里程標

里程標

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :4不問:1
総セリフ数 53
製作日 2009/10/29〜2009/11/4
概要説明  未来化が進んだこの都市の国立研究機関の地下研究所では人工生命体の製造が行なわれていた。
発注したのはとある宗教団体。目的は教祖と崇めるべき偶像の人工生命体の誕生。
ガラスケースの水槽に閉じ込められた少年はまだその事実を知る由もない。
利用にあたって 利用規約
目安時間 6分程度   【〜10分】
登場キャラ セリフ数 性別 備考
少年 18 水槽の中で育てられている人工生命体。驚異の力の持ち主。
シーゼ 5 セントレイ教の幹部。少年を受注した男。
主任 17 少年の育て親で研究室の最高責任者。少年をかわいがっている。
研究員 8 研究室の研究員。一部は少年の力を欲し、勝手な研究をはじめる者も。
所長 5 欲にまみれた太ったおっさん。金のためなら違法研究も行う






【研究室内】(水槽内に少年が眠っている前で話す白衣の男たち)

001 所長 「もう直完成だ」
002 シーゼ 「この計画も失敗ではなかったのですね」
003 少年 ――完成…?計画?…何の話だろ…
004 シーゼ 「もう出してもいいでしょう?出し惜しみなどせず…」
005 所長 「いや、とんでもない!?今出せば彼は外気に触れ、溶けてしまうだろう」
006 シーゼ 「そうすれば我々どころかあなた達も損をしてしまいますからね」(舌打ちをするように)
007 所長 「なに、盗難防止ですよ。盗まれるとコトですから…」
008 シーゼ 「それほど我々が信用されていないですのかな?」
009 所長 「いやいや…別にあなた方を疑ってる訳じゃありませんよ。えぇ」
010 少年 ――ここは…
011 所長 「さ、部屋の方でおくつろぎ下さい」
012 少年 ――僕は水槽の中にいる…
013 シーゼ 「いやいや、長居している暇はないのでね。これにて失礼するとするよ」
014 少年 ――僕の生まれはここであり、何かの実験体。名前は分からない…僕の命は先程のような人たちに握られていて、生命はこの装置で維持している



【研究室内】(時間経過…日常へ)

015 主任 「はじめまして、君のことを研究しているグループの主任のシンジだ。…眠っているのだろう。まぁ、とにかくしばらくの間、よろしくな」
016 主任 「GH122295…。まだ目が覚めないかな?僕は君には早く外の世界を知ってもらいたくてワクワクしている。外は自然が少ないが、少ないなりにまたいい自然ができているのだ」
017 少年 ――外の世界?窓のないこの研究室。外はどんな風になっているのだろう…いつしか僕は外の世界に憧れを持つようになっていた
018 主任 「今日も眠っているか…。君はいつ目を覚ますのだろうな?…聞いてくれ。今、君と同じ人造人間を造っている。順調なんだ。直に弟ができる。今度は妹でも造ってあげようか?ははは」
019 少年 ――弟か…。楽しみだな
020 主任 「…GH122295。君には知っておいてもらいたいことがある」
021 少年 ――主任の様子がいつもと違う…
022 主任 「君は見たことがないかもしれないが、いつの日にかこの研究室に偉い人と所長が来たことがあるんだけどね…」
023 少年 ――知ってる…。あの太った人と痩せた人だ
024 主任 「その来訪者がある宗教団体の幹部なんだけど…君はその団体に買われたんだ。だから君は直に、そこへ行かなくてはいけないんだ」
025 少年 ――…僕は売られた?
026 主任 「僕も君と別れるのはとてもとても辛い。…君は五月蠅いのと離れられ、嬉しいのかな?…とにかく近い内に君とはさよならなんだよ…」
027 少年 ――うるさくなんかなかった。楽しかった…楽しかったよ
028 主任 「…おやすみ、GH122295」(去って行く)



【翌日】(いつも以上にはりきる主任)

029 主任 「さぁ、仕上げを始めよう!」
030 研究員 「主任っ、GHS545345に異常が!!体温が急上昇中です!」
031 主任 「一体何が…?」
032 少年 ――弟?…何が起きているんだろう
033 研究員 「……121…134…157…主任!水温が限界です!」
034 主任 「冷却をしてGHS545345を救出するぞ!!」
035 研究員 「水槽の内部から音が…」
036 主任 「液体が沸騰しているからだろっ」
037 研究員 「いえ、沸騰の泡立つ音ではなく別の…」
038 主任 「別の…?」
039 研究員 「衝撃音のような…」
040 主任 「なっ」(水槽を粉砕し、弟が出て来る)
041 研究員 「主任ッ、制御できません!!」
042 主任 「取り押さえろ!彼を外に出しては駄目だッ!」
043 少年 ――主任、逃げて下さい!!
044 少年 目の前で命を散らして行く研究員たちを見て僕は水槽の名中で叫んだ
045 研究員 「そんな…そんなつもりはなかったのに…」
046 少年 ――そうだ。この人だ。この人が昨日の夜、弟に何か入れてた
047 研究員 「何で…何でこんなことになっちゃうんだよ…」
048 主任 「さぁ、君がいるべき場所へ帰ろう」
049 少年 ――だめっ!主任。近づいちゃっ
050 主任 「もう殺戮はやめよう…」
051 少年 ――主任ッ
052 少年 研究室の被害は大きく、閉鎖となり、僕は一人水槽の中で日々を過ごすことになった。今までのように主任は話しかけてくれない。研究員たちも愛想よく笑ってはくれない…。
053 少年 ――こんなことになるんだったら、目を開けて皆と話せばよかった…。






作者のツブヤキ
 2年くらい前の小説から抜粋してみました。意外と難しいですね。
やはり小説だと描写が多かったため、台詞だけで表現しようとすると色々と課題が残る。
この里程標…マイルストーンって読むのですが、リメイクを2回くらいしていて、コミケでも販売したことが…
ただ、その時は少年が少女って設定だった気がします。原作は少年ですよ。
未来系の物語なんて滅多に書かないですから(笑)

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