魂霊船

魂霊船

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :1:1
総セリフ数 138
製作日 2011/6/23〜2011/6/23
概要説明  うっかり冥界行の魂霊船に乗り込んでしまった青年。死の宣告をされたほか、密航罪として地獄行宣告まで…。
助かる方法は船長と結婚することだとか…青くなったり赤くなったり忙しいご様子
死者を冥界まで送る魂霊船。聞き間違いから発展した婚礼船に果たしてなりうるのか!?
利用にあたって 利用規約
目安時間
登場キャラ セリフ数 性別 備考
青年 68 興味本位で魂霊船に乗り込みあの世の住人になってしまった。船長から言い寄られて…
キャプテン・レイ 70 魂霊船の船長。まだ成人したか成人していないかの少女で立派に職務を全うしている。根がかなり優しい






【夜中】(港にて停泊中の魂霊船。青年が興味本位で乗り込む)

001 レイ 「まもなく出航だよ〜船が出るよ〜」(看板から叫ぶ)
002 青年 「んぁ?随分と変わった船だな…試しに乗ってみるか…ははっ」
003 レイ 「錨(いかり)をあげろぉっ、帆を張れっ!出発進行ッ!」(右手を大きく手を振って合図)
004 青年 「船なんて小さい子供の時以来だなぁ…思えばチケットとか持ってないけど大丈夫か?ま、言われたら買えばいいか」
005 レイ 「風は良好、視界も良しッ。絶好の航海日和なり!」(制帽を被り直しニッと笑う)
006 青年 「操舵室とか船長室はどこだ?お、操舵室がここか」(船内探索し、中を覗き込む)
007 レイ 「冥界までの船旅をごゆりとお楽しみ下さいまし」
008 青年 「自動操縦なのか?舵が勝手に…船員もいないし…」
009 レイ 「さてさて客室のご挨拶にでも行きますかな」(船長室から出ようとドアノブに手をかける)
010 青年 「…ここが船長室か。さすがに船長はいるんだろ。自動操縦でもさ」
011 レイ 「わっ!?」(目の前に青年がいたことに驚く)
012 青年 「うわっ!」(レイにビックリする)
013 レイ 「ダメ駄目〜、君、ここは船長室。船長以外立ち入り禁止だよ。あ、ちなみに私が船長ね」
014 青年 「あ、すみません」
015 レイ 「それに入る時はノックくらい…っと」
016 青年 「はぁ…随分若い女の子が船長なんだね…」(レイを観察し呟く)
017 レイ 「あれ…お兄さん、人間?」(目を丸くしながら青年を眺めまわす)
018 青年 「は?」
019 レイ 「人間…人間だよね?」
020 青年 「人間以外何だって言うんだよ。サルにでも見えるか?」
021 レイ 「あっちゃぁ…何で人間が乗っちゃってるんだろ」(頭抱える)
022 青年 「なんだ?動物とか貨物船か何かだったのか?あ…それとも密輸船とか…」
023 レイ 「あのねー…うん、ここはビシッと言おう。うん」
024 青年 「なんだ?」
025 レイ 「この船は魂霊船!私が魂霊船船長のキャプテン・レイ!」(親指突き立ててポーズ決める)
026 青年 「婚礼船…?結婚式をやるのか?」
027 レイ 「生ける者が乗ってはならぬ、死者の船だよ。お兄さん」
028 青年 「死者の船だって?冗談はよしてくれよ。亡霊船だってか?」
029 レイ 「亡霊船?そんなちゃちなものと一緒にしないでよね」(鼻で笑うように)
030 青年 「何が違うんだ?」
031 レイ 「右舷よし!面舵イッパイー!!」
032 青年 「うを…なんだ?背中に悪寒が…」(ゾクッとする)
033 レイ 「霊界に入りましたぁ」
034 青年 「霊界?」
035 レイ 「あのね、この船は冥界府から公式の手続きを踏んで公認で運行している船なんだからね」
036 青年 「うわっ!どこから船員が!?さっきまでいなかったのに」(目の前にぼやっと人影が現れ始める)
037 レイ 「霊界に入って見えるようになった?本日は乗船客で客室満室だからね。ラウンジなんか賑わってるだろうね」
038 青年 「見えるようになった?さっきからいたのか?」
039 レイ 「ずっと隣りにいたよ、お兄さんがそこにいた時から」
040 青年 「嘘だろ…」(顔を青くする)
041 レイ 「そろそろお兄さん、透けてきたんじゃない?」
042 青年 「え…?」
043 レイ 「生身の体じゃ霊界は耐えられないからね」
044 青年 「あ…ぁ…」(両手から透け始める)
045 レイ 「よく密航者とかにありがちなんだよね」(肩をすくめる)
046 青年 「お、降りる!降りるぞ、俺は!」(顔を真っ青にする)
047 レイ 「待ちな、お兄さん。今降りたら霊界の海を永遠に彷徨うことになるよ」
048 青年 「ひぃ…俺は帰るんだ」(目を泳がせる)
049 レイ 「この船は冥界行さ。冥界まで停まりやしない、招かれざる客を招こうじゃないか。お兄さん、中へどうぞ」(ニコッと笑い船長室に連れ込む)



【船長室】(ホットミルクを渡され、ソファーでぼんやり座る青年)

050 レイ 「少しは落ち着いた?」
051 青年 「…ありがとう」(カップを握りながらぼんやり)
052 レイ 「いやぁ、人の話聞かずにあのままパニクって霊界の海にダーイブってのが後を絶たなくてね」
053 青年 「はぁ…」
054 レイ 「で、お兄さんは何で密航したの?」
055 青年 「興味が湧いて…」
056 レイ 「まぁ、そうだよねー。以前なんかバイク集団が乗り込んで来たときはどうしようかと思ったよ」
057 青年 「…どうなったんだ?」
058 レイ 「バイクで霊界の海に飛び込んだ。ほら、あそこ見える?」(船窓を指差す)
059 青年 「う…」(外で走り続けるバイク男を見て口を押える)
060 レイ 「何が起きたか。分からないまま毎日走り続けてるよ。一種の観光名物になってるけどね」
061 青年 「俺、死んだのか?」(半分透けた体を見て訊く)
062 レイ 「うーん、半死?まだ完全には死んでないかな」
063 青年 「半死?」
064 レイ 「生身の人間は冥界で引き渡して冥界府の役人が死因を決めるから。大体海で溺死とかにするみたいだけど」
065 青年 「なら死なない方法はあるのかっ」
066 レイ 「死なない方法。そりゃあることはあるね」
067 青年 「どうやって!?」(腰を浮かす)
068 レイ 「ただし勘違いしないこと。生き返る方法じゃないから」
069 青年 「…なんだよ、死んだも同然じゃないか」(諦めたように座る)
070 レイ 「忘れちゃいけないけど、魂霊船に密航した罪、冥界府で裁かれるからね」
071 青年 「密航した罪!?」(目を丸くする)
072 レイ 「お兄さんの船でもあったと思うけど厳罰に処すってね」
073 青年 「何されるんだ…?」
074 レイ 「判決は閻魔様だろうから詳しくは知らないけど地獄行きは確実だね」
075 青年 「地獄行き…」
076 レイ 「ならない方法なら一つだけ…ある」(考え込むように)
077 青年 「地獄行きにならない方法が?」
078 レイ 「あーでもそれは面白くないなぁ…」
079 青年 「面白くない!?」
080 レイ 「お兄さん、言ってたよね?」
081 青年 「何を?」
082 レイ 「魂霊船を婚礼船って」
083 青年 「間違っただけで本物を知ったらそんなジョークも言えなくなるさ」
084 レイ 「私一度でもいいからウエディングドレス着たかったんだ」(目を輝かせる)
085 青年 「俺も死ぬ前にタキシードぐらいは着たかったさ」
086 レイ 「お兄さん、この船で働く気はある?」
087 青年 「船で働く?」
088 レイ 「船員として私の下で働くのはどうだい?」
089 青年 「そしたら地獄行きじゃなくなるのか?」
090 レイ 「当然。船の一部、私の財産になるんだもの」
091 青年 「…あぁ、急に言われても頭が」(頭を抱える)
092 レイ 「お盆の期間だけ陸地に返してあげる。それが休暇。どう?悪い話じゃないと思うけど」
093 青年 「待って、待った…待ってくれ…少し時間をくれ。」(手を前に出して待ったかける)
094 レイ 「冥界に着くまでに結論出さないと引き渡すからね」
095 青年 「わ、分かった…分かった…」
096 レイ 「それと…どうせ考えるならもう一つ考え事増やしてもいいよね?」(上目遣いで青年見る)
097 青年 「?」
098 レイ 「お兄さん、この船で婚礼あげよっか」
099 青年 「え?」(目を丸くする)
100 レイ 「もちろん、船で働くこと前提でだけど。」
101 青年 「誰と?俺婚約者とか…」
102 レイ 「私と。」(頬を赤く染める)
103 青年 「はい…?」
104 レイ 「言ったでしょ、ウエディングドレス着たいって。いやさ、この船って死者しかいないじゃない?何か辛気臭いっていうか…たまにはパーってしたいのね」
105 青年 「婚礼…って言ったよね?」
106 レイ 「うん」
107 青年 「意味知ってるかな?」
108 レイ 「いわゆる結婚式でしょ?魂霊船を婚礼船にするの。いい案でしょ」
109 青年 「俺と?」(自分を指差す)
110 レイ 「そう。やだ?今すぐ下船したい?」
111 青年 「ごめん、話がよく飲み込めない…」
112 レイ 「あー、私頭悪い人はちょっと嫌いかなー。幻滅させないで」(額に手を当てる)
113 青年 「ごめん…」
114 レイ 「簡単に言うとお兄さんは私と結婚すれば地獄に行かないし、ここで働けるし、お盆期間は休暇で地上に帰れる。オーケー?」
115 青年 「うん。わかったが、結婚まで行き着いた経緯が分からない」
116 レイ 「んー、ウエディングドレスを理由つけて着てみたかった?」
117 青年 「それだけ?」
118 レイ 「私だって女の子なんだから夢だって見るんだからね!」(顔真っ赤にしながら)
119 青年 「いいの?俺で」
120 レイ 「今のところはね」
121 青年 「今のところは…って」
122 レイ 「今後密航者でもっといい人いたら浮気するかも」
123 青年 「えぇぇ…」
124 レイ 「あ…その際、船長命令で文句は言わせないから」(ニッと笑う)
125 青年 「ヒドい…」
126 レイ 「で、決まった?下船するか否か」
127 青年 「あぁ…」(頷く)
128 レイ 「錨を下ろせー!帆をたためぇーっ!」
129 青年 「冥界…か」
130 レイ 「今度観光に来よっか」
131 青年 「冥界に?」
132 レイ 「最近、冥界府観光庁が力入れてて見物が色々あるんだよ。あ、冥土の土産買わなくていい?」
133 青年 「冥土の土産って…」
134 レイ 「準備がよければ出航するよ。地上の魂達を迎えに行くよ」
135 青年 「あぁ」
136 レイ 「婚礼は来月にでもしよっか。魂霊船の上で」
137 青年 「婚礼船な」
138 レイ 「よし、それじゃあ…地上に向けて出航ォッー!」(前方を指差し、制帽をかぶり直し、ニッと笑う)






作者のツブヤキ
 なんか出来がすんごいいいというか、読み直すとデレデレする展開(ぇ
この船長好きすぎる。かっこいいというか、可愛いというか、なんというかイイネ!
想像する船長服を着た女の子もそれはそれでいいと思うんだ。
そしてこの物語、四季宿亭でチロッと出したいなって考えているからきっとまた出てくるよ!
魂霊船とか適当に語呂がいいの造ったら『婚礼』と被ってあ、丁度いいじゃんってなった作品。
結構適当な誕生の仕方だね!

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