シナリオ詳細 | |
掲載元 | 声物語劇団 公式サイト 声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場 |
作者 | 月宮東雲 |
登場キャラ数 | ♂:2♀:4 |
総セリフ数 | 107 |
製作日 | 2010/5/9〜2010/5/9 |
概要説明 | 過激派の女性改革団体の紅蓮隊の本部が政府より襲撃を受け、壊滅的になったことによって、 反撃の勢いが増した、新月に全団体が一斉に大蔵大臣邸を襲撃する計画に。 裏切り者と疑われる、かりんは林のもとに訪れるが…林からは意外な言葉が…… |
利用にあたって | 利用規約 |
目安時間 |
登場キャラ | セリフ数 | 性別 | 備考 |
朝霧雫 (あさぎり しずく) |
30 | ♀ | 氷華隊隊長。男らしく、大雑把なところが多々あり。あずさとは幼少の頃から育ち、慕っている。一人称オレ |
天満あずさ (てんま あずさ) |
9 | ♀ | 氷華隊副隊長。隊長を慕う忠誠心の強い、頭のよく切れる。氷華隊のまとめ役。 |
姫宮殊音 (ひめみや ことね) |
5 | ♀ | 氷華隊奇襲部隊隊長。甘い物には目がなく、部下を使って甘味処を調べている。12歳の小さい元気娘。 |
川月かりん (かわつき かりん) |
20 | ♀ | 氷華隊二番隊長。隊長級では一番女の子らしさがある(?)甘い物同盟を殊音と結んでいる。 |
斉藤龍太 (さいとう りょうた) |
23 | ♂ | 夢狼軍リーダー。お人好しな一面を持ち合わせた人物。朝倉とは幼馴染で林とは師弟関係 |
林和樹 (はやし かずき) |
21 | ♂ | 学問所の先生として、新政府のあり方を説いてきた。志ある斉藤たちの成長を見届けるためについてきた。哲学者 |
001 | あずさ | 「紅蓮隊の本部が政府の襲撃を受け、壊滅的なダメージを受けた」 |
002 | 雫 | 「幸い、隊員たちは方々に散り、再起のタイミングを見計らっている」 |
003 | 殊音 | 「ありゃりゃ…災難だったね…」 |
004 | あずさ | 「我々も他人事ではない。尾行などには十分気を付けてもらいたい」 |
005 | 殊音 | 「殊音たちは大丈夫なんだけどねー…」 |
006 | 雫 | 「かりん…か」 |
007 | あずさ | 「…隊長、いつまでも甘い顔していては隊に示しが…」 |
008 | 雫 | 「あの子はここに似つかわしくなかったのかもしれないね」 |
009 | あずさ | 「近頃、男のところで寝泊りを繰り返している。裏切りの可能性も考え…」 |
010 | 雫 | 「あずさ、それ以上は言うなっ」 |
011 | あずさ | 「…いつまでも放置しておくわけにもいくまい」 |
012 | 雫 | 「…それで、紅蓮隊の動きは?」 |
013 | あずさ | 「紅蓮隊の報復に乗じて女性革命派の団体全てが集結し、来る新月の夜に、大蔵省大臣の館を襲撃」 |
014 | 殊音 | 「氷華隊も加わるの?」 |
015 | あずさ | 「必然だろうな…」 |
016 | 雫 | 「全団体で抗議を兼ねた反乱だな」 |
017 | あずさ | 「参加しなければ、裏切り者として他の団体から攻撃を受けることになるだろう」 |
018 | 雫 | 「集結した中、叩かれれば被害は甚大だと思うところはある」 |
019 | 殊音 | 「…大体、全団体参加なら全員が出陣する必要はないと思うんだけどな」 |
020 | あずさ | 「少なからずとも我々はいかねば示しがつかぬだろうな…」 |
021 | 雫 | 「…来る新月の時に備えよっ」 |
022 | 殊音 | 「了解っ」 |
023 | 雫 | 「かりん…俺には処分なんてできない…」 |
024 | 斉藤 | 「…一週間後の大蔵大臣の警護、噂じゃ武装蜂起が起こる話だし」 |
025 | 雫 斉藤 |
「勘弁してくれ…」 |
026 | 雫 | 「ん?」 |
027 | 斉藤 | 「え?雫さん?」 |
028 | 雫 | 「斉藤か?」 |
029 | 斉藤 | 「なんでこんなところに…」 |
030 | 雫 | 「それはこっちの台詞だ。男のお前が何故、甘味処に」 |
031 | 斉藤 | 「糖分摂取さ」 |
032 | 雫 | 「なら、俺も糖分摂取だ」 |
033 | 斉藤 | 「団子で糖分摂取も何もないだろ」 |
034 | 雫 | 「な…、みたらし団子のタレには砂糖が使われているんだぞ」 |
035 | 斉藤 | 「それは知らなかった」 |
036 | 雫 | 「なんか悩み事か?思い詰めた顔していたから」 |
037 | 斉藤 | 「んー…それより雫さんの方もだろ」 |
038 | 雫 | 「俺の方は大したことないからさ」(引き攣った笑顔) |
039 | 斉藤 | 「何が大したことないんだか……いや、近頃の女性改革派の事件のことで物騒だなって」 |
040 | 雫 | 「最近始まったことではないだろ」 |
041 | 斉藤 | 「あぁ、そうなんだが…、新月の夜に武装蜂起するという噂があって…」 |
042 | 雫 | 「な…なんだと」(目を見開く) |
043 | 斉藤 | 「雫さんもそうだが、戸をしっかり締めて家にいないと危ないぞ?」 |
044 | 雫 | 「斉藤、その話はどこからっ?」(斉藤の肩つかむ) |
045 | 斉藤 | 「あ、いやっ、その…噂さ噂。風の噂で聞いたんだ」 |
046 | 斉藤 | 『今更ってのはあるけど…政府側の人間ってバレるのもな…』 |
047 | 雫 | 『斉藤のような者まで知っているというのであればとっくに政府は知っているということになる…罠かっ』 |
048 | 斉藤 | 「出歩きたくない世の中になりつつあるわけだ…」 |
049 | 雫 | 「あっさり男たちが政権引き渡すと争いは終わるだろうけどな」 |
050 | 斉藤 | 「雫さんは女性改革派?」 |
051 | 雫 | 「あ、いや…同じ人間なのに女と男とを比べられるのが悔しいというか…」 |
052 | 斉藤 | 「確かに…同じ人間…。同じ人間なのにどうして争うのかな」 |
053 | 雫 | 「男たちが優越に浸って、女は劣等と決めつけているからだろ」 |
054 | 斉藤 | 「…人を殺して変わるものなのか」 |
055 | 雫 | 「今、政治を動かしている者を一新できれば必ず変わる」 |
056 | 斉藤 | 「殺された奴は今まで生きてきた人生を否定されるわけだぜ?母親が苦しんで生んで、苦労して育てた人間が」 |
057 | 雫 | 「思想が合わなければ共生することはできない…違うか?」 |
058 | 斉藤 | 「消しあっていればいずれ滅びる。思想統合だ」 |
059 | 雫 | 「なら…女たちは泣寝入りしろというのかっ」 |
060 | 斉藤 | 「…わからない。それが正しいとは俺は宣言できない。だが、人殺しは人殺しだ。それは正しいとは言えない」 |
061 | 雫 | 「…正しいことばかりでは世の中は動かないということだな。お互い…」 |
062 | 斉藤 | 「……と、すまない。つい雫さんの前でこんなことを。忘れてくれ」 |
063 | 雫 | 「いや、悪くない考えだった…。俺は行く」 |
064 | 斉藤 | 「え?」 |
065 | 雫 | 「またな」 |
066 | 斉藤 | 「あ、あぁ。……って、団子の勘定忘れてるぞっおぃ…」 |
067 | 林 | 「つかぬことをお聞きするが…川月さん」 |
068 | かりん | 「はい」 |
069 | 林 | 「最近、いつもいる方々とあまり関係が良くないのではないですか?」 |
070 | かりん | 「え?」 |
071 | 林 | 「原因は私だとは思いますが…」 |
072 | かりん | 「そんなことはっ…」 |
073 | 林 | 「無意識かもしれませんが、かりんさんの顔にも出ていますよ、憂いの表情が」 |
074 | かりん | 「気のせいですよ…気のせい…」 |
075 | 林 | 「…別れましょう」 |
076 | かりん | 「え?」 |
077 | 林 | 「駄目ですよ。大事な仲間たちを私のためなんかに捨てちゃ」 |
078 | かりん | 「そんな…」 |
079 | 林 | 「友というのはかけがえのない大切な方ですよ。目先の幸せなんかで失ってはいけないほどの」 |
080 | かりん | 「でも、林さん」 |
081 | 林 | 「でもも、しかしもありません。川月さんは明日から私に会いに来てはいけません。いいですか?」 |
082 | かりん | 「何でですか…」 |
083 | 林 | 「…幸せになるためにです。いえ、不幸にならないため…ですかね」 |
084 | かりん | 「意味がわかりません」 |
085 | 林 | 「えぇ…わからないかもしれません。ですが、次会ってしまったら不幸になりますよ?」 |
086 | かりん | 「なんですか、その死神みたいな言い方」 |
087 | 林 | 「ここで終わりにしましょう。思い出は美しいまま留めておきましょう」 |
088 | かりん | 「林さんっ、何か隠してますよね」 |
089 | 林 | 「…かりんさんも私に隠していることありますよね」(目を細め、睨む) |
090 | かりん | 「ッ…」(一歩退く) |
091 | 林 | 「私からのお願いですよ。川月さん」(元の笑顔に戻る) |
092 | かりん | 「納得できません」 |
093 | 林 | 「…では、少しだけお話しましょう。一週間後、ある事件が起きるからです。私はそれに巻き込まれなければいけない」 |
094 | かりん | 「林さんが…?」 |
095 | 林 | 「話せるのはそこまでです。まかり間違ってもその時会ってしまえば…全てが終わります」 |
096 | かりん | 「…難しくてわかりません」 |
097 | 林 | 「…簡単にいえば、今すぐみんなの所に戻りなさいということです。そして幸せに暮らしなさい。女性には幸せになる権利がある」 |
098 | かりん | 「……林さん」 |
099 | 林 | 「同じ人間。男も女も幸せになるべきであり、独り占めしていいものではないです。幸せはね」 |
100 | かりん | 「…林さんがいることで私は幸せなんです」 |
101 | 林 | 「幸せになることが怖い。私は幸せになりたくないんですよ」 |
102 | かりん | 「何でですか?」 |
103 | 林 | 「失った悲しみに押し潰されてしまうから。です」 |
104 | かりん | 「…そんな心配していたら前に進めませんよ」 |
105 | 林 | 「いつしか私は歩くことをやめていたんでしょうね…」 |
106 | かりん | 「一緒に前に…」 |
107 | 林 | 「いいえ、私より前を進みなさい。さ、行きなさい」 |
作者のツブヤキ |
いよいよ終わりの時。 次回は新月の時。全てを終わらせる気で意気込む他の女性改革派たち。 荒れに荒れる最後の結末は如何に。 |
(※どの作品からのコメントなのか、URLのfree/○○○.htmlの『数字3桁のみ』の後、続けてコメントを記載して頂けると助かります) |