違えし王

違えし王

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :4:1
総セリフ数 155
製作日 2010/5/19〜2010/5/20
概要説明  たまたま旅に訪れていたティアランスの前に悪党二人。
悪党どもの手から助けたのがリブ国の国王。打ち解けかけたところで王だという正体を知る。
身分の差という壁が二人を阻む。
利用にあたって 利用規約
目安時間 10分半程度   【〜20分】
登場キャラ セリフ数 性別 備考
エーベル=ルド=レンス 55 リブ国の国王。若き青年でよく出かけては人々を助けるため、国民から人気者。
ティアランス=ソシフィート 63 シェナ国の王位継承者。男っぽい容姿をしているためよく美男子と間違われる。
男A 12 町をうろつくチンピラ。旅人を捕まえて金品を奪う、悪党
男B 11 町をうろつくチンピラ。旅人を捕まえて金品を奪う、悪党
兵士 14 リブ国にエーベルに仕える兵士&シェナ国の伝令兵。いちお、別人設定。






【町の裏路地】(男二人に目をつけられ、壁に押し付けられるティアランス)

001 ティアランス 「何だ、お前たちは」(睨みつける)
002 男A 「身なりいいな」
003 男B 「君、金目のものくれよ」(ティアランスの肩掴む)
004 ティアランス 「寄るな馬鹿者」(汚らわしい物を見るような眼)
005 男A 「どっかのいいお坊ちゃんか?」
006 男B 「なぁ、痛い目見たくないだろ?」(顔近付けてニヤニヤ)
007 ティアランス 「貴様らのような下衆にやるものなど持ち合わせているかっ」
008 男A 「何だと?」
009 男B 「痛い目見ないと分からないようだな」(ティアランスの髪掴む)
010 ティアランス 「痛っ…」
011 男B 「コイツ、このまま売っちまうか」
012 男A 「バーカ、男のガキなんて売れるかよ」
013 ティアランス 「なっ」(頬を赤く染めて睨みつける)
014 男A 「声かける相手間違ったんじゃないか?」
015 男B 「服でもひん剥いて売ればいいだろ?」
016 男A 「それもそうだな、小銭にはなるか」
017 ティアランス 「離せっ、下衆めっ」
018 男A 「あぁ?お前、状況わかってるのか?」
019 男B 「おらっ」(ティアランスの腹部に蹴りいれる)
020 ティアランス 「がふっ…かはっ…」(みぞおちに入り、空気吐き出す)
021 男A 「おぃおぃ、服が汚れちまう」
022 男B 「悪い悪い、んじゃ顔にしておくか」(髪引っ張り、顔上げさせる)
023 ティアランス 「愚図が…」
024 男A 「口悪いねー」
025 男B 「おしおきが必要でしょ」
026 エーベル 「お前たち…」(男たちの背後から声掛ける)
027 男A 「はいはい、あとでね。今忙しいから」(あしらうようにヒラヒラ手を振る)
028 エーベル 「何をしている」
029 男B 「おしおきだ、おしおき。黙ってろ」
030 エーベル 「悪いが、弱い者いじめは黙っていられないな」(男たちの肩に手を乗せる)
031 男B 「は?」(振り向き、エーベル見る)
032 男A 「あぶっ」(顔面にパンチが決まる)
033 男B 「おべっ」(顔面にパンチが決まる)
034 エーベル 「二度とこのような真似をするな」
035 男A 「覚えてろっ、畜生ッ」(顔を押さえながら逃げ去る)
036 エーベル 「私の方が覚えていると厄介だぞ?」(逃げ去る姿を笑いながら見送る)
037 ティアランス 「く…」(崩れ倒れる)
038 エーベル 「大丈夫か?」(ティアランスを抱え起こす)
039 ティアランス 「あ…あぁ…」(起き上がろうとしてふらつく)
040 エーベル 「おっと…少し休むか」
041 ティアランス 「いや、平気……うぁっ」(エーベルに抱えられ驚きの声をあげる)
042 エーベル 「よっと、木陰で横になった方がいい」
043 ティアランス 「わ…下ろせ、離せ、触れるな」(顔真っ赤にして暴れる)
044 エーベル 「私の腕の中で暴れるな、落ちるぞ」
045 ティアランス 「う…」



【木陰の下】(木に寄りかかるように座るティアランスと横になるエーベル)

046 エーベル 「身なりがいいな」
047 ティアランス 「貴様も下衆共と同じことを言うのだな」
048 エーベル 「お…すまない」
049 ティアランス 「何故助けた…」
050 エーベル 「悪人が嫌いだから」
051 ティアランス 「理由になっていないぞ」
052 エーベル 「これが理由だ」
053 ティアランス 「何だ、その悪人が嫌いだって」
054 エーベル 「明らかに怪しげだったからな」
055 ティアランス 「おかしなことを言うな、そちは」
056 エーベル 「そうか?まともなことを言ってるつもりだが」
057 ティアランス 「余はティアランス=ソシフィート。そちは?」
058 エーベル 「私はエーベル=ルド=レンス」
059 ティアランス 「エーベルか。この恩は必ず返す」
060 エーベル 「律儀だな」
061 ティアランス 「人として当然のことだ」
062 エーベル 「ほぅ…」
063 兵士 「王、王―。…そのようなところにおられましたか」(兵士が駆けてくる)
064 ティアランス 「王…?」
065 エーベル 「あぁ…今行く」
066 兵士 「一人でお出かけになるなんて」
067 エーベル 「お前たちに退屈な仕事をさせるのも申し訳なくてな」
068 ティアランス 「エーベル…そちは」
069 兵士 「貴様、王に向かって頭が高いぞっ」(剣の柄を握り、抜きかける)
070 エーベル 「良い、控えろ」(兵士を手で制す)
071 兵士 「ハッ」
072 エーベル 「隠すつもりはなかった。すまない」
073 ティアランス 「王…だと」(エーベルを眺めまわし、再び呟く)
074 エーベル 「また機会があれば話そう」(踵を返し、立ち去る)



【夜中の木陰の下】(今までも何度もエーベルを呼び出し、密会をしていた)

075 ティアランス 「そちとこうして話すのも何度目になるかの」(楽しげに)
076 エーベル 「ティアランスも暇だな、私と話したいとは」(ため息交じりに現れる)
077 ティアランス 「そちと話しているとほっとする」
078 エーベル 「そうか」
079 ティアランス 「そろそろ余の正体を明かそう」
080 エーベル 「正体?」
081 ティアランス 「余はシュナ国の次期王と言われておる」
082 エーベル 「シュナ国の王候補だと」
083 ティアランス 「どうだ、驚いたか?」(満足そうなに笑いながら)
084 エーベル 「あ…あぁ」(目をしばしばさせる)
085 ティアランス 「だが、余は王などなりとうない」
086 エーベル 「何故だ?」
087 ティアランス 「他にも候補者がおるしそれを奪ってまでなるほどのものでもない。それに余は女であるから…」
088 エーベル 「女だと!?」(大声あげてティアランス見る)
089 ティアランス 「なっ、驚くところが違うぞっ。もしかしてそちは余が男だと思っておったのか?」(頬を染め、怒る)
090 エーベル 「あ、あぁ…」
091 ティアランス 「無礼であるぞ」
092 エーベル 「すまない」
093 ティアランス 「まぁ、色気がないのは認める…」
094 エーベル 「まぁ、そのなんだ、自分の生きたいように生きるのが最善だと思うぞ」
095 ティアランス 「エーベル…」
096 兵士 「王、そろそろお時間です」(草かげから現れる)
097 エーベル 「もうそんな時間か…」
098 ティアランス 「エーベル、また次も来てくれるか?」(期待する眼差し)
099 エーベル 「あぁ、…少し仕事を片付けてからな」
100 兵士 「では王、こちらへ」(馬の方へ誘導)
101 エーベル 「うむ」
102 兵士 「…恐れながらティアランス殿」(駆け寄って小声で話す)
103 ティアランス 「なんだ」
104 兵士 「エーベル王は一国の王。あなたと付き合うのは不釣り合いかと…」
105 ティアランス 「なんだと?」(顔色変える)
106 兵士 「王と一般の者には明らかな差が…」
107 ティアランス 「余は王族ぞ」
108 兵士 「それは王になってから申されよ」(鋭く言い放つ)
109 ティアランス 「く…」(兵士睨みつける)
110 兵士 「我が王はご多忙の身、そなたのような者に時間を費やしているのが勿体ない」
111 ティアランス 「余の楽しみを奪おうと言うのかっ」
112 兵士 「身分をわきまえろっ」(一喝)
113 ティアランス 「なっ…」(驚く)
114 兵士 「我が王、我が国のため……失礼っ」(一礼して立ち去る)
115 ティアランス 「く…ふざけるなっ」(地面を思いっきり拳ぶつける)
116 エーベル 「ではまた会おう、ティアランス」(優雅に手を振って走り去る)
117 ティアランス 「…余が王になれば、エーベルと対等に…。余が王に…」(自己暗示として呟く)



【夜更けの木の下】(ティアランスがうろうろと待っている)

118 エーベル 「ティアランス」
119 ティアランス 「来たか、エーベル。待ちくたびれたぞ」
120 エーベル 「色々とあってな…」
121 ティアランス 「驚け、エーベル。余はシュナ国の王になったぞ」(自慢するように胸張る)
122 エーベル 「…あぁ」
123 ティアランス 「どうした?もっと驚け。余はそなたと一緒になったのだぞ」(驚かないことに驚く)
124 エーベル 「ティアランス…先代王や兄弟をお前が殺したのか?」
125 ティアランス 「…ん」(口をつぐむ)
126 エーベル 「王たちを殺して王になったのかと訊いているのだ」(怒りを隠しながら冷静を装う)
127 ティアランス 「そうだ」
128 エーベル 「何故だ」
129 ティアランス 「余は王ぞ。そちと同じになったのだぞ」
130 エーベル 「そのために血の繋がりを絶つのか」
131 ティアランス 「喜べ、余が王ぞ」
132 エーベル 「あれほど嫌がっていたのに…」
133 ティアランス 「そちのために王となったのだ」
134 エーベル 「…変わったな」
135 ティアランス 「そちに合わせるために余は変わった」
136 エーベル 「どうして王などに生まれたか…」(額に手を当てる)
137 ティアランス 「…エーベル」
138 エーベル 「すまない、ティアランス。王になったのであれば、私は今後お前とこうして会うことはできない」
139 ティアランス 「何故だっ」(怒鳴りつける)
140 エーベル 「一国の王同士、こうして話し合っていれば他国に妙な噂が立つ」
141 ティアランス 「余の国とそちの国で同盟を組めば…」
142 エーベル 「今はそれができないのだ」
143 ティアランス 「何故」
144 エーベル 「今同盟を組めば、お前の国が危険にさらされる」
145 ティアランス 「それでも…」
146 エーベル 「私にこれ以上幻滅させないでくれ…」(頭抱え立ち上がる)
147 ティアランス 「エーベルッ」
148 エーベル 「身分も関係ない身に生まれたかったな…お互いにな」(立ちどまり、呟き、立ち去る)
149 ティアランス 「…どうして、どうして余の心をわかってくれないのだ」(涙が溢れ、悔しそうに泣く)



【シュナ国王室】(ティアランスのもとに兵士が入室)

150 兵士 「リブ国が侵攻。国境付近に大軍が…」
151 ティアランス 「エーベル…やってくれるな。余は迷わぬ…」
152 エーベル 「ティアランスを放っておいては危ない…もう奴は…」
153 ティアランス 「…王であるエーベルの身柄を生きたままで捕らえよ」(兵士に命令)
154 エーベル 「何もかも見失っている」
155 ティアランス 「余を認めさせるのだ!エーベルに…国々に…全世界に!!」(剣を抜き、高々と掲げる)






作者のツブヤキ
 最後の作業時に眠くてティアランスの台詞数を十数回数え直した月宮です。
よし、大丈夫だと思って数えているとじうしても36と真ん中あたりまできたところで必ずダウン。
40超えた時もそこでダウンのため、1から数え直し。
うーん、一回眠いなとか、フネこいだ場合は何回数えても数え終えることはできないんだなって学びましたよ。

『たがえし』で打つと一回で変換できないので、『ちがうし』で打って変換して、『違うし王』ってなって
この王違うんだけどッ!って謎突っ込みが脳内に入って勝手にツボりました。

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