夏祭り-10年後の約束-

夏祭り-10年後の約束-

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :2:2
総セリフ数 137
製作日 2009/4/28〜2009/4/30
概要説明  毎年恒例の地域夏祭り。高校から離れ離れになった幼なじみと一緒に回る機会。
夏祭りの前日に突如彼女が行けなくなったとメールが届く。
それでも来ることを信じて待ち続ける彼。彼女がかなり遅れてやってきたが、彼を見た瞬間逃げ出した。
追い詰めた彼女が話した話は……
利用にあたって 利用規約
目安時間 8分程度   【〜10分】
登場キャラ セリフ数 性別 備考
菊谷 義之
(きくや よしゆき)
65 詩織と幼なじみ。幼なじみの感覚で付き合ってきたため詩織のことを好きだという意識がない
清原 詩織
(きよはら しおり)
42 義之のことを密かに思い続けてきた。留学で海外に引越すことが急に決まった
小林 恵
(こばやし めぐみ)
11 日野の彼女。性格スタイル顔ともによし。女の勘が冴えているらしい
日野 亮
(ひの りょう)
18 義之の親友。困った時の相談相手だが、最近彼女ができました






【帰宅中】(自転車を押しながら並んで歩く)

001 詩織 「あ、そろそろ夏祭りなんだねー」
002 義之 「どうした突然。どうやったら散歩マッチョのおっさんの話から飛ぶんだ?」
003 詩織 「違う違う、あれあれ!そこの地域掲示板にお知らせ貼ってあるでしょ、それ見て言ったの!」
004 義之 「来週かー」
005 詩織 「毎年参加してるもんねー」
006 義之 「去年参加してないだろ」
007 詩織 「えー?参加したよ」
008 義之 「じゃ、浴衣何色だった?毎年替えているだろ」
009 詩織 「赤の青帯」
010 義之 「それ一昨年」
011 詩織 「青に黄色の帯」
012 義之 「それ三年前」
013 詩織 「えー、黒の花火柄のは?」
014 義之 「小六の時じゃんか」
015 詩織 「嘘だぁー、絶対参加したよー」
016 義之 「お前が前日、ずぶ濡れで帰って寝込んでたんじゃねーか」
017 詩織 「えー、えー?うそー?」
018 義之 「ホント。お蔭様で花火はお前の家で音だけ楽しむことになったんだろうが…」
019 詩織 「おっかしいなー…」
020 義之 「おっかしいのはお前の頭だ!」
021 詩織 「じゃ、じゃ、今年こそは!」
022 義之 「緑か?」
023 詩織 「〜〜ッ!?」(慌ててスカート押さえて声にならない声を発する)
024 義之 「何やってんだ?」
025 詩織 「ののの覗きはよくないよ、よっしー!!」
026 義之 「今年の浴衣の色を予想しただけなんだけど…」
027 詩織 「え?」
028 義之 「もしかして詩織…」(スカートをジロジロ見る)
029 詩織 「何でもないっ、ちょっ、ジロジロ見ないでよ!」
030 義之 「そっかそっかー」
031 詩織 「じゃ、来週の祭りの前にメールするね」
032 義之 「おう。またな」



【祭りの前日】(急に行けなくなったとのメールが届く。怒って電話をかける義之)

033 義之 「ごめん、急に行けなくなった…。でなんて納得できるかよっ!」(電話かける)
034 義之 「おいっ!」
035 詩織 「ひぅっ…」(驚いて声をあげる)
036 義之 「突然行けなくなりました。じゃねーよっ!説明しろっ」
037 詩織 「ほんとにほんとにごめんね…」
038 義之 「風邪とかじゃねーんだろ?風邪とかじゃだったらぶっ飛ばすからな」
039 詩織 「違う…」
040 義之 「じゃ、なんなんだよっ」
041 詩織 「行けなくなっちゃたの…」(泣きそうな声)
042 義之 「何でだって聞いてんだろうが」
043 詩織 「ごめん…」
044 義之 「あぁ、もういいよ。人が折角心配してやってんのに。好きにしろ!」(電話切る)
045 義之 「人を馬鹿にしやがって…行きたいつったのあいつだろうが…」



【夏祭り当日】(待ち合わせ場所で待ち続ける義之)

046 「よーっす、よしー」
047 義之 「おぅ。日野も夏祭り来たんか」
048 「まぁなー。彼女連れて散歩。みたいな」
049 義之 「ったく、余裕こいてんな散歩って。デートって言えよ、デートって」
050 「こんばんは。小林 恵です。よろしくお願いします」
051 義之 「あぁ、おう。何をよろしくすればいいのか分からないけどな」
052 「俺の彼女だ。とるなよ?」
053 義之 「とらねーよっ」
054 「ま、よしーには許嫁みたいなもんいるしな」
055 義之 「許嫁?」
056 「しおりんだよ。どうせ今日も待ってんだろ?」
057 義之 「鋭いねー」
058 「女の勘です」
059 義之 「は?日野は男だけど……女になったのか?」
060 「あ、いやメグみんの入れ知恵でさ、あははは。お前見つけて話してたらメグみんが『絶対彼女待ちですよ』って言うもんだから」
061 義之 「なるほど」
062 「ね、ね。当たったでしょ?」
063 「くそぅ、絶対迷子になって休んでるのかと思ったのに…」
064 義之 「人をいくつだと思っていやがる…」
065 「チョコバナナでいいよー」
066 「仕方ないなー。あとでな」
067 義之 「人で賭け事をするな…」
068 「んじゃ、楽しんでくるんでまたなっ」
069 「失礼しますー」
070 義之 「おう!楽しんで来いよ」
071 「お前もな」
072 義之 「……はぁ、やっぱマジで来ないのかよ…」(呆れたように)
073 義之 「待ち合わせで2時間も待つって馬鹿だろ。待ってたらなんとなく来る気がしたんだけどな」
074 「おぉうっ!?よしーまだいたのか?俺ら5周目だぜ?」
075 義之 「おう。1時間振り」
076 「彼女さんまだ来ないんですか?」
077 義之 「彼女ってもんでもないけどな」
078 「しおりん今日夏祭りって知ってんだろ?」
079 「知っていて待たせるなんてひどいですよ」
080 義之 「いや、昨日急に行けなくなった言われてさ…それでも来るかなって…」
081 「正真正銘の馬鹿だろ」(呆れたように)
082 義之 「おぅ、だな。目、醒めたわ」
083 「早く彼女作ってそいつにその馬鹿を見せてやれ」
084 「真っすぐなんですね。でもそれっていつか損しますよ?」
085 義之 「ま、あとちょっとだけ粘ってみるわ。10時まで」
086 「馬鹿やってないで祭り楽しめよ?そう何回もあるわけじゃないんだからよ」
087 義之 「まぁな」
088 「よし、メグみん。また回るか」
089 「はーいっ。じゃ、また菊谷さん」
090 義之 「…ほんと何馬鹿やってたんだろな。来ないって言ってたじゃん」
091 義之 「……あれ、あのお面つけてるのって…詩織?」
092 詩織 「ッ…」(義之が近付いて来たことに気付き駆け出す)
093 義之 「おい、待てよっ」(追いかける)
094 詩織 「ぃゃ…追って来ないでょ…」(涙声で小さく呟くように)
095 義之 「詩織だろ。面つけても分かるんだぞ」
096 詩織 「違います…人違いです」
097 義之 「なら何で逃げるんだよ、待てって…のわぁっ」(つまずいて転ぶ)
098 「ん?あれよしーだよな…女に飢えてストーカーまがいを始めたか?」(遠くで追いかけている義之を見つける)
099 「まがいって言うか追いかけるのは犯罪ですよ。女の人逃げてますし」
100 「友人のよしみで警察に通報しておくか…」
101 「自首してくれるといいですね」



【人気のない林】(追い詰め迫り寄る義之)

102 義之 「鬼ごっこは終わりにしようぜ…」
103 詩織 「……」
104 義之 「お面なんか外せよ…な?」
105 詩織 「だめ…」
106 義之 「何で隠すんだよ…ほら」(詩織のお面を剥ぎ取る)
107 詩織 「やっ!見ないで…」(顔を手で覆う)
108 義之 「泣き腫らした顔なんて久しぶりだな…」
109 詩織 「…うん」
110 義之 「何があったんだ?急に来れないって言ったり…俺から逃げたり」
111 詩織 「ごめんね…ごめん」
112 義之 「謝らなくていいから説明してくれ」
113 詩織 「…うん…」
114 義之 「ほら、話してみ」(肩を優しく叩く)
115 詩織 「私…留学することになっちゃった…」
116 義之 「留学?」
117 詩織 「だから…お祭りにも来れなくなっちゃうし、よっしーにも…会えなくなっちゃう…」
118 義之 「少し歩きながら話そうぜ。折角の祭りなんだし」
119 詩織 「お面つけていーい?」
120 義之 「後ろになら」
121 詩織 「したら顔隠せないよ…」
122 義之 「隠すな隠すな。さ、楽しむぞ。欲しいものあったら何でも言えな」
123 詩織 「うん…」
124 義之 「綿飴食うか?」
125 詩織 「うん」
126 義之 「ほら」
127 詩織 「ありがとう」
128 義之 「ほらほらもっと楽しめって!な?」
129 詩織 「もう最後なんだよ…なんかそう考えると楽しめなくって…」
130 義之 「最後言うな。また来ればいいんだ」
131 詩織 「遠いところに行っちゃうし、長いこと帰って来ないんだよ」
132 義之 「10年待ってやる。な?10年経っても来ないんだったら迎えに行ってやる」
133 詩織 「遠いよ?」
134 義之 「いや、お前が帰って来ること前提だから。10年経ったら帰って来い。遊びに来るだけでもいいから」
135 詩織 「…うん。分かった。10年後…ね」
136 義之 「約束だ」
137 詩織 「10年後のこの夏祭りにまた会えることを信じて…」






作者のツブヤキ
 夏はネタ満載、イベント目白押しデスね。
夏の作品は書いていて楽しいです。夏祭りのほかにも海とか山とかまだまだあるじゃないですか。
夏のラフな格好も好きですよ♪開放的ですし
ごまかしが利かなくなるのでイラストではもろ実力が出てしまうわけなんですけどね。
絵師さんのイラストを見るのが楽しみです。ビバ浴衣。万歳!夏祭り

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