魔王とかっさらわれ姫様

魔王とかっさらわれ姫様

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :1:1
総セリフ数 106
製作日 2011/10/23〜2011/10/23
概要説明  勇者をおびき出すために姫様を誘拐した魔王。
さらったのはいいが先を考えていなかった。
姫に1日魔王体験をさせようと企画したり、一日農業体験をしてきたりと色々とアクティブに動くのだが…
利用にあたって 利用規約
目安時間 9分半程度   【〜10分】
登場キャラ セリフ数 性別 備考
魔王 54 勇者をおびき出すために姫をかっさらった魔王。根っから悪い奴ではなさそう
姫様 52 さらわれた一国の姫様。ちょっと世間知らずだけど、魔王に対する印象は180度変わったらしい。






【魔王城】(お城から誘拐された一国の姫)

001 魔王 「さて…姫をかっさらってきたのはいいが、どうしたものか…」
002 姫様 「…魔王の城とか言うからもっと禍々しいものかと思ってた」(キョロキョロ見回しながら)
003 魔王 「む、そうか」
004 姫様 「意外とさっぱりしていて…あなた本当に魔王?」
005 魔王 「ふん、何だ?人間の生首でも飾れば良かったか?」
006 姫様 「この人怖い…」(物陰に隠れて魔王見つめる)
007 魔王 「む」
008 姫様 「でも、無血で私をさらうなんて…」
009 魔王 「フハハ、恐れ入ったか!これが魔王の実力よ」(自慢げに)
010 姫様 「あ、無血じゃなかった」
011 魔王 「む、人間に手なぞ出しておらぬぞ」
012 姫様 「私に花瓶投げ付けられて魔王が鼻血出した」(指さす)
013 魔王 「むっ」
014 姫様 「魔王の実力流石だわー」(ジト目になりながら棒読み)
015 魔王 「く…小娘にバカにされよるとは…」
016 姫様 「でも仕方ないですよね…か弱い私めに攻撃されるとは思いませんものね…」
017 魔王 「フォローにならんフォローをされた…」
018 姫様 「魔界にて多くの魔物を従え、率いる王、たまには油断してしまうこともありますわ」
019 魔王 「ぬ…」
020 姫様 「でも、魔王としてそんなんでいいのかしら」
021 魔王 「一国の姫だからそれ相応の対応したまで。他の女子供は容赦せぬ」
022 姫様 「私をさらってどうする気なの?」
023 魔王 「そうだな、どうするかな…」(真剣に悩む)
024 姫様 「考えてなかったの!?」
025 魔王 「姫様の仰せのままに…」(深々と頭を下げる)
026 姫様 「さらうまでは強引だけどあとは丸投げって…しかも何故か魔王下手に出てるし」
027 魔王 「とりあえず、みかん食べるか?」(どこからかみかん取り出す)
028 姫様 「庶民的!この魔王、庶民的!」
029 魔王 「フン、贅沢してきた者には分かるまい」(みかんの皮をむいては頬張る)
030 姫様 「魔王に馬鹿にされた、何か馬鹿にされた」
031 魔王 「ほれ」(姫様にみかん手渡す)
032 姫様 「あ…う…ありがとう…ございます」
033 魔王 「みかんは侮れんからな。食べ過ぎるとビタミンCが全て流れ出てしまうと言うではないか」
034 姫様 「みかんはこの白い皮を取るのが面倒で…爪の間に入るし」
035 魔王 「馬鹿め、白い皮のところが栄養素があるんだぞ」(むっちゃむっちゃとみかん頬張りながら)
036 姫様 「でもバナナの筋みたいに…って早ッ!?みかん何個食べたの?」(魔王の目の前に広がるみかんの皮を見ながら驚く)
037 魔王 「フン、たかが10個だ。人間は1個食べるのに、どれ程時間をかけるのだ」
038 姫様 「早いって…」
039 魔王 「ここに来たからには貴様に合わせる義理はない。早く食べるコツを学べ」
040 姫様 「上品に味わい、楽しむのが流儀です」
041 魔王 「さて、風呂に入るぞ」(タオルを持ってきながら)
042 姫様 「は?」
043 魔王 「風呂だ風呂。知らぬわけじゃなかろ?」
044 姫様 「先にどうぞとかじゃなく…」
045 魔王 「一緒に入るぞ」
046 姫様 「何で!?」
047 魔王 「独りで入るのは飽きた」
048 姫様 「いや、ちょ…魔王って一応男ですよね?」
049 魔王 「それがどうした」
050 姫様 「どうしたって反応されると困るんですが…私は女性でして」
051 魔王 「見りゃ分かる。それで?」
052 姫様 「異性は別々に入るものかなって」
053 魔王 「それは人間が勝手に決めたことだろう。別々に入るとは時間が無駄であろう。待つ間に何しろと言うのだ」
054 姫様 「いや、本を読んだり…瞑想したり?」
055 魔王 「人間とは不思議な生き物よな、寿命が短いくせに時間の使い方は無駄だらけ、永く生きた分、ワシの方がはるかに効率よい」
056 姫様 「…で、あの…」
057 魔王 「別に気にせん、入るぞ」
058 姫様 「私が気にするんですけど…」
059 魔王 「下らんこと気にすると魔王になれんぞ」
060 姫様 「私魔王になるの!?」
061 魔王 「ある程度伝授したら来月一日だけ一日魔王をやらせるつもりだが」
062 姫様 「何その企画!?」
063 魔王 「で、その間、ワシが姫になってお城生活を満喫すると」
064 姫様 「無理、無理ありますからその企画!」
065 魔王 「無理をこなしてこそが魔王だ」
066 姫様 「根本的に何か間違ってますから!」
067 魔王 「フン、人間風情に指図されるワシではないわぁっ」(大きく空を斬りながら手を振る)
068 姫様 「せめて姫じゃなく、王子とか…」
069 魔王 「何故ワシが魔王であるというのに王の子供、しかも人間の下にならねばならん!」
070 姫様 「じゃあ、王様とか!」
071 魔王 「世界を統治する者が、たかが小国の王になれと申すか」
072 姫様 「あぁもぅ!村民になればいいです!一日農民になってくればいいじゃないですか!結局国を支えてるのは農民の作った作物なんですから」(ヤケクソ)
073 魔王 「ほぉ…前向きに検討してみるか。よし風呂に入るぞ」
074 姫様 「やっぱり、そうなるのー」



【入浴後】(バスローブを着終え、さめざめと泣く姫、ほっこりする魔王)

075 魔王 「ふむ、やはり風呂はいいな」(肩にタオル掛けながら)
076 姫様 「うぅ…もぅお嫁に行けない」
077 魔王 「なんだ?ぬるかったか?」
078 姫様 「違います!熱かったです!…知らない人に裸見られたし、一緒にお風呂入っちゃった…」
079 魔王 「知らない者同士ではないだろ?ワシが魔王で貴様は姫だ」
080 姫様 「そんなんじゃないの」
081 魔王 「ふむ、人間は面倒な奴だな。まぁよい、寝るぞ」
082 姫様 「え?もう?」
083 魔王 「よいこは遅くまで起きていてはいけないのだぞ」
084 姫様 「魔王が言うのか」
085 魔王 「布団はそこに用意してあるからな」
086 姫様 「布団なの!?ベッドじゃないんだ!」
087 魔王 「フン、これだからいい所暮らしの姫様は…」
088 姫様 「一応魔王ですよね、王ですよね?『姫様』と非難されるって……何してるんです?」(呆れたように言い、魔王が白い線を書いてるのを見て訊く)
089 魔王 「カリカリ…この白線からはみ出たらぶつからな」(自分の布団と姫様の布団に境界線を引く)
090 姫様 「何で!?」
091 魔王 「では、おやすみ」(布団に潜り込む)
092 姫様 「普通逆じゃないの!?女の子が線引きするよね!?」
093 魔王 「あ、トイレはそこのドア出て右の通路真っ直ぐだ」(指がドアを指し、横へと動く)
094 姫様 「親切だし…」
095 魔王 「北枕は不吉だからやめた方がいいぞ」(くるっと振り向く)
096 姫様 「おやすみ言ってから起きてるの長い…」
097 魔王 「どっちが先に寝るか勝負だな」
098 姫様 「…おやすみなさい」
099 魔王 「人間風情に負けぬからな」



【一か月後】(魔王城中庭にて)

100 姫様 ……魔王城に連れてこられ、魔王と奇妙な共同生活がスタートし、一か月後私は一日魔王を…魔王は
101 魔王 「ふはははは、早く実らんかトマトめっ!無農薬だぞ」(トマトの花を指差しながら高らかに笑う)
102 姫様 一日農民体験から帰って来てから魔王城で家庭菜園を始め、すっかり首ったけになってました
103 魔王 「む…そろそろ自家製パスタランチの時間か」(顔をあげ、姫の顔を見る)
104 姫様 時々お城に帰してもらえるので、奇妙な生活は今後も続きそうな予感です
105 魔王 「おい、姫。今度魔王城一階でパスタの店でも開くか。来月には王都に数店舗展開し、近い内に世界征服よ。フハハハ」
106 姫様 「私って魔王にかっさらわれたんだっけ……?」(首を傾げる)






作者のツブヤキ
 魔王ネタはひとつの作品を書いていたら次々思いつきますね。
ようやく一区切りついたかと思いきや、この作品書いてる最中にも『あ、これいいカモ』と思いついて、また新しい作品が生まれるという。
王道のRPGのお姫様と魔王ってほんと、何しているんでしょうかね。勇者来るまで物凄い時間ありますけど。
ク●パとピ●チの関係とか見ると意外と不自由なく暮らしているのかもしれませんね。

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