?」
042 柿沼 「瓦礫に巻き込まれた彼の手当てをお願い、あなたも怪我しているようだからできる範囲でね」
043 原口 「はいっ」
044 杉田 「大丈夫ですか?」(座って壁にもたれかかって額から出血している男性に声かける)
045 松村 「うぅ…うぅぅう…」(呻く)
046 杉田 「大丈夫ですか?僕が分かりますか」
047 松村 「あぁぁ…うぅぅ…」
048 杉田 「わかりますか?」
049 松村 「うぅぅ…」
050 杉田 「ダメだ…意識が朦朧としてるみたいだ…出血がひどい」
051 松村 「いた…い…あぁぁ…頭が…うぅぅぅ…」(顔をしかめながらゆっくり倒れる)
052 杉田 「とにかく出血の止血をしないと…今止血しますからね」(ハンカチを折り畳み帯状にする)
053 松村 「うぅぅ…あたま…うぅぅ…」
054 杉田 「それじゃあ、止血を…」(壁についている頭を動かそうとする)
055 松村 「あぁぁああああっ痛い!頭…頭ぁ」(叫ぶ)
056 杉田 「スミマセン…あ…どうすれば…」
057 松村 「右…みぎ…が」
058 杉田 「右?…うわっ変色してるっ…内出血か!?…骨折?」(右腕に触れる)
059 松村 「あああああ、痛いッ!痛いッ!右ィ…うぅぅ…」
060 杉田 「ご、ごめんなさいっ!どうすればいいんだっけ…こういう時」
061 松村 「うぅぅ…頭が…頭が…」



【通路】(倒れている女性の手当てをする二人)

062 仲井 「痛い…痛いよ…痛いよぉ…」
063 山川 「えーと…だ、大丈夫だからね」
064 仲井 「痛い…大丈夫じゃない…痛いッ…」
065 山川 「すぐ助けが来るから…あ、119番…えと、119…あれ携帯繋がらない」
066 仲井 「痛い…痛い…」
067 山川 「えと…あと…え…」(オロオロする)
068 柿沼 「大丈夫?どこが痛いの?」(仲井に駆け寄り、訊く)
069 山川 「かっきー!」(パッと顔を輝かせる)
070 仲井 「肩が…肩が上がらない…あと、足…右足が…痛い…」
071 柿沼 「今応急手当してあげるからね、外に公衆電話があると思うから119番。最悪担架とか毛布とかシーツを」
072 山川 「う、うんっ」
073 柿沼 「…鎖骨の骨折と足の骨折の可能性があるわね…瓦礫が降ってきたの?」
074 仲井 「胸に…天井……いつつ…」
075 柿沼 「痛いよね、大丈夫。すぐに楽になるように固定するからね。すぐに病院に連れて行くからね」
076 仲井 「うん…」
077 柿沼 「まずは足の止血から…ちょっと痛いけど我慢してね」(ガーゼと三角巾で右足の止血をする)
078 仲井 「痛ぃぃ…」
079 柿沼 「ごめんね、止血はできたから固定するね。右足の骨折部分をまずは押さえるから」
080 山川 「かっきー、外もすごい状態でとても来れそうにないかも…毛布、毛布見つけてきたよ」
081 柿沼 「ありがとっ。折り畳み持ってたよね」
082 山川 「あ、うん。何に使うの?」
083 柿沼 「固定には関節を覆えるぐらいの、長さ、幅、強さがあればいいの」
084 山川 「折り畳み傘なんかで固定できるんだ」
085 柿沼 「固定よし!鎖骨の方だけどスカーフ貸してもらえる?」
086 山川 「スカーフ?」(渡しながら)
087 柿沼 「パンティーストッキングもスカーフも止血法に使えるから女性は道具揃ってるわね。いざという時は」
088 仲井 「痛い…痛い…」
089 柿沼 「もうすぐだからね、一緒に頑張ろうね!ちょっと手をずらすね」
090 仲井 「あくっ…」
091 柿沼 「右肩の鎖骨骨折の疑いがあるから、左肩に端の片方を置いて、頂点を肘に。包むようにもう片方の端を右脇を通して左肩の横で端同士を結ぶ」
092 仲井 「う…」
093 柿沼 「高さは大丈夫?楽な高さに調節するから」
094 仲井 「大丈夫…です」
095 柿沼 「もう一枚を使って腕が動いたり落ちたりしないようにしっかり固定する」(身体に帯状のスカーフを巻きつけ、胸の前で縛る)
096 山川 「かっきーすごい…」
097 柿沼 「後は搬送…」
098 原口 「協力者がいましたら手伝ってくださいっ!」
099 柿沼 「あとは搬送の準備していて!毛布を下に潜り込ませるの。できるでしょ?」
100 山川 「あ、うん…」
101 柿沼 「動揺を与えないようにだからね!」
102 山川 「ひぃ…できるかな…」



【通路奥】(崩れ倒れている松村の目の前にオロオロする杉田、野次馬が来る)

103 松村 「うぅぅ…あー…」(頭押えながら呻いている)
104 滝山 「うわっ!人が倒れてる…すっげぇ血!」
105 松村 「血…そんなに…?」
106 滝山 「すっげーヤバいヤバい。これ死ぬでしょ…大丈夫なのかよー」(覗き込みながら大声で)
107 杉田 「だ、大丈夫大丈夫…」
108 滝山 「これもうダメでしょ、どっばどば出てるよ」
109 松村 「あぁ…もう死ぬのか…」
110 滝山 「うわーうわー…これ死んだよ」
111 杉田 「あー、騒がないで…」
112 滝山 「だってホントのことじゃん!」(口尖らせながら)
113 杉田 「でも…」
114 松村 「もう…ダメかもしれん…うぅぅ…」
115 柿沼 「大丈夫ですか!」
116 滝山 「ダメダメ。この人大量に血流してもう死ぬ死ぬ」
117 柿沼 「…あなたは119番をお願いします。まだこの人助かりますから。連絡したら私のところに連絡ください」
118 滝山 「え…」
119 柿沼 「あなたの力が必要なんです。お願いします。すぐに救急車を呼んでください」
120 滝山 「あ、あぁ…」(走っていく)
121 杉田 「あ、あの僕は…」
122 柿沼 「搬送用に毛布と物干し竿のような長い丈夫な棒を二本お願いします」
123 杉田 「はいっ」
124 柿沼 「お名前言えますか?」
125 松村 「ま…まつ…む…ら…」
126 柿沼 「松村さんですね。はい、松村さん大丈夫ですからね。もうすぐ救急隊員がきますから」
127 松村 「ううぅ…」
128 柿沼 「私も救急法救急員の資格を持っていますので、安心してください。今、応急手当をしますね」
129 松村 「きゅう…きゅ…」
130 柿沼 「今、額の止血しますからね。少し頭動かしますよ」(ストッキングを巻き、縛る)
131 松村 「み、みぎ…み…」
132 柿沼 「右…?右腕?…変色と変形…骨折の疑いね…」
133 杉田 「階段の手すり外してきました!」
134 柿沼 「ありがとう。さっきの部屋に雑誌とか新聞あったわよね?あれ持ってきて急いで」
135 杉田 「は、はい」
136 滝山 「119番してきた。外も大変で難しそうだけど…」
137 柿沼 「救急車の誘導お願いします。かなりの危険度が高いので…できるだけ最優先に」
138 滝山 「…その人意識あるの?」
139 柿沼 「え…?松村さん?松村さん?」
140 滝山 「と、とにかく救急車の誘導、誘導…」(走ってく)
141 柿沼 「意識なし…えと…気道確保」(右手で額を押さえ、左手の中指人差指で顎を上げる)
142 杉田 「雑誌とか新聞紙持ってきました」
143 柿沼 「意識がなくなったわ、協力者を呼んできてできるだけ多くの」
144 杉田 「はい、意識がなくなった方が出ました!手が空いた人は来てください!」
145 原口 「大丈夫ですか?」
146 相沢 「なんとか…」
147 杉田 「あの、手が空いてたら手伝ってもらえませんか?」
148 原口 「あ、はい。他にも手伝ってくれる人が…」
149 山川 「私も行った方が…」
150 杉田 「第一発見者はその場を離れない!傷病者が不安になるだろ」
151 山川 「は、はい…」
152 相沢 「杉田…俺は…」
153 杉田 「そんな身体じゃ搬送なんか無理だろ、あっちの女性たちの方の手助けをしてやってくれ」
154 相沢 「おぅ…すまない…」
155 原口 「それじゃ、奥の方に…」
156 仲井 「…寒い」
157 山川 「え…?」
158 仲井 「寒い…寒い…身体が…寒い…」(小刻みに震える)
159 相沢 「唇が紫に…爪の方も黒っぽくなってきて…チアノーゼだ」
160 山川 「どうすれば…」
161 相沢 「俺のジャケット足元にかける。搬送するまでまだ時間かかるから、毛布でしっかりくるんで…」
162 仲井 「寒い…寒い…」
163 山川 「私の服も…う…寒い…」(上着を脱ぎ、身震い)
164 相沢 「君はいい、救助者が危険になるような場合は仕方ない。…まぁドジった俺が言えた義理ではないけど」
165 山川 「でも…」
166 相沢 「…ベルト緩めて」
167 山川 「彼女の?」
168 相沢 「締め付けてる服を緩めてあげて毛布でしっかり巻いて保温する」



【通路奥】(呼吸がなくなったため、胸骨圧迫を行う)

169 原口 「AED持ってきました」
170 柿沼 「頭のところに置いて。胸骨圧迫を代わってください」
171 原口 「あ…あの…できな…」
172 杉田 「乳頭と乳頭の真ん中を手のひらの下の部分で圧迫すればいいんですよね」
173 柿沼 「そう、お願い」
174 杉田 「ほいっ」
175 柿沼 「AEDの起動。衣服を上げるわ」
176 杉田 「あ…えと」
177 柿沼 「胸骨圧迫は止めないで。休まないで続けて…あなた、お願いします」
178 原口 「あ…はい…」
179 柿沼 「その四角いの…ペースメーカー…?胸毛はないわね。下に貼るわ」
180 原口 「…あの疲れますよね」
181 杉田 「タイミングを見て代わってもらえると助かる…」
182 柿沼 「一時中断して少し離れてください」
183 杉田 「へ?」
184 柿沼 「心電図解析をしているので」
185 杉田 「あ、やめて大丈夫なの?」
186 柿沼 「触れていると正確な数値が出ないので…電気ショック後にまたお願いします。ボタンを押します…触ってないですね?」
187 原口 「はいっ」
188 柿沼 「少し待ってくださいね…お願いします」
189 原口 「代わります」
190 滝山 「救急隊が到着したよー、今担架持ってきているから!」
191 杉田 「…あとは専門家にお任せだ…」
192 柿沼 「引き継ぎをして完了ね…」
193 原口 「大災害の中動けるのはすごいです…」
194 柿沼 「救急法の講習を受講したことがあって、それで色々習ってね…」
195 杉田 「頭真っ白になって全然だった…」
196 柿沼 「日頃から備えることと、知識、知っておくことが大切。知識と技術をしっかり身につけないとね」
197 原口 「皆様、お疲れさまでした!」






作者のツブヤキ
救急法救急員の資格取得しました。
 先日、前々からチャレンジしようと思っていた救急法の講習を受けに行ってきました。
今までは電話先着の上、少人数定数のため抽選漏れで受けることはできなかったのですが今回から方法が改訂され、抽選に受かりうけることができました。
今回大変大きな震災が発生した故、関心も高く、参加できないと思っていた中、開催場所が場所だったためか。結局は今回は定員割れしてました。
大震災の際、もし身近で誰かが倒れていて…なんていった場面で救急隊員が到着するまでオロオロしているだけで…
その時に何らかしら対応ができていれば助かったかもしれない、後遺症が残ることがなかったかもしれない…
他人であっても身内であっても後悔しても後悔しきれないと思います。
必ずしも正しい判断と知識であるとは言えないと思いますし、実践できるかと言えば微妙だと思います。
これを機に日本赤十字社の各支部や消防署で講習を行っているそうです。
調べて講習会を受講されることを強くお勧めします。止血法や骨折時の固定法、心肺蘇生法、搬送法など知っていて損のない実にためになる知識を得れます。
少しでも知識として知っておいて頂ければ幸いです。そして、一人でも多くの人が救えることを祈っております。

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