爺ちゃん生還劇

爺ちゃん生還劇

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :3:2
総セリフ数 114
製作日 2008/12/28〜2009/01/08
概要説明  新年の挨拶にと家族総出で実家帰り。
さてお爺ちゃんが新年早々ハッチャけてます。ちょっとのことで魂が抜けてさぁ大変。
お雑煮や普通の餅が出てくる季節になりました。
利用にあたって 利用規約
目安時間 7分程度   【〜10分】
登場キャラ セリフ数 性別 備考

(たかし)
21 小学校低学年のまだ可愛らしい男の子。ちゃっかりしている。
28 主婦歴ン十年の逞しいおばさん。と言ったら殺されます…
11 都合の悪いことだけ聞こえないが、悪口だけは地獄耳。
28 魂の抜け易くなっている。今回の主役。
26 頼りのない父親。母の尻に敷かれているのは言うまでもない。






【駅のホーム】(帰省ラッシュの新幹線から降り、改札口に向かう)

001 「お爺ちゃんに会うのも2年ぶりだねー」
002 「あんたが風邪で寝込むからでしょ」
003 「去年貰いに来なかった分、しっかりお年玉貰わないと!」
004 「ちゃっかりしているな、孝は」
005 「全く、誰に似たのかしら…」
006 「おまえだろ?」
007 「あたし?違うわよ。あたしそんなにがめつくないもの」
008 「よく言うな、俺の背広からちゃっかり諭吉さんを抜き取っておきながら…」
009 「あら、みゆきさんも抜き取ったわよ…?」
010 「みゆき…?」
011 「諭吉さんの恋人かしら?ねぇ?」
012 「あ、いや、夏目さんの知り合いでーたまたま名刺交換したんだ…うん」(焦りながら)
013 「ふーん…あたし、一葉さんとお知り合いになりたいわ。今度連れてきてよ」
014 「あ、あぁ…」(諦め)
015 「さーて、お爺ちゃんはどこにいるかなーへっへっへー」(舌なめずりする)
016 「おぃ、孝。目が犯罪者になってるぞ」
017 「そんなことないよ、父さん」(にっこり)
018 「あ、いたいた。お父さん」
019 「お?こっちじゃ、こっち」(手を振る)
020 「おじいちゃーんっ」(駆け出す)
021 「おぉ、孝。大きゅうなったのー」
022 「どーんっ」(爺の腹へタックル)
023 「ふぐわっ!?」(衝撃で全身に電流がほとばしり、大きく目を見開く)
024 「これは将来有名なラグビー選手になれるな…」(感心)
025 「うぐぅ…」(ゆっくり後ろに倒れる)
026 「ちょっと、お父さん!?」(駆け寄る)
027 「ほげ〜〜〜」(昇天しかけで幽体離脱)
028 「ちょっと、あなた!お父さん戻すの手伝って!」
029 「ほいほいほい…お父さん、戻ってきてくださ〜い」
030 「お父さん、しっかりしてっ」
031 「お父さ〜ん、生きてますか〜?」
032 「お前に『お父さん』なんて呼ばれる筋合いはないっ!!」(がばちょっと起き上がる)
033 「えぇぇー…」
034 「ほふぅ…いかんいかん、孝がお花畑の向こうで大きく手を振っておったわ」
035 「大丈夫なの?お父さん」
036 「なぁに平気じゃ。伊達にン十年も生きておらんわ」
037 「お爺ちゃんの家に行くのが楽しみだよ」
038 「そうかそうか、可愛いこと言うなぁ、孝は」
039 「この子、家でテレビゲームやりたいだけよ。ちゃっかり、ゲーム機本体持ってきているのだから」
040 「………。」(あんぐり)
041 「お父さん、僕が運転しますよ」
042 「うむ、頼んだぞ」



【爺の家】(散々迷った後にたどり着く)

043 「何で自分の家なのにわからなくなるんですかっ」
044 「やっとついたー」
045 「いやぁ、人が運転するもんは分からなくなるもんじゃ」
046 「見栄っ張りはよくないわよ、お父さん。ボケたならボケたでしっかりサポートしないと、大変よ」
047 「わしゃ、まだ、ボケとらん!!」
048 「早く入ろうよー」
049 「おぅおぅ、爺をせかすな、せかすな」
050 「チッ、これだからジジイは…」(ボソリ)
051 「おう?」
052 「おやぁ、よくきたねぇ。すぐる」
053 「孝だよ」
054 「あぁ、ごめんよぉ?のぼるだったねぇ。大きくなったねー」
055 「おばあちゃん、お年玉ちょーらい」
056 「ぁん?何だって?」(耳に手を添えて聞き返す)
057 「お年玉ー」
058 「あん?何だって?」
059 「婆さんはちょっと耳が悪くなってしまったようでな」
060 「ちっ、使えないババアめ…」(ボソリ)
061 「んだとっ、ガキが!!」(形相変わる)
062 『般若だ』
063 『般若だ』
064 『山んば!?』



【夕食時】(正月料理が並び、一斉に食べ始める)

065 「暮らし向きはどう?お母さん」
066 「ヒドイもんだよ。年金は貰えないわ、価格は上がるわ、不景気になるわ…お偉いさんはころころ変わってー」
067 「去年は酷かったですよね。僕なんかボーナスなしですよ…」
068 「今年はもっと不景気になるかもしれんの」
069 「あたしもパートはじめようかしら…」
070 「よせやい、四十幾つのおばさんなんか誰も雇わんって…」
071 「あら?あなた、そういう目であたしを見ていたの?」
072 「い、いや…」(気まずそうに)
073 「さーぁ、たーんとお食べ」
074 「おせちだー」
075 「お母さんの作るおせちってお店のより美味しいのよね」
076 「おんや、褒めたって何も出んよ」
077 「お年玉は孝だけじゃぞ」
078 「んもぅ、手放しで褒めたのに…」
079 「それだけ裏がありそうな顔してるんだよ…」
080 「あら、何か言ったかしら?」
081 「いえ、何でもありません…」(小さくなる)
082 「ふぐぅっ!?」(喉に餅を詰まらせる)
083 「お父さんっ!?」
084 「どうしたんじゃ?」
085 「うぐっ、うぐぐ…」(餅を指さす)
086 「孝?孝が何したんです?」(勘違い)
087 「ふぐわぁっ、ふぐ…」(首を振る)
088 「餅ね、餅が喉に引っ掛かったんだわ」
089 「すんげー、じーちゃん顔真っ青ー」
090 「ぐぷぷぷ…」(意識朦朧状態)
091 「早くしないと死んじゃうわよっ?」
092 「これで爺にかけた保険金ががっぽりと…」
093 「ちょ、腹黒ッ」
094 「孝ッ掃除機ッ!」
095 「うんっ!お年玉出すまで死なせないぜっ!」(掃除機構える)
096 「お父さん、生きてる?お父さん…」
097 「スイッチ…オンッ!!」
098 「もっと奥よ、もっと突っ込んで!!」
099 「ふごっふごごごごご…」
100 「お…息を吹き返したぞ」
101 「ギュイーーーン」
102 「もういいわよ、孝」
103 「ふぐわっふむ(死ぬ)ーーーー」
104 「スイッチ切って!」
105 「あ、うん」
106 「がふっ、死ぬかと思ったわい…」
107 「気をつけて下さいね、お父さん」
108 「誰がお父さんじゃ!!」
109 「えぇぇーー…」
110 「餅を食う時は注意せんとな」
111 「今更白々しい!?」
112 「さ、食べましょう」
113 「仕切り直しじゃな」
114 「ほんと気をつけて下さいな…」






作者のツブヤキ
 新年、明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。
劇場の方も長期休暇が入ってしまいまして申し訳ありませんでした。
さてさてこんな私ですが非常に具合が悪いわけです。熱まであったり…
皆さんも風邪には十分気をつけて下さいね。

年末で委員会で集まったところ、お爺ちゃんの生還劇の感動もののシナリオとの話がチラリと出まして…
敢えて書いてみましたところ、全然感動しないという結末に。
ゼリーも喉に詰まらせるご時世です。餅には十分お気をつけ下さいませ!!

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