君のための魔法仕い4

君のための魔法仕い4

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :1:1不問:2
総セリフ数 107
製作日 2009/11/11〜2009/11/13
概要説明  冬。ケーキを買って竹人の家に帰るとメールをしてからしばらく帰ってこないあかり。
心配する要素が増える中、不安を紛らわせるためつけたテレビは近所で起きた通り魔事件の放送ばかり。
不安に堪らず、駆け出した竹人の目の前につきつけられた事実は…
>>第1話 >>第3話
利用にあたって 利用規約
目安時間
登場キャラ セリフ数 性別 備考
武宮 竹人
(たけみや たけと)
49 小学の時に父を亡くして母の手で育った高校生。
二条 あかり
(にじょう あかり)
6 武宮家の隣の家に住む薄幸の少女。両親がいつもケンカしていて母親から嫌われている。
サギー 49 いかにもって本から現れた魔法使い。竹人が開くまで竹人の父親に封印されていた。
アナ 3 ニュースアナウンサー。性別問わず。






【竹人の部屋】(あかりからメールにてケーキ買って帰るとのこと)

001 サギー 「正真正銘のアホだな。あんな魔法で5年消費するなんて」
002 竹人 「アホじゃないさ。あんな様子じゃ、あかりが何するかわかったもんじゃないしな」
003 サギー 「好きな奴なんだろ?勿体なかったぜ」
004 竹人 「明るい元気なあかりの方があんな病んでるのより好きだからな」
005 サギー 「ほぅ…」
006 竹人 「しばらく落ち着くまで僕の家にいることになったしさ。まともなチャンスは結構何度もあるさ」
007 サギー 「何度も…ねぇ」
008 竹人 「あ、それとあかりが滞在中、父親が連れ戻しにこないようにしたいんだけど…その魔法って何年消費する?」
009 サギー 「人の頭をいじることになるから8年くらいか」
010 竹人 「8年か…」
011 サギー 「あくどいな。ついに化けの皮が剥がれたか。監禁と同じだぜ、家に連れ込んで連れ戻せなくするなんて」
012 竹人 「軟禁だな」
013 サギー 「似たようなものだろ」
014 竹人 「あかりを危険な目に遭わせられないからさ」
015 サギー 「超過保護」
016 竹人 「あかりに仕える専属魔法使いだからさ」
017 サギー 「…専属魔法使いねぇ」
018 竹人 「僕さ、思い出したんだ、10年前のこと」
019 サギー 「10年前のこと?」
020 竹人 「幼稚園の時にあかりとよく遊んでいて、川原で約束したことがあって…『僕が君のための魔法使いになる』って。それであかりを幸せにするんだって」
021 サギー 「ほぅ…」
022 竹人 「あの時、『10年間降りかかる不幸から守られるように』って言ってたんだ」
023 サギー 「10年だったらそろそろ切れるんじゃないか?」
024 竹人 「12月24日。そこでちょうど10年だ」
025 サギー 「まぁ、お前が魔法使いだったらという仮定ならな。魔法使いでなければただの戯言だ」
026 竹人 「魔法使いだった。その時にはすでにお前と契約していた」
027 サギー 「お?」
028 竹人 「父親にばれて今の今まで記憶を消されていたし、お前は封印されていた」
029 サギー 「封印とは聞こえが悪いな。自分の意志で寝てただけだよ」
030 竹人 「いや、封印だった。父親の命をお前が奪った」
031 サギー 「確かに結構寿命はもらったけどさ。結局自分の選んだ道で死んだんだぞ」
032 竹人 「…死んだお父さんは戻ってこない。今は今だ。…もうすぐ、魔法が切れるとしたらあかりの不幸は並大抵じゃなかったってことだよな」
033 サギー 「そうだな。はなたれのお前が魔法をかけた御蔭で二条あかりは今日まで生き延びていた」
034 竹人 「…というと」
035 サギー 「二条あかりはとっくの昔に死んでいるはずだったってことだ」
036 竹人 「じゃあ、魔法が切れたら…」
037 サギー 「死ぬな、確実に。敷き詰められたレールの終着駅に着いちゃうんだから」
038 竹人 「そろそろ帰ってきてもいい時間なのに…」
039 サギー 「テレビでも観ながら待てばいいさ」
040 竹人 「…あぁ」
041 アナ 「今朝未明、雨宮町三丁目の路上で何者かに刃物で刺されたとの通報があり…」
042 竹人 「思いっきり近所じゃん」
043 アナ 「似たような手口から警視庁は同じ犯人である…」
044 サギー 「こいつはまだ捕まっていないし、ここらへんに潜んでいるとされる」
045 竹人 「外出は控えた方がいいわけか」
046 アナ 「無差別ということから通り魔であると…」
047 竹人 「何か引っ掛かる…このニュース…」
048 サギー 「ここらで忠告を兼ねて言うが、お前残り寿命考えて魔法使ってるか?」
049 竹人 「残り寿命が分からないから特に考えていない」
050 サギー 「それって結構危険だぜ」
051 竹人 「さあな。今が大事さ…それよりお前って誰かの様子を知ることもできるのか?」
052 サギー 「まぁな。お前が望んだ願いなんていくらでも叶えられるぜ」
053 竹人 「…ふむ」
054 サギー 「使うのか?魔法」
055 竹人 「いや。使わない。自分で捜す」
056 サギー 「間に合うかよ」
057 竹人 「あかりの身に何かあったのか?」
058 サギー 「さぁ…?」
059 竹人 「使えない魔法使いだな」
060 サギー 「魔法使いは君なんでね」
061 竹人 「そうやって魔法を使わせて命が消えるのを待ってるんだろ」
062 サギー 「ただ楽しんでいるだけさ」



【帰り道】(暗くなった夜道を急ぎ足で帰路につくあかり)

063 あかり 「よし、ケーキも買ったし。早く帰らないと、たけ君たちに心配かけちゃうな」
064 あかり 「道も真っ暗で…あ、痛ッ…すみません」(人とぶつかる)
065 あかり 「あれ…力が……何こ…れ…」(膝をついて倒れる)
066 あかり 「何で…倒れてる…の?」
067 あかり 「動け…力が……帰ら…ないと……」
068 あかり 「心…配………た…け…くん」



【夜道】(あかりを捜し続ける竹人)

069 サギー 「宛てはあんのか?」
070 竹人 「帰る場所は家しかない。他による場所もないことを考えれば、通学路近辺を捜せば見つかるはず」
071 サギー 「そんなもんかねぇ…」
072 竹人 「お前の策略にはもうはまらない」
073 サギー 「ひゅー、愛されてるねぇ俺」
074 竹人 「言ってろ」
075 サギー 「もしかして魔法使いになったこと後悔しているかい?」
076 竹人 「別に。後悔はしていない。結局自分の意志で好き好んでなったんだ」
077 サギー 「たとえそのせいで自分の未来を失ったとしても?」
078 竹人 「後悔は全くしないというのは嘘だ。けど、後悔はしたくないね」
079 サギー 「複雑なこと言うなぁ」
080 竹人 「少しは悩め。人間だけ悩むのは理不尽だから……あかりっ!」
081 サギー 「あーぁ、見つけちゃった」
082 竹人 「嘘だろ…しっかりしろよっ」
083 サギー 「君の予感どおり、連続通り魔に刺されたよ」
084 竹人 「そんなっ、すぐ救急車をっ」
085 サギー 「今日は交通が規制されている。ここまで到着するには30分以上はかかる」
086 竹人 「そんなんじゃ、あかりは死んじゃうだろうがっ」
087 サギー 「そう。死んじゃう。…二条あかりはここで死ぬ運命なのさ」
088 竹人 「そんなことないっ」
089 サギー 「さっきも言ったろ。お前が変な魔法をかけたお蔭で二条あかりの寿命は今日まであった。いや、せいでと言った方がいいか」
090 竹人 「ふざけんなっ。命をかけて守ってきた女の子を運命だとか魔法が切れたとかで殺させっかよっ!!」
091 サギー 「で、どうするって?」
092 竹人 「あかりを助ける」
093 サギー 「人間の命、運命は安くないぜ?」
094 竹人 「死んだ人間は生き返らせられないんだ。今のうちに助けておかないとっ」
095 サギー 「ホントにいいんだな?」
096 竹人 「そして命のほかに来ないという救急車も来させる」
097 サギー 「かるく見積もって30年と3年」
098 竹人 「よし、実行」
099 サギー 「救急車はさすがにばかじゃねぇか?」
100 竹人 「どうせ命を助けると言ってもすぐに手当しなきゃ間に合わない。早め早めの対処をしないといけないさ」
101 サギー 「お前には呆れた。楽しむってよりは呆れた」
102 竹人 「呆れられたって、愛想尽かされたって僕は僕だから」
103 サギー 「…死んで化けんなよ」
104 竹人 「あかりの命を助け、救急車もすぐに来るように!!」
105 サギー 「33年ねぇ…。もう救急車きやがった…」
106 竹人 「あかりは僕が守る…まもってやる…」
107 サギー 「貪欲の亡者たちに見せたい魔法仕いの鑑だぜ」






作者のツブヤキ
 最初のシナリオ構築の際、このシーンも頭に描いていました。
ただ、街中での人気のない路地裏的な場面を浮かべていただけに通学路に倒れているという変更は
自分の中での結構なイメージ破壊でした。
しかし、ここまで切羽詰った状況になると人は自分の命まで投げ出すようですが・・・
あなたは大事な人にそんなこと、できますか?

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