湖下の村

湖下の村

◇声物語劇団より最新情報


シナリオ詳細
掲載元 声物語劇団 公式サイト
声物語劇団 オリジナルボイドラ劇場
作者 月宮東雲
登場キャラ数 :2:1
総セリフ数 82
製作日 2008/11/05〜2008/11/07
概要説明 田舎に住む少年に都会から来た少女。少年は見つけた秘密を自慢するが、そこは地元では禁じられた場所だった。
大人たちの目を盗んで少年は少女を連れ出し、秘密の場所へ向かう。
湖の底に見える神社の鳥居や家々。少年は竜宮城だと信じて疑わない。
しかし、少女が溺れかけ…そこは竜宮城なんて素晴らしいものじゃなかった…――
利用にあたって 利用規約
目安時間 6分程度   【〜10分】
登場キャラ セリフ数 性別 備考
藤原 拓巳
(ふじわら たくみ)
34 山の田舎に住むやんちゃボウズ。竜宮城を見つけたと大騒ぎ
木曽 はるか
(きそ はるか)
33 都会から引越してきた少女。拓巳と一緒についてまわり楽しんでいる。
15 拓巳のお爺さん。厳格な性格で頑固な面がある。



【昼間の湖付近】(地元民の男の子と都会から来た女の子)

001 はるか 「たっくん…怒られるよ…。それに危ないし…」
002 拓巳 「平気平気。慣れてるし」
003 はるか 「でもー」
004 拓巳 「あんなジジイのとこで、退屈だろ?見せたいもんあんだよ」
005 はるか 「だってここ『来ちゃだめだ』ってお爺ちゃんが…」
006 拓巳 「秘密を隠すためだよ…んんんっ!」(隠していたボートを押して湖に浮かべる)
007 はるか 「秘密?」
008 拓巳 「ま、乗って乗って」
009 はるか 「えと…どうやって乗れば…」
010 拓巳 「はるかボートも乗ったことないのかよ」
011 はるか 「こんな小さいの乗ったことないよ…海で見たことないし…」
012 拓巳 「へぇー、都会ってこんなもんもないのか。ま、いいや。ほら乗りな」(はるかを押す)
013 はるか 「きゃっ!?」(ボートに乗り揺れる)
014 拓巳 「ほら座っとけって。よっと…」(飛び乗りボートが大きく揺れる)
015 はるか 「や、や…たっくん揺らさないで!」
016 拓巳 「いよーし、出発進行ッ!」
017 はるか 「もうっ、怒られてもしらなーい」




【湖の真ん中】(拓巳がかなり頑張ってボート漕ぐ)

018 はるか 「大丈夫?代わろうか?」
019 拓巳 「だ、大丈夫。平気平気…ふんぬ…ふんぬ」
020 はるか 「大変そうだよー」
021 拓巳 「大変そうじゃなくて、大変なの!…女のおまえなんかに任せられるかよ…」
022 はるか 「はぁー?そういうの『じょせーさべつ』って言うんだよ?」
023 拓巳 「んなことはどーでもいいけどさ、下見てみ?」
024 はるか 「そんなことって…まさか浸水してきたんじゃ…」
025 拓巳 「ばーか、見るとこ、ちげーよ。こっちだ、こっち。水ん中見てみ」
026 はるか 「きれいな魚でもいるの?」(わくわくしたように)
027 拓巳 「今日は天気がいいからよく見えるだろうさ」
028 はるか 「え…水の中にお家が…」
029 拓巳 「すげーだろっ。竜宮城の町だぜ」
030 はるか 「ここに竜宮城があるの?」
031 拓巳 「間違いねーって!ほら、あの赤いの見えんだろ?」
032 はるか 「神社とかにある鳥居ってやつだよね?…きれいだな」
033 拓巳 「ジジイたちは竜宮城の場所を教えたくなかったんだよ」
034 はるか 「ほぁーーーー…」(水面に魅入る)
035 拓巳 「絶対お宝とかあるんだぜ。前、絵本で読んだもん」
036 はるか 「……」
037 拓巳 「おい、聞いてんのか?そんなに縁に行ったら…」
ボション…(はるか落ちる)
038 拓巳 「あー、何やってんだよ!」
039 はるか 「た、助けてっ溺れるっ!」
040 拓巳 「自分から入っときながら…」
041 はるか 「助けて、たっくん!」
042 拓巳 「あ、あばれんな!はるか!落ち着け」(慌て始める)
043 はるか 「おぼっ…れる…」
044 拓巳 「はるかーっ――…」




【藤原家】(はるかの寝ている布団の隣に座り、はるかを見下ろす拓巳)

045 拓巳 「ったく、あんな縁に行ったら、落ちんの当たり前だろって…バカかよ」
046 「バカはおまえじゃい!あれほど『近付くな』と言っておった湖に近寄りよって!」
047 拓巳 「だって、はるかにあれを見せてあげたかっただもん」
048 「見せたい気持ちはよーく分かるが、危うく大惨事になるところじゃったろうがっ」
049 拓巳 「だって、あいつが急に飛び込むからよ…」
050 「だっても、くそもあるかいなっ!」
051 はるか 「ん……たっ…くん?」
052 拓巳 「お?起きたか?」
053 はるか 「助かったんだ…私…」
054 「よぉ無事に帰ってきなさった…」
055 はるか 「水の中を見ていたら、急に吸い込まれるような感じがして…気が付いたら溺れていたの」
056 拓巳 「自分から飛びこんだんだぜ」
057 はるか 「その後は足を引っ張られて…怖かった…」
058 「よぉ、帰ってきた。拓巳が言っておったが、あそこは竜宮城でもなんでもない」
059 拓巳 「だって、あの赤い柱がデーンって立ってんじゃんかよ、ジジイ」
060 「まぁ、村は沈んでおるな」
061 拓巳 「イデデデデ、耳、耳ひっぱんな」
062 「あそこは昔、そこそこ人の住む村だったのじゃが、ある時、国がダムの計画を持ちかけてきてな」
063 はるか 「それであそこが、ダムになったんですね」
064 「いいや。見ての通りあそこは湖じゃ。あそこの住人は反対したんじゃ。自分たちの暮らしが奪われるから嫌だとな」
065 拓巳 「都会に出てけばいいのに」
066 「そんな簡単なもんじゃないっ!長年過ごしたこの地を離れることがどれほど辛いことか、おまいには分かるまい」
067 はるか 「あれ?ダムって二つほど近くにありますよね?」
068 「三大ダムを作りたかったらしいな。住民が反対する中、工事を進め、塀まで完成させた。しかし、その後住民との抗争が激化して工事が進まなくなった」
069 はるか 「国はそれで諦めたんですか」
070 「国はとんでもないことしおった。ある日の夜中、上流のダムを決壊させよった」
071 拓巳 「決壊?」
072 「一夜で村は住民もろとも沈んだんじゃ」
073 はるか 「ひどい…」
074 「財政が厳しくなったとしてダムの建設は凍結、今は湖となったのじゃ。しかしあそこには住民達の怨霊がおって、近くにいる者を引きずり込もうとするんじゃ」
075 拓巳 「うへ…なら隠さず言ってくれよ、じーちゃん」
076 「おまいなら『お化け退治』などほざいて、行きそうだったからの」
077 はるか 「とんでもないところに私は…」
078 「まぁ無事じゃったんじゃ、それだけでよしとせねば」
079 拓巳 「こ、今度からぜ、ぜってー行かない」
080 はるか 「でもきれいだったな…」
081 拓巳 「一番懲りてないの、はるかかよ…」
082 はるか 「また今度いこっ♪」






作者のツブヤキ
 完成して改めて思ったことは、名(タイトル)負けしているね。
かれこれ数年前になりますが、たまたま行った場所にダムがあり、貯水池の水面下に家の屋根が見えたんですよ。
あれには驚いて、話を聞くと、政府が地元住民を説得させて追い出し、そのまま村ごと沈めたとの話。
あれを聞いた時は驚きましたね。

お偉いさんには地元住民の気持ちなんざわからんよ。とのことを訴えた作品にしました。
たぶん少し物足りないと感じたのではないでしょうか?
私自身が物足りなさを感じるほどですw
地元住民の話をもっと掘り下げて話を構成したほうが良かったのかもしれない。そう思える一作品です。

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