されど空の深さを知る3

されど空の深さを知る3

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :3:1
総セリフ数 98
製作日 2010/11/4〜2010/11/5
概要説明  戦闘地区になる国境付近の田舎村の防衛命令を受け、赴いたシャルルたち。
新しい相棒の部下は好き勝手取り仕切ろうと横暴をはたらく。
そんな中、部下から反感をかいながらシャルルは強行に自分のやり方を推し進める。
寄せ集めの軍隊から一気に統率を失って弱体化したものの…?食糧がなくなるというピンチが重なっていく!!
利用にあたって 利用規約
目安時間 7分半程度   【〜10分】
登場キャラ セリフ数 性別 備考
テトラ 29 シャルルの新パートナー。軍人としての誇りが高く、多少傲慢な面もある。
シャルル 39 前線基地での作戦で成功し、大佐まで登りつめた賢き少数民族のロナンバルド。
村人 13 田舎村に住む人々の一人。
農民 17 田舎訛りの激しい、田畑に愛情を注ぐ、農業に勤しむ農民。






【バハートルア地区】(小さな田舎村に軍隊で到着、村の中央でテトラが演説)

001 テトラ 「これよりこの地は戦闘地域となる。諸君たちは我々軍に食糧や物資、人員などを今すぐ提供するように」
002 村人 「何だ何だ?どういうことだ!」
003 農民 「何であんだらにやらねばいがんねっ!」
004 テトラ 「国民総動員令が全土に下った。戦闘地域になる地区は軍へ速やかに協力し、戦闘を優位にする必要があるっ」
005 農民 「そんなんで納得いぐがよっ!オラたちは税金、作物税とか言われ、キチンと納めがぁっ」
006 村人 「お前たちに提供するほど食いもん余ってねーぞっ!」
007 テトラ 「軍に協力しない者たちは国家に反逆する者とみなし、拘束、又は処罰する!」
008 農民 「だんれが協力するがかっ!いぎなし来て食べ物よこせ、くれなきゃ暴力っちゃあ、理不尽だべ!」
009 村人 「そうだ!そうだ!田舎だと思ってなめんなよ!ふざけるなっ!」
010 テトラ 「俺は忠告したぞ。協力しない者は反逆する者とみなすと」
011 村人 「あぁ、聞いたとも!そんな国ならいっそ敵国だか何だかの領地になった方がいいわ!」
012 農民 「んだ!んだ!軍は出てけっ!」
013 村人 「帰れ帰れ!」
014 テトラ 「…全員拘束しろ」
015 シャルル 「待て」
016 テトラ 「あ…?」
017 シャルル 「現場の指揮官は誰だ…」
018 テトラ 「指揮官ってそれは…」
019 シャルル 「お前が私の新しい部下なのだろ。命令判断を下すのは私だ」
020 テトラ 「…何だと?」(納得いかない)
021 シャルル 「突然部下が手荒で大変申し訳ないことをした…」(深々と頭下げる)
022 村人 「あんたがリーダーか」
023 シャルル 「都の方からこの地域を防衛するよう命が下り、やってきた…シャルルという。突然のことで全く理解できないかと思うが…我が国は現在戦闘状態である」
024 農民 「おぅ」
025 シャルル 「正直言うと旗色はあまりよくないっ…」
026 農民 「そうなのか?」
027 村人 「で、どうなんだ」
028 シャルル 「もうじきこの地域も戦闘地域へとなる。少しでも被害を減らすようこの地を拠点にしてここで敵を撃退するつもりだが…それにはあなたたちの協力が必要なんだ」
029 村人 「協力って、食糧よこせってことだろ?」
030 農民 「村人たちが食うのにいっぱいいっぱいだ。他人にあげられるほどねっ」
031 シャルル 「兵士の人数も満足ではなく、兵も徴兵といった形となる」
032 農民 「この村から男手を取ってくがか?」
033 シャルル 「村の者たちは守る。安心してくれ…。この村の食糧は兵士たちにとってとても重要なのだ…少しでもいい分けて頂けないか…?」



【戦闘地域】(村人たちを兵士育成中)

034 テトラ 「貴様ッ!それでも軍人かッ!!」(怒鳴りつける)
035 村人 「ひぃっ」
036 テトラ 「ろくに動けない、戦えない、弱音は吐く。足ばっかり引っ張って!役立たずめっ!」
037 農民 「ひぃぃぃっ、オラやっぱ畑さ耕してた方がいがった…!」
038 テトラ 「あぁ?」
039 農民 「オラは軍人でねっ!農民さ!…無理やり連れてこられただけの農民さ…おっがぁ、お家へ帰りだい…おっがぁ…」(泣き崩れる)
040 テトラ 「んだとぉ…」
041 シャルル 「…なら村に戻れ」
042 農民 「あ…?」(シャルル見上げる)
043 シャルル 「無理して兵隊やってないで、村に戻れって」
044 テトラ 「何を…」
045 農民 「いいのが?…ほんとに村さ、帰っていいのか?」
046 シャルル 「あぁ…。いい、お前にはお前なりのやるべき仕事があるんだろ?」
047 テトラ 「おぃっ!どういう状況か分かって言っているのか!?」(シャルルの胸ぐらつかむ)
048 シャルル 「お前はここで死ぬべき人間じゃない。…そうだろう?」
049 農民 「あが…あが…うぇ…うぇぇ…」(泣きながら頭下げ、走り去る)
050 テトラ 「貴様ッ!いい加減にしろッ!ただでさえ戦力が少なく、苦戦している中、味方を逃がすなどと…正気の沙汰ではないっ!」(シャルルに怒鳴る)
051 シャルル 「彼には彼なりの仕事があった。ただそれだけだ」
052 テトラ 「ふざけるなっ!貴様が上司だ?そんなこと知るか!使えない役立たずの上司の言うことなど聞いていられるか!!」(シャルル突き飛ばし去る)
053 シャルル 「…正気の沙汰ではない…か。いつからだろう…いつから正気を失ったのだろうな…」
054 シャルル 「空が…灰色…か……」
055 シャルル 「カエル君、カエル君。また空を見ているんかい?」(声色変えて)
056 シャルル 「やぁ、カメ君。いらっしゃい」
057 シャルル 「今日は青くないじゃないか」(声色変えて)
058 シャルル 「そりゃそうさ。真っ青のままの空なんてないよ」
059 シャルル 「こーんな灰色の空なんてどんより気分もどんより。うんざりだね」(声色変えて)
060 シャルル 「だけどこんな空でも気持ちのいい雨を降らせてくれるさ」
061 シャルル 「そうかね、僕はあんまり気持ちよくないけどね」(声色変えて)
062 シャルル 「空だってご機嫌斜めな時だってあるさ。コロコロ色んな表情を見せてくれる。そんな空だから楽しいのさ」
063 シャルル 「へぇ、そうかい。僕は海の方がいい表情見せてくれると思うけどね。邪魔したね」(声色変えて)
064 シャルル 「…気持ちのいい雨…か。この乾いた心を潤してくれるのだろうか…」



【戦闘地域前線】(補給部隊が襲撃され食糧が尽きる)

065 テトラ 「貴様があの時、奴を逃がすから逃亡者が増えたんだぞッ!」
066 シャルル 「死なれるよりはいいだろ?足手まといだったんだろ?」
067 テトラ 「どんな役立たずでも盾ぐらいにはなっただろ」
068 シャルル 「私の作戦に盾はいらない」
069 テトラ 「指揮官として…いや、軍人として貴様は失格だ!」
070 シャルル 「残念だが、本部に戻るまで軍人であることとお前の上司であることは変わらないからな」
071 テトラ 「俺は認めん!貴様の指図は受けん!」
072 シャルル 「そんなに怒鳴ってると体力無くなるぞ…」
073 テトラ 「う…ぅ…腹が…力が…出ない…。もう三日も食べてない…」
074 シャルル 「ほら、食うか?これ」(自分の髪の毛指差す)
075 テトラ 「誰が食うか…」
076 シャルル 「髪の毛の成分は主にタンパク質と脂質からできているらしいからな…食べればいいと思う」
077 テトラ 「馬鹿馬鹿しい…くそっ!」
078 シャルル 「ま…私は五日も食っていないがな!」(テトラに向かって自慢げに)
079 テトラ 「飢えて死んじまぅ…」
080 農民 「シャルルさーん」(遠くから)
081 シャルル 「ん…?」(目細める)
082 村人 「食糧をお持ちしましたっ!」
083 農民 「採れたてのオラの畑のだ!」
084 村人 「前線で頑張っている皆さんで食べて下さい」
085 テトラ 「何だと…」
086 シャルル 「供給部隊で物資を輸送すれば狙われるが、彼らの独自のルートで来れば、無事届くという算段だ」
087 テトラ 「そんなバカな…」
088 農民 「これがオラたちにできることだ」
089 村人 「適材適所ってやつだな」
090 シャルル 「伏せろッ!!」(敵機に気付き、怒鳴る)
091 テトラ 「ぬぉっ!?」
092 シャルル 「…く、大丈夫か?」
093 農民 「軍人さんさぁ無事だら、なんさ問題ないだぁ…」(横たわっている)
094 村人 「きっちり仇をとって来て下さい…」(うずくまったまま)
095 シャルル 「…テトラ」
096 テトラ 「あ?」
097 シャルル 「反撃に出るぞ…総攻撃の準備だ」
098 テトラ 「…了解」






作者のツブヤキ
 調子に乗り過ぎました。今では反省などして…………いないっ!…だと?
あれからシャルルの口調とか立ち位置とか色々崩壊を始めて元キャラ保ってないッスね。
書いている途中から気付いた。アレ?シャルルさん?
今回は「貴様ッ!それでも軍人かッ!」という定番文句に「オラはただの農民だぁー!」って言わせたかった。
そのひとことから繰り広げられたシナリオ。最近戦争物のドラマ流れているけど、過酷だったんだろうなぁ…。
今では想像できないくらい今が幸せで…どれだけ恵まれているのか…。
どういう環境であり、また数年、数十年後。これ見てどう思うかわからないけど…。
この時はこうしてこのような物語が書けているといった幸せがある、恵まれている。それは事実である。

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