シナリオ詳細 | |
掲載元 | 声物語劇団 公式サイト 声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場 |
作者 | 月宮東雲 |
登場キャラ数 | ♂:2♀:2不問:1 |
総セリフ数 | 123 |
製作日 | 2011/6/10〜2011/6/11 |
概要説明 | 第七リアナ基地にて戦闘機の爆破事故が発生。シャルルが死んで… ドロドロの事後処理が始まる。 |
利用にあたって | 利用規約 |
目安時間 | 14分程度 【〜20分】 |
登場キャラ | セリフ数 | 性別 | 備考 |
テトラ | 20 | ♂ | シャルルの部下。シャルルのやり方を気に入らず、面白くないと思っていた。 |
ルイ | 49 | ♂ | シャルルの右腕とも言われた優秀な元部下。現在、第七リアナ基地にて整備長として働いている。 |
ミシェル | 31 | ♀ | シャルルと同じロナンバルドで親友同士。容姿端麗の国民的アイドル。 |
シャルル | 7 | ♀ | 賢き少数民族ロナンバルドの一人で国のために尽くしてきたがその実力に嫉妬する者も多かった。 |
フラン | 15 | ? | 将軍職に就き、軍の指令を直接行っている。時に冷酷で残忍な提案をすることもある。 |
001 | フラン | 「これより、優秀勇猛であったシャルル大佐改め、シャルル中将の略式葬儀を執り行う」 |
002 | ルイ | 「シャルルさん…」 |
003 | ミシェル | 「嘘だよね…シャル…」(飾られている遺影を見つめながら涙ぐむ) |
004 | ルイ | 「また僕を置いて行っちゃうんですね…」 |
005 | ミシェル | 「今度遊ぼうって…約束したばっかだったのに」 |
006 | ルイ | 「…失礼、あなたのその容姿…ロナンバルドですか?」(隣で泣いているミシェルに声かける) |
007 | ミシェル | 「そうよ、ロナンバルドよ。何か文句ある?」(キッとルイを睨み付ける) |
008 | ルイ | 「あ…や…シャルルさんとは…」(たじろぐ) |
009 | ミシェル | 「親友よ。シャルの親友のミシェル」 |
010 | ルイ | 「ミシェル…って、あのアイドルの?」(ハッとしたように) |
011 | ミシェル | 「アイドルでもなんでもない、シャルルの親友として来たの」 |
012 | ルイ | 「…そうでしたか。僕はシャルルさんの下でしばらく働かせてもらっていたルイと言います。今は第七リアナ基地で戦闘機の整備長をしています」 |
013 | ミシェル | 「君がルイ君か…シャルの言ってた通りの子だね」(クスッと笑う) |
014 | ルイ | 「シャルルさんはなんと?」 |
015 | ミシェル | 「ルイは根っから真面目で堅っ苦しい奴だって。シャルが随分気に入っていたみたいだよ」 |
016 | ルイ | 「シャルルさんらしい発言ですね」 |
017 | ミシェル | 「電話で部下のルイがルイが…っていつも言うからどんな子だろうって思ってたら噂通りの子だってね」 |
018 | ルイ | 「そんなにシャルルさんは僕のことを言っていたんですか?…何話していたんだか」(呆れたように) |
019 | ミシェル | 「ほんと夢中だったみたい。そんなに言うなら結婚したら?って言ったら本気で怒って電話切っちゃたり。死んだなんて嘘だよね?」 |
020 | ルイ | 「…嘘だといいんですけどね。シャルルさんは僕の目の前で…」(俯く) |
021 | ミシェル | 「シャルを見たの?」 |
022 | ルイ | 「第七リアナ基地で僕のところにわざわざ寄って…僕が殺したようなものです」 |
023 | ミシェル | 「どういうこと?」 |
024 | ルイ | 「シャルルさんは寄り道で僕のところに来たんですよ。そして滑走路から飛び立った瞬間に爆発して…」 |
025 | ミシェル | 「シャルの飛行機が爆発したの?」 |
026 | ルイ | 「はい…シャルルさんの飛行機が」 |
027 | ミシェル | 「整備はシャルがやっていたの?」 |
028 | ルイ | 「いえ、シャルルさんに時間がないから誰かに頼んでくれと。近くにいた整備士に…。あの時、僕がやっていれば…」(制帽を深くかぶる) |
029 | ミシェル | 「その時関わった整備士は?」 |
030 | ルイ | 「数時間後に姿を消して行方不明のままです」 |
031 | ミシェル | 「その整備士が怪しいね。ルイ君は悪くないよ」 |
032 | ルイ | 「あまりにも酷過ぎませんか?シャルルさん、今回の作戦が終わったら退役するって…昇級も勲章もいいから軍を辞めるんだって」 |
033 | ミシェル | 「そうだったんだ…」 |
034 | ルイ | 「シャルルさんは知ってたんですよ。周りからあまりよく思われてないって。だから辞めるなんて…」 |
035 | ミシェル | 「だから殺されるって…」 |
036 | ルイ | 「カエルは大海を知って幸せだったんでしょうか?」 |
037 | ミシェル | 「大海?」 |
038 | ルイ | 「井の中の蛙(かわず)大海を知らず。井戸の中しか知らなかった蛙は亀に大海の存在を教えられて憧れるんです」 |
039 | ミシェル | 「大海よりも空を飛びたいと思ったカエル君のこと?」 |
040 | ルイ | 「井戸の中だけで暮らしていれば平和に過ごせたんじゃないかなって…こんなことには…」 |
041 | ミシェル | 「うん…こんなことにはならなかっただろうね。けどね、シャルは外の世界を知れた。村を出れた。楽しかったと思う。後悔してないよ」 |
042 | ルイ | 「そうでしょうか…」 |
043 | ミシェル | 「カエルを外に連れ出したのはカメ君。唆したのはカメの私」 |
044 | ルイ | 「カメに教えられなければ、カエルは大海を知らなかった。自分だけの世界で満足してたと思います」 |
045 | ミシェル | 「カメ君は外に出ようかと迷っていたカエル君の背中を押したんだ。空に憧れているなら大海くらい見ておきなよって」 |
046 | ルイ | 「シャルルさんはいつも僕のことを置いていくんですよ。士官学校の時もそう、さっさと実戦部隊に所属して…前線基地では司令官から後に大佐。方や整備長だなんて。随分離れたなって思ったら…今度は置き去りですよ」(泣き笑い) |
047 | ミシェル | 「シャルは優しい子だからね。きっとルイ君のこと待ってる。少し離れたところで腕組みしてきっと待ってるから」 |
048 | フラン | 「…――非常に惜しい部下を亡くしたものと思っている。この終戦まで導いてきたのは彼女だった。最後の作戦に彼女を加えられないのが残念で仕方がなく…」 |
049 | ミシェル | 「シャルはね、カエルとカメの物語が大好きだった。自分を空に憧れるカエルって言ってね。私はカメで…」 |
050 | ルイ | 「僕もやりました。シャルルさん独り劇するんですもの。でも…カエルは僕で、シャルルさんは知らない大海を教えてくれたカメだと思います」 |
051 | ミシェル | 「あっちでもシャルは独り劇してるのかなー。だったらドン引かれるからやめときなって言っとかないと。みんな離れちゃうや」 |
052 | ルイ | 「あはは、そうですね。ほんと…」 |
053 | ミシェル | 「シャルがまた帰ってくる気がするんだ…だから…私待ってる。待ってるから…」 |
054 | フラン | 「以上をもってシャルル中将の略式葬儀を終了する」 |
055 | テトラ | 「ルイはいるか!整備長のルイはいるか?」 |
056 | ルイ | 「ん…、ルイは僕ですが…?」 |
057 | テトラ | 「航空事故調査委員会の報告書よりシャルル中将は搭乗していた戦闘機に細工されていたとの結果が出た」 |
058 | ルイ | 「戦闘機が爆発したのですから当然の結果だと思われます」 |
059 | テトラ | 「そしてシャルル中将はここに立ち寄り、彼女の整備を担当したのが…ルイ、お前だ」 |
060 | ルイ | 「え…?」 |
061 | テトラ | 「裏もちゃんと取っている。お前はシャルル中将を事故死に見せかけて殺害した。大体ファントロジス軍会議に参加し、ファントロジスに向かうハズであったのを第七リアナ基地に寄るはずがない」 |
062 | ルイ | 「シャルルさんは確かにここに来て僕と話をしました」 |
063 | テトラ | 「まぁ、殺害するためにお前が呼び出したと考えられるな。…で、どんな話を?」 |
064 | ルイ | 「まもなく退役をすると…」 |
065 | テトラ | 「はは、そんな馬鹿なはずがあるわけない。もうすぐ昇級式がある目の前で辞めるなんて馬鹿げた妄言を吐くわけがない」 |
066 | ルイ | 「シャルルさんは確かに退役されると。自由に空を飛ぶために」 |
067 | テトラ | 「貴様はそんなに元上司が憎かったか?命を懸けて守った挙句、奴は大佐級。貴様は地方の整備長…戦闘から外れた軍人の恥だ」 |
068 | ルイ | 「…先程から決めつけた言動が多すぎます。僕はシャルルさんを憎んでもいないですし、整備長の役職も満足しています。左遷だと思ったこともありません」 |
069 | テトラ | 「調べたら士官学校の時では首席の座を奪われ、前線基地では司令官補佐。彼女さえいなければ全てうまくいっていた。違うか?」 |
070 | ルイ | 「それがシャルルさんを殺した動機だと…?」 |
071 | テトラ | 「別に動機がなんだっていい。貴様が細工したというのは明白だからな」 |
072 | ルイ | 「あの時、僕は近くにいた『バーン』に整備を任せてシャルルさんと話していました」 |
073 | テトラ | 「その整備士バーンの口から整備したのはルイ、貴様という証言が取れた」 |
074 | ルイ | 「そんな馬鹿なッ!シャルルさんの戦闘機はバーンが整備し、バーンは数時間後に失踪した」 |
075 | テトラ | 「貴様に口封じされるのを恐れ、貴重な証言者として我々が保護した。他にも貴様が整備していたのを見ていたと証言する者もいる」 |
076 | ルイ | 「ありえないっ!あの時、確かにシャルルさんと話していて…」 |
077 | テトラ | 「名誉な上官を殺害、国への損害は大きい他、それは反逆ともとれる。よって貴様は死刑…だ」 |
078 | ルイ | 「そんなのおかしいっ!調べ直しを要求しますッ!僕はやっていない!」 |
079 | テトラ | 「誰でもそういうんだよ、ルイ君。死刑宣告を前にするとね」(ニィッと笑い、ルイの肩に手を置く) |
080 | ルイ | 「な…」 |
081 | テトラ | 「航空事故調査委員会の総意だ。死刑は確定しているのだよ。連れて行けッ」 |
082 | フラン | 「これより国家へ反逆した重罪人を公開処刑を執り行う」 |
083 | ミシェル | 「嘘…」 |
084 | フラン | 「この者はシャルル中将の戦闘機に細工を施し、爆破した実行犯であり、元部下である」 |
085 | ルイ | 「…そういうことか。僕は最初っからハメられていたのか」 |
086 | フラン | 「戦乱に乗じて国家へ牙を剥こうとした。元上司であり、わが国を優位にしたシャルル中将を殺害したということで、我が国が失ったものは大きい」 |
087 | ミシェル | 「ルイ君がシャルを殺すわけないッ!」 |
088 | フラン | 「よってルイ死刑囚は銃殺刑と処す」 |
089 | ミシェル | 「調べ直して!絶対おかしいよ!」 |
090 | テトラ | 「そこの傍聴人を黙らせるか、叩き出せッ」 |
091 | フラン | 「これは航空事故調査委員会による調査結果に基づくものである」 |
092 | ミシェル | 「軍部と癒着している機関じゃないの!大体、航空事故調査委員会の立ち上がりが早過ぎたわ!」 |
093 | テトラ | 「そこの女をつまみ出せ!」 |
094 | ルイ | 「…ありがとうございます。ミシェルさん…」 |
095 | フラン | 「シャルル大尉がいることによって出世ができなかった、地位を妬んだという動機も十分揃っている」 |
096 | ミシェル | 「ルイ君はそんな子じゃないッ!怪しいのはそのテトラとかって奴じゃないッ!シャル言ってたもの!痛ッ!ルイ君ダメ死んじゃ!」(軍人たちに取り押さえられ連れて行かれる) |
097 | ルイ | 「…ありがとうございます。…もういいんです」 |
098 | フラン | 「ルイ処刑囚、五分だけ時間をやる。犯した罪を悔い、懺悔するがいい」 |
099 | ルイ | 「シャルルさん…すみません、思ったより早く追いかけることになっちゃったみたいです。だから…待っててください」 |
100 | テトラ | 「将軍…シャルルは軍を退役するつもりだったそうです」 |
101 | フラン | 「昇級式の前にか?」 |
102 | テトラ | 「猫を狩るつもりがとんだカエルを捕まえてしまいましたね」 |
103 | フラン | 「鳥は不用心に歩いているカエルを捕まえて食したんだ。警戒せずにいたカエルが悪い」 |
104 | テトラ | 「それもそうか。賢きロナンバルド、頭が回っても厄介。そして今回処刑のルイは元部下として再調査を独自でもされると困りますからな」 |
105 | ルイ | 「カメ君…カメ君…空を飛んだボクを見ていてくれたかな…」 |
106 | ルイ | 「カエル君カエル君…ああ見ていたとも」(少し口調変え) |
107 | テトラ | 「ルイの奴が何かつぶやき始めました」 |
108 | ルイ | 「空は自由だった…君の知ってる大海より広かったんだ」 |
109 | フラン | 「気でも触れたのだろう放っておけ」 |
110 | シャルル | 「カエル君カエル君、君は素敵な旅人だったよ」 |
111 | ルイ | 「シャル…ルさん?」 |
112 | シャルル | 「君が空を飛ぶ姿、滑稽だったけど、とっても凄かったよ」 |
113 | ルイ | 「…どうだ、すごいだろう?」 |
114 | シャルル | 「大丈夫、君はもうそんな道具をつけなくたってもう自由に空を飛べるんだ」 |
115 | ルイ | 「井の中の蛙、大海を知らず…」 |
116 | シャルル | 「井の中の蛙、大海を知らず、されど空の深さを知る」 |
117 | ルイ | 「カエルは幸せだったのかな…」 |
118 | シャルル | 「あぁ、幸せだったとも。自由を知ったからな」 |
119 | フラン | 「さて、時間だ。撃ち方、構えッ」(処刑部隊に指示出す) |
120 | ルイ | 「…カメ君、カメ君や、ボクは空より広い自由を手に入れたんだ」(フッと笑う) |
121 | シャルル | 「救いの無い物語…」 |
122 | フラン | 「撃てッ」 |
123 | シャルル | 「空で消えたカエル君はカメ君に言いました。空は自由でよかったとね」 |
作者のツブヤキ |
完結したはずなのにエピローグっぽくバッドエンド描いてたよ! テトラ、マジ悪人。前回でも伏線書いてたけど今回はっきりコイツがめっさ悪人ですオーラ出してみた。 ルイ君が犠牲なってしまったorzこんなハズじゃなかった。ルイ君はこんな風になるはずじゃなかったんだ…。 ルイにとってもシャルルにとってもミシェルにとってもカエル君とカメ君の関係だっただなって。 一つのことわざから始まった物語だったけど、様々な奥深さが見えたね! すごい好きだ。『井蛙不可以語於海、拘於虚也』 おかしいな、もっとシャルル×ルイ要素(過去話とか回想とか)をたっぷり詰めようと思ったらこれだ…誰得だよテトラむふふ話って。 |
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