法師様との旅路

法師様との旅路

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :2:1
総セリフ数 119
製作日 2008/11/29〜2008/11/30
概要説明  変態法師の下で育てられた烏天狗の飛天丸。
ついに我慢の限界を越えた法師は一人前(?)になった飛天丸を連れて、建前妖怪退治、本音ナンパの旅へと出掛ける。
脳内ピンクの法師に絶望する飛天丸。
さて、そんな二人の前に女に扮した女郎蜘蛛が現われて……
利用にあたって 利用規約
目安時間 10分程度   【〜10分】
登場キャラ セリフ数 性別 備考
法師
(ほうし)
57 一言でまとめると変態。見た目は賢者だが、中身は変態
飛天丸
(ひてんまる)
55 山に捨てられた烏天狗。まともな理性の持ち主。最初は法師を尊敬していた
女郎蜘蛛
(じょろうくも)
7 見事に人間の女に化けた妖怪。色気で男を釣ろうとする






【藁葺き屋根の家】(飛天丸爆睡中、法師側に近寄る)

001 法師 「起きなさい…かわいい弟子よ」
002 飛天丸 「団子たらふく……」
003 法師 「起きなさい、約束の時がきましたよ。百四十四の月を満ち欠けを得た時にあなたは旅立つ」
004 飛天丸 「たび…」
005 法師 「私は今まであなたに厳しい試練を与え、あなたは乗り越えて来ました」
006 飛天丸 「……」
007 法師 「私はこの日のためにあなたを『ムッチリ助平』に育ててきたつもりです」
ドゴォッ(法師の顔が飛天丸の拳で歪む=飛天丸に殴られる)



【囲炉裏の前】(向かい合って座る)

008 法師 「まったく…あなたという人は……この17年間、あなたは何を教わってきたのですか。師を殴るとはとんでもない」
009 飛天丸 「いや、『ムッチリ助平』って…」
010 法師 「あなたは雨ニモマケズ、風ニモマケズ…修行に耐えてきました。そして多くのことを学んできたはずです」
011 飛天丸 「確かに感謝してます。しかし先刻の発言の撤回を要求します。『ムッチリ助平』に育てられたなんて絶望だ」
012 法師 「あなたは究極の変態になるので…ぶぐぅーっ」(横面を飛天丸に蹴られ、2メートル飛ぶ)
013 飛天丸 「変態はどっちだ」
014 法師 「まったく…あなたという人は…私の教えの何を学んだのですか…師を蹴るとは…」(座り直す)
015 飛天丸 「法師様、鼻血出てますよ」
016 法師 「私がどれほど苦労して育ててきたのかわかりますか?」
017 飛天丸 「だから感謝してますってそれは」
018 法師 「16年前に松茸を探しに行った山で、捨てられていたあなたを見つけ、これは仏様のお導きとのことであなたを拾い、育てること決意したのです」
019 飛天丸 「親から捨てられたんだよな…」
020 法師 「これは美人に育つだろうと思い大きな期待をして育ててきましたが…」
021 飛天丸 「…ん、美人?」
022 法師 「成長して行くにつれ、あなたが男だということを知りました。そのことを知った時のガックシ感は言葉に表せません」
023 飛天丸 「女だと思って育てていたのかっ!?」
024 法師 「女であれば恩を着せて無理にめとることもできますし、生活に困れば貸し出しすればいいですから」
025 飛天丸 「あんた最低だ、人間として最低だ。本当に法師か?」
026 法師 「正直、あなたをここまで育ててきたことを後悔しましたが、あなたにかけた生活費を思うと全額返還してもらわねば気が済みません」
027 飛天丸 「金かよっ!?恩返しや孝行ではなく、金っ?」
028 法師 「世の中金です。仲間、友達、同僚、弟子…みんな消えちまえ!…です。金があれば女が買えます」
029 飛天丸 「ほんっと女しか頭にねぇ…この人」
030 法師 「オホン。さて、私はあなたが社会に出ても困らぬよう色々教えてきました。何を学んだか言ってみなさい」
031 飛天丸 「…一(ひとつ)、困った人がいたら助ける(女(おなご)のみ)」
032 法師 「その通り。異国ではそういうことを実行する者を『じぇんとるめん』と言います」
033 飛天丸 「一、人は大抵困っていると思へ(女のみ)」
034 法師 「おなごは悩みを隠します。そっと優しく声をかけるとむふふな展開に…」
035 飛天丸 「なんか、法師様が外道に見えてきた。一、妖怪退治は本業です」
036 法師 「私たちは妖怪退治で生計を立てています。それを失うと生活を失うことを心にとめておいてください」
037 飛天丸 「一、退治後の報酬はたんまり貰う。貰えない場合は村長をつるし上げる」
038 法師 「私は隣村で報酬として生け贄だった村娘を夫婦にするよう要求しましたが断られたので村長を木に吊るしてきました」
039 飛天丸 「鬼だろ…」
040 法師 「次は?」
041 飛天丸 「一、子孫を残すこと」
042 法師 「これは当然です。跡継ぎは残さないと」
043 飛天丸 「卑猥(ひわい)にしか聞こえない…」
044 法師 「あなたは比度(こたび)、私と旅し、各地の妖怪退治をしながら回ります」
045 飛天丸 「妖怪退治か…」
046 法師 「妖怪退治はおもいっきし建前です。地元住民が苦しもうが関係ありません。夫婦をさがすのが目的です」
047 飛天丸 「ぶっちゃけた!」
048 法師 「あなたは烏天狗です。物の怪としておなごをさらっても大丈夫なはずです。それをなさい」
049 飛天丸 「何を言い出すこの法師」
050 法師 「あなたがさらったおなごを私が吟味します」
051 飛天丸 「一度物の怪に食われてください法師様」
052 法師 「というわけで、夫婦を相手を見つけるまで旅から戻れません」
053 飛天丸 「既に法師様の意地?」
054 法師 「さて、出発しましょう」



【旅の道中】(人気のない道中を二人歩く)

055 飛天丸 「いつも通り妖怪は僕が見つければいいんだよな」
056 法師 「そうですね。女性に化けている妖怪を見つけて捕らえましょう」
057 飛天丸 「了解」
058 法師 「私はあなたにお札の使い方を教えましたよね」
059 飛天丸 「あぁ、紙切れに呪文書いて、念を込めて…」
060 法師 「そうですね、…オンッ!」(飛天丸に札を投げつける)
061 飛天丸 「ギャゥッ」(札より電流がほとばしり、倒れる)
062 法師 「あぁ、早くおなごに使いたい…」
063 飛天丸 「いつか絶対ブッコロス…」
064 法師 「すごい殺気を感じるんですが飛天くん…妖怪が近いのかな」
065 飛天丸 「気のせいだ…」
066 法師 「ならいい……お?飛天くん旅のおなごが…」
067 飛天丸 「あ、あれの正体、女郎蜘蛛ですよ」
068 法師 「え…?」
069 飛天丸 「ものの見事人間に化けてるが、心臓の位置が中心にある」
070 法師 「まったく…あなたという人は…師から何を教えられたか思い出しなさい…」
071 飛天丸 「美人、不美人の見分け方」
072 法師 「違うッ。師を騙してはいけないと教えたでしょう?」
073 飛天丸 「法師様を騙してなんの利益が出る」
074 法師 「…誠なんですか?」
075 飛天丸 「試しに小突いてみるか」
076 法師 「あ、お、おやめなさいっ!」
077 飛天丸 「え?だって、女妖怪だよ?」
078 法師 「想像してご覧なさい。美しいおなごからにょきにょきと手や足が沢山生えてくるんですよ?たまったもんじゃありません」
079 飛天丸 「いじめたいんじゃないの?」
080 法師 「人聞きの悪いことを言うもんじゃありません。まったく…あなたという人は…」
081 飛天丸 「あ、向こうが気付いたよ」
082 法師 「え゛…」
083 女郎蜘蛛 「これはこれは旅の法師さま。おなご一人で心細かったの…法師さまぁ、旅は道連れ夜(よる)は何とやら…ですよ」
084 法師 「それを言うならば夜(よる)ではなく、世(よ)ですよ」
085 女郎蜘蛛 「世でも夜でも…ご一緒しません?」
086 飛天丸 「変態法師…」(呟く)
087 法師 「おほん…あなたさまは…あー、悪しき物の怪…食われる気はない…」(胸元見ながらニヤニヤ)
088 女郎蜘蛛 「悪しき物の怪?殿方をそんな私たぶらかしてなんて…」
089 法師 「そうですね。あなたのようなお美しゅう方が物の怪なぞ」(デレデレ)
090 飛天丸 「一度苦しめ、変態法師!」(後頭部殴打)
091 法師 「へぶちっ!?…あなたという人は…何度言わせたらわかるのですか?」
092 飛天丸 「あんたバカデスカ?」
093 法師 「な、ちょ、うぉいっ何言っているのですか、あなた師に向かってそのような口を利くとは!」
094 飛天丸 「ったりまえだボケッ!あんたの色気ボケっぷりには呆れたわっ!」
095 法師 「おなごが好きで何が悪いのですかっ、人は皆、おなごと結ばれて歴史を紡いでいくのですよ」
096 飛天丸 「そんなに『おなごおなご』ほざくならそこの妖怪とでも交わってろ色気法師!」
097 女郎蜘蛛 「妖怪って…」
098 飛天丸 「黙れ女郎蜘蛛!」
099 法師 「口が悪いですよ飛天くん。あなたは師から何を学んだのですか?」
100 飛天丸 「あぁーもぅっ!師から師からっていい加減にしろ!腐れ法師!あんたからはふんどしの盗み方や温泉の覗き方、おなごの落とし方しか教えてもらってないわっ!」(激怒)
101 法師 「な、な、なんてことを…一般的道徳の項目が一つもない…」(愕然)
102 女郎蜘蛛 「人間として終わりを告げてるわね…」
103 飛天丸 「あとはふんどし頭につけただとか、隣村の女の水浴び覗いたの、村娘のふんどし盗ったなどとの自慢話ばかり。うんざりだ!脳内ピンクが!!」
104 法師 「の、脳内ピンク!?」
105 飛天丸 「そこの女郎蜘蛛でもめとってろ!」
106 女郎蜘蛛 「な、知ったな!生きて帰さん。食べてやる」(脇腹などからにょきにょき足や手が…)
107 飛天丸 「出ターーーーー!!」
108 法師 「あなたという人は…まったく、なんということを…」
109 飛天丸 「ほら、法師様。お札を!」
110 法師 「まったく…すぐそうあなたは人に頼る。悪い癖ですよ…?」
111 飛天丸 「いいから、食われるぞ、法師様。……あ、別に食われてもいいや」
112 法師 「ぬんっ!はぁっ」(札投げつける)
113 女郎蜘蛛 「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ」
114 法師 「色気もないっ。むしろ禍々しい」
115 飛天丸 「禍々しいのは法師様自身!」
116 法師 「やっぱり生身の人間に使いたいですね…」
117 飛天丸 「食われろ」(法師を羽交い締めにし、女郎蜘蛛の前へ)
118 法師 「飛天君、冗談が過ぎますよ。まったく、あなたという人……」(女郎蜘蛛に食われる)
119 飛天丸 「法師様、あなたのことは忘れない。変態法師♪」(爽やかに言う)






作者のツブヤキ
 何を書きたかったんだって?…変態法師ですよモチロン。
普段真面目に見えて脳内ピンク。素敵ですね。本当に法師なのかって言いたくなります。
というより出会いたくない人ナンバーワンですね。女だったら彼に見られた瞬間ストーカー対象ですからねwww
というわけで、罪あるものには罰を制裁を加えてみました。
さよなら…法師様。永遠に。
彼の旅は終わりを告げた――

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