その想いチョコのように溶けて

その想いチョコのように溶けて

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :3:2
総セリフ数 130
製作日 2009/1/9〜2008/1/10
概要説明  戦国から来たという自称侍の火狐と水姫のおかしな共同生活。
季節はいよいよバレンタインデー。一生懸命手作りでチョコを作っていたのだが、火狐が沢山貰っていることに嫉妬する。
すっかりふてくされてしまった水姫だったが……
利用にあたって 利用規約
目安時間 9分程度   【〜10分】
登場キャラ セリフ数 性別 備考
火狐
(ひこ)
37 突然、現世に迷い込んだ戦国の自称侍。周囲からは忍者と呼ばれている。
藤島 水姫
(ふじしま みずき)
38 火狐を見つけ、助け、住まわせている。火狐のことが気になってはいるが…
矢口 光
(やぐち ひかる)
31 水姫の親友。とても頼りになる人気者。ボク口調になったのは演劇部のせいらしい…
木下 達郎
(きのした たつろう)
14 自称、火狐の友人。水姫と絡みたいがために無茶も少々…
駒井 健介
(こまい けんすけ)
11 達郎の友達。達郎の行き過ぎた行動をとめるべく存在するキャラ






【台所】(水姫がチョコレート作りの材料を並べている)

001 水姫 「板チョコに生クリーム…ココアパウダーにトッピングチョコ…」
002 水姫 「喜ぶかな…火狐…」
003 火狐 「姫殿ー、母君は何処(いずこ)ぞに…」(のれんかきわけ、台所に入ってくる)
004 水姫 「バカっ入ってこないでっ!」(慌てて手近なフライパン握り殴る)
005 火狐 「きゅぅぅ〜〜…」(目回して倒れる)
006 水姫 「あ、ごめん。そんなつもりじゃなかったの!!」(慌てて手合わせて謝る)
007 火狐 「姫……何処(いずこ)…?」(寝ぼけている?)
008 水姫 「あにゃにゃ…どうしよぅ……これは見られたくないし、けどここに寝かせとくわけにはいかないし…」
009 火狐 「ぅー…」
010 水姫 「えぇいっ、もう、私の部屋で寝てて!」



【登校中】(水姫と火狐並んで歩く)

011 火狐 「姫殿…某の頭が非常に痛いのだが…」
012 水姫 「私は痛くないもの。そんなこと言われても困るよー」
013 火狐 「いや、昨日のお昼頃、確か台所に向かったはずなのだが…気が付いたら姫殿の部屋で寝ていたという有り様…これはいかなることか…」
014 水姫 「天井裏に潜んでて落ちてきたんでしょ?恐いから天井裏に潜むのやめてね」
015 火狐 「おろ?某が悪いでござるか?」
016 水姫 「そうなの。そうなんだからぁ」
017 火狐 「むー、某の記憶違いでござったか?んー…」(考え込む)
018 水姫 「火狐!」(立ち止まる)
019 火狐 「ほぇ?」(振り向く)
020 水姫 「私のことは『みずき』って言ったでしょ。あなたの言っている『みずひめ』様じゃないの」
021 火狐 「某の中では姫は姫でござるが?」
022 水姫 「姫、姫って呼ばれると恥ずかしいの!」
023 火狐 「女子(おなご)は『姫』と呼ばれると嬉しいと聞き申したでござるが…」
024 水姫 「私は嫌なの。まるで火狐のものみたいじゃない」
025 火狐 「某が姫殿のものなのでござるよ。某は姫に忠誠を誓って…」
026 水姫 『火狐が私のもの……』(ぽーっとする)
027 火狐 「姫殿?姫殿、しっかりされよ」
028 水姫 「はぅ…っ、ととと、とにかくっ、学校では『姫』じゃなく、『水姫』って言うの!分かった?」(必死)
029 火狐 「しょ、承知…」(目パチパチさせながら)



【教室】()

030 火狐 「水姫殿、靴箱に靴じゃない箱が沢山入っていたでござる」
031 水姫 「何か言った?火狐」
032 火狐 「だから、このようなもの…」
033 達郎 「おぉ、朝からお二人登校とはお熱いねー」
034 水姫 「違うセリフないの?」
035 達郎 「…んー、ギブミーチョッコレイツ!」
036 水姫 「ごめん、作る余裕なかったー」
037 達郎 「がっくし…」
038 健介 「諦めろ、藤島は火狐を相手するのに忙しくて他のことに手が回らないのだ」
039 水姫 「別に手が回らなかったわけじゃなかったんだけど…」
040 「君たちにあげるようなチョコは作れなかったってことだよ」
041 達郎 「お?天使降臨か?」
042 健介 「待て、達郎。今貰うと三倍返しだぞ?」
043 「お、健介くん、賢いね。さすが『賢』介く……ありゃ、漢字違ったね。賢いじゃなくて、健康の『健』だったね」
044 達郎 「三倍返しだと…!?」
045 「当然ッ。あ、言い出せない女子に代わって…みんなー、今日貰ったチョコは三倍返しだからねー♪」
046 火狐 「水姫殿、某の机に何者かの荷物が…」
047 健介 「お?火狐のとこ、さりげに沢山あるじゃん」
048 水姫 「……よかったね」(冷たく言い放つ)
049 火狐 「あ、いや、よくはないのだが…」
050 達郎 「お侍様ぁー、その荷物をくだせぇー」
051 火狐 「そなたのか?ここは某の机故、そなたのものは置かないで頂きたい」
052 「三倍返しが恐くない人だけ義理チョコあげるよー」
053 達郎 「やっぱり頂こう!」
054 健介 「早まるな、達郎!」
055 達郎 「妹に馬鹿にされるのはもう嫌なんだ。ホワイトデーに『返す人私しかいないんでしょー』なんて言われるのはー!!」
056 健介 「確かに…年下からそう言われちゃうと傷つくよな」
057 達郎 「だから貰おう!矢口!!」
058 「期待してるよ、タツロー♪」
059 健介 「達郎…」
060 「健介くんはいらないよね。三倍返ししたくないから」
061 健介 「いや、頂こう」
062 「何でもらうのかなー?別にいいけど」
063 達郎 「んわ、やべっ、うんまっ!」
064 「あんがとっ」
065 達郎 「いい嫁さんなれっぜ!」
066 「君の嫁さんにはならないけどねっ」
067 火狐 「水姫殿、何故(なにゆえ)怒られておる?」
068 水姫 「ついて来ないでよ」
069 火狐 「某が何かやらかしたでござるか?姫殿ー」
070 水姫 「もう知らないっ!」
071 「ほぅほぅ、修羅場ですなー」
072 健介 「ふっふっふ、いつものろけられちゃつまんないし」
073 達郎 「こ こ で ?」
074 「愛のキューピット、光ちゃんの登場でしょう♪」
075 健介 「愛のキューピットなんだ」
076 「そだよ。ボク、恋する子たち大好きだから♪」
077 健介 「別に恋してないと思う」
078 達郎 「人より自分の恋、実らせた方が…」
079 「何か言ったー?」
080 達郎
健介
「いえ、何でもありません…」



【屋上】(昼休み、外を眺める水姫)

081 「やっほ、水姫ー」
082 水姫 「光。あ、これ!」(包み渡す)
083 「友チョコ?あんがと♪」
084 水姫 「光の義理チョコ、相変わらず人気だったねー美味しいからかな」
085 「あー、食べたんだ?じゃー、6倍返しかなー?」
086 水姫 「そんなー」
087 「ウソウソ。折角、本命あげよーと思ったのに」
088 水姫 「男の子にあげなよー」
089 「そういう水姫はもうあげたの?」
090 水姫 「え?誰に?」
091 「火狐くんに」
092 水姫 「なななななんで?」
093 「火狐くんが貰っていたらすごくムッとしてたからさ」
094 水姫 「そ、そんなことないよ!」
095 「そんなことなくないよ」
096 水姫 「だ、大体さ、何で私が火狐にあげるの?」
097 「好きだから」
098 水姫 「べ、別に好きじゃないもん…」
099 「自分に正直になりなよ?」
(水姫走り去る)



【廊下】(深く考え込んでいる火狐)

100 火狐 「むむむ…わからぬ。何故(なにゆえ)姫殿はお怒りか…某が何かしたでござるか…?いや、否!断じて、否。しておらん…」
101 「…わっ!」(背後から火狐の両肩をつかんで驚かす)
102 火狐 「わっ!?」
103 「修行が足りないぞ☆」(ニッコリ笑う)
104 火狐 「光殿か…。おどすなでござるよ」
105 「おどかされるなでござるよ、ニンニン☆」
106 火狐 「何用でござるか?」
107 「今日は何の日か知ってる?」
108 火狐 「兄上の日でござるか?2月14日、にいよ…兄よ、兄上よ」
109 「バレンタインデーにこんにちは」
110 火狐 「ば、ばれたいんでー?」
111 「バレンタインデー。女の子が、好きな人にチョコをあげる日なの」
112 火狐 「ほぅ、興味深い…」
113 「だから、火狐くんもー、水姫にチョコねだってみたら?…はい、これ!」(チョコを口に押し込む)
114 火狐 「ふもっ…光殿、そ、それがしのこ…」(顔真っ赤にして焦る)
115 「世の中には義理もあるってこと覚えといてね♪お返し楽しみにしてるよ〜」



【火狐の部屋】(ベッドの上でごろごろしている火狐)

116 火狐 「結局、ねだるどころかお声すらかけられんかった…」(しょんぼり)
117 水姫 「火狐…いる…?」
118 火狐 「いる…でござるよ…」
119 水姫 「入るよ。……火狐、さっきはごめんね…。あんなにチョコ(を渡せる人達が)羨ましくて…」
120 火狐 「某は姫殿のを頂戴しとうござった」(壁に向かって言う)
121 水姫 「これ…受け取っ……嘘、溶けてる…」(蓋開けて愕然とする)
122 火狐 「何でござるか?」
123 水姫 「折角ハート形にしたのに……火狐、こっち向いて」(チョコを指ですくい取る)
124 火狐 「ほぇ?んむっ!?」(水姫の指が口に差し込まれる)
125 水姫 「来年はもっといいの作るからね♪」
126 火狐 「美味ふぃーでふぉふぁるよ♪」
127 水姫 「そんなにしゃぶらないでよー、チョコと一緒に溶けちゃうよ。ほら、まだあるからさ」
128 火狐 「ありがたく頂戴致す」
129 水姫 「ホワイトデー、楽しみにしてるからね♪」
130 火狐 「……ところで、姫殿。ホワイトデーって何でござるか?」(しばらくしてから)






作者のツブヤキ
 久しぶりに長いのを作った気がする(笑)
そしてシリーズ化が無性にしたくなった。忍者っぽい者が現代を生きる。(自称、侍なんだがw)
微妙に3Lと対称的な世界観な気がしますね。あっちはファンタジー、こっちは和風という。
今後もシナリオ、またはボイスドラマとして彼らが活躍していくと思いますので、応援よろしくお願いします。

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