桜妖

桜妖

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :2:1
総セリフ数 62
製作日 2011/5/10〜2011/5/10
概要説明  ある春の夜のこと。知人と酒を飲み交わし、ほろ酔い気分で帰路についたら、
とても美しい桜を見つけたので見惚れていたら、とても綺麗な若い女性に声を掛けられた。
桜のお化けって素敵だと思いません?彼女はそう言った…
利用にあたって 利用規約
目安時間 6分程度   【〜10分】
登場キャラ セリフ数 性別 備考
半兵衛
(はんべえ)
31 五条の袋小路で辻斬り(?)に襲われるが一命を取り留める。
ゆめ 19 五条の袋小路の桜の木の下で出逢った他称武家の娘。とても美しい顔立ちで美人。夜桜を見に来ていたと言うが…
玄蔵
(げんぞう)
12 半兵衛の知人。よく酒を飲み交わす仲。






【夜道】(店で酒を飲み、その帰路の出来事)

001 ゆめ 『桜のお化けって素敵だと思いません?』(楽しそうに語りかける)
002 半兵衛 『その言葉でこの悪い夢は始まった気がする』
003 玄蔵 「半兵衛殿、拙者はここらで。…気をつけて下さいよ?近頃辻斬りが横行しておるそうですから」(一礼したのち、声をひそめるように)
004 半兵衛 「ははは、大丈夫ですよ。手持ちなんてそんなにない、貧相な侍なぞ狙いませんでしょう」
005 玄蔵 「噂の百人斬りですよ、ただの盗人とは訳が違う。用心されよ」(軽く肩を叩く)
006 半兵衛 「そちらこそ夜道をお気を付け下さい、玄蔵さん」
007 玄蔵 「ではでは…」(軽く会釈し別れる)
008 半兵衛 「百人斬りか…、百人の命を奪えばそれと引き換えに何でも願いが叶うという迷信じみた…ん?」(ふと桜に目をとめる)
009 半兵衛 「ほぅ、これはまた見事な桜だ…このようなとこなぞに桜などあったかな…?」(桜に近付く)
010 ゆめ 「この桜は反魂桜(はんごんざくら)と呼ばれてるんですよ」
011 半兵衛 「反魂…あなたはこのような夜更けに…」(呟き、ハッと気づいたように)
012 ゆめ 「わたしはゆめと申します。夜桜を一目見ようとお屋敷を抜け出してきて参りました」
013 半兵衛 「お武家様の娘さんか」
014 ゆめ 「見事な咲き映えでしょう?」
015 半兵衛 「えぇ、立派な桜ですね」
016 ゆめ 「まだ八分咲き。見頃になるのはまだかかりそうですね」
017 半兵衛 「昼間に見る桜並木もまた良いですが、酒に酔いしれ浮かれ心地で見る夜桜もまた楽し」
018 ゆめ 「美しく咲き誇りゆく桜を見守るのは私の役目」
019 半兵衛 「ゆめさんがこの桜の世話を?」
020 ゆめ 「先祖代々から世話を…。河川敷の桜とは訳違う故、なかなか花が咲かず…」
021 半兵衛 「さぞ花開いた時、嬉しかったでしょうな」
022 ゆめ 「えぇ、それはもう」
023 半兵衛 「さて、そろそろ冷え込んできました。お屋敷まで送りましょう」
024 ゆめ 「いいえ、結構でございます」
025 半兵衛 「そうはいきません。近頃物騒で、辻斬りが出ているそうです。女子一人歩かせるわけには…」
026 ゆめ 「お気持ちだけ頂きます。ありがとうございます」
027 半兵衛 「しかし…」
028 ゆめ 「そういえば、まだお名前をお伺いしていませんでした」
029 半兵衛 「半兵衛と申します」
030 ゆめ 「半兵衛さん…。唐突なんですが…」
031 半兵衛 「はい」
032 ゆめ 「桜のお化けって素敵だと思いません?」(ニコッと笑う)
033 半兵衛 「桜のお化け…ですか?」
034 ゆめ 「桜妖(さくらあやかし)美しく咲き誇り人々を楽しませる…」
035 半兵衛 「桜妖…」
036 ゆめ 「人にきれいだなーって美しいなって思わせるお化けって素敵ですよね」
037 半兵衛 「お化けに美しいもキレイもあるのかい?」
038 ゆめ 「はい、もちろん!お化けの中でも夢があると思いますよ」
039 半兵衛 「お化けに詳しそうですね、ゆめさんは」
040 ゆめ 「桜のお化けって素敵だと思いません?」(ニッコリ笑う)
041 半兵衛 そう彼女がニッコリと笑っていたのが最後、私の意識は徐々に薄れていった。何が起きたか分からなった
042 半兵衛 じんわりと生温かいものが広がっていく感覚に囚われ、闇に墜ちていった…



【翌日】(診療所にて)

043 玄蔵 「半兵衛殿!半兵衛殿!」(必死で呼びかける)
044 半兵衛 「んあぁ…」(呻く)
045 玄蔵 「あぁ…半兵衛殿!しっかりして下さい、半兵衛殿!」
046 半兵衛 「なんだ…?何が起きたんだ…?」(ゆっくりと呟く)
047 玄蔵 「辻斬りです。半兵衛殿は辻斬りに襲われて…」
048 半兵衛 「辻斬り…?」
049 玄蔵 「あぁ…ご無事で何よりで…」
050 半兵衛 「辻斬り……ゆめさんは…?」
051 玄蔵 「ゆめ?」
052 半兵衛 「桜の木の所に立っていた女の方です…」
053 玄蔵 「女の方なんておりませんでしたよ。それに桜の木だなんて…三途の河原を歩いておられたのか…」
054 半兵衛 「五条の袋小路に立派な桜の木が…」
055 玄蔵 「確かに半兵衛殿が倒れていたのは五条の袋小路であったが、桜なぞどこにも…」
056 半兵衛 「そんな馬鹿な…確かに私はゆめさんと…」
057 玄蔵 「大体あのような夜更けに出歩く女子なぞ、狐に化かされたか、狂人か、辻斬りか」
058 半兵衛 「ゆめさんが辻斬り…?」(驚く)
059 ゆめ 「桜のお化けって素敵だと思いません?」
060 半兵衛 「桜妖(さくらあやかし)…」(ポツリとつぶやく)
061 玄蔵 「桜、妖……?」
062 ゆめ 「今宵も美しく咲き誇れ、桜の妖(あやかし)反魂桜…」






作者のツブヤキ
また変なの書いた…書いてしまった。
そろそろ桜ネタで引っ張るのやめないとなぁ。と反省しています。
いい作品を今後とも書いていきたいと思っています。
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