麦の神様

麦の神様

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :1:1
総セリフ数 113
製作日 2008/12/2〜2008/12/3
概要説明  いつもと変わらない日常、麦畑で働く少女のもとに日常と違うことが起きた。
何もない辺境の村に現れた旅人。本人は行商とは言っていたが…
彼は一体何者なのか、ティアは旅に憧れを持ち、旅人ヴァルヌに話を聞きに部屋を訪問する。
その夜の出来事…彼に異変がおき、ティアは何かを悟る……
利用にあたって 利用規約
目安時間 11分程度   【〜20分】
登場キャラ セリフ数 性別 備考
パクス=ヴァルヌ 55 どこからか現れた旅人。記憶を失っている。獣に変化する
モンロー=ティア 58 麦藁、ダボダボ服の少女。明るく思いやりがあり、旅に憧れ抱く。






【麦畑の前の農道】(柵の上に少女が座り、馬車が通りかかる)

001 ティア 「コンニチワー旅人さん♪」
002 ヴァルヌ 「やぁ、こんにちは」
003 ティア 「村はこっから2キロ行ったところですよ♪」
004 ヴァルヌ 「2キロか…結構遠いな…。牧場のお仕事かい?」
005 ティア 「んーん、牧場じゃなくて麦畑ですよ」
006 ヴァルヌ 「お、こりゃ失敬。君しか見えなくて周りがよく見えてなかったよ」
007 ティア 「あはは♪旅人さんは行商ですかな?」
008 ヴァルヌ 「え?」
009 ティア 「こんな辺境の地、何のご用かなって。な〜んにもないですよ♪行商もあんまし通らないですから」
010 ヴァルヌ 「あぁ、まぁね各地を転々としていて、たまたま通りがかったのさ」
011 ティア 「で、で、何売っているのですか?んしょっと。旅人さん品物見せて下さいな♪」(御者台によじ登る)
012 ヴァルヌ 「そんな見せられるもんじゃないよ」
013 ティア 「私村の検問担当なんです。見せて頂かないと案内しないですよ?」
014 ヴァルヌ 「自分で探せばいいさ」
015 ティア 「いじわる言って……ぴぃーーーーユック!ラット!シヤッシュ!この旅人さん囲んで!」(指笛を吹き、猟犬を召喚)
016 ヴァルヌ 「犬ッ!?」
017 ティア 「荷物見せないと噛ませますよ」
018 ヴァルヌ 「分かった分かった…凄まないでくれ」
019 ティア 「…あれ?何を売られているのですか?」
020 ヴァルヌ 「形ある物はほとんど前の町で売ってしまってね…ほとんど自分の荷物だよ」
021 ティア 「…すみません、疑ってしまって。最近、傭兵や軍隊が暴れたり、盗賊や山賊などが横行していると風の噂で聞いていたので…」
022 ヴァルヌ 「仕方ないさ。旅人は疑われて当然だね」
023 ティア 「ユック、ラット、シヤッシュ。おいで、この人は悪い人じゃないの」
024 ヴァルヌ 「随分なついているようだね」
025 ティア 「俺は最初っから知ってた?ラット、嘘言わないの」
026 ヴァルヌ 「賢いんだな、というか犬の言葉が分かるのか?」
027 ティア 「えぇ、生まれたころから付き合っているとなんだかこの子たちの言いたいこと分かってきて…」
028 ヴァルヌ 「それはすごい。才能があるわけだ」
029 ティア 「…いやいや。本当に申し訳ありませんでした」(頭下げる)
030 ヴァルヌ 「もういいって。そんなに人に頭下げられると困ってしまう」
031 ティア 「…村はここから真っすぐ行き、細道を右に曲がって下さい。そうしたら見つかりますよ」
032 ヴァルヌ 「君も乗っていかないかい?どうせ村に戻るのだろう」
033 ティア 「いいんですか?」
034 ヴァルヌ 「荷馬車が空いているからどうぞ」
035 ティア 「本当ですか?ありがとうございます」
036 ヴァルヌ 「案内してもらわないと自信がないからね」
037 ティア 「はい、よろしくお願いします」



【田舎の村】(馬車が到着する)

038 ティア 「何もない村ですが、村の人たちはみんないい人ですよ」
039 ヴァルヌ 「村の特産とか何かはあるのかな」
040 ティア 「主に農作物で、他にも麦とかですね」
041 ヴァルヌ 「なるほど…麦を買いつけるのもありだな。あ、別に野宿でもいいけど宿屋とかあるかい?」
042 ティア 「あ、宿ですか?大したおもてなしができませんが私のところで泊まれますよ」
043 ヴァルヌ 「お世話になってもいいのかい?」
044 ティア 「はい。じゃぁ、お馬さんはここに繋いでおきますね」
045 ヴァルヌ 「あぁ」
046 ティア 「困ったことがあれば何でも言って下さいね」
047 ヴァルヌ 「ありがとう。麦はどこで買いつけられるんだい?」
048 ティア 「あ、それも私のところで…」
049 ヴァルヌ 「君はいくつ兼任しているのだか…」
050 ティア 「す、すみません」
051 ヴァルヌ 「別に責めているわけではないよ。ただ驚いただけだ」
052 ティア 「…あの、そのご迷惑だったら言って下さいね。もしよろしければ泊まられる今夜、遅くまでとは言いません。旅のお話を聞かせて頂けませんか?」
053 ヴァルヌ 「旅の話…?」
054 ティア 「外の世界には何があるのかを教えて欲しいのです」
055 ヴァルヌ 「…わかった。寝ないうちに来るといいよ」



【夜・宿泊部屋】(ヴァルヌの部屋にティアが寝間着姿で枕抱えてやってくる)

056 ティア 「こんばんわ、ティアです」
057 ヴァルヌ 「ティア?」
058 ティア 「お話を聞きにきました、旅人さん」
059 ヴァルヌ 「あぁ、娘さんか。どうぞ」
060 ティア 「失礼しますー」
061 ヴァルヌ 「えと…ほんとにあの娘さん?」
062 ティア 「はい?」
063 ヴァルヌ 「いや、あの麦藁帽子にダボダボの服着てた娘さんかなって」
064 ティア 「そうですよ?…あぁ、髪解いてるからですかね」
065 ヴァルヌ 「というか、何で枕持っているの?」
066 ティア 「あ、べ、別に寝るわけじゃないですよ?持っていないと落ち着かなくて…」
067 ヴァルヌ 「かわいいと思ってしまったのは不覚…」(小声で)
068 ティア 「えっと、ベッドに座らせて頂きますね。えーと、実はお互い名前知らなかったですね」
069 ヴァルヌ 「あぁ。誰だか全く分からなかったよ」
070 ティア 「ティアです。村では動物使いと呼ばれてます」
071 ヴァルヌ 「パクス=ヴァルヌ。ヴァルヌでいいよ。各地を旅している。たまに行商をしたりだな」
072 ティア 「どんなところ回られたのですか?どんなところがあるか全く分からないわけですが」(苦笑)
073 ヴァルヌ 「西から東を横断している。自分は北の出身らしいのだが」
074 ティア 「らしいのだが…って違うのですか?」
075 ヴァルヌ 「北から西の地に向かう途中、雷に打たれ記憶を失ったんだ」
076 ティア 「記憶を…」
077 ヴァルヌ 「騙すつもりはなかった。が、自分が行商かどうかすら分からない。行商だなんて言って悪かった」
078 ティア 「じゃぁ、自分の記憶を求めて旅をされているんですね」
079 ヴァルヌ 「恥ずかしながらそうなるね」
080 ティア 「わわっかっこいいですよ!ずっと独り旅ですか?」
081 ヴァルヌ 「だね。教会で治療を受け、それからはずっと一人で旅をしている。教会の者が言うには同伴者がいた形跡があるというのだが思い出せないんだ…」
082 ティア 「では、もしかするとその雷で打たれた時に別々に…」
083 ヴァルヌ 「そうなんだ。だから記憶と相方について探す旅をしている」
084 ティア 「…これ、食べませんか?」(枕の中から小袋を取り出す)
085 ヴァルヌ 「それは?」
086 ティア 「麦をチョコレートに浸し、コーティングしたチョコ麦です」
087 ヴァルヌ 「ほぅ、変わったお菓子だね。頂こう」
088 ティア 「独り旅で辛いことって何ですか?」
089 ヴァルヌ 「やっぱり話し相手がいないことだね…馬に話しかけたって返事は返ってこないし、『いい加減にしてくだせぇ、旦那。こっちはただでさえ歩き疲れているというのに話なんかかまってられるか』という目で見てくるからなー」
090 ティア 「なるほど」
091 ヴァルヌ 「俺は北の地で何をしていたのだろう…」
092 ティア 「旅の軌跡を記してみませんか?お手伝いしますよ」



【深夜】(数十枚の紙が束ねられている)

093 ヴァルヌ 「…西の地に行く途中で俺は」
094 ティア 「随分思い出してきたようですね♪」
095 ヴァルヌ 「ヴァルダマ神殿……」(頭を抱える)
096 ティア 「ヴァルヌさん、今日はもう休まれた方が…」(心配するように)
097 ヴァルヌ 「神殿で俺は…」
098 ティア 「ヴァルヌさん?」
099 ヴァルヌ 「ああああああああああああああっ!!」(ティアにつかみかかり押し倒す)
100 ティア 「きゃっ…ヴァルヌさん!?」
101 ヴァルヌ 「グルルルルルッ」(顔が獣に変貌していく)
102 ティア 「…ぇ…ヴァルヌさん…?顔が獣に…」
103 ヴァルヌ 「…ハッ、俺は…俺は何を…」(正気に戻る)
104 ティア 「ヴァルヌさ…ん…?」
105 ヴァルヌ 「今、俺は何をしてたんだ…」(散乱した紙を見て呟く)
106 ティア 「眠気に襲われて倒れてきたんですよ…」(慌ててごまかす)
107 ヴァルヌ 「…君が下に」
108 ティア 『わかっちゃった気がする…旅の途中で何かがあり、ヴァルヌさんの相方さんはきっと…』
109 ヴァルヌ 「すまない、寝ぼけてしまったのかもしれない。だけど、君を不快にさせて…」
110 ティア 「き、気にしてませんよ。ぜっんぜん不快になってません!ほら、あれですよ。私が夜遅くまでいるのが悪かったです!もうお休みになられて下さいね」枕抱えて立ち上がる
111 ヴァルヌ 「あ、君…」
112 ティア 「ティアです。明日の朝食用意しますから顔出して下さいね…では、おやすみなさい」(そそくさと出て行く)
113 ティア 「あの人がもし本当のことを知ってしまったら……ううん、大丈夫。きっと大丈夫。明日の朝食は麦パンにしよっと」(一人納得するように呟く)






作者のツブヤキ
 この話だけではタイトルは愚かストーリー自体がわけがわからなかったかもしれませんね^^;
物語というよりティアのイラストを書きたかったというのが本音です(笑)
FFのビ●君のような格好が頭の中にありまして…
で、ここのお話の位置付けはと言いますとプロローグのようなものかと思います。
気が向いたら…と言いますか続きが気になるという声が聞こえたら書きたいと思います。

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