海原の少女

海原の少女

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :2:2
総セリフ数 104
製作日 2011/10/16〜2011/10/16
概要説明  海を彷徨う少女の亡霊。フェリーから突如消え、行方不明になった少女が助けを求めて現れるという。
現地では漁船・ボート問わずに少女の幽霊に海へと連れ込まれる事件が多発しているという。
そんなミステリーな謎を調査すべく、怪奇調査倶楽部は立ち上がった!
利用にあたって 利用規約
目安時間 10分半程度   【〜20分】
登場キャラ セリフ数 性別 備考
梶原 美菜
(かじわら みな)
44 怪奇調査倶楽部の部長。ミステリーと怪奇現象を求めてアクティブに動く好奇心旺盛。意外と顔が広かったり人脈があったりする。
松森 吾郎
(まつもり ごろう)
37 怪奇調査倶楽部の部員。なんだかんだで部長に振り回されながらも謎を追い求めまわす。
ジェイグ 13 片言で喋る色々怪しい黒人。クルーザーを所持するお金持ちの地元民とかって噂。ほんとかどうか真相は定かではない。
少女 10 フェリーから突如姿を消し、行方不明になった少女。海を彷徨い続けては救済を求めている。






【サークル棟】(怪奇調査倶楽部の部室内でコーヒーを啜りながら調査書を読む二人)

001 少女 「暗い…光はどこ…?暗い…暗いよ…」(海面に向かって手を伸ばす)
002 美菜 「ある日、新聞の片隅に小さく記事に載った事件」
003 少女 「怖い…怖いよ…みんなどこ…?」
004 吾郎 「船から消えた少女」
005 少女 「寒い…凍えるように寒い…」(体を震わせながら)
006 美菜 「乗客リストにありながらも下船時にはいなくなっていた」
007 少女 「助けて…助けて…」(呟くように)
008 美菜 「警察も数日間の大規模な捜索にもかかわらず水死体の一つ見つからない」
009 吾郎 「下船時に居ないだけに解せん事件だな」
010 美菜 「真顔でツマらんことを言うな」
011 吾郎 「アゥッ」
012 美菜 「ま、海には様々な怪奇話があるものだが…」
013 吾郎 「調査の価値がありますね、部長ッ」
014 美菜 「怪奇調査倶楽部、出動ッ」(立ち上がる)



【海水浴場】(バスを降り、腰に手を当てながら仁王立ちする二人)

015 美菜 「…で、来てみたが凄い人だな」
016 吾郎 「逆ベクトルで…。海水浴場だというのに人が全然いない」
017 美菜 「まぁ、あの船上少女行方不明事件には続きがあって乗っていた船と同じ航路を走ると必ず誰かが消え、翌日水死体で上がると言う」
018 吾郎 「ぶっちゃけ、船上少女行方不明事件じゃ調べられることあんまりないですからね」
019 美菜 「警察や新聞記事と同じ内容じゃ小学生だってできるまとめよ」
020 吾郎 「それ以上のことを調べて活動報告にする。それが怪奇調査倶楽部」
021 美菜 「…心霊現象はネットで調べたんだけどね」(さらり)
022 吾郎 「ネットすげー、ネット情報力すげぇ…ってまさしく小学生と変わらんことしてるじゃないですか部長」
023 美菜 「ネットをなめるべからずっ」(一喝)
024 吾郎 「最近の小学生なんか怖い話なんかみんなネットから仕入れて来るんですからね。テレビや本から仕入れる時代は終わりつつあるんですよ」
025 美菜 「まぁ、本よりよっぽど現実味ある書き方してるからね」
026 吾郎 「部長もネットのガセに踊らされたんじゃないでしょうね」
027 美菜 「ガセかどうかを調査に来たんじゃない。真実かどうか確かめる。それが怪奇調査倶楽部の活動でしょ」
028 吾郎 「まぁ…さて、そのフェリーの航路をどうやって辿るんですか、部長。小型手こぎボートとかアヒルボートとか、バナナボートとか言ったら砂浜に埋めますからね」
029 美菜 「怖いこと言う部員ね。大丈夫、その辺ぬかりないわ」(横目で見ながら自慢げに腕組む)
030 吾郎 「今絶対言うつもりだった冗談で言うつもりが先手に言われて言うに言えなくなったって顔してるよ、この人」
031 美菜 「私の兄の知り合いの友人の恋人の彼氏の愛人で地元民のクルーザー所有してる人に話は通しておいたから」
032 吾郎 「なんか関係すごいな…さすが部長」
033 美菜 「もう居るはずなんだけど…」(キョロキョロ周囲を見回す)
034 吾郎 「あれじゃないですか?部長」(まっすぐ向かってくるクルーザーを指差す)
035 美菜 「あ、みたい。あれね」
036 ジェイグ 「ヘイ、ミカコ!ハナシハキイテルヨ、チョット道マヨッテタヨ!」
037 美菜 「ミカコじゃなく、梶原美菜です。怪奇調査倶楽部の部長をしてます」
038 吾郎 「あ、僕は部員の松も…」
039 ジェイグ 「キカイトーサクラヴ?のシャチョサンね」
040 美菜 「いや、全然違うけど…」
041 ジェイグ 「ショジョガ消エタバショ行ケバイネ?」
042 美菜 「少女ね。場所は大丈夫かしら?」
043 ジェイグ 「ナニ、コノ辺オレノ庭ネ。ヨユーヨユー」
044 吾郎 「庭の割に迷ったとか言ってたような…」
045 ジェイグ 「ダイジョブ、ダイジョブ。サァイキマッショイ!シャチョサン」(バンバン美菜の背中叩く)
046 美菜 「部長です」



【少女出没海域】(フェリーの航路を辿るクルーザー)

047 少女 「誰か…誰か気付いて…。私はここ…ここにいるよ…」
048 ジェイグ 「舟ガ沈メラレタリスル場所ハコノ辺ネ」
049 美菜 「ふむ…感じる…なんとも言えないオーラを感じるわ」(立った前髪を揺らしながら)
050 吾郎 「じゃあ、部長…」
051 美菜 「間違いなくこの辺に彼女がいるわね」
052 ジェイグ 「オ〜、サイコパワー?カチョーサン、スゴイ」(驚きのリアクションしてから拍手)
053 美菜 「部長だから。それよりも気をつけて。深い悲しみを感じる…吾郎ちゃん引きずり込まれないようにね」
054 吾郎 「引きずり込まれるって…」
055 少女 「誰か…誰か、気付いて…」
056 美菜 「救済の感情じゃなく負の感情…道連れにされるわよ」
057 吾郎 「ちょ、部長勘弁して下さいよ…うわぁっ」(苦笑、悲鳴あげる)
058 ジェイグ 「ゴロチャンドシタ!?」(振り向く)
059 少女 「人…手を貸して…助けて…私はここだよ…」
060 吾郎 「海面に手がッ!」(指さすと海面から天を仰ぐように手が伸びている)
061 美菜 「ビンゴ…吾郎ちゃん、握り返しちゃダメだから」(舌なめずりしながら海面の手を見つめる)
062 少女 「私はここだよ…私はここだよ…」(フラフラと手が海面を彷徨う)
063 美菜 「彷徨ってる?」
064 吾郎 「うわぁっ!?放せッ…放せぇ」(腕を掴まれ海面へと引っ張られる)
065 少女 「助けて…助けて…お願い…」
066 美菜 「吾郎ちゃん!手を握っちゃダメだから!」
067 吾郎 「んなこと言ったって引きずり込まれるっ!部長ッ助けてッ助けて下さい」(身を半分乗り出すように)
068 ジェイグ 「ゴロチャン、ヤバイヨ。ゴロチャン」(目を丸くしながら呟く)
069 少女 「遅いよ…来るの遅いよ…ねぇ?寒いよ…暗いよ…?」(呟きから徐々に怒りのこもった声に)
070 美菜 「救済から怨念に変わってる、ジェイグ!亡霊を振り切るわよ」(顔色変えてジェイグに指示)
071 ジェイグ 「アイキタ、オモカジイパーイッ!」(舵回す)
072 吾郎 「落ち…落ちるっ…部長ッもう無理ッ」(七割近く落ちかけ)
073 美菜 「もう少し、もうじき航路から外れるからっ」
074 吾郎 「腕、腕千切れるッ」
075 美菜 「海に眠れッ少女!」
076 吾郎 「ぬぉっ」(ふいに引っ張られる力がなくなり、甲板に叩きつけられる)
077 ジェイグ 「航路カラ外レタヨ!」
078 吾郎 「体が軽くなった…」
079 美菜 「彼女は航路に縛られているから航路から外れれば追ってこれない」
080 吾郎 「死ぬかと思った…」
081 美菜 「大体の人はパニクって、来た道…つまり知らず知らずに同じ航路を通ってしまうのでどこまでもついてくる」
082 吾郎 「ジェイグの操縦で助かった…」
083 美菜 「ジェイグの運転なら行けると確信してたからね」
084 ジェイグ 「俺ノ腕モ大シタモンダ」(誇らしく鼻を鳴らしながら右腕を叩く)
085 美菜 「下手だから任せてみた」
086 ジェイグ 「オゥ、ヒドイ言イヨウ」
087 吾郎 「怖かった…怖かった…」(ガタガタ震えながら海面を見つめる)
088 美菜 「これでいい記事書けるでしょ」
089 吾郎 「部長、人を人柱にしないで下さいよっ」
090 美菜 「冷静な判断が部員の命を助けた!」(自分の頭を指差し、得意げに)
091 吾郎 「シャレなりませんって」



【後日、サークル棟】(怪奇調査倶楽部の部室にて出来上がった報告新聞記事を読む二人)

092 美菜 「大海に囚われし少女、今もなお…」
093 吾郎 「某日、亡霊の噂の真相を確かめるべく、怪奇調査倶楽部は特派員を派遣し、調査を開始した。」
094 美菜 「少女が消えた船が辿った航路を辿ると特派員たちは少女の亡霊と遭遇。危機一髪で難を逃れ、無事帰還することができた」
095 吾郎 「あの、部長」(記事から目を離し、美菜を見る)
096 美菜 「気付いてもらえず大海に囚われし少女はいつしか救済ではなく、仲間を欲するという道連れだった。亡霊を見かけた際は決して握り返したりせず、冷静に航路から外れるよう…」
097 吾郎 「部長!この写真何ですかっ」(記事の吾郎が海面に連れ込まれそうになっている写真指差す)
098 美菜 「ん?よく撮れてるだろ?」
099 吾郎 「僕が死にそうな時に貴女って人は…」
100 美菜 「だったら専属カメラ部員を連れて来るんだな」
101 吾郎 「くそぉっ!いつか殺されるっ」(半泣き)
102 美菜 「ハッハッハッ、いい表情だから合成とも言われないだろ。インスタントカメラだし」(写真を見ながらにやりと笑う)
103 吾郎 「…ダメだ、この人」(額を押さえ、座り込む)
104 美菜 「次の事件を求めて怪奇調査倶楽部、出動ッ」






作者のツブヤキ
 海を舞台にしたこうしたミステリー話はたくさんあるって噂ですよね!
あんまり海に行かないし、漫画やアニメのような地元の人が話してくれるなんてことないし。
怖い話とかってネットで調べると結構あるんですね。呼んでいると結構潰れちゃいますよね。
昔から怖い話を聞くのが楽しくて修学旅行の怖い話は何より楽しみにしていたものです。
大学でこうした怪奇現象とかを調査するサークルを設立しようとも思いましたが、憑かれたりするのは嫌だなぁとかってチキってやめちゃいました
立てていたらまた違った人生があったのかなぁ…

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